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美術少女と異世界に住まう魔王の旋律  作者: Spell
Episode 05 現世界が侵攻
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第64話 〜逃避〜 最期の闘い

「私はあなたの過去にはならない...

私を理解してくれないのであれば

あなたが私の過去になるべきです」


「過去か...貴様と俺とどんな過去があっても

それは過去でしかない、俺は前を向いて戦う」


水陽は全ての力を解き放つ。

静かに開放させ、力の全てで魔王達を殺そうとしている。


MKK最大の魔力指数、すなわち

魔法力、カンストに等しい値に達した。


全ての泡魔力を一体化させ

魔王へ浴びせかかる。


「花奏!帝魔王様!魔法を...!」


「ああ、言わなくても使うさ、俺の最強魔力を...!」


「毒には毒を持って...ってことですね!」


帝魔王の腕には

全ての魔力を解き放つとばかりに

腕からは刻印の光が放たれた。


花奏は、身体強化の呪文を詠唱し

己と帝魔王、そして魔王に使う。


「俺は俺のやり方で、MKKの力を使わせてもらうぞ!」


魔王は水陽の最高火力技に対する

力を開放させた。


まるで起死回生の技のようだ。

魔王と帝魔王の腕が共鳴している。

魔王には帝魔王と同じ刻印が共鳴していた。


「お父さん...もしかして...」


「そう...俺も隠していたんだが...MKKなんだ」


「っ!?」


「どうして...!私は最高の力を持っているはずなのに...!」


「水陽、確かにお前は強い!

だが俺だっていつまでも弱いままじゃないんだ!

そして...俺やみんなにだって

望んだ未来がある...!

そして、お前は沙羅の大切な親友を殺した...!

だから仇を討たせてもらう!!!」


しかし、水陽は己の力を止めようとはしない。

光を放つ泡が混沌と渦めく中、

水陽と魔王達の嵐が生まれた。


「くらえええええええええええええええ!!!!」


「スカイ・エンド・ハート!!!!!」


雷と光が混合し、雷神の如く

圧倒的な風力と雷が閃光し

水陽の泡を打ち砕く。


「...馬鹿な!!!」


やがて、水陽の泡は崩壊し、

水陽に命中した。


水陽は思いっきり倒れ

術式に纏われた衣は崩壊。

魔力は全て使い果たし、満身創痍となった。


いままで圧倒的な力で支配してきた水陽だが

沙羅にしてきたことを

痛み、怒り、悲しみを力に変えて

水陽を倒す力に変えた。


「はあ...はあ...」


魔王と帝魔王は全ての力を使い果たし

倒れてしまう。


「魔王さん!」「お父さん!」



「...やっと、倒せたんだな...仇を取れた...」


力を全て使った代償で

帝魔王と魔王の魔力は尽きようとしていた。


「よかった...これで沙羅の痛みを晴らせられる...」


「魔王さんっ...!!」


「花奏、俺は疲れた...少し休ませてもらうぞ」


魔王は全ての魔力を使い

眠ってしまった。

だが、死んでいるわけてはない。

休めば治る。


花奏は安堵した睡眠をした魔王と帝魔王を見てほっとした。


そして、花奏は...

水陽に対し、刀を向ける。


「あなたの魔王さんへの愛は

わからないわけではありません

でも、あなたは...全て傷つけて大切なものを

奪ったんです、だから、私がトドメを刺します」


「はあ...はあ...いいでしょう...

でも...私を殺しても、また別のMKKが誕生し...

悪用し...また同じ過ちが生まれるだけ...」


「花奏さん、あなたも気づくでしょう...

この世界の真の陰謀を...」


「...あはははははははははははははははは!!!!!」



水陽の体は完全に消滅した。


「おわった...」


長い闘いがついに終わりを迎えたんだ。


組織は全て鎮圧し

現世界と異世界の両方に平和が訪れた。





ーーーーーー...一時的の気休めが...





未奈の遺体が現世界に運ばれた。

ニュースでは、異世界との闘いによる

死亡、ということでまとめられた。


今回の戦いで、異世界の歴史を思い返す者が

現れ、今後は日本という国が

平和の象徴となることがなくなるだろう。


一部、平和に満ちた国で

戦う気力がなく、もう安全でないと悟り

海外へ亡命する者も現れ

国を統治する者は、避難施設の設計や

異世界の使者に対する化学兵器を用いることとなった。


場合によっては核を使ってでも

異世界の使者を潰す気でいる。


脳内が平和ボケしている町人は

想像外の出来事に

何もできない。


戦うことを決めた者もいるが

これが長く続くかわからない。


異世界と現世界は今回の出来事で

実質的な統合を果たしたのだろう。

今まで拒否していた事なのに

水陽の謀りによって

全てが狂った。


そして、別のMKKが生まれ

また争いが起こる。


本質的に、ヒトは愚かなものなのだ。

力を自分勝手に使い

悪用し、支配する。

そんな輩がMKKには多く存在する。


だが、魔王、帝魔王、浅海...そしてかつての沙羅の親友...


彼らのように悪を払いのけるような

MKKもいる。

力は使い方によって、殺すことも守ることもできる。


毒には毒を制す。

それが、魔王にとって沙羅を守る力になるのだから。



未奈の葬式には沙羅はいなかった。

沙羅の母親は沙羅がショックで葬式にすら行く気力がない、と話していた。


魔王達は

未奈の葬儀で涙を流し、

クラスメイトの人たちも

未奈の亡骸を見て涙した。


未奈の両親の泣き叫ぶ声が

葬儀に響き、やがて火に...


「...未奈さん...あなたの思いは忘れないから...」


「ああ...俺たちだって...」



未奈の父親が未奈を火葬する直前に

係員に手を出した。


「...未奈になにするんだ!!!!」


運ぶ手を止めて

火葬を止めようとする。


「まだ娘は生きているんだ!!!!

ちょっと眠ってるだけなんだ...!!!!!」


怒号が部屋に響きわたる。


「...あんた...!!!もう未奈は死んじゃったのよ!!!!!」


未奈の母親が未奈の父親に止めにかかる。

そして、死んだ、という事実を

心にナイフを抉るような感覚で

支配する。


「うそだ...未奈は...未奈は...!!!!!」


「うわああああああああああああああ!!!!!!」


両親の泣き叫ぶ声。

怒り、憤り。

この異世界というものに対する憎しみ。

それらが全て、魔王達の心に突きつけられた。


仇を打っても、死んだ者は帰ってこない。

彼女の両親は、娘の死を悔やむことしかできない。


もっと、相手をすればよかった。

もっと、一緒にいたかった。

未奈の代わりに自分が死ねばよかった。

そんな自責の念が異世界への憎みへ変わる。


それは彼女の両親だけではない。


他の者も同じだ。


やがて、現世界は異世界を滅ぼすようになるだろう。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「...人間って醜いな」


沙羅は部屋に篭って呟く。


「魔王は裏切って、私の親友は死んだ...

お母さんやお姉ちゃん、お父さんだって

私がいなくても生きていけるよね...」


「...ふふふ、もうこんな世界なんてなくなればいいのに...」



続く...

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