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美術少女と異世界に住まう魔王の旋律  作者: Spell
Episode 01 美術少女と厨二病魔王のハイパースーパーな1ヶ月!
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第3話 厨二病の痛い男子との邂逅。 前編

数学テストの追試は、数Ⅰの非常にわかりやすい参考書を買って、努力でごり押ししたらなんとかギリギリでクリアできた。

これで完全に嵐は過ぎ去った。

私たちの学校生活は平穏を取り戻しつつあった。


ーーちなみに、その努力方法は、一夜漬けである。

家族の心配をよそに、必死に参考書でテスト範囲を調べて覚えた結果である。

一日で覚えられるのもある意味天才かもしれない。

美術以外にも才能があるかもしれない。


今日、私は夜眠れず、木漏れの月を見ていた。

綺麗に光る三日月だった。

私の心を魅了させる罠に私は見事にひっかかった。

罠、これは比叡表現の一つだから気にしないで。


「お前も月が好きなのか?」


どこからともなく声が聞こえる。

黒く闇のように低い声だった。

刹那、その声の正体がわかった。

黒いコートを着て、闇の如く輝く杖を持ち。

私の方向へ近づいてくる。

やばい、なにかされる。


「は......はい」


私は怯えながら声を出した。


「ふ......奇遇だな、私も月が好きだ。 月は世の生き様を表しているような姿をしているだろう」


「そうですね......」


(なにこの人厨二病?)

私は心の中で、引くっていう感情を覚えた。


ーー痛い、痛すぎる。


「ねぇ、貴方の持ってるその杖ってなんなの?」


私は、闇のように禍々しい杖に指をさした。


「これは漆黒の闇のエンチャントで具現化されたダークマターウィザードだ」


ネーミングがかっこいい。

でも痛いなこの人。


「偶然の出会い、邂逅。 素晴らしい、お前のような娘出会えるとはな」


気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い。

でも、人から好かれるのは嫌いじゃない。


「そ......そうですね、私も嬉しいです」


嬉しいっていうのはフェイクだよ。

本当は引きまくり。


「さあ、夜明けの時間だ。 お前もそろそろ準備したほうがいいんじゃないのか、深淵なる楽園へ導かれる準備をするがいい」


翻訳すると、もうすぐ朝だから学校行く準備をしろってことだろう。

私はスマホを見て、時刻を見た。

4時。

そろそろ夜明けだ。

もう夜明けの時が近づいている。

5月の朝は早い。


「う......うん、じゃあね」


私は痛い中二病から逃げるように家に戻った。


私は朝食をとって、学校の準備を行った。

今日はさわやかな朝だった。

風が心に染みる。


(夜中の厨二病くんはなんだっただろう)


登校中はずっとそのことで頭がいっぱいだった。

考えていたらあっという間に学校についてしまった。


朝のHR、先生は笑顔で私たちに情報を教えてくれた。

情報社会である今、こういう知識を得なければ

生きていけないのだ。


「今日は転校生を紹介します!」


ーーしかし、時には知らない方がいい知識も

あることを沙羅は知らない。


転校生? まじか、転校生か。

この学校の生徒数が一人増えるのか!

ワクワクが止まらない。

転校生とか、アニメや漫画でしかない展開だと思ってたのに。

ここはアニメや漫画の世界じゃないから

びっくりした。


「誰だろうね、楽しみだね! 沙邏ちゃん」


「うん、とっても楽しみだね」


ワクワク、ドキドキ。


ドアが開いた。

そして、転校生は先生に招かれながら黒板に自分の名前を書き始めた。


「え......嘘、マジで?」


私は、驚きを隠せなかった。

目がビックリしている。

黒......漆黒......貴方は、もしかして......


「黒木 魔王だ、よろしく頼む」


黒く冷たい声で痛々しく喋っていた。


ーー厨二病魔導師が降臨した。 これの出会いは邂逅か、それとも運命か......

意味がわからないけど痛々しい子だな。

中編へ続く。

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