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美術少女と異世界に住まう魔王の旋律  作者: Spell
Episode 03 好きになってしまったその日から...
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第34話 七色の薔薇道 〜Blue rose jealousy battle road〜

橋川と杉浦は、校舎裏まで行き、話をすることにした。

ここなら取り乱してもバレないから。

まあ、教室で少し暴れてたから

指導か停学の可能性があることには変わりないが。


「なぜ、橋川はそんなに怒る」


「ああ? 決まってんだろ、俺が美音を好きだからだよ」


「ーーーー!?」


「もう一度言ってみろ」


「聞こえなかったか、美音が好きだからだ」


橋川は杉浦を睨みながら言う。


杉浦は今までにないほど怒りを感じていた。

拳から顔まで、血管が見えるほど、怒りを感じているようだ。


「お前、いつも美音にちょっかいかけていたのか」


「だったらどうする」


「嫌がってるだろ、好きだったらそんなことをするべきではない、いや、するな」


「お前にそんなことをお願いされる筋合いはない、余計なお世話だ、美音は俺のものだ」


「僕はお願いしてるんじゃなくて命令してる、いいからやめろ、お前なんかに美音は無理だ」


橋川は堂々と言った。

普段優しく温厚な性格だが、美音のことになると人格が変わる。

それほど美音が大切だからだ。

好きかどうかはわからないが、美音に好意を持っていることに変わりはない。

だから、普段から暴れている橋川に美音を渡せなかったのだ。

いや、渡すべきではないと思ったからだ。


「ああ?」


橋川は壁を足で蹴っ飛ばした。

壁に傷は入っていないが、怒りは止まらない。

逆ギレと言う名の怒りだ。


杉浦も、美音を守るためにもう一度同じことを言う。


「もう一度言う、お前は美音が好きかもしれないが、美音はお前を嫌がっている、だから諦めろ」


「まだ言うかーーーーーーー!!!!!」


橋川は拳に力を込め、杉浦を殴りかかった。

杉浦は身体をひゅるっと避け、指を指す。


「この拳は脅しか?」


「ああ?」


「この拳は脅しの道具なのかって聞いてるんだよ」


杉浦は足で橋川を身体を蹴り飛ばした。

橋川は無様に倒れた。

地面の砂が橋川を汚す。

橋川はすぐさま立ち上がり、砂を払った。


「...上等じゃねえか、お前に力こそが全てだと言うことを見せてやる」


すると、橋川は身体にオーラが湧き出た。

赤色のオーラだ。

そのオーラは自己の力を10倍にも増やす効果がある。

そして、そのオーラが完全になった。

橋川は、杉浦を1秒間で5発殴った。

まるでピストルのような

速さで橋川は倒れてしまった。


「おっと...この世界でアレを使ってしまった...

まあいいか」


橋川は倒れた杉浦を見て、嘲笑った。

無様だ。

お前は俺に勝てない。

そんなに美音を守りたければ力を見せろ。

美音を手に入れたければ強くなって見せろ。

笑いながら煽り、去っていった。


「...くっ...」


橋川は一人取り残され、虚しさと悔しさと怒りが一気に込み上げてきた。


(僕じゃ...伊吹さん...美音ちゃんを...守れないのか...!!)


「杉浦くーん!」


未奈の声だ。

どうやら、橋川と杉浦の後をつけてきたらしい。


「...未奈...さん...」


未奈は、杉浦の姿を見て、ショックを受けた。

体がボロボロになっていた。

血も出ていた。

5発の殴りでここまでの威力。

未奈はすぐさまハンカチを杉浦に当てた。


「...杉浦くん...大丈夫...? 何か...あったの...?」


「...僕...見ちゃったんだよ...橋川のこと...」


杉浦の顔には血と涙が混ざりあっていた。

悔しさが涙にすらなった。


「橋川くんが...なにかあったの...?」


「あいつ...あいつはね...実は...!」


杉浦は未奈に真実を言うことができなかった。

言うのがあまりにも辛かったから。


「...もう喋っちゃダメだよ...ちょっと待ってて、水で冷やさなきゃ」


未奈は誰にも見つからないようにハンカチを水道水で濡らし、顔に当てた。


「ごめんな...」


「ううん...私の方こそ、こんなになるまで見つけることができなくて、ごめんね...」


未奈は、ボロボロになっていた杉浦を見つめ、悲しくなっていた。

お互い優しい性格。

誰かが傷つくのを見たり、

守れなかったりして、泣き合うことができる。


「僕...強くなるからさ...美音ちゃんを守るために...もっともっと強くなるから...」


「うん...私も橋川くんのために頑張る...

だから、お互いこれからも一緒にがんばろ...ね」


「......そうだね」


杉浦は、心から素直にに返事はできなかった。

未奈にとっては過酷な事実を知ってしまったのだから。

杉浦と未奈はしばらくの間裏庭で佇んでいた。

何も語ることがない杉浦を見て、未奈は、かける言葉が見つからなかった。

ここまで気が沈んでいる杉浦を見るのが辛かったのだ。



橋川は、1発蹴られたことに怒りをあらわにしていた。


(くっそ...あの野郎...どの面して美音を好きになったんだ...)


(美音にふさわしいのはこの俺だ...力こそが全て...洗脳をしてでも、下品なことで笑わせようとするオーラで演技をしてでも...絶対に手に入れる)


橋川は顔を洗い直し、服を整え、クラスへ入る。

そして、またあのオーラを呼び起こす。


「ただいま〜♫ う○こ〜から復活したよ〜ん」


クラスは、さっきの乱闘がなかったように笑った。

忘れ去られているようだった。

だが、美音の顔は暗いままだった。


「どうしたのよ〜美音ちゃ〜ん、脇が臭うのかい〜?」


「...」


「なんかいってよ〜」


「...さっきさ、どうして杉浦くんと争ったの?」


「え〜なんのこと〜」


「...もういいよ」


「...!!」


(どうして...俺のオーラが...効かないんだっ...!!

一番効いて欲しいお前に...なんで...!!

やっぱりあいつか...あいつじゃなきゃダメなのか...!?)



美音は今日あったことについて杉浦にメールした。

杉浦が心配だったから、橋川となにがあったのか聞くことにした。

友達って言ってくれて嬉しかった。って事。

どうして喧嘩なんか起こしたのか。って事。

話をした。

杉浦はストレートに美音を守りたかったから。

とは言わずに、橋川が美音にちょっかいをかけて嫌がっているのを見ていられなかったから。

っていう理由でメールを返した。

美音は、「ありがとう、でも争いはもうしないで」

ってお願いをした。

杉浦は素直に「わかった」って言えなかった。

だから「何かあった時には言ってね」ってごまかした。


(もう負けたくないから...!!)


杉浦は強くなることを決意した。

体重も減らし、体力をもっと鍛えて、そして橋川から美音を守る。

そのためにはどんなことを犠牲にしても構わない。


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〜Purple rose not love road〜

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