第22話 I don’t know fantasy 文明の共存編
「お前の妻、つまり浅海...彼女を救いたいか?」
「...どういうことだ、クリアチム...」
クリアチム...かつて帝魔王の友人だった男。
今はブキダーズを憎み、そして敵襲を仕掛けてしまった。
「ふん...摩人...俺はな...浅海を拉致してるんだよ」
「⁉︎」
帝魔王は銃口をクリアチムに向けた。
そして、魔法陣で自己の攻撃力を上げる。
「約束はなんだ」
「聞きたいか、ならばその銃を下ろせ」
帝魔王は銃を下ろし、魔法陣も解除した。
そして、帝魔王はクリアチムを睨みながら話を聞く。
「3年前、俺はお前の妻を拉致した、その目的は、魔法の拡張...つまり、魔法を現世界にも使えるようにすることだ」
「何故?」
「それは、現世界とナイトメアを元の状態に戻すためだ」
世界はかつて一つだった。
だが、二つになった。
クリアチムはそれを戻そうとしているのだ。
「なんのために...?」
「魔法は共存するべきものだと俺は思うからだ、現世界は科学に溺れ、心は狭くなる、表向きは平和そうだが、争いは続いている」
「しかし、それはお前の考えだろ、クリアチム、争いはナイトメアでも続いている、そしてお前も言ってることとやっていることが矛盾している」
戦争はを起こしているのはクリアチム。
「ふん、それならば、その戦争は止めることにするさ...」
あっさりと戦争を止めることにしたクリアチム。
帝魔王は唖然としていた。
こんなにあっけなく事が進んでしまったことに...
「攻撃を停止しろ、今から我々アウランジ帝国は、アウランジ国に帰還せよ」
ピッ。
「さて、争いはやめた、これで平等に話が進む」
「戦争をやめてくれたことには感謝する、ありがとうクリアチム」
睨みが消えた。
帝魔王は、普通の表情で話を進める。
「...共存...5年前もお前は同じことを言ってたな」
「ああ、あの時、俺は計画を立てて、無事に成功する予定だったんだ、魔法と科学の合成により、全ての文明を発達させたかった...だが、お前に邪魔された...
いや、お前達国民に邪魔をされた」
5年前に帝魔王とクリアチムは争いを起こした。
もっとも、それは戦争とは程遠いもの。
国の抗議。
帝魔王を主に、ブニダーズの人々が、共存を拒み、争いを起こした。
そこに武器はなかったが、計画を壊すほどに、争いを生んでしまった。
犠牲者はもちろん0。
ブニダーズは争いを拒む国。
そして、戦争を起こさない。
だが、その争いで矛盾に気がついたクリアチムは、計画を邪魔されたことと、矛盾に怒り、拉致を図ったのだ。
「だから俺はその恨みをお前の妻、浅海を拉致してクリスタルに封じ込めた」
浅海は生きている。
だが、クリスタルに閉じ込めている。
意思はクリスタルを通すことになる。
魂とクリスタルと身体を融合させ、話をする際は魂の声を聞くことになる。
「...共存させたら争いが生まれるから止めたんだ、ナイトメアと現世界で再び同じ過ちを犯してはいけない...」
「そんなのわかってる、浅海は今、クリスタルに眠る、話を戻すが...取引をしよう」
「ああ」
「麻美を助けたいのだろ? ならば、魔王、花奏...そして...」
クリアチムは瞳を閉じ、眉を寄せる。
「沙羅...?」
沙羅、禁断魔法の使い。
ほとんど存在しないという特別な存在だ。
「ああ、その3人を連れて、クリスタルホールに来い、場所はこの部屋の本棚の奥...俺は待ってる...
沙羅、彼女は現世界の代行者...
つまり、あの世界では神にもなりうる存在、だから必ず連れてこい」
すると、クリアチムは本棚をどかし、クリスタルホールへと入った。
そして、本棚は再び元の位置に戻った。
「...連れて行く...そうすれば、助かるんだな」
帝魔王は部屋を出た。
「話は終わりましたか?」
「ああ...だがまた後で来る」
「そうですか、またお待ちしています」
兵士はお辞儀をした。
帝魔王は手を軽く振った。
帝魔王は城の外に出て、黒い羽を生やし、それに羽ばたく準備をする。
そして、アウランジの中心核...すなわち
クリアチム城を出た。
「もうすこしで...会えるんだな...浅海...」
家族のソウルクリスタル編に続く...




