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美術少女と異世界に住まう魔王の旋律  作者: Spell
Episode 01 美術少女と厨二病魔王のハイパースーパーな1ヶ月!
19/69

第18話 ハイパー!スーパー!!体育祭の力!! 第十四回トウサ高等学校体育祭 後編

飛ぶタイミングは決まっている。

縄が地面に着き、音が鳴った瞬間にジャンプ。

そして、回る縄は大体2~3秒周期。

なので、私は、秒数のタイミングと音の精度を上げる練習を重ねていた。

その成果をこの本番で発揮する。


ーー緊迫した体育祭。

ついに決着がつく。

沙羅はとても緊張しているが、勝つために意識を集中させた。


まず一回目のジャンプは赤と白。

両チーム成功した。

ひとまず合格。

あとはひたすら集中。

私は縄跳びを音ゲーで例えてみた。

縄跳びは譜面。

BPMは150くらい。

難易度はノーマル程度。

それをフルコンボすればいいだけ。

私はリズムゲームが得意なので、ハードまでクリアできる。

それと比べれば楽勝。


二回目も成功。

両チームとも今のところは引き分け。

それから連続で両チームとも成功した。

現在十五回目。

1分を切ったところだ。

残り50秒程度。


視点変更!!


「沙羅のチームいけるんじゃない?」

姉は沙羅のチームがいい感じになっているので、期待していた。

母も同じく。

いままで運動音痴だった沙羅がここまで進展したのだから期待しているのだろう。

「沙羅ーーー!!がんばれーー!!」

姉は期待の気持ちが有頂天だ。


視点変更!!!


時間切れ。

結果は…

「赤が24点!!」

そして、白は…

「白が……26点!!!」

勝った。

勝ったああああああああああああ!!!!!!

私は喜びに満ちていた。

最高の気分だ。


帝魔王様や花奏ちゃんもお母さんもお姉ちゃんも喜んでいるかな!?

いままで嫌だった体育祭がここまで楽しいものだったなんて。

中学の頃では想像できなかっただろう。


その後、私はいろいろな人に祝福された。

魔王は少し悔しそうな顔をしていたが、それでも私の勝ちを祝ってくれた。

家に帰ってからもお祝いムード。

最高だ。

「おめでとう!!沙羅!!!!」

「ありがとう!!!!」

そんな会話がすごくうれしい。

ああ、努力っていいな。


私は今日の夜、喜びの余韻に浸りながら、ゲームを遊んでいた。

ニコニコしながらレベル上げを重ねた。



視点変更。



「勝ててよかったよ~」

帝魔王と魔王と花奏は体育祭で撮影していたビデオを見ていた。

「ほんとにね~」

「私は少し悔しいですが…でも勝てて良かったです」

コーヒーを一口飲んでビデオを見て、幸せ。

魔王は美味しいと悔しいとうれしいが混ざっていた。


「ところで帝魔王様」

しばらくして話題を変えようと思った魔王は帝魔王にこんなことをつぶやいた。

「なんだ?」

「ブニターズは戦争のない国…なんですよね?」

魔王は、このブニターズという国だけ戦争がないことで安心感を持っている。

だが、このナイトメアという世界は9割が戦争だらけ。

なので、いずれブニターズも戦争をしてしまうのではないかと不安に思っていた。

「ああ…俺は戦争は起こさない、たとえ帝魔王だとしても、俺は争いが無意味だってことを知っている」

「お父さん…」

花奏も少し心配していた。

父親が感情を変えて戦争を起こしてしまうのではないかと。

「俺は…お父さんは…浅海を救いたい…だが、戦争をして救うことはできない」

「浅海…お母さんは…」

浅海、それは花奏の母親であり、帝魔王の妻。

今は失踪してしまい、4年も姿を現していない。

「俺は、浅海を探すために武力を行使することはしない…絶対にどこかで生きてるはずなんだ…」

「…帝魔王様、この私でよければ、なんでも言ってください、私は帝魔王様の従順な部下、そして、信頼している上司です」

帝魔王は、深刻な顔で魔王を見る。

でも帝魔王はにっこりと笑った。

「ありがとう、そしてこれからも…よろしく」

「…はい」


ブニダーズは今日も平和だ。

この平和は今年で75年目。

でも、いつこの国に敵が襲ってくるかわからない。

だから帝魔王も深刻な気持ちでいた。



視点変更



次の日、私は宿題をさっさと済ませてゲームを楽しんだ。

いままでだったら宿題なんて放置だったけど

今回のことで努力をすることがこんなに大切なんだってことがわかり、私は努力をすることを決めた。

私は、勉強ができない。

だけどそれは何もしていないから。

どんな事も頑張ればそれなりに良い方向になるはずなんだ。

美術だって努力したから良い成績をとることができたんだ。


ーー考え方が変わり、心が成長することができた沙羅。

いままで楽しくなかった体育祭も考え方を変えればここまで良いものになった。

気持ちは前向きにいること。

それが大切なんだってこと。


「体育祭の時あの子に会えなかったし…あってみるかな」

私は、魔王が唱えていた術式を思い出そうとしてみた。

しかし、あまりにも術式が長くややこしかったし、唱える魔法も長かったので、忘れてしまった。

「でも、魔王に会えば…明日は振替休日だし…明後日に話しかけてみるか…」


2日後、私はいつも通り学校に着いた。

「おはよ~沙羅ちゃん!」

「おはよ~未奈ちゃん!!この前は楽しかったね!」

「そうだね、私のチームは負けちゃったけどね…でも沙羅ちゃんすごかったよ!」

「えへへありがとう!」

未奈ちゃんに褒められて朝から調子いい。

私はこのうれしさを反芻しながら

努力の大切さを覚えようと思う。


昼休み、私は魔王に話しかける。

どうやら魔王はやきそばパンを食べてるようだ。

売店で売られてるものかしら?

「ねえ魔王、ちょっといい?」

「ん?どうした?」

そういえば自分から魔王に頼み事をするのって初めてかもしれない。

「私を…また異世界…たしかナイトメアだったかな?あそこに連れてってほしいのよ」

「どんな理由で?」

「体育祭の事で花奏ちゃんに話がしたいから」

「ああ、いいぜ」

「ありがとう!」

約束は成立した。


私と魔王は放課後、異世界、ナイトメアに転移する術式を魔王が唱えた。

花奏ちゃん…いや、帝魔王様にも実は話があるのよね。

この前の魔法の話とか…

もっと詳しく教えてほしいし…

あとナイトメアに図書館があるのならいろいろとナイトメアの世界の情報を知りたいし…


ーーそして、沙羅は現実という空間から更に一歩足を踏み外した。


ハイパー!スーパー!!体育祭の力!!

おしまい。

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