第13話 ハイパー! スーパー! 体育祭の力!! 体育祭という皮を被った戦場編
「はああああああああ!!!」
掛け声の争い。
砂の嵐。
教師はそれを見つめる。
私は、体力の最大限を使い、転ばないよう制御している。
すぐにでも壊れそうなフラジール。
制御して根性を使うフラジール。
現在赤がリード。
私たち白グループは今にも脆く壊れそうだ。
でも、白が5で赤が10の整数だとしても、10に-5以上の負の整数で壊せば、力は等しくなる。
そのためには、赤グループの体力を減らせばいい。
力が5、10、白グループが力を抑え、油断させて力を5に下がった後、赤の本気を出し、白の力を消す。
これは温存作戦だ。
しかし、この方法だと白の力が3以下になり、赤の力10に負けてしまう。
このプランはやめる。
なら根性だ。
赤の力と白の力が等しくなるまで根性だ。
「赤組ファイヤーーーーー!!」
「ファイヤー!!!」
赤組のリーダーの男が、力を合わせるために叫ぶ。
すると力の整数が15を超えた。
だめだ、このままだと自然数5nの力で負けてしまう。
ならば、今の状況、白グループの力の自然数を2n+1から、自然数5nに等しくなるように叫ばなければ...
根性でどうにかなるかわからないが、赤のグループが根性で力の絶対値を15まで増やした。
だから、やってみる。
私も本気を出して叫びをかける。
「白組ファイヤー!!」
「ファイヤー!!!」
ーーそして、沙邏達に、ありえないほどの力が溢れた。
力のメーターが30を超えた。
「うわああああああ!!!」
赤グループは倒れた。
すごい...根性でなんとかなった。
「おめでとう、白グループ」
赤グループは倒れた状態で拍手をした。
白グループはお辞儀をした。
「さて、次の練習種目は...」
「ちょっとまったーーーーー!!!」
その声は...?
魔導の杖を持っている男...
聞いたことある声。
厨二病の異世界住人...
黒木魔王だ!!
「魔王? 欠席じゃなかったの!?」
「は? お前、先生の話を聞いてなかったのか? 俺は欠席じゃなくて遅刻したんだ」
え、どういうことなの?
「沙邏ちゃん...勘違いもいいとこだよ、先生が黒木くんは遅刻って言ってたけど...
家の事情で欠席したのは鴉くんだよ...」
鴉くん...私と同じクラスの生徒で、小学生の頃からなぜか私と一緒のクラスになったりするが、ほとんど喋ってない。
鴉くんは昔から女子には嫌われていた。
小学生の頃から可愛い女の子のスカートめくりばっかしてた。
そんで中学の頃はエロ本ばっか見てて、学校でエロ本熟読して先生に怒られまくってたな。
中3の頃から厨二病みたいになって、自分には特殊な能力があるからオカルトにハマったり......
それでみんながドン引きして誰も寄ってこなくなったんだ。
もしかして...
「お喋りはは休み時間にやってください、黒木くんも次の種目の練習に参加してください」
「よかろう」
その後、2週間ずっと体育祭の練習をした。
地獄のようで地獄ではなかった。
根性でうまくいってしまった。
夕方、私は思った。
どうしてこんなに上手くなったんだろう。
急にうまくなるなんてありえないと思ってたのに。
「そうだ...今日も練習しなきゃ」
私は夕方のドアを開け、海岸を走り始めた。
夕焼けの光が灯りを照らす。
風の鳴る音、たくさんの汗。
自分は何故こんなに熱くなるのだろう。
真剣に2週間練習した結果なのだろうか。
私は大縄跳びのおかげでここまで本気になれた。
努力や根性でうまくいくってわかった。
「勝つわ、絶対赤組に負けるもんか」
私は、夕焼けの海に告げた。
その後も門限の7時までひたすら走った。
体がバテるほど走ったその身体は重くのしかかる。
「ただいま、お母さん」
私は家のドアを開けた。
「おかえり、晩御飯できてるわよ」
「ありがとう」
お母さんの顔がとても優しく感じた。
いつも練習が終わった後、笑顔で迎えてくれるお母さんを見て、私はとても嬉しく思う。
ありがとうお母さん、絶対に私、勝つから。
これは、体育祭の練習だけど練習じゃない。
これは、勝つか負けるかの争い。
遊びじゃない。
これは戦場だ。
戦争だ。
だから、私、頑張るよ。
死ぬ気で頑張る。
見ていて、お母さん。
でも明日と明後日は休日、体育祭は来週の月曜だ。
方程式と謎と氷がとける怒涛の休日編に続く...




