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美術少女と異世界に住まう魔王の旋律  作者: Spell
Episode 01 美術少女と厨二病魔王のハイパースーパーな1ヶ月!
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第12話 ハイパー!スーパー!体育祭の力!! 油がたっぷり断じて危険編

「どうだ? 沙羅とはうまくやれているのか?」

コンピューターでワープロを打ちながらコーヒーを飲みながらスマホで電話をする男、魔王。

そして、今喋っているのは、帝魔王様。

花奏の父親である。

魔王は今、実家の密室でパソコンをいじっている。

密室には、白一色の空間と、木でできた椅子と机。

机にはコンビニのコーヒーが一つあった。

魔王は、それをゆっくりと飲みつつ、ワープロ作業をして、通話をしている。

そして、黒色のノートパソコンとスマートフォンがある。

照明はしっかりとついている。

明るい、しかし、窓は存在しない。

空気性は、窓がないので悪い。

ちなみに、ここは魔王の実家の地下だ。

だから窓は存在しない。

だが、そのかわりエアコンがある。

温度の調節はエアコン任せだ。

さて、魔王はなぜこの密室でワープロを打ちながら帝魔王と喋っているのかというと……

「はい、うまくやれているどころか、恋人っぽくなってしまいそうです」

「そうか、それは良かったな……」

帝魔王は、魔王に嫉妬のような感情を抱いていたが、口にはしなかった。

「それで、話は何でしょうか?」

「うむ、その事なのだが……魔王、お前の学校って体育祭ってあるだろ?」

「はい、2週間後に、第14回 トウサ高等学校体育祭があります」

「我も行ってよいか?」

魔王は、コーヒーを机に置いた。

魔王は、帝魔王の言葉に、コーヒーを吹き出しそうになったが、なんとか耐えてごっくんを飲んだ。

ちゃんと喉を通ればいいのだが……

むせてしまった。

そして、5秒間せき込んだあと、帝魔王との通話を再開した。

「し……失礼しました、帝魔王様、どういう意図でそうお考えに?」

「沙羅の体操服姿をじっくり観察して、運動ドジっ子萌え萌えしたいからだ」

なんて破廉恥な。

魔王は心の中で思いながら電話をした。

「いっときますけど、あの学校はブルマじゃなくてハーフパンツですよ?」

「それでもいい!! あのおかっぱ美少女の萌えを味わいたいのだ!!」

「なるほどですね、それは俺もわかります」


――わかってどうするんだこの二人は。


「……できました」

魔王は、かれこれ二時間弱必死に作り上げたワープロ原稿を印刷し始めた。

「うむ、なにができたんだ?」

「それはですね……今度の数学でわからないところがあるので、ワープロで問題をまとめてたんですよ」

「ずこーーーー!!」

ちなみに、魔王が言う数学のわかんないところだが、それは二次関数というものだ。

二次関数は中三で習うものだが、高一でも習うのだ。

係数と次数の問題も、中二の頃に習うのだが、高一の最初でも、同じような問題が出てくる。

そう、高校数学は中学のおさらいのようなものだ。

だが、微分積分いい気分とか、sin cos tanとかは中学では習わない。

まあ、数学なんて四則演算ができれば将来どうってことないから、トウサ高等学校の生徒のほとんどは、数学の勉強より、国語や社会とかの勉強を優先しているのが現状だ。

ちなみに、沙羅の場合は、美術だけ一方的な偏りがある。

偏りしかなく、切片はない。

これじゃあただの比例だ。

y=美術だ。

ていうか、こういう数学の説明自体が偏りかな。

切片も欲しくなるだろうから閑話休題。

帝魔王はずっこけた。

「いてて……ところでどこがわからないんだ?」

「二次関数ですよ」

「二次関数? y=axの二乗のあれか?」

「そうです」


――そのあとも、魔王と帝魔王の本題脱線の他愛もない話は続いた。


次の日の朝、私は体育祭の練習で大縄跳びがうまくいったことで自身がついていたので、気持ちよく早起きができた。

時刻はまだ5時40分だ。

家を出るまでまだ1時間強時間が残っている。

私は、ニコニコした気分で、髪を整えて、顔を洗って、制服に着替えた。

こんな優雅な朝は久しぶりだ。

「おはよう、沙羅!」

お姉ちゃんが私のところに現れた。

どうやら早起きのようだ。

「あ、おはよう、お姉ちゃんも早起き?」

「何言ってるの? 私、朝部があるし」

あ、そうだった。

私、すっかり忘れていた。

お姉ちゃんはテニス部だったんだっけ。

部活なんてだるいだけなのに、お姉ちゃんも物好きだね。

「部活ってそんなにいいの?」

「よくないわよ」

あれ意外。

部活良くないのになんで入ってるんだろう。

私は、直球で質問した。

「じゃあなんで部活入ったの?」

「あぁ、沙羅にはまだ行ってなかったわね、あの大学……部活動が強制参加なのよ」

「えーーーーーーー!!!!」

強制……参加……

私が一番大っ嫌いな言葉だ。

私の学校は小中共に部活は強制だったから、嫌な事を思い出してしまった。

私がトウサ高校を選んだのは、親友の未菜ちゃんが居たのと、部活が任意参加だったのと、偏差値が低く入りやすい学校だったからだ。

3つの理由で選んだこの高校は、私にとってパラダイスのようなものだった。

帰宅部に入ったおかげで、好きなことに取り組めたし。

「お姉ちゃん他の大学行きなよ」

「無理よ、私の大学、ド底辺だし、偏差値が30台だし……」

「でも一年で偏差値40も上げた話もあるんだよ!」

「それは……」

「入ろうぜ!」

「嫌よメンドクさい、それに私あの学校で満足してんのよ、友達もたくさんいるし、底辺学校なめんなよ」

「まあ……それはわかるけど」

「でしょ、さあ朝食にしましょ、お母さんは仕事に行っちゃったから私が作るわ」

お姉ちゃんの得意教科は家庭科。

逆に言えば家庭科しかない。

お姉ちゃんは料理がとても上手で、家事に関することならなんでも知っている。

どんな料理もおいしくできちゃうのだ。

私は、久しぶりのお姉ちゃん料理に目がキラキラしていた。

わくわく、わくわく。

「ほんと!? やったー! じゃあ私、先に学校の準備を急いでしてるね!」

「そう、わかったわ」

お姉ちゃんは、台所へ向かった。

私は今日必要な教科書やファイルを鞄の中にしまった。

前日にやるのもいいのだが、私は面倒くさいことは最後らへんにやるタイプなのだ。

例えば夏休みの宿題は、8月の終盤に一気に終わらせている。

テストは一夜漬けばかりだ。

ちなみに、一夜漬けしてるテストは、美術だけ。

美術のテストしか興味なし。

「よし、できたわ!」

私は、リビングに向かった。

お姉ちゃんの調理の音と匂いがたまらない。

私は、その音と匂いを少し感じて楽しんだ後、テレビをつけ、朝のニュースを見た。

「電車で、女子高生にわいせつな行為をした男子高校生(16)が、逮捕されました、男子高校生は、俺様はそんな行為をすることは絶対にない、と容疑を否認しています」

なんだこりゃ、まるで帝魔王様ね。

でも痴漢男よりは酷くないか……

それにしても、覚えていないなんて……

頭でも打って記憶を失ったのかしら。

ていうか、男子高校生のセリフが、なんか魔王みたいなんだけど。

あいつ、なんかしたんじゃないでしょうね。

帝魔王様の下っ端だからやりそうだわ。

「さあ、できたわよ!」

お姉ちゃんの声に私は素早く気持ちが変わった。

朝食のディナーだ。

ゆっくりと優雅に味わいたいものだ。

現在時刻はまだ6時20分。

家を出るまでまだ十分に時間がある。

「では、いただきます!」

朝食はフレンチトーストだった。

クリームやはちみつがおしゃれに塗られていた。

一口食べてみた。

おいしかった。

具体的に言うほど、私は語彙力が高くないので、美味しかったとしか言えない。

クリーミーあんどはちみつハッピー、まさにハイパーでスーパーな炭水化物の力だ。


「ごちそうさまでした!」

「そんじゃあ私はもう行くから、鍵よろしくー」

「おっけー」

私は余った時間をすべてゲームにつぎ込んだ。

まだ20分程度時間が残っているから、ミニゲーム集のゲームを遊ぶのがちょうどいいだろう。


――20分後、沙羅は鞄を背負って、家にカギをかけて、学校に向かった。

こんな快適な火曜日は久しぶりである。

沙羅は思わずスキップをしてしまった。

ランランラン。

ちなみに、今日、魔王は欠席していた。

理由は家庭の事情らしい。


「今日は一時間目から三時間目まで体育祭の練習をします、皆さん、体操服に着替えてグラウンドに集合してください」

私は体育祭の練習があるってことを聞いても、何一つショックを受けることはなかった。

先生の指示も怖くなかった。

はぁ、こんなに最高な気分、初めて。

もう何も怖くないわ。


――はぁ、沙羅、そんなことばかり考えてると、フラグが表れるよ。

しかし、今の沙羅は怖いもの知らず。

調子に乗ってやばいことを起こさなければいいのだが……


「まずは綱引きをします! よーい始め!」

みんなが一斉に縄を引っ張り始めた。

私は、ちっとも恐れなかった。

大丈夫、私にはできる。

さあ! できない運命をぶち壊すわよ!!


――ところが、その願いは、数秒後に、砕け散った。


「うわああああああ!!!」

私は、倒れてしまった。

縄の力が強すぎて、負荷に耐えれなかったのだ。

どうして、どうして上手くいかないの。

理解できなかった。

だが、私たちはあきらめなかった。

私は、倒れて着いた砂を払い、もう一度力を合わせた。


しかし、何回やってもうまくいかなかった。

「どうして……」

「沙羅ちゃん……」

私の心はまだ挫折には至っていなかったが、くやしさがあった。

赤グループが強すぎる。

こんなの勝てるわけない。

でも、私は諦めない。

努力すれば不可能なんてない。

だから、もう一度、力を加えた。

「みんな……まだ、諦めないで!」

私は立ち上がった。

するとみんなも立ち上がった。

覚悟はできていた。

みんなは、頷いた。

みんな、同じ考えだった。

だから……

「行くよ!!せーの!!」

力と力が重なり合った。

練習なのに、まるで本番みたいだった。

最大限の本気を、白組は赤組に見せた。


――果たして、白組は赤組に勝てるのだろうか……

体重や力は、赤組の方が有利だが、白組は根性と努力がある。

どっちが勝つかは検討もつかない。

さあ、練習という名の本気を見せてやれ!!

白組!!!


体育祭という皮を被った戦場編へ続く!!

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