1/69
第0話 初めの一歩
温かな光に包まれ
眩しいぐらいの日差しを浴びながら
私は歩く。
鮮やかに咲く桜が
私たちを歓迎しているかのような道。
私はそんな校舎をスケッチブック
に書いてみたくなった。
思いっきり、筆とペンで
私の思うような未来と風景を書いてみたかった。
きっと、来年の春も綺麗な春が訪れるんだろう。
そしたらまた私たちは笑って
この校舎を歩けるだろう。
高2の春...それまで、私は待っているから。
きっと...あなたを待っているから...
夜の暗闇の中。
男は暗黒の杖を掲げ、空に向かい灯火を放った。
いつか出会うべき人のもとへ
方角を頼りに、1人の少女の元へと歩き始める。
漆黒のコートを羽織り、強靭な肉体を持つ男。
その男は、1人少女に会うために
闇と風を振り払い、前進する...
人は誰かと関わり、そして誰かを好きになる。
人は1人では生きられない。
だからこそお互いが必要。
彼にとって、それは一人の少女だ。