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卵勇者の奮闘記  作者: 乃碌
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イオネの放浪

「まおーさまー!」


「おやつですよー、今日はプリンタワーホイップ増増ですよー!」


 世間が想像する魔王城は、恐らく紫や黒の素材でできており、禍々しいオーラを放っていることだろう、先代の魔王がいた頃はたしかにその想像を3Dプリンターの如く建っていた。だが、今代の魔王は最初こそ色々やっては来たものの今の魔王城は、いや、魔族、魔獣達の住みかは晴天に澄み渡り、無法地帯だった業務などは各部署に分けられ人間と大差ない生活をしていた。

 魔王がなぜそう変わったかというと、部下の優秀さに沈んだ魔王が紙切れ一枚机の上に置き、家出ならぬ城出した日の事に遡る。

 今日も今日とて暴力的な魔王軍を更正させた魔王は以降、自分の地位に疑問を感じていた。

 彼らは本能的に暴力的だったわけで、それを除くととても優秀で自分が指示を出さなくても仕事を定時までにきっちり片付けて帰っていく。

 アンデットは自然発生が主だが、時折魔族、魔獣との間に驚異的な力を持った種族ランダムな子供が生まれる、それが現魔王であり、面白いことに統率が難しいと言われたアンデットまでも言う事を聞かせてしまう、暴れるのに飽きてきたのか新しい政策を、と言われ始めたら最近の口癖は【部下が優秀過ぎてツライ(´・ω・`)】である。

 本人は自分が高位種族であり誰もが尊敬していることをつい知らずその有り余る能力を使い都度、城出を繰り返すため捜索と護衛と帰還部が作られたが、本人は知らない、大事なことなのでもう一度、本人は知らない。


「人間が作るプリン美味しいと思う。」


 お忍びで何度も食べていた台形の弾力がある2層になっている食べ物、人々はそれをプリンとよんだ。材料はどこにでも売っているが、そのなかでもレア中のレア、『王たまプリン』DTG(伝説のたまゴールド)をふんだんに使ったとても美味しい代物であるが、護衛の部下に頼めばいくらでも作ってくれるが申し訳なくて頼めないちょいチキンな魔王様は、各店舗のオリジナル王たまプリンを食べるブラリ一魔王旅をしていた。


「申し訳ありません、当店の緑王たまプリンはDTGが手に入らず・・・」


「大変申し訳ありません、3層の王たまプリンは素材のDTGが・・・」


 開始早々絶句した。始めに食べた王たまプリン(シンプル)1つ以外食べれなかった。『伝説』、その名の通りどこの店も材料が手に入らず商品を出せずにいた。

 転送魔法などを使って移動していた彼女は森などを通らず人のいる村や町に移動していたので、数百年振りの外に向かった魔王様は、王たまプリンを食べるべく部下たちにバレない様変装してDTGドロップ先に向かった。

 長い時間の素材集めの甲斐あってか、3たま手に入り、頭のなかでいくつの王たまプリンが食べられるかと考えていたその時だった。

 頭上から振り下ろされる鉄の塊、つい力加減を忘れ吹っ飛ばしてしまったら後方からすすり泣くような声が聞こえた。恐る恐る振り替えると一人の少女が立っていた。その手には鈍器のような黒い棒と背後には大きなリュックが背おられていた。


「誰?」


「モンスターと間違えました。すみませんが、持ち物のPPパイナップルを分けてもらえませんか?代りになるとは分かりませんが、このレシピあげるので・・・」


 そう差し出されたのは簡単手作り王たまプリンの作り方と書かれた1枚の紙だった。

 目を輝かせた魔王様は、持っていた50PPを渡した後、3たまを大事そうに背負い、各店へと戻っていった。


「あの人どこかで見たことがあるような・・・」


 少女は考えるのをやめた、目の前にに山で置いてかれたPPを眺めながらこれから奥から暢気に出てくるモンスターを出待ちしながら心踊らせていた。


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