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ここではありふれた物語  作者: 越智 翔
第二十八章 迷宮都市
572/1107

大攻勢の後始末・上

「ここはどこだ」

「急に言われてもわからない。だが、この土の壁を見れば、上層にいるのは確かだ」


 封印された扉を吹き飛ばして、ついに下層からの脱出を果たした俺とアナクは、その辺の通路を彷徨い歩いていた。

 しばらく行くうち、アナクには見分けがついたらしい。


「ここは、どうも地下三階だな」

「わかるのか」

「見覚えがある。間違いない。それに、あれを見ろ」


 目敏い彼女は、迷宮の通路に転がる異物に気付いていた。


「帝都の若者だ」

「死んでるけどな」


 十字路から頭だけはみ出している。近付いてみると、よりはっきりした。


「血の臭いもひどいが、ここは例の……汚物の大穴にも近いようだ」

「どっちの方向になる?」

「ここからだと、ここをまっすぐ行って右だが。なんだ、用を足したいのか」

「そういうわけじゃないが」


 それに、今はどうもそれどころではないらしい。


「アナク、聞こえるか」

「なに?」

「悲鳴だ」


 ハッとして顔色を変える。だが、耳を澄ませても、彼女には聞こえないかもしれない。

 トイレの大穴に向かう途中のどこかで、誰かが必死に叫んでいる。


『や、やめろ! ゆ、許してくれ!』

『諦めろ』

『ちゃんと言う通り、金を集めて渡したじゃないかぁ!』

『全部欲しいんだよ、俺らは……そら、やれ』

『おっ、うああああ!』


 なるほど。これで整合性が取れた。

 それにしても運がよかった。比較的近くにいてくれたおかげで、こうしてすぐに発見できた。


「準備はいいか」

「何の……まさか」

「すぐそこにいる。決着をつけよう」


 俺は迷わず、そこの角を右に曲がり、そのまままっすぐ歩いて、すぐ右手の部屋に入った。


「ぎゃああ!」


 断末魔の悲鳴が響き渡る。

 部屋の中の生存者は……十六人、か。帝都の若者もいたが、それらはすべて死体になっている。もしくは、たった今、死んだ。


 半分くらいは殺人に夢中でこちらに気付かなかったが、さすがにドミネールは振り向いた。ボスの仕草を見た下っ端どもも、それで一人、二人とゆっくり首を回す。


「いい趣味してますね」


 殺されたばかりの若者を見やりながら、俺は種明かしをした。


「帝都の若者に噂を流したのは、あなた達だった、と」


 クズはクズらしく、クズの気持ちがわかる。それゆえの計画だった。


「キブラの命令で迷宮に潜ったら、宿屋に残してきたお金を盗む奴が出てくるかも。そう吹き込ませた。挺身隊員同士で殺し合いになるかもしれない、とも。地下に潜って魔物と戦うより、人間をやる方が安全に稼げるから」


 俺の説明を、ドミネールとその手下どもは、黙って聞いていた。


「そして、わざと殺し合いをさせた。一部は本当に疑心暗鬼になって殺しあった。でも、それだけじゃない。何人かの若者には、前もって声をかけておいた。罪はうまく揉み消してやれるとか、甘い言葉を囁いて」


 その甘言に乗った馬鹿者が、今、こうして殺されている。せっかく集めたお金を横取りされて。自ら承知の上で悪人の片棒を担いだ結果だ。同情に値しない。


「迷宮の詰所を追い出されたあなた方に、それだけの力はもうない。海千山千のこの街の商人達は騙せない。だけど、世間知らずの帝都の若者なら、今まで通りの影響力があると、そう信じ込ませるのも難しくはなかった」

「問題か?」


 ドミネールは、血の海の真ん中に立ちながら、余裕の表情で笑ってみせた。


「こいつらはな」


 顎で死体を指し示す。


「帝都の厄介者だ。出来損ないなんだよ。けど、あっちで殺すわけにもいかねぇから、俺達がゴミ箱に放り込んでやってたんだ。感謝されることはあっても、恨まれる筋合いなんざぁねぇよ」

「まぁ、それはそちらの事情です。いいでしょう」


 よくはないが。

 この現場を目撃した俺達を、彼らが生かして帰してくれるはずもない。


「ですが、厄介者ということなら、あなた達も大差ない」

「ふん」

「十年間にわたって、迷宮の出入口を封鎖した。まともに魔物を間引くでもなく、ギルドを私物化して資金を着服し続けた」

「有効活用したって言ってくれよ」


 ドミネールは肩をすくめて手を広げた。


「迷宮の暴走なんざ、百年に一遍くらいなもんだ。最後は五十年くらい前だったか? けどなぁ、それ以外の時期にゃあ、大したことなんざねぇんだよ、ここは。いちいち中に潜って戦うから死ぬってだけだ。こんな場所、人間のなりそこないを放り込む以外、使い道なんかなかった。そこでいい商売をしたってだけだ」

「おかげで、僕は大変に迷惑したんですよ。今に至るまで遠回りさせられました」

「そいつは残念だったな」


 ここで彼は、顎をしゃくった。

 手下どもが一斉に剣を引き抜く。


「けどもう、悩むことなんかねぇぜ」

「僕を殺すと」

「そりゃあなぁ? だってよ、お前らだけだろ、ここにいんのは」

「ええ」


 どういうことだろう、と頭の中でいろいろ辻褄を合わせてみる。ピンとこない。


「俺はずっと不思議だったんだ。テメェみてぇなガキがどうやってミスリルの水道に穴を開けたのか。詰所に一人呼び出されて、なんでふてぶてしい態度でいられたか。わかったのはつい最近だ」

「僕にはわかりませんが」

「トボけんじゃねぇよ」


 ペッと床に唾を吐き捨てると、彼は言った。


「最初っからお前の後ろには、あの傭兵『戦鬼』がついてやがった。隣の国にいたからなぁ、そりゃあ奴の名前くらいは知ってる。噂じゃタンディラールとは手を切ったらしいが……ま、んなわきゃなかったってことか」


 ああ、そういう解釈か。

 俺が迷宮に閉じ込められていたのを救ったのもキース。俺の後ろ盾になってくれていたのもキース。彼が俺のパーティーに加わった時点で、こいつらはそう考えて、納得していたのだ。


「目的はなんだ? 王様の命令で、まーた黒の鉄鎖あたりにちょっかいだそうってか? それとも帝都と喧嘩か? どうでもいいけどよ」

「さあ、陛下がお考えになられることなど、僕なんかには到底わかりかねますが」

「つうことでな、お前らだけなら別にビビるこたぁねぇ。もうハッタリは通用しねぇぜ?」


 こんな雑魚どもが相手なら、なんてことない。

 軽く一掃して……


「待て」


 俺とドミネールの間に、アナクが割って入った。


「他の子供はどうした」


 そうだった。

 アナクにとって重要なのは、他にも人質がいないか、ということだ。しかし、見たところ、連中が連れ歩いている子供はもういない。


「おぅおぅ、そういやそうだったなぁ?」


 片手で剣を弄びながら、ドミネールは言った。


「正直、驚きだったぜ。まさか、西のスラムに住んでるガキどもが、トカゲどもと仲良しになってたとはよ。運がよかったな」

「どういう意味だ」

「俺達はここから出ていくからな。もし、この街のボスのままだったら、今頃、お前らは皆殺しになってたぜ」

「なんだと……!」


 嘲笑うドミネールに、アナクは怒りを露わにした。


「ラップスをどうして殺した」

「あん? あのガキンチョか? 用済みになったら始末して何が悪い」

「貴様っ!」


 別に、ここで怒り狂う必要はないだろうに。幸い、出入口は俺達が押さえている。そして、俺がその気になれば、こいつらなんか簡単に全滅させられる。俺の戦いを横で見ていたのなら、わかるはずだが。


「殺してやる! このぉっ」

「アナク!」


 冷静さをなくして突っ込もうとする彼女の肩を、俺は慌てて捕まえた。


「いたっ!」


 ところがその瞬間、アナクは激痛を訴えて立ち止まってしまった。

 なんだ? 怪我でもしているのか? ここまでずっとやせ我慢してきた?


「プッ……」


 そんな彼女を見て、ドミネールは噴き出した。


「ブワーッハッハッハ! なんだこいつ! キレたかと思いきや、すぐヘタレてやがる!」


 つられてか、ただのお追従か。周囲のチンピラどもまで笑い始めた。


「お前らがやらなきゃいけねぇのは、それじゃないだろ? な、おい」

「なんだと」

「ほら、逃げろ。逃げていいぞ。逃げ切れれば、助かるかもな。はっはは」


 だが、俺はもう、落ち着いていた。

 アナクの望みが何であるかがわかったからだ。


「ふざけるな! ドミネール、私と勝負しろ!」


 彼女は……自分で落とし前をつけたいのだ。俺に任せるのでなく。せめて自らの手で、仇討ちを果たしたい。


「なに?」

「お前は! 私が殺す!」

「くっ……俺ぁ驚いたぜ。なぁ? ドゥミェコン一番のかっぱらいの達人が、まさかこんなに面白い奴だったとは……」


 俺はわざと言った。


「正気か、アナク」

「当たり前だ!」

「でも、俺は逃げるぞ? いいのか?」


 すると彼女は、一瞬、そっと凄みのある笑みを浮かべた。


「臆病者なんかいらん。こんな奴は私一人で十分だ」


 確認が取れた。


「じゃ、そういうことで。僕は逃げまーす」

「あぁ?」

「後はよろしく!」


 そう言うと、俺は本当に部屋から飛び出て、廊下に走り出た。


「逃がすな!」


 後ろから声が飛ぶ。

 軽く走りながら、そっと後ろを確認する。一人、二人……


「わぁああ!」

「うおっ、あぶねぇ!」


 足を止めて振り返り、片手で剣を引き抜いて横に振る。

 演技力に自信はないが、これくらいはやらなくては。


 ……十四、十五。

 これでよし。理想的だ。


 廊下で武器を振り回して立ち止まったのは、ドミネールの手下のうち、何人が俺の追跡にまわるかを確認するためだ。もし、アナクが一度に複数を相手取る状況になりそうだったら、ここで反転して一気に始末するつもりだった。だが、どうやらドミネール本人以外、全員が俺の始末にきてくれたらしい。

 じゃあ、少しは楽しめそうだ。


「なんで追ってくるんだ!」


 とか言いながら、俺は走る。


「おいおい、どこ行きやがるんだよ」

「見失うなよー」


 総勢十五人のチンピラが、もうすぐ大人の少年一人を捕まえるために追いかけてくる。だが、どちらに向かって追い詰めようとしているかは、さすがにすぐわかる。

 いや、むしろ俺がそちらに誘導しているのだが。


「あっ」


 鬼ごっこは長続きしなかった。ほどなく俺は、逃げ場を失ったからだ。

 そこは、複数の階層を貫く大穴だった。言葉にしたくもないものが上からしとしとと滴り続ける、迷宮のトイレ。鼻が曲がりそうなんて表現では、まったく物足りない。


「行き止まりだなぁ、おい」


 バンダナを巻いたあの男が、正面に立つ。


「王の騎士様、ファルス君は、よっぽどここがお気に入りらしいぜ!」

「はっははは!」


 俺が最初に地下に閉じ込められたとき、こいつらは大穴の上から汚物をぶっかけようとしてきたっけ。

 せっかくのいい機会だから、今回はそのお返しをしてあげたい。そんな思いから、わざわざここまで走ってきた。


「せっかく一度は地上に戻れたのになぁ……お前、結局、ここで死ぬんだから、しょうがねぇ」


 彼らは一人、また一人と剣を引き抜き、じりじりと距離を詰めてくる。

 まだだ。もう少し引き付ける。


「そら、頑張って反省の言葉を口に出してみろよ! 謝ればまだ、助かるかもしれねぇぜ」

「そこのクソを頬張れよ。そうすりゃ許してやらんでもねぇぜ」

「ほらしゃがめ! 最後に出してスッキリしろよ。見ててやっからよぉ!」

「よかったな! 迷宮に潜れて! 前は地下二階止まりだったのが、今度は地下三階だ! 頑張ったな! そこで死ぬけどな!」

「いいよなぁ、ボスは……あのメスガキ、今頃、ボコボコに殴られて犯られてるだろうぜ」

「終わってからまわしてもらえよ。後でも突っ込めるだろ?」


 本当に、本当にすがすがしい。

 何の良心の呵責もなく、人を殺せる。


「んじゃ、そろそろ落ちてくれや。オラッ!」


 バンダナ男が剣を振り上げたのが、合図になった。連中が一気に足を踏み出す。

 その瞬間を狙って、俺は鋭く前に転がり込み、奴らの間をすり抜けた。


「なっ!?」


 そうして、立場を入れ替えた。連中の最後尾の後ろに俺が立つ。


「こいつっ! に、逃がすな!」

「逃げない」


 もう、いい子の振りは必要ないか。


「お前達みたいなチンピラに、ここまで手間をかけるなんて……本当に、人間の世界は無意味で、面倒臭いな」

「はぁ?」


 俺は静かに剣を引き抜いた。


「こいつ、やる気か?」

「この人数相手にか? バカじゃねぇの?」

「構わん。やっちまえ!」


 先走った二人が、剣を振り上げて叩きつけてくる。

 それを丸く受け流すと、右、左と雑草を刈るように足下を薙いだ。


「ぎぇっ!?」

「あ……ああああ!」


 その二人は、膝から下を失った。

 一人ずつ歩み寄り、また二度ほど剣を振るう。それで両腕も弾け飛んだ。


「まだ死ぬなよ」

「こ、こいつ!」


 予想外のことに、彼らは顔色を変えた。


「腕が立ちやがる……」

「怯んでんじゃねぇ! かかれ! 全員で」


 口をきく時間を与える必要もない。

 俺は影のように迫り風のように身を翻して、縦横無尽に剣を振るった。短い悲鳴と絶叫の後には、断続的な苦悶の声が残るのみだった。


「おっ、お前」


 最後に残ったバンダナ男が、もはやまともに剣を構えることすらできずに、立ち尽くしている。


「な、なんで、こんな……あああ、みっ、見逃し……ぎゃあっ!」


 一振りで両足を両断できた。よしよし。


「やめ……ぐあ!」


 両腕も切り落とした。

 さぁて、本番はこれからだ。


「よっこらせっ……と」


 俺は通路を引き返し、最初に手足を落とした男達を引きずってきた。


「ぐ……お、お前、何がしたいんだ」

「まだ死んでない。よかった」

「何を」


 最初の一人を、俺は持ち上げると、勢いよく放り投げた。糞尿の大穴に向かって。


「うお、おああ!」


 一瞬の間の後に、短い衝突音と、糞尿の飛び散る音がした。


「どれ……あー、これはダメだな」

「何をしてるんだ、うっ、お、お前は」

「やっぱりこの高さだから、頭を打つと即死しちゃうか。ま、いいか。次」

「うっ!?」


 二人目も放り込む。

 これも即死した。


「まっ、まさか、お前」

「工夫がいるかな。まー、他の死体をクッションにすれば、即死しないで済むか。ゴキブリが食うだろうし、ちょうどいい」

「や、やめっ」


 男達の懇願など無視して、一人、また一人と穴の中に放り込んでいく。中には勢いあまって大穴の一番下まで投げ落としてしまったのもいるが、それは仕方ない。


「さあ、お前の番だ」

「ゆ、許して」

「今から許してもらっても意味がないんじゃないか? 手足もないし、どうせ生きられない」


 俺は首根っこを掴んで、引っ張り上げた。


「下の連中も、半分くらいは生きてる。大丈夫、ちゃんと落とすから、頭はぶつけないように気を付ける」

「う、おああおあ! ひっ、ひぃいぃ!」


 ろくに抵抗もできないまま、彼は泣き叫ぶ。

 だが、俺は容赦なく投げ込んだ。


「よし、片付いた」


 見下ろせば、既にそこにはゴキブリ達が寄り付きつつあった。あとは彼らに任せよう。


 あとはアナクがドミネールを倒してくれれば、万事解決だ。

 実力からすれば、ドミネールのほうが遥かに格上だが、俺はなぜか、まったく心配していなかった。


「終わったか」

「これからだ」


 部屋に戻ると、案の定だった。ドミネールは、もはや血みどろになって、壁際にしゃがみ込むばかりだった。その前に、剣を逆手に持ったアナクが仁王立ちしている。


「ぐっ……? なっ、なんで、お前」

「ああ、手下は全員片付けた。一人残らず死んだ……いや、残りもこれから死ぬ」

「そんな、バカな!」

「だから助けは来ないぞ、ドミネール」


 俺の宣告に、彼は今度こそ絶望した。


「それにしても」

「なんだ、ファルス」

「たいしたもんだ。子供達にクロスボウを持たせたり、閃光火薬を持ち歩いたり……でも、もう一つ切り札を隠し持ってたんだな」

「ふっ」


 鼻で笑いながら、アナクは剣を振り下ろした。


「ぎゃああ!」


 すぐには殺さない。体中を少しずつ切り刻む。可能な限り、大きな苦痛を与えてから殺す。


「その様子だと、痺れ薬か。窟竜か何かの爪に仕込んだのを、そのボサボサ頭の中に隠していた、と」

「見抜いていたのか」

「いいや。でも、お前ならそれくらいは、いつも備えてそうだしな」


 決定的だったのは、あの痛がる演技だ。感情的になったところも変だった。

 ああしてドミネールを油断させ、嗜虐心を掻き立てる。そうしておいて、わざと押し倒されたのだろう。そこで隠し持っていた火薬で視界を奪い、素早く毒の爪を突き立てた。ここまでやり切る算段があって、あの三文芝居を演じてみせたのだ。


「けど、よく閃光火薬を奪われなかったな。レヴィトゥアは油断してたのか?」

「あいつらは、人間の世界のそういう小道具をあまりよく知らない。自分達が強いと知っているから、人間の工夫を甘く見る」

「なるほどな」


 返事をしながら、俺は死体だらけの床を眺めた。

 小さめのリュックが目についた。蓋になる部分が開いている。中は……素晴らしい。金貨の山だ。


「お、いいものがあるな」

「捨てていくのはもったいない。ファルス、拾え」

「そっ、それは、俺のがあああ!」


 お前のじゃない。お前が帝都の若者を騙して殺して搔き集めただけの金だ。それを回収するだけのこと。今、この瞬間から、俺の金だ。

 俺が重いリュックを引っ張り上げ、抱えようとする間、アナクは淡々と剣の先端でドミネールをえぐり続けた。


「で、どうする?」

「どうするとは」

「そいつもトイレに放り込むか」


 少し考えたアナクは、首を振った。


「いや。そこまでしなくていい」


 身内の仇を見下ろした彼女は、怖気を振るわせる笑みを浮かべて、優しく告げた。


「まだ死ぬなよ。一分でも、一秒でも、少しでも長生きしてくれ」


 そう言いながら、剣の先端を思い切り突き立てた。ドミネールの股間に。


「あっ、ぐあーっ!」


 凄惨な愉悦の時間は、この後しばらく続いた。

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― 新着の感想 ―
[一言] 熟成チンピラ炒め
[一言] > つうことでな、お前らだけなら別にビビるこたぁねぇ。もうハッタリは通用しねぇぜ? ドミネールもファルスが1人で国も滅ぼせそうな化け物と知ってたら関わらなかったでしょうね。 ファルスは見た…
[良い点] この作品では初めてじゃなかろうか、 主人公が気持ちよく報復してるシーン でも調子がのってるシーンのあとは大抵落とされるって印象が それにしても あまり残酷に思えなかったのが謎と言えば謎 …
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