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ここではありふれた物語  作者: 越智 翔
第三章 この世界での幼馴染達
35/1103

昼の笑顔、夜の涙

「……というわけで、ギシアン・チーレムの昇天後、今年で九百九十年目になります。女神暦はその時から続いているもので……」


 今日は、青空食堂にみんなを集めての授業だ。だが、教師はいない。

 要するに、便利に使われているわけだ。そう、みんなの前で説明をしているのは、この俺、ノールだったりする。子供相手に一般教養を教えるくらいはできるだろう、と言われて、送り出されてしまったのだ。


「一年には十二の月がありますね。普通に一月、二月といっても間違いではありませんが、それぞれの月には、個別の呼び名があります。はい、じゃあ、一月の呼び名がわかる人?」

「はぁい」


 一人の少女が手を挙げる。


「どうぞ」

「蛋白石の月でぇす」

「そうですね」


 この世界では、それぞれの月に宝石の名前がついている。一月には蛋白石……つまり、オパール、といった具合だ。そして宝石には象徴的な意味合いが与えられている。

 例えば、ここでいうオパールは、特に七色に輝くプレシャス・オパールのことを指しており、その意味するところは、文字通り「始まり」「創造」「光」「頂点」「生命」といった、めでたいものだったりする。

 ならばオパールは、この世界でもっとも珍重される宝石なのか、と言われれば、そうでもあり、またそうでもない。王侯貴族も、貴重なプレシャス・オパールを所有しているが、それらを普段の装飾品に用いることはない。きらびやかではあるが、同時に神聖すぎるからだ。原初の女神の象徴を身に帯びるには、それなりの理由がいる。


「いいですよ、じゃあ、ディーは座ってください」

「はぁい」


 そう言われて、彼女は腰を下ろす。


「じゃあ、四月の呼び名がわかる人? ……ええと、じゃあ、コヴォル」


 呼ばれて、彼はムスッとした。ここに入所した時点では、ほっそりしたかわいい幼児だったのだが、今ではすっかりゴツゴツした男児になってしまった。これはミルークとしても誤算だったろう。実際、見るからに横幅が広い。これは太っているわけではなく、そういう骨格なのだ。とはいえ、おかげで年齢の割にはたくましい。

 強いというのは、普通は長所なのだが、ここではそうとも限らない。それより貴族には、ほっそりとした美男子のほうが好まれる。兵士としての需要は、奴隷の男児にはないのが常識なので、肉体的な逞しさがプラスに評価されるケースは少ない。

 そして、ドロルの影が薄いのも、このコヴォルのせいだ。ぶっちゃけ、三つも年上のドロルより、なぜかコヴォルのが発育がよく、喧嘩になっても、ドロルが押し負ける。今、この収容所のガキ大将は、コヴォルなのだ。


「あー、ええと」

「ヒントです。二月は聖職者の象徴である橄欖石、三月は風の霊性の象徴である緑玉……この二つは、春を意味していますね。なら、次は?」


 但し、精神の成長が、肉体のそれに伴うとは限らない。彼は物覚えが絶望的に悪かった。

 というわけで、紛らわしい二つの候補を除外してやった。春の宝石は三つとも緑色だが、ペリドットもエメラルドも透明感がある。だが、最後の一つは、そうでもない。

 だが、それだけではわからないらしい。よし、もう一押し。


「ちなみに、この四月の石は、貴族の象徴です。富と王権、現世における頂点を意味していますよ」


 コヴォルは、うーんとうなってから、力んで叫んだ。


「ジャスパーだ! 碧玉の月だ。そうだろ?」


 横でそう言うのを聞いていたウィストが、目を閉じて首を振る。ああ、こいつ、また間違えやがったよ、と言わんばかりに。

 確かにそうだ。このコヴォル、将来は騎士になるんだとか、今の身分からすればあり得ない夢ばかりを口にする馬鹿だが……馬鹿なら馬鹿なりに、自分に関係するものについては、詳しくなっておいてよさそうなものなのに。


「それは……正反対ですね……ウィスト」

「ほいよ。ジャスパーは、その次の五月の石な? 雨と泥と雑草、農民の象徴だろ? 正解は、翡翠だ」

「その通りです」


 ぐぐぐ、と恥辱に顔を紅潮させ、コヴォルは手を振り回す。


「くそっ、このっ」


 椅子に座ったまま、ウィストは器用にひょいひょい避ける。

 コヴォルは馬鹿だが、陰険ではない。恥をかかされた、と思っても、たいていその場で終わってしまう。そこがいいところだ。乱暴者で、すぐ手が出るが、俺は嫌いじゃない。それに、あからさまに弱い奴とか、女の子は絶対殴らない。ドロルとは大違いだ。


「座っていいですよ」

「まだだ!」


 拳が一発もかすらなくて、彼は鬱憤の持って行き所がなくなったらしい。


「もう一問だ。次は当てる!」


 当てる、って、クイズとかギャンブルじゃあるまいに。まあ、いいけど。


「では……紫水晶は、何月の石ですか?」

「うっ……んと……」


 なるべく簡単な設問にしたつもりだ。ドナの誕生日から一ヶ月。今は秋の最中、黄玉の月だ。たった一ヶ月前のことだし、さすがにこいつでもわかるだろう。


「七月だ! そうだろ!」

「いいんですか? それで本当にいいんですか?」


 そうだった。面倒なことに、正解させてやらないと、こいつは終わらない。でも、嘘をつくわけにはいかないから、こうやってヒントを出しまくってやる。さあ、気付いてくれ。

 だが、横から余計な声が飛んできた。


「ひどぉい……ドナちゃんの誕生月なのに」


 ディーの突っ込みに、コヴォルはうろたえる。余計なことを……。

 紅玉の月にドナが生まれていたのなら、彼女もコヴォルやウィストと一緒に、前回のオークションに連れ出されていたはずだ。そうなっていない、ということは、もっと後だとわかる。


「じゃ、じゃあ、ろく……」


 いい加減にしてくれ。お前一人の授業じゃないんだ。そう言いたくなったりもする。まあ、指名したのは俺なんだが。

 俺は少し、厳しい視線を送ってみた。それで察したのか、コヴォルは言葉を飲み込む。


「八月……そうだ、八月だ! そうだろ?」

「はい、正解正解! その通りですよ!」


 周囲がほーっと息を吐き出す。ウィストあたりが俺に冷たい視線を送ってくる。わかってる。どうせ馬鹿だってわかってるのに、なんでいちいち指名するんだって。そりゃそうだけど、だからって放置したら、ちっとも成長しないじゃないか。できる奴、お前みたいなのは、そのまんまでいいんだよ。


「紫水晶は、兵士の象徴ですね。勇気と危険、希望と絶望の二面性を持つとされています。……騎士になるならまずは一兵卒から、ですよ?」

「お、おう」


 不思議なことに、腕力では俺の遥か上をいくコヴォルだが、今まで一度も手をあげられたことがない。それどころか、若干、尊敬されている気さえする。なぜだろう?


「じゃあ、ディー」

「ふぇ? わ、わたし?」

「縞瑪瑙の月の二日は、別の呼び名では、どうなりますか?」

「えっ、えーっと、うーんとぉ……先生、いきなり算数だなんて、ずるいですぅ」


 舌足らずな喋り方をするディーだが、別にドナのような美少女というわけではない。それは確かに、ミルークがわざわざ買い取ってくるくらいだから、平均よりはかわいらしいが、その程度だ。

 この子も、実はコヴォルと似たり寄ったりだ。お屋敷に上がれば貴族のように華やかな暮らしができるんだ、といつも言っている。下働きの、そのまた見習いになるのだから、そんなわけはないのだが……ミルークは、そのあたりの誤解を矯正するつもりはないらしい。収容所よりいいところに行くんだという希望が、彼ら子供達の支えになると考えているからだ。

 ディーは、記憶力こそ悪くないものの、考えるとなると、途端にダメになる。今も、簡単な引き算ができない。まだ六歳、前世の日本では小学一年生になる前なのだから、そこは仕方がないのかもしれない。


「えーっと、三十一日が一日、だったっけ? だから、青玉……の月の、三十二日?」

「正解ですよ」


 そう、この世界の暦は、重複するのだ。最後の縞瑪瑙の月だけ、きっかり三十六日まである。その最後の六日間が、年末のお祭りの時期だ。そして、年初の一日は休日だが、基本的には女神に祈りを捧げるための日とされていて、もう飲んだり騒いだりはしない。その翌日からは、普通に仕事が始まる。


「じゃあ、ドナ」

「はい!」


 ドナだが、最近、わけがわからない。今までずーっと根暗そうにしていたのに、急に元気になった。いつからだろうか? 彼女の誕生日……いやいや、それはない。確かにあの日は、一日中上機嫌だったが、それはそれだけの理由があったからだ。

 だが、よくよく考えると、あれから彼女は、俺にも笑顔を見せるようになった。まさか、花を贈ったのが俺だとわかったとか? だが、どうやって? あり得ない。

 とはいえ、基本的には内気だから、ちょっと会話に詰まったりすると、途端に顔を赤くする。それで余計にものが言えなくなる。

 だからこうやって、授業などで指してあげると、大喜びする。答えを言えばいいからだ。正解のない会話より、こっちのほうが、彼女にとっては楽なんだろう。ただ、元気すぎて面食らうから、滅多に彼女を指名しない。


「次のオークションの日取りは、何月の何日になるかな」


 ちょっと意地悪な質問かもしれない。自分が売られる日、つまりはお別れの日、という意味なのだから。でも、俺としては、まさか彼女を買い取ってやれるわけでもないし、これからの将来に対して、前向きになって欲しい。大丈夫、彼女になら、いいパトロンがつくだろう。

 案の定、一瞬笑みを消したドナだったが、すぐに立ち直ったようだ。元気な笑みを浮かべて、ハキハキと答えた。


「藍玉の月の三十日です!」


 一年のうち、何度か大きな市が立つ日があるが、藍玉の市、つまり十月末のそれは、一際規模が大きい。翌日の冬の祭りを前に、多くの物資が動くからだ。また、藍玉は商人の象徴でもある。商売を生業とする人々にとっては、負けられない一日なのだ。

 それにまた、藍玉には、「甘えを断ち切る」という意味もある。ドナにとって、どういう理由だか知らないが、ここが居心地のいい場所になったなら、それはそれで嬉しい。でも、その甘えは、もうすぐ捨てなければいけない。俺なりの親切心ではあるが……


 それにしても、どうしてドナがこうも気になるのだろう? 将来が楽しみな美少女だからだろうか?

 それもあるが、そんなに単純でもない。

 もしかしたら……彼女が俺の姉、という可能性はないだろうか?

 確かに、髪の毛が黒くて、肌が白いとなると、俺とも条件がぴったり合う。

 だが……


 ハンファンの青年貴族がこの辺りを旅行して、王都に向かった。その際に、孕まされたのがドナの母親だ。それが八月のこと。しかし、俺の誕生月は翡翠の月の六日。ドナの七ヶ月も後だ。

 果たして、どんな目的でその貴族が旅をしていたかはわからない。ただ、ハンファンは遠い。フォレスティアの貿易港からだと、途中にあるチーレム島……中央陸塊に立ち寄ってから、また船で移動して、やっと辿り着ける場所だ。フォレスティア商人の通常の行動範囲は、せいぜい南の対岸のサハリアか、北西に広がるセリパシアのほんの入り口くらいまでだから、いかに遠いかがわかる。

 で、その遠くの貴族が、わざわざこの辺りまで来た。やんちゃな真似をやらかしたのは、ここに定住する意志のない、ただの旅行者だからではないか。なら、さっさと王都に行くなり、セリパシアに渡るなりしてしまえばいい。そして、帰り道は何も一つではない。ティンティナブラム城を経由するルートでなくても、ハンファンには帰れる。

 歓待を受けた騎士の家で、突然、使用人をレイプするような男だ。きっと行く先々で無茶を繰り返してきたに違いない。そしてもし、この放蕩貴族が細かいことを気にしない性格だったとしても、お供の人達は違うだろう。

 ヌガ村とリンガ村は近くにある。地図上で知る限りではだが、たぶん、徒歩で一週間とかからないだろう。そんなところに、七ヶ月も経って、まだそんな貴族がウロウロしているほうがおかしいのだ。


 ……まあ、いいか。

 血縁者だったからって、どうなのだ? 収容所に来るまで、顔を合わせたこともない、存在自体知らなかった相手。そして、あと二ヶ月もすれば、きっといなくなる。その後は、二度と会うこともないだろう。

 俺は、面倒な繋がりなんて、もう求めてはいない。目標は二つ。一つは、可能な限り、大きな幸福感を得ることだ。そして、もう一つは……


「……ノール、君?」


 ドナが、俺の顔を不思議そうに見つめていた。そうだった。今は授業中だった。考え事にハマりこむのは、俺の悪い癖だ。前世も、注意力不足で死んだんじゃないか。気を張っている時はいいが、そうでないと危ないな。


「あ、ああ、正解、です」


 そこでディーが突っ込みを入れる。


「あー、ノールってば、ドナちゃんに見蕩れてたんだぁ」


 呼び方が「先生」から「ノール」になっている。だが、これは自業自得だ。授業中に先生の役割をほっぽりだして、自分の考え事にはまったせいだから。


「かっわいいもんねぇ、ドナちゃんは……でも、ダメですよぉ、私もドナちゃんも、もうすぐ貴族様のお屋敷に行くのです。そこでおいしいケーキを焼いたり、お庭のお手入れをしたりして、楽しく暮らすのです」

「え、あ、う、うん、そうだね……じゃあ、続きを」


 そこへ割り込みが入った。

 管理室からジュサが駆け寄ってきたのだ。


「おう、ノール、邪魔するぞ」

「はい」


 俺に一言断っておいてから、ジュサはみんなに向けて言った。


「今度のオークションに出る奴、外出許可が出たぞ! 今月の三十三日、馬車でお出かけだ。今回は、近くの街を見学させてやる。お小遣いも出るからな!」


 子供達は席を蹴飛ばして、喜んで跳ね回った。ジュサ、どうしてくれるんだ。本当に邪魔だ。やれやれ、これではもう、授業になりそうにない。


 その日の夕方に、急な手紙が届いた。とはいっても、それで顔を青くするのはミルークだけだったが。

 彼がサハリアに所有するナツメヤシ農場の生産量が、当初の予定を大きく下回りそうとの報告だ。サハリア名産のナツメヤシは、藍玉の月半ばに収穫され、すばやく荷積みされて、ここフォレスティアの市場にも流れてくる。栄養豊富で甘みに満ちたこの果物は、いい商品になる。ところが、どういうわけか今年は結実した量も少なく、あまり大きな利益が見込めない状況だという。

 さて、そうなると、いろいろと困ったことになる。奴隷商人ではあるものの、奴隷だけを商っているわけではないミルークは、いくつかのお得意先に、ナツメヤシを卸す約束をしてしまっている。これを果たせないでは信用に関わるので、サハリア在住の知り合いに、融通してもらえるよう、調整しなければならない。普段は日が落ちてからは仕事などしないのだが、この日は貴重な蝋燭を灯して、俺とジュサとミルークの三人で、急いで書類仕事を済ませた。そのまま早馬で、各地のミルークの部下や、ネッキャメル氏族の関係者などに指示が伝えられることになっている。


 そういうわけで、今日はクタクタだった。ジュサもぐったりして、すぐに管理室に引き上げていった。ウィストはとっくに夢の中だろう。決して見たりはしないが、月も中天にかかっている。俺も早く寝てしまおう。

 そう思って、二階への階段に足をかけた時、微かな歌声に気付いた。

 少女の声だ。ということは、三階から聞こえてきているのだろう。


 俺はその歌声に違和感を覚えた。声の主には似合わない、寂しげな響きが耳についたからだ。

 通常、三階には入れない。入る必要もない。だが、俺にとってはどうだろう? 鳥になってしまえば、侵入するのに何の差支えもない。変身するところを見咎められなければ。

 しかし、少し考えて、その必要もないとわかった。夜間、こんな時間に部屋の外に出て、廊下で歌うなど、許されてはいない。ということは、見張りも眠りこけているのだ。一応、階段脇の守衛室で、見張りが熟睡しているのを確認してから、そっと階段を登って覗いてみた。


 声の主は、やはりディーだった。

 悲しみに満ちたハミングが、夜空に吸い込まれていき、やがて消えた。

 頬を伝った涙の筋が、夜空の微かな光に照らされて輝く。

 その涙を拭いながら、一言。


「いやだよ……」


 昼間の彼女のぼんやりした雰囲気、言動からは、あまりにかけ離れていた。貴族のお屋敷で、華やかな暮らしをするのが夢だと。そう言っていたのに。

 馬鹿な。そんなこと、あるわけないじゃないか。


「……お母さん……」


 そう呟きながら、ディーは手すりにしなだれかかり、その場に突っ伏した。

 嘆いているのだ。ここに売り飛ばされてからも、彼女は希望を保ち続けようとしたのだろう。もしかしたら、親が自分を買い戻してくれはしないかと。

 その様子を見ながら、俺の腹の中では、何かドス黒いものが、熱を放ちだしていた。


 この期に及んで、まだ親のことを思い出すのか。だが、お前がここにいるのは、誰のせいだ? まさか誘拐されてきたのでもないんだろう? お前の対価として、お前の親は何を受け取ったんだ?

 本当は手放したくなかった? ああ、そうだろう。でも、手放すか、手放さないかを考えて、決めて、今があるんだ。他にも子供がいただろうし、もしかしたら、多少の蓄えだってあったかもしれない。親戚や友人に助けを求めるという手段だって、なくはなかっただろう。そんな中、お前を売ることにしたんだ。

 楽しかった思い出? 懐かしい故郷? それがお前に何をしてくれたんだ。今、こうして苦しんでるじゃないか。なのにどうして、今もそんな連中を、そんな場所を、恋しがるんだ。

 俺は、この世界に来る前に、前世で四十年近く生きたから、わかる。どうせ人生には、何も残らない。

 大事な友達? 三十歳を過ぎれば、付き合いなんかほとんど残らない。いとしい家族? 俺の家庭を棚に上げるとしても、職場で聞かされた愚痴の数々ときたら。結婚して三年も経たないうちに、嫁への愚痴、恨み言、溜息のオンパレードだ。

 要するに、どこまでいっても孤独なのだ。それを早く知るべきだ。はっきり言い切れるが、そんな繋がりなんかより、ずっと確かなものがある。金だ。ミルークを、いや、お前の親を見ればわかることじゃないか。


 ……行こう。

 馬鹿につける薬なんてない。

 これ以上、気分の悪くなるものを見ている理由がない。


 冷え冷えする秋の夜の空気に頬を冷まされながら、俺は暗い階段を下りていった。

知らなくても読めますが、一応、気になる方のために。

12の月は、こんな感じです。


01 オパール(蛋白石) 年の初め、新年、光、慈愛、女神

02 ペリドット(橄欖石) 春の始まり、芽生え、誕生、応援、0、徒弟、見習い、初心者、新弟子、宗教家

03 エメラルド(緑玉) 春、風、自由、恋愛、奔放

04 ジェード(翡翠) 春、繁茂する、繁栄、富、農地、王権、熟練者、現世の権威、成功者、勝利者、引退、老人、熟する前の収穫、怠惰

05 ジャスパー(碧玉) 初夏、雨季、泥、農民、初級者、1、苦労、努力、勤勉、野暮

06 ガーネット(柘榴石) 夏、朝焼け、職人、コツをつかんだ人、ひらめき、芸人、喜び、収穫、安息、安心

07 ルビー(紅玉) 盛夏、灼熱、火、情熱、闘志、反抗心

08 アメジスト(紫水晶) 初秋、夕焼け、兵士、勇気、二面性、運命の変転、危険、チャンス、実りを手にする、暗がりに進む

09 トパーズ(黄玉) 中秋、土、結果、喜び、収穫、安息、安心、生まれ変わり

10 アクアマリン(藍玉) 晩秋、別離、商人、旅人、決意、孤独、探求、甘えを断ち切る、その道に深入りする

11 サファイア(青玉) 初冬、水、義務、責任、社会における権利と義務

12 オニキス(縞瑪瑙) 黒、冬、闇の象徴、信念、誓い、意志


また宝石には「格」があります。


ペリドット、ジャスパー、ガーネット……初心者、初級者

アクアマリン、アメジスト、ジェード……中級者

トパーズ、エメラルド、サファイア、ルビー……上級者

オニキス、オパール……超自然的な何かで、人の喩えには使われない


ギルドとかのランクに使われます。

覚えなくて問題ないです。


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