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ここではありふれた物語  作者: 越智 翔
第五十一章 帝都だけの花
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封印されていた痛み

 目を覚ますと、雨音が聞こえた。

 昨日が一日、慌ただしかったのもあって、目を覚ましても妙な疲れのようなものが残っている気がした。それでこの雨、鬱陶しいことこの上ない。だが学園はお休みではない。ヒメノも待っているに違いない。そう思い直しても、出かけていくのが少し億劫ではあった。

 こんな日でも、ミアゴアの作る朝食は、変わらずおいしい。雨垂れの音を耳にしながら静かに食事を済ませると、傘を手にして勝手口から通りに出た。


 例の地下道の入口には、ヒメノが待っていた。


「昨日はどうなさったんですか? ケアーナさんから、帰りにはファルスさんと会えないかもだから、先に帰るように言われたんですが」

「うーんと、どこまで話したらいいのか」


 ごく簡単に纏めてしまうことにした。


「要は、去年みたいにまた、こちらの王国の貴族の子息を中傷するような、変な話が持ち上がってきてるみたいで」

「そうだったんですね」

「なんとかしようと動き回ってて」


 地下道に踏み込む。他の人は見当たらなかった。


「その、申し上げにくいのですが、今回も」

「ああ、前とは多分、違うと思う」


 昨年の件は、シモール=フォレスティア王国側の陰謀もあってのことだった。そのことをヒメノにちゃんと説明したことはないが、いろいろと察するところはあるらしい。

 だが、今回は違う。オギリックが家督を欲して、兄を追い落とそうとしている。この前提を置くと、彼がマリータの手を借りて目的を果たすなど考えられないし、そもそも不可能だ。そんな繋がりがあると知れたら、爵位を得るどころのお話ではなくなる。

 しかし、オギリックは気付いているだろうか。もしベルノストが切り捨てられることになったとしても、こういう問題をわざわざ起こしてまで家督を奪ったその弟を、次代の王が重用するなどあり得ないということに。昨年に続く不祥事を、わざわざ身内から引き起こしたオギリックへの視線は、相当に冷たいものになるだろう。それは、もちろん単に恨めしいという意味でもそうなのだが、主君に皺寄せがいくことに思いが至らない愚かさ……これを評価されてしまうのだ。


「ただ、どう始末をつけたらいいのか」


 俺の立場からすると、四つくらいの問題が同時に立ち上がってきている。

 まず、タマリアだ。彼女の身元について、あれやこれやと詮索されるのが一番まずい。もし、この件が沈静化しそうにない場合には、もう早い時点で彼女を無理やりにでも、ティンティナブリアに送ってしまわなくてはいけない。過去が表沙汰にならなければ、誰がなんと言おうと庇ってしまえばいいのだが、もし一切が表面化したら、彼女を罰することに正当性が出てきてしまう。

 それからベルノストの側の問題だが、こちらが三つくらいに分解できる。まず、事の始まりとなったグラーブとの関係。アルタールやリシュニアは、元の鞘に収まるように立ち回ろうとしているが、俺もそれを手伝う立場ということになる。二つ目は、オギリックの処分だ。ベルノストを守るのなら、どうにかオギリックに今の考えを取り下げてもらわなくてはいけない。単に説得するのか、代替案で妥協してもらうのか、力で解決するのか……今のところ、方針を決めることはできていない。そして最後に、既にオギリックの手を離れて動き出してしまった帝都の新聞社だ。


「私にできることがあれば、なんでも仰ってくださいね」

「ありがとう」


 とはいえ、下手に巻き込んでいいような話でもない。


「でも、ヒジリも今回は、深く関わることはできないと言っていたから」

「そうなんですか」


 ヒメノは少し、顔を曇らせた。相当にややこしい話に違いないと察したのだろう。

 傘をさしての通学ということもあり、言葉少なに学園の正門まで歩いた。だが、そこで俺達の足は止まった。


「……おはよう」


 泣き笑いのような顔をしたケアーナが、傘を手に、そこに立ち尽くしていたからだ。


「誰も会えてないの」

「昨日の朝、僕が話をしてから?」

「そう」


 校舎の裏で、俺とケアーナは声を潜めて話し合っていた。当然、ヒメノには教室に行ってもらったし、授業が始まってもサボるつもりでいる。


「つまり……正義党傘下の新聞社が動いていることを、ベルノスト様だけが知らない、と」

「そういうことになっちゃう」

「まずいな。当事者が」

「ねぇ、どこにいるか、思い当たることはない?」


 昨日、スラムに顔を出したことは間違いない。タマリアの自宅まで出かけていって、戻ってくるように言った。その場にルークも居合わせたのだから、そこは確かだ。


「シーチェンシ区に行ったことはわかっている」

「なにしに?」

「だから、例の……僕の知り合いの、ほら、奴隷時代の、彼女をメイドにしていたから、会いに行った」

「どうしてそんなことしちゃうの!」


 それは、弟の暴挙を知らないから。今、彼がタマリアと接点を持つことが危険であると、理解していないから。

 しかし、どうするつもりだったのだろうか。オギリックから協力を求められ、タマリアはそれを拒絶した。それを承知で彼女を呼び戻すというのは、弟の陰謀と向き合うことと区別できない。オギリックと対決するのか、それとも……敢えて背中から刺されようとしているのか。


「でも、それなら先に探すべき場所がある」

「どこ?」

「自宅。昨夜は雨だったんだし、さすがにベルノスト様も、野宿する理由も必要もない。一度、帰って寝ているはずだから」

「いるかなぁ」


 ケアーナは難しい顔をした。


「確認はした?」

「一応、昨日の夕方には」

「帰宅したのは、その後かもしれない」


 とにかく、探さないで済ませるわけにはいかない。


「じゃ、じゃあ」

「殿下に報告を。僕が探すので、他にできることがないか、リシュニア殿下と相談してもらえたら」

「う、うん」


 二人で行動しても、目と耳が増えるわけではない。それどころか、魔術を使用しての高速移動もできなくなるから、却って足手纏いだ。


「お見えになっておられません」


 ベルノストの自室まで訪ねていくと、臨時で雇われたメイドが、無機質な声でそう返事をした。


「念のために、この通り……これが僕の身分の証明です。帝立学園に通う学生であることは事実で、ベルノストは僕の先輩です。雇用主の情報を漏らさない、という契約はあるのかもしれないですが、先輩は学園にも姿を見せていないのです。行方不明かもしれないから、確認させてほしいのですが」

「私は住み込みの使用人ではありませんので、ベルノスト様がお帰りかどうか、確かなことは申し上げられません。ただ、昨日の夕方に清掃とベッドメイキングを済ませましたし、夜食と朝食の配達も受け取ってから、こちらを後にしました。今朝、こちらに戻って見た限りで申し上げますと、夜食には手をつけられていませんし、ベッドにも皴一つできていませんでした。お戻りではないのだと思います」


 これは異様な事態だった。ベルノストがスラムまで出向いたのは、予想外とはいえ、あり得ないこととまでは言えなかった。だが、それでタマリアに断られたのはいいとして、どうしてその後、こうして行方不明になる必要がある? 帰宅途中でスラムの住民に襲撃されたとか? 彼がそうそう不覚をとるとも思えないが、大勢によってたかって殴られたら、逃げ切れずに倒されてしまうことは考えられる。

 そうなると、もう一度、シーチェンシ区に戻る必要がある。ルークの手も借りて、どこかで貴族の子弟のような誰かが襲われていないか、情報収集しなくてはいけない。まさか、うっかり殺されていたなんてことはないとは思うが……


 急ぎ、タマリアの自宅付近まで飛んでいき、そこからはスラムの凹凸だらけの道を歩いた。千年祭の再開発の対象とならなかった区域はこの通り、相変わらず水捌けも悪いままだった。足下の悪さに閉口しながらも、俺はなんとか彼女の家の前に辿り着いた。それからノック。


「タマリア? いる?」


 返事がなかった。それで、扉を押して中に入ろうとすると、抵抗があった。何かがつっかえている。


「どうした? タマ」

「……ファルス?」


 信じられないほど弱々しい声が内側から聞こえてきた。普段の彼女を知る人からすれば、別人としか思われない。


「そう、そうだよ。何があった? 中に」

「来ないで」


 あからさまな涙声。いったい、これは……


「とにかく事情を」

「来ないで!」


 同時に、何か陶器を投げつけたらしい。それは入口の扉に当たって砕け散った。その勢いに押され、俺は一歩後退った。

 どれほどの事件が起きたのか。少なくとも、暴漢に殴られたくらいでは、こうはならない。どうしたものか。心の中を魔術で読むか、それとも……

 俺が逡巡して周囲を見回した時、近くの建物の脇から、ルークがこちらに手招きしているのがわかった。それで俺は、いったん引き下がることにした。


「何があった」


 ルークの自室。見事に何もない。安物の寝台が一つある他は、家具らしい家具がない。椅子さえない。そのせいで、この狭さ、薄暗さにもかかわらず、やけにがらんとして見える。


「ああ……昨日、お前がいなくなった後、もうすぐ夜って時間になってから、タマリアが帰ってきて。そのすぐ後に、またベルノストが顔を出したんだ」


 ルークが語る限りでは、こんなことがあったという。

 そろそろ日が暮れようという時間帯、西の空に大きな黒雲がかかっていて、そろそろ空模様が怪しくなり始めていた頃のことだった。タマリアがやっと渡し船に乗って、自宅まで帰ってきた。ルークは、俺からの伝言を預かっていたので、彼女の家の前で待ち構えていた。


『あれ? ルーク、どうしたの?』

『俺がどうしたってことはないけど、タマリア、市街地では何もなかったか』

『え? 別に特に変わったことは……ああ、口入屋さんがね、やっぱりそうそうすぐにはいいお仕事ないってさ』


 そこまでの彼女には、いつもと変わったところなど何もなかった。

 タマリアが遅い時間に帰ってきたので、近所の人々も様子を見ようと顔を出すのがいた。


『よぉ、タマリア、今日は手ぶらなのかい?』

『爺さん、いい仕事が見つからなくってね』

『そいつは困ったなぁ』


 他の人もいる中で、新聞社が動いている件を口にするのは憚られた。それでルークは様子見をしていたのだが、薄暗い中に一人の男の影が映った。


『あっ……ベルノスト』


 ルークは、ちょうどいい機会だと考えたらしい。二人について、あることないこと言いふらそうとしているのがいる。帝都の新聞社がゴシップをばら撒こうとしている。なら、その事実をここで纏めて伝えてしまえばいい。


『ちょうどよかった、あのな』

『済まない、先に大事な話がある』


 その口調に、ルークは違和感をおぼえた。ベルノストはいつも毅然としていながら、礼儀正しい。なのに、今回はそのどちらも欠いていた。見たこともないほど余裕がなさそうだったし、相手の話を遮って、一方的に言いたいことを口にするなど、初めて見る姿だった。

 ベルノストは、家の扉を背にしたタマリアに向き直り、緊張した面持ちで何かを言い出そうとしては、唇を震わせ、拳を握りしめるばかりだった。


『な、なにかな』


 タマリアは、少し戸惑った様子で、不安げに彼の言葉を待ち受けた。


『……どう言えばいいのだろう……』


 独り言のように、ベルノストはそう小さく呟いた。それから、彼は改めて彼女に告げた。


『戻ってきてほしい』

『いや、だから、お貴族様の身の回りのお世話はね、肩凝るしもうやらないって言ったでしょ』


 この言葉に、近所の老人が反応した。


『はぁん? なんだぁタマリア、いいじゃねぇか、クビになったんだろう? またいい稼ぎがあるってぇこった』


 ルークは、すぐに矛盾に気づいた。タマリアは嘘をついていた。近所の人には、自分が解雇されたのだと伝えていた。そして、その認識の齟齬が、何か悪い方向に働くのではないかと直感した。


『仕事が不満か』

『ええ、ええ、せっかくだけど』

『わかった』


 ベルノストは小刻みに震えていた。


『仕事はしなくていい』

『う、うん?』

『だから、戻ってきてほしい』


 一瞬、この場の人々は、彼が何を言っているのか、理解できずに硬直した。

 ベルノストは雇い主で、タマリアは雇われメイド。なのに、仕事はしなくていい? なのに戻ってきてほしいとは。


『私には……あなたが必要だ』


 最初に、恐らくタマリアとルークは、彼の言葉の意味を正しく理解した。

 はっとして、ルークはタマリアの方に振り向いた。


 彼女は、なんとも形容し難い表情を浮かべていた。幸福の絶頂にいるかのような、それでいて、地獄の苦痛に苛まれているような。少なくとも、心の痛みは想像ではなく、現実だった。なぜなら、ルークは胸を引き裂かれるような激痛を感じたからだ。


『だめだよ……』


 蚊の鳴くような声が、沈黙に包まれたその場に、まるで雨の前の生温い微風のように流れていった。


『私は、もう、そんなの、許されてない……』

『私にできることなら! なんでもする! だから』

『帰って!』


 耳を劈く怒鳴り声が、暗雲犇めく赤黒い夕暮れ時の空の下、響き渡った。


『なぜ』

『お願いだから! 二度とそんな言葉、聞かせないで!』


 既に彼女の眼には、涙が滲んでいた。そして背を向けると、家の中に入り、すぐ扉を乱暴に閉じた。


『タマリア! タマリア! なぜだ! 出てきてくれ!』


 ベルノストは、扉を叩いて訴えかけた。だが、その背に触れる手があった。


『おい、どっかの坊ちゃんよぉ』


 近所の老人だった。彼だけでなく、スラムの住人達が、ベルノストに険しい視線を向けていた。


『この場で挽肉にされたくなきゃ、今すぐ消えな。てめぇだきゃ許せねぇ』

『な、なぜだ、なんのことだ』

『言わせんじゃねぇよ、このクソ野郎』


 ベルノストは理解できなくとも、ルークはすぐに察した。さっきの齟齬のせいだ。

 タマリアは、貴族の子息の世話をする仕事を解雇されたと言っていた。だが、ベルノストは戻ってきてくれと言いにきた。なら、もう一度働いて、高給をとればいいじゃないか。でも、タマリアは、見たこともないほど感情的になって、彼を拒絶した。これが何を意味するか?

 悪いことに、ベルノストは仕事などしなくてもいいと言った。これを見たままに解釈するなら、仕事以外の何かのためにお金を払う……つまり、タマリアに対して性的な目的があってのことではないか。でも、彼女は襲われたなんて言わなかった。それは自然なことだ。誰だってそんな話はしたくないから。

 ルークはそれが勘違い、思い込みだと気付いていた。だから割って入って止めようとしたが、誤解を解くのは簡単にできそうもなかった。それに、当のベルノスト自身が、既に冷静さを失っていた。


『わかった……失礼する……』


 呆然自失といった様子で、ベルノストはよろめきながら、彼を取り囲み、威嚇する近隣住民の間を通り抜けて去っていった。


「そんなことが」

「何もできなかった。済まない」

「いや、よく知らせてくれた。そうだったのか」


 タマリアがああまで取り乱した理由は、どこにあったのか。近所の人々がそれを理解できなかったのも、無理はない。なぜなら、彼らは彼女の過去を知らないからだ。

 デーテルの死、その恨みを忘れられなかったために、養父まで殺された。彼女自身も、領主への反逆を罰するというより、ただただ心身を蹂躙するという目的で、犯罪奴隷として最低の売春婦にされた。憎悪に染まったタマリアの願いはゴーファトの死だったが、最後にその機会を与えられた時、彼女が選んだのは、彼を穢すことだった。

 いっそ怒りに駆られてゴーファトを刺し殺していたなら、却って彼女の中の罪悪感のようなものは、薄まっていたのかもしれない。だが、あの時、彼女はそれまでの悪意のすべてを込めて、彼の中の最も大切なものを踏みにじることを望んだ。

 それについての後悔があるかといえば、恐らくない。だが、同時に、彼女は自分で自分を許すこともできなかった。憎悪に身を委ねて、仇敵を死に追いやった。やらずに済むことではなかった。だが、それは彼女自身の選択を正当化する理由にはならなかった。

 だからこそ、彼女はこのシーチェンシ区のスラムで暮らすことに不満を抱かなかった。アドラットの好意に甘えるなら、もっと快適な場所で生きる機会だってなくはなかったに違いないのに。そればかりでなく、ろくに貯蓄もできない状況を改善しようともしなかった。それは別に、死を望んでいるとか、自らを罰しているといったようなものではないのだろう。もう少し控えめな……もう、自分は欲してはいけない、恵まれてはいけないのだと、心のどこかでそう感じていたのではなかろうか。

 自分を粗末にするというのとは、少し違う。投げやりになっているのでもない。まだ生きているし、死ぬ気もない。ただ、これからは善くあろうと、分限を弁えて、許される範囲で最善を尽くそうと、そういう心構えだったのではなかろうか。


 そう思うしかなかった。なぜなら、彼女はもう、まともな人生を許される身分ではなかったから。法的に許されないまま逃亡した犯罪奴隷。しかも、貞操もとっくに散らされている。

 そうして暮らすうち、帝都にファルスがやってきた。その周囲にいる友人達とも知り合いになる。みんな、未来ある若者達ばかりだ。彼女は、持ち前の明るさもあって、すぐに彼らと仲良くなった。それは決して上辺だけの付き合いではなく、彼女自身、その時間を楽しんでいたように思われる。

 だが、どこかで心に一線は引いていたのだ。多分、彼女は……


「……幸せを、恐れていたんだな」


 ルークは、虚ろさを感じさせる声で、そう呟いた。


 自分が愛されるはずがない。愛されてはいけない。だって、そんな人がいたとして、彼女自身はその相手に何を与えたらいい? 自らの愚かさのせいでスーディアの男達に散々汚された……そして最後には怨敵を穢すために自らをも汚した、この不潔な心身を差し出すのだろうか。

 タマリアとて、愛し愛される人生を欲しないのではない。むしろ熱望さえしている。だが、そんな可能性はない。また、あってはならない。だからこそ、願いが叶わないことに、彼女は安堵していた。


 だからこそ、ベルノストの……ほとんど愛の告白ともいうべき言葉に、あれほどまでに取り乱したのだろう。あれで、彼女は人の世界に引きずり戻された。どこかで引いていたはずの一線は踏み消され、蓋をしていたはずのかつての激痛が、情け容赦なく彼女を打ちのめした。

 だから彼は、何も知らなかったとはいえ、タマリアにとって最も残酷な扱いをしてしまったことになる。


「これから、どうする」

「僕はベルノストを探す。ルーク、悪いけど」

「わかってる。タマリアの傍から離れないでおく」

「頼む」


 それだけ言うと、俺はルークの部屋から出た。

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― 新着の感想 ―
タマリアは頼むから幸せになってくれ…頼むぞベルノスト…!
いやーこれもうどうなんのさ…
>  彼女は、なんとも形容し難い表情を浮かべていた。幸福の絶頂にいるかのような、それでいて、地獄の苦痛に苛まれているような。 アフラシャブの丘で脱糞して背徳感と罪悪感が混ざり合ったエッチ先生みたいな…
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