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ここではありふれた物語  作者: 越智 翔
《第一部・作品説明》
1/1069

【用語集】

※PCブラウザでの閲覧を前提としています

※記述の順序は特に指定していません

※間違い、見落とし、表記漏れなどあったら、ご指摘ください

※ネタバレ注意、気をつけてはいますが、記述は最新話に揃えてあるとお考えください

※記述内容は、基本的には、作中世界における一般的な認識に沿っています(従って、世間一般の認識が事実と異なる場合もあり得ます)


《凡例》


----------------------------------------

単語 :エロマンガ島

別名 :

分類 :[地名]

概要 :

実際にそういう名前の島があるらしい。

地名の詳細について記述する場合は、周囲の地点との距離関係で表現することが多い。

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単語……もっとも一般的な名称

別名……存在する場合は、別の名称

分類……何に関する用語かを分類したもの

概要……その項目の詳細、歴史、特徴など


分類には、以下の項目があります。


・一般

・地名

・国家・組織

・身分・称号

・アイテム

・史実

・その他


========================================


【一般】


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単語 :魔術

別名 :魔法

分類 :[一般]

概要 :


※多くのライトファンタジー作品に見られるほど、魔術は普及しておらず、その行使は非常に困難で、一般における魔術の知識は、極めて限られたものとなっている※


作中世界の現代においては、魔術は女神からの授かりものとされている。


ギシアン・チーレムの昇天後、中央陸塊に無数の石版が飛来したが、そこに各種魔術の使用方法について、記述されていた。

それらは誰もが閲覧できる状態にあったが、三百年後、諸国戦争が勃発すると、魔術が武器として使用されるようになり、それを妨害するために、石版の撤去や破壊が行われるようになった。

結果、石版の記述の写しには、非常に大きな価値が生まれることとなった。


正確な記述であると保証された魔術書は、この上なく貴重なものとされたが、一方で、利益目的の偽書も大量に出回ることとなった。

現在、特に上位の魔術について、正確な記載があるものは稀で、入手が非常に難しい。


魔術を行使するには、専用の言語を用いるが、その発音は非常に複雑となっている。

三十六の母音、七十二の子音が基本で、中には息を吸い込む音なども、そこに含まれている。

更に文字の表記パターンも無数にある。


なお、人間にはほとんど魔力がなく、従ってそのままでは魔術の行使が難しい。

実際に魔術を使う場合には、以下の何らかの対策をとらねばならない。


・触媒を用意する

 薬草や鉱物などを特定の方法で加工することで、魔術の触媒とすることができる

 こうした触媒は、消費されて失われる


・魔力を増幅する道具を使用する

 一部の特殊な製法で作られた物品が、魔術の触媒となることがある

 身につけることで、所有者の魔力を高めるが、使用者の体力を消耗するなど、副作用が発生する場合が多い

 これらは、高価な素材と高度な技術で作られた魔法の道具であり、事実上の触媒といえる

 但し、そういった品物は、一般には出回っておらず、極めて貴重


魔術核マナ・コアを取り込む

 魔術核といわれる特殊な宝石を飲み込むと、その人自身が魔術の触媒となる

 特に副作用もなく、取り込んだ魔術核の大きさにもよるが、大きな力を引き出すことができる


・魔術に熟練する

 魔術に熟達することで、低位の術であれば、触媒を消費せずに行使できるようになる


・儀式を執り行う

 通常の手順の何倍もかけて、術を発動する

 そのため、膨大な時間を要する


・人数を集める。

 同じ魔術を使用できる人間を集めて、一緒に術を発動する


このように、魔術の行使には、大きな制限があるのが普通となっている。

またそのため、実際に練習するだけでも、巨額の費用がかかる。

従って、上位の魔術師になれる人間は、非常に限られている。


なお、女神の石版が飛来する以前においては、「魔術」「魔法」という言葉が意味するものは、邪悪な存在に由来する呪われた力と考えられていた。

特に当時のセリパス教会は、魔術を厳しく取り締まっていた。


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単語 :神通力

別名 :

分類 :[一般]

概要 :


起源についてはあまりよく知られていないが、魔術と並んで、超自然的な力の一つとされている。

魔術に似て、人力を超えた様々な現象を引き起こすことができるが、相違点がいくつか存在する。


・触媒を必要としない

 また、触媒や道具によって、効果を高めることもできないとされている


・呪文や動作、儀式などによって発動するのではなく、本人の意志次第で現象が発生する

 ものによっては、本人の意志がなくても自動で効果が発生する

 このような性質から、魔術と違って、一つの神通力の効果を引き起こすために、複数の術者が協力することもできない


・熟達できない

 いったん発現した神通力については、基本的には常に一定の威力しか発揮できない

 ものによっては、練習によって威力の調整を行うことはできるが、魔術と違って、練習すればするほど威力を高められるわけではない


・覚醒する

 神通力を行使するのに必要なのは「覚醒」であるとされている

 詳細は不明だが、一定の手順で何かをすることで、いきなり神通力を得る場合がある

 但し、その「手順」には個人差があり、また目覚める神通力の種類も人によって違うため、具体的な方法は謎とされている


神通力に覚醒した人間が多くいるとされるのが、南方大陸である。

ついで東方大陸の一部地域にも、その手の人々がいるとされている。


神通力に目覚めた人間は、魔術を学んだ人間より、更に少ないとされている。


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単語 :女神

別名 :

分類 :[一般]

概要 :


単に女神といった場合、この世界を創造したとされる「原初の女神」を意味する。

現存する宗教のほとんどは、この女神の実在を認め、信仰の対象としている。


但し、この世界にはそれ以外の女神が多数存在するとされている。

女神教では、原初の女神は既に存在せず、百八もの化身に分かれたとしている。

それらの化身も、それぞれ何かを象徴する女神であるとされる。

セリパス教では、原初の女神は、正義の女神、即ちモーン・ナーでもあるとしている。

結果、ただ女神というだけでは、それが何を指すのかが明確ではなくなった。


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単語 :龍神

別名 :五色の龍神

分類 :[一般]

概要 :


龍神とは、女神に力を貸して、世界の創造を助けたとされる神々を意味する。

それぞれ異なる色をしていたとされ、それゆえに「五色の龍神」などと呼ばれる。

彼らに共通するのは、細長い龍の姿をしていることと、男神であるとされている点である。


しかし、そのような恩恵をもたらした存在とされているにしては、そのありようは大きく異なる。

黒い龍神ギウナは、モーン・ナーとの戦いで、ムーアンを巨大な毒の沼に変えた挙句に、沿岸に住む住民を滅ぼしている。

また、緑の龍神ヘミュービは、西方大陸全般で信仰の対象とされながら、一方では自然の暴威そのものというように捉えられることもある。

赤い龍神ゴアーナ、黄の龍神トゥー・ボーに至っては、そのような詳細すら不明とされる。


唯一、いまだに人間の前に姿を現しているのは、青い龍神モゥハだけだが、それにしてもワノノマの姫巫女他、一部の限られた人々しか、姿を見ることはない。

また、恩恵をもたらしているとは言われるものの、具体的に何をしているかは、明確ではない。

はっきりしているのは、魔王を敵視しているという点のみである。


彼ら龍神に似た魔物として、竜が存在する。

こちらは四色で、ムーアン大沼沢に棲息する黒竜、南方大陸の密林奥深くにみられる緑竜、サハリアと東方大陸の砂漠地帯に巣を構える赤竜、南方の海に稀にみられる青竜がそれである。


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単語 :魔王

別名 :

分類 :[一般]

概要 :


女神に敵対する、超自然的な存在を魔王と呼ぶ。

代表的な例としては、南方大陸に勢力を張った「変異の魔王」イーヴォ・ルーなどが挙げられる。


彼ら魔王は一般に、魔物の支配者であり、数々の魔術を広め、自らも行使する。

また、自らを神とする場合もあり、たとえばイーヴォ・ルーも、嵐の神であると自称していた。


魔王の由来は明確ではないが、出現時期なら割と明確で、三千年前から二千五百年前と考えられている。

今から一千年前に、ギシアン・チーレムの放伐が始まり、その時期に魔王はすべて滅ぼされたとされる。


但し、現在も魔王達が残したものが、世界中に存在する。

魔物や迷宮は、その一例である。

また、魔王の本拠地は「幽冥魔境」といわれ、独特の構造物が存在することがある。

チーレム島の南側にも、かつての「暴虐の魔王」の幽冥魔境の跡地が残されている。


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単語 :精霊

別名 :

分類 :[一般]

概要 :


東方大陸にのみ存在するという、超自然的な存在。

西方大陸では、その存在を知っている人自体が少数である。


知られている限り、精霊は、女神に敵対する行動をとっていない。

また、魔王のように「幽冥魔境」を構えたり、人々に命令を下したり、といったこともない。

魔物を従えたり、迷宮を作り出したりもしていない。

そのため、魔王とは区別されている。


しかし、女神教やワノノマの魔物討伐隊などは、この精霊の存在を好ましく思っていない。

機会があれば、精霊信仰を取り締まろうとしている。


主として山間部など、人口密度の低いところで、ひっそりと信仰されている。

精霊には一般に、肉体や性別がないと考えられている。


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単語 :幸産み

別名 :

分類 :[一般]

概要 :


かつて、女神が奇跡を起こし、人々を救済するために行ったという儀式。

詳細は不明。

一説には、それは性的な何かだったと言われているが、女神教は公式にそれを否定している。


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単語 :幽冥魔境

別名 :

分類 :[一般]

概要 :


魔王の根拠地。

多くの場合、渦巻状に地面深く掘られた場所にある。

また、そこに何らかの構造物が組み込まれていることもある。


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単語 :天幻仙境

別名 :

分類 :[一般]

概要 :


女神(達)が暮らしているとされる、天上の楽園。

美しい庭園と、清らかな滝、素晴らしい宮殿があるとされている。

また、女神達の酒は喩えようもないほどの美味であり、天上の草原には不死の野猪がいて、これを狩って食べると、また美味であるという。


しかし、ここに出入りするには特別な資格が必要で、一般人には立ち入る術がない。

具体的な場所としては、チーレム島のどこかにあるという説もあるが、具体的な証拠もない。

ギシアン・チーレムは、女神達の招きに応じて昇天し、この天幻仙境に入って不死を得たといわれる。


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単語 :冒険者

別名 :

分類 :[一般]

概要 :


冒険者とは、この世界における傭兵とほぼ同義の存在である。


ギシアン・チーレムによる世界統一以前には、地域ごとに人員や物資を手配する豪族が存在した。

地域の覇権は必ずしも確定的なものではなく、他の勢力が有利となれば、肩入れする王国を変える地域もあった。

世界統一の時点で、そうした私兵集団の自律性を奪い、世界の辺境を平定する武力に置き換えるため、ギシアン・チーレムはこれらの仲介組織を冒険者ギルドとして統合した。

以来、ムーアン大沼沢や人形の迷宮といった「世界の辺境」を征服するために戦う戦士達は、冒険者ギルドが斡旋するようになった。

諸国戦争を経て、ギルドの影響力は大きく失われたが、現在もなお帝都には本部がある。


冒険者ギルド経由で傭兵を募集することもある。

但し、すべての傭兵がギルドに所属しているわけではない。


現在、冒険者の階級は、下から次のように分類されている。


(下級冒険者)

ペリドット

ジャスパー

ガーネット


(中級冒険者)

アクアマリン

アメジスト

ジェード


(上級冒険者)

トパーズ

エメラルド

サファイア


(ギルド支部長)

ルビー


(ギルド本部評議員)

オニキス


(皇帝)

オパール


月を示す宝石と同じように、ここでも宝石が階級を意味するものとして割り振られている。


ペリドットは、見習の階級で、信用面の確認が取れていない状態を示す。

身元も確かでなく、約束を守れるか、規則に従えるかどうかも確かでないとされる。

ジャスパーは、同じく見習いだが、信用面の確認が済んだ状態を示す。

よって、手紙の運搬や清掃活動、安全な地域での採取活動などを受託することができる。

ガーネット以上で、ある程度の危険のある仕事、難易度の高い野生動物の駆除や、魔物との戦闘が可能と判断される。


アクアマリンからは中級冒険者とみなされる。

ここからは素人以上の存在という目でみられる。

アメジストは、一つの支部でのみ活躍した場合に到達できる最上位階級となる。

これ以上の昇級を望む場合には、別の地域で成果をあげる必要がある。

アメジスト、ジェードに達した冒険者は、有能であると判断され、国軍への就職も割合容易になる。

トパーズから上は、上級冒険者とされ、その情報は世界中の冒険者ギルドで共有される。


事実上の最上位冒険者はサファイアである。

支部長にはルビーが割り当てられているが、必ずしも現役時代にサファイアまでに達したことを意味しない。

同じように、全世界の冒険者ギルドを統括する本部のトップには、その上のオニキスの階級が割り当てられているが、これは冒険者としての活躍とは関係ない。


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単語 :暦・季節・月

別名 :

分類 :[一般]

概要 :


冒険者の階級と同じく、十二の宝石が季節を示すのに用いられる。

そこにはこの世界の文化において暗黙の意味合いが含まれている。


一月  蛋白石の月 オパール、特に七色に輝くプレシャスオパールは女神の象徴とされる

二月  橄欖石の月 ペリドット、緑色の宝石で春の始まりを示す、数字の0、聖職者の象徴でもある

三月  緑玉の月  エメラルド、龍神ヘミュービや風の属性を示す

四月  翡翠の月  ジェード、貴族を示す宝石、ファルスはこの月の6日に生まれている

五月  碧玉の月  ジャスパー、数字の1、農民の象徴、初夏を示す

六月  柘榴石の月 ガーネット、職人の象徴、成し遂げることを意味する

七月  紅玉の月  ルビー、龍神ゴアーナや火の属性を示す

八月  紫水晶の月 アメジスト、初秋、兵士の象徴、二面性

九月  黄玉の月  トパーズ、龍神トゥー・ボーや土の属性を示す

十月  藍玉の月  アクアマリン、晩秋、毎年西方大陸ではこの月の終わりにあちこちの都市で市が開かれる

十一月 青玉の月  サファイア、初冬、龍神モゥハや水の属性を示す

十二月 縞瑪瑙の月 オニキス、龍神ギウナに割り当てられている宝石でもある


一ヶ月は三十六日だが、一年は三百六十六日。

前の月の最後の六日間が、翌月の最初の六日間と重複する。

しかし、縞瑪瑙の月の最後の六日間だけは、次の月と重複しない。


宝石には、上記のニュアンスがあるため、これを無視して着飾るのは恥ずかしいこととされる。

例えば、立派なプレシャスオパールを所有していても、女神に関係しない場でひけらかすと、大変に不遜な振る舞いに出ているとみられる。

また、そうした礼節を知らない田舎者、愚か者と侮られる場合もある。


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【地名】


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単語 :西方大陸

別名 :

分類 :[地名]

概要 :


既知の世界において、西側に存在する大陸。

大きく分けて、三つの部分に分割できる。

形としては、歪んだ「く」の字型である。


北西部……セリパシア

南東部……フォレスティア

南西部……サハリア


セリパシアは、豊かな森の広がる温暖な気候のフォレスティアを、北から覆うような位置関係にある。

その、セリパシアとフォレスティアの西側の境界あたりから、折り返して東側に伸びているのがサハリアとなる。

よってフォレスティアとサハリアの間には、内海がある。


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単語 :セリパシア

別名 :

分類 :[地名]

概要 :


西方大陸の北西部を占める地域をそう呼ぶ。

その呼称は、この地域から広まった宗教「セリパス教」に由来する。


狭義のセリパシアは、その中でも、特に西側の地域を指す。

東側は、アルディニアと呼ばれて区別される場合がある。


全体として、寒さの厳しい地域で、乾燥しているところが多く、内陸部は特に昼夜の寒暖差が激しい。

南側には針葉樹林が多くみられ、北側には草原やツンドラ、永久凍土もみられる。


面積は広大だが、未開拓の地域も少なくない。

アルディニアとセリパシアの間には、聖女の名を冠したリント平原が広がっている。

起伏が少なく、通行には適しているが、水源がなく、住民は少ない。

また、西側にはムーアン大沼沢がある。


セリパシア西部を統治しているのは、セリパシア神聖教国となる。


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単語 :アルディニア

別名 :

分類 :[地名]

概要 :


西方大陸の北西部のうち、特に東側の地域をさす言葉。

その呼称は、この地域を開拓し、支配したセリパシア帝国第九代皇帝アルデン帝に由来する。


東はティンティナブリアに接し、西はリント平原の入り口に至る地域で、セリパシアと呼ばれる地域の中では、高低差が激しい。

山脈に囲まれた盆地がいくつもあり、各地域を細い街道が結んでいる。


鉱産資源に恵まれており、特に中央盆地は、経済的にも大きく発展している。

またセリパス教神壁派にとっては、特別な聖地となっている。


この地域は、アルディニア王国の支配下にある。


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単語 :フォレスティア

別名 :

分類 :[地名]

概要 :


西方大陸の南東部を指す。

南東部といっても、実際には、セリパシアとサハリアの間に位置すると考えたほうがいい。

フォレスティアの南西の端から繋がるサハリアは、そこから東に伸びており、内海を挟んで、ほぼフォレスティア全体の南側をカバーしている。


東端部は、中央陸塊を望む大海に面し、西側はムーアン大沼沢にほど近いところまで伸びている。

全体として、東西に細長い。


その多くは森林または豊かな草原に覆われているが、諸国戦争の影響もあって、人間が未居住の領域は少なくない。

特に東端部の人口密度は非常に低く、国家の支配すら及んでいない。


この地域には、三つの国家が存在する。

東側を占めるのがエスタ=フォレスティア王国、

中央を占めるのがシモール=フォレスティア王国、

西側を占めるのがマルカーズ連合国となる。


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単語 :サハリア

別名 :

分類 :[地名]

概要 :


西方大陸の南西部、西端(といっても、ムーアン大沼沢の西側は、探索されきっていない)から折り返した先の地域を意味する。

西側は乾燥した草原、中央部から東側にかけては、主として砂漠が広がる。


西側は文化的に先進地域で、西方大陸でも、もっとも知識、技術力に優れる。

特に化学、薬学、医学、哲学、宗教学の分野では、世界一とされている。

この地域は、ワディラム王国の支配下にある。


東側は、オアシスや港湾都市が点在している。

長らくセリパシア帝国に抵抗してきた砂漠の部族が勢力をそれぞれに張っており、統一勢力が存在しない。


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単語 :神の壁

別名 :聖女の貞操帯

分類 :[地名][名所]

概要 :


アルディニアの中央盆地に存在する、真っ白な壁。

神壁派の聖地とされており、日々、熱心な信者が、ここでツルハシを振るっている。


聖女リントの没後三百年に、この地に彼女が再臨し、「この地を掘れ」と命じたとされる。

信者達はその教えに従い、山の岩壁を掘り続けた。

結果、そこから真っ白な壁が出現した。


この白い壁は非常に硬く、また頑丈で、信者達が一千年以上に渡って掘削を続けているのに、欠片一つ削り取れていない。

そのこと自体が聖女の奇跡と考えられ、今日も多くの信者がこの壁の前に集っている。

また、その頑丈さを皮肉って、生涯男性を受け付けなかった聖女に因んで、この壁を「聖女の貞操帯」などと呼ぶ輩もいる。


なお、付近は鉱産資源にも恵まれているため、鉱夫達が仕事に困ることはない。


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単語 :聖女の廟堂

別名 :

分類 :[地名][名所]

概要 :


セリパシア神聖教国の首都にある、巨大な建造物。

聖女の遺骸が葬られている。

一般人の立ち入りは固く禁じられている。


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単語 :ムーアン大沼沢

別名 :ムーアン大湖沼

分類 :[地名][名所]

概要 :


セリパシア西部にある巨大な沼地。

あちこちから有害なガスが漏出しており、また多くの魔物が跋扈する。

その中でも、もっとも危険なものが、黒竜である。


危険地帯である一方、多くの魔法の触媒が入手できる領域でもある。

また、この付近はかつての古ルイン人の居住地であり、数多くの遺跡が存在する。

そのため、多くの探索者を惹きつけている。


かつては、世界最大の淡水湖でもあり、経済的にも発展していた地域だったが、およそ二千五百年前に、モーン・ナーとギウナの戦いに巻き込まれ、何もかもが失われたとされている。


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単語 :リント平原

別名 :

分類 :[地名][名所]

概要 :


セリパシア中央に広がる平原。

高低差がほとんどなく、まるで人の手でならしたのではないかと思われるほどである。

馬車での移動のために、わざわざ道路を建設する必要がないとさえいわれる。


しかし、その大部分は降水量が極端に少なく、多少の植物がみられはするものの、農業には適さない不毛の地域とされる。

また、その北側は雪原となっている。

アルディニアからセリパシア神聖教国を目指す場合、雪原を通ったほうが近いが、苛酷な環境でもあり、危険なルートとされている。


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単語 :魔宮モー

別名 :

分類 :[地名][名所]

概要 :


セリパシアのどこかにあるという迷宮。

世界屈指の危険度を誇るダンジョンであるばかりでなく、いわゆる「呪い」の迷宮であるともされている。

かつてここに立ち入った人々は、無事、脱出を果たしてから、一年以内に全員死亡しているといわれている。


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単語 :デーン=アブデモーネル

別名 :

分類 :[地名][名所]

概要 :


エスタ=フォレスティア王国の王都を指す言葉だが、狭義には、その中心にある巨大な岩盤を意味している。

六大国時代のフォレスティア王国の東方司令部が設置されたのが、防衛上有利とみなされたこの岩盤の上で、以後、この拠点を中心に後の王都が開発されていった。


現在、この岩盤を囲う形で、幾重にも城壁が張り巡らされている。

外側から「流民の城壁」「市民の城壁」、岩盤の上、一番外側にあるのが「兵士の城壁」、内側に「貴族の城壁」「王宮の城壁」と続く。

兵士の城壁の内側は、王国屈指の高級住宅地であり、貴族の城壁の内側に至っては、ほぼすべてが王家の所有する超高級賃貸物件となっている。


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単語 :ティンティナブリア

別名 :

分類 :[地名]

概要 :


本来は、フォレスティア東部を占める地域を指す。

但し、南東部を含まない。

ロージス街道の東側に人が居住しなくなったため、現在のティンティナブリアは、アルディニア王国との国境付近にある盆地周辺を意味するようになった。


狭義のティンティナブリアは、この盆地のことで、この西側に聳える山脈は、エキセー川の水源地となっている。


かつてのティンティナブリアは、陸上交易の要であり、また豊かな農産物にも恵まれた地域だった。

しかし現在は、領主の圧政もあって荒廃している。


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単語 :ティンティナブラム城

別名 :

分類 :[地名][名所]

概要 :


ギシアン・チーレムによって、対セリパシア戦争の際の拠点として建造された要塞。

現代の石工達では手に負えない造形から、一説には、女神達がその基礎を造ったといわれる。

この、限りなく黒に近い灰色の巨体を、見る人々は「うずくまる大男」と形容する。


エキセー川の中に聳え立っており、川底から全体が、巨大な岩盤でできたお椀のような形になっている。

その中央に、低いところでも地上二十メートルという、とんでもない堅固さで石が積み上げられている。


難攻不落の堅城であり、歴史上、陥落したのは一度だけとされている。

その時は水攻めによって、上流側の城壁が大きく破壊され、また北西区画の広い範囲が土砂に埋まった。

しかしその後、水流対策を施した改修がなされたため、今ではそれも弱点とはいえなくなった。


世界統一後、ギシアン・チーレムは、この城を、幕僚だったロージス・ティックに与えた。

これがティンティナブリア伯爵領のはじまりとなった。


命名の由来は不明だが、ミルーク・ネッキャメルによると、当時のサハリア語とルイン語から、かつてのセリパス宣教戦争の拠点となったディノブルーム城をもじって名付けられたとされる。


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単語 :ロージス街道

別名 :ロージス古道

分類 :[地名][名所]

概要 :


ギシアン・チーレムの幕僚だったロージス・ティックが整備した街道。

西方大陸東部からティンティナブラム城へ、そこから更にアルディニアへと伸びる、長い補給路だった。

また、南西部に伸びるルートもあり、


世界統一後も、通商路として大いに活用されたが、続く諸国戦争によって、そのほとんどが破壊された。

今では、ティンティナブリアの東側の街道は、魔物の跋扈する領域となっている。


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単語 :ティック庄

別名 :

分類 :[地名][名所]

概要 :


ティンティナブリア盆地の南西部に位置する村落。

これとは別に、城のすぐ南側に、城下町が存在する。


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単語 :リンガ村

別名 :

分類 :[地名][名所]

概要 :


エキセー川の水源地帯に存在していた村。

ファルスの出身地である。


周囲には豊かな森があり、その奥には古くなった女神像が置かれている。

また更にその奥には、美しい沢が残されている。


アネロス・ククバンの襲撃により、ファルス以外の村民は全滅した。

そのため、現在は廃墟となっている。


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単語 :ヌガ村

別名 :

分類 :[地名][名所]

概要 :


ティンティナブリアの南西端に存在する村。

ノーラの出身地。


伯爵領の一部だが、王家が賃借して、そこに騎士を配置している。

スーディア、ティンティナブリアとも、隣国への睨みを利かせるためか、広大な伯爵領が置かれているが、それらの伯爵領自体が王家の脅威にならないよう、監視をおく必要があり、このような措置がとられている。

村の中心には、関所を兼ねた谷間の城砦があり、そこに騎士と配下の兵士が詰めている。


圧政を敷く伯爵の支配下にないためか、村は若干、周辺の地域と比べると裕福である。


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単語 :エキセー川

別名 :

分類 :[地名][名所]

概要 :


ティンティナブリア盆地の西側、リンガ村付近の産地を水源とし、そのまま南東方向に流れる川。

そのまま、ティンティナブリアの南東側、エキセー地方を潤す。


水源地付近では澄み切っているが、ちょうどティンティナブラム城付近に至ると、カフェオレ色の濁流になる。

それがまた、盆地を出てしばらくすると、不思議なことにまた、だんだん透明度が上がっていく。


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単語 :エキセー地方

別名 :

分類 :[地名]

概要 :


ティンティナブリア盆地から見て南東側の、海岸に面した地域。

ミルークの収容所がある。

また、王国内の大小の貴族が、この辺りに支配地を抱えている。


ここから見て西側には、山脈を挟んでコラプト、ピュリスがある。

東側には、トーキア特別統治領がある。


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単語 :ピュリス

別名 :

分類 :[地名]

概要 :


フォレスティア南部の重要都市。

かつてのピュリス王国の首都だった。

今は、エスタ=フォレスティア王国の王家直轄領で、総督が統治している。


その街並みは白一色。

基本的に、建造物はどれも白い石材を使うことと決められている。


旧市街地は西側の丘を中心としている。

かつて包囲戦が繰り広げられた際には、この丘の周囲の家々が、即席の城壁として機能した。


街の外から水道を引いているが、それがなくても、この丘には井戸があり、地下水を利用できる。

現在、この丘の上には、ピュリス総督官邸がある。

かつてはピュリス王国の宮殿があった場所でもある。


街の東側は新市街で、職人街や売春窟などがある。

この東西の区画を貫くように、大通りがあり、それは街の南側で八の字に枝分かれしている。


この分岐の真南の方向に、女神神殿のピュリス支部がある。

百八の石柱と、女神の伝説に関する無数のレリーフが美しい。


基本的に、この街に出入りするには、北側の門を通るか、南側の港から船に乗るかしかない。

一応、西門、東門は存在するが、普段は使用されていない。


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単語 :コラプト

別名 :

分類 :[地名]

概要 :


ティンティナブリアの南、ピュリスの北東に位置する都市。

やや標高が高いところにある。

濁った緑色の石材が印象的な街。


資産家のラスプ・グルービーが、ここに商会の本拠を置いている。

また、彼が運営する巨大な娼婦街があり、少なからぬ旅人が、それを目当てに足を運ぶ。


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単語 :トーキア特別統治領

別名 :トック男爵領

分類 :[地名]

概要 :


商人出身のウォー家が開拓した、エスタ=フォレスティア王国の南東端の地域。

開拓地ということで、貧しい農民が多く集まって暮らしていた。

しかし、海賊の襲来によって男爵家が途絶えると、王家の直轄地となった。

結果、開拓地に適用されていた軽減税率が撤廃され、この地に暮らす人々は、今も貧困に喘いでいる。


現在は、海竜兵団や岳峰兵団の一個軍団が配置されていて、王国防衛の重要拠点のひとつとなっている。


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単語 :スーディア

別名 :

分類 :[地名]

概要 :


エスタ=フォレスティア南西部を占める盆地。

上空から見下ろすと、三つのクレーターが重なり合っているように見える。

周囲は急峻な山々に囲まれていて、限られたルートを除いては、まともに侵入することもできない。


マルカーズ連合国を除けば、フォレスティア全域で、もっとも野蛮な風土に染まった土地でもある。

かつてはここに、エスタ=フォレスティア王国、シモール=フォレスティア王国、ピュリス王国の三つの勢力が入り込み、互いに覇を争った。

住民達もそうした状況に呑み込まれ、隣の村とも殺し合い、血縁があっても争い、同盟したり裏切ったりを繰り返してきた結果、暴力が安易に肯定される文化が根付いてしまった。


現在はエスタ=フォレスティア王国の勢力圏に収まっており、国家防衛の要地となっている。


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単語 :ルアール=スーディア

別名 :

分類 :[地名][名所]

概要 :


エスタ=フォレスティア南西端にある半島。

スーディアに入り込める三つのルートの一つでもある。

王家直轄の軍港が設けられている。


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単語 :タンパット村

別名 :

分類 :[地名][名所]

概要 :


ピュリス~スーディア間の海岸地帯にある寒村の一つ。

人口は百人にも満たない。


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単語 :フォンケニア

別名 :

分類 :[地名]

概要 :


エスタ=フォレスティア北部に位置する地域。

現在は全域がフォンケーノ侯爵領となっている。

北側と東側に山脈を持ち、南から南東にかけては森林が広がる。

南西部には湖があり、そこが王領との境界線になっている。


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単語 :ムスタム

別名 :

分類 :[地名]

概要 :


サハリア中部の内海沿いにある交易都市。

フォレス人居留地があるが、現在、どの王権のもとにもない。


オアシスがあり、周辺にはナツメヤシ(デーツ)畑が広がる。

その外側はほぼ砂漠となっている。


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単語 :人形の迷宮

別名 :

分類 :[地名][名所]

概要 :


サハリア中央部の砂漠地帯に存在するダンジョン。

特に危険度の高い迷宮の一つで、二千年以上前から存在し、無数の探索者がここで命を落としている。

また、この迷宮から時折、危険な魔物が這い出てくることもあり、近寄るだけでも危険とされている。


周辺は砂漠だが、少し離れたところに小規模なオアシスがあり、中央部の交易拠点となっているが、探索者達のベースキャンプとしても機能している。

付近には「赤竜の谷」もあり、安全とはいえない地域である。


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単語 :赤竜の谷

別名 :

分類 :[地名][名所]

概要 :


サハリア中央部の砂漠地帯に位置する峡谷。

文字通り、無数の赤竜が巣を作り、ここを中心に棲息している。


周辺を旅する人々は、この赤竜達の襲撃に怯えながら通行する。

サハリアの陸上交易はあまり盛んではないが、その主要な原因の一つが、この谷の存在である。

また、「人形の迷宮」などの危険な地点が、この砂漠の中央部に集中しているからこそ、

サハリアの政治勢力は、東西に分断されているともいえる。


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単語 :チーレム島

別名 :中央陸塊

分類 :[地名]

概要 :


三大陸からほぼ均等な距離に位置する、巨大な島。

ギシアン・チーレムの世界統一後に、チーレム島と呼ばれるようになった。


既知の世界の中心に位置することから、ギシアン・チーレムはここに帝都を建設した。

また、チーレム島北部の山地には、天幻仙境への入り口があるといわれている。

南部の海岸地帯には、かつての幽冥魔境の址がある他、魔術の石版の残骸が残されている。


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単語 :帝都パドマ

別名 :

分類 :[地名]

概要 :


チーレム島の中心都市。

ギシアン・チーレムが本拠地とした場所で、現在は女神教が本部をおいている。


魔王との戦いを想定して建造された都市であるため、極めて堅固な城壁、防衛施設を備える。

また、この都市は水源に恵まれていて、運河が街の動脈となっている。


ギシアン・チーレムの創建以来、この都市はどの政治権力の支配下にも入らなかった。

そのことを帝都の人々は誇りに思っている。

そのためか、この都市では、貴族の権威があまり通用しないところがある。


一方で、帝都にはエリートのための学園があり、貴族の子弟はそこで学ぶことが一種のステータスとなっているため、世界中から身分の高い人々が詰め掛ける。

いくら権威が軽く見られる土地柄とはいえ、貴族は貴族であり、中途半端に接点があるだけに、身分と貧富の差の激しさを実感させられる街でもある。


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単語 :南方大陸

別名 :

分類 :[地名]

概要 :


既知の世界において、南側に存在する大陸。

大きく分けて、四つの部分に分割できる。


西部……サハリアに近く、海峡を形成している地域で、主要な交易路をなしている。

中央部…標高の低いところは熱帯雨林、かと思えば世界最高峰の山脈もある地域で、ほとんど人が住んでいない。

南部……中央部よりやや乾燥した地域で、南方大陸におけるかつての中心地。

北東部…かつての東方大陸からの移民が作った都市が数多くある地域。


中央部・南部を除く各地域に、それぞれ国家ができては消えてを繰り返している。

西部は、サハリアの諸豪族との関係で、王国が生まれたり、攻め滅ぼされたりしている。

南部は、他の地域から隔絶しているため、割と安定して、長期間、国家が存続している。

北東部は、統一国家がなかなか形成されず、都市単位での自治体制を保っている。


南方大陸に暮らす人々をシュライ人と一括りに呼んでいるが、人種は様々。

西部に暮らす人々は、サハリア人との混血もあり、肌の色が濃い人が多い。

混血でない人々の中で、また人種的に異なるが、色黒の人が多い。

南部の人々も多くは色黒だが、顔立ちは異なっている。

北東部の人々は、どちらかというと、東方大陸のハンファン人に近い見た目をしている。


他に、この地域の特徴としては、神通力の能力者が多く見られるという点が挙げられる。

また、通常の人間とは異なる身体的特徴を有した「森の民」「風の民」などと呼ばれる人々が、中央部の森林に暮らしているともいわれる。


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単語 :東方大陸

別名 :

分類 :[地名]

概要 :


既知の世界において、東側に存在する大陸。

大きく分けて、三つの部分に分割できる。


北部……長い間統一勢力が生まれなかった地域で、南部よりやや貧しい。

中部……山岳地帯と砂漠が広がっており、北部と南部を切り離している地域。

南部……豊かな土地が広がっている地域で、かつての大陸の中心地。ワノノマ人の居留地がある。


東方大陸の中央部は、南北にそれぞれ広がる山脈と、その間の砂漠地帯でできている。

この山岳地帯には、精霊信仰が根付いている。

また、この山脈のどこかに、神仙の山と呼ばれる、一種の聖地があるといわれている。


砂漠にはろくにオアシスもなく、通行が非常に困難。

赤竜が生息しているのもあって、危険な地域とされている。


北部は、多くの貴族の寄り合い所帯が政治権力を形作ってきた。

この地域は、職人の技術力の高さで知られている。

ハンファン人は、サハリア人と並んで、もっとも文化的に進んでいるとされるが、特に北部地域では木工や建築に優れている。


南部は、繰り返し統一勢力が生まれた地域で、経済的にも重要な地位にある。

技術力に優れており、特にこの地の鍛冶職人は世界最高といわれている。


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単語 :ワノノマ群島

別名 :

分類 :[地名]

概要 :


東方大陸の更に東の海に浮かぶ島々。

住民は、姫巫女とオオキミを頂点とする社会を構成している。


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【国家・組織】


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単語 :旧六大国

別名 :

分類 :[国家・組織]

概要 :


ギシアン・チーレムの世界統一後に、それぞれの地域におかれた王国。

セリパシア神聖王国、フォレスティア王国、ワディラム王国、ポロルカ王国、チャナ王国、ワノノマ国の六ヶ国を指す。

いずれの国も、ギシアン・チーレムの子孫が王位を引き継いだ。


これらは後の諸国戦争によって、ワノノマ国を除いて、すべて崩壊する。

各王国は、複数の勢力に分割された。

西方大陸と南方大陸では、それぞれ王統こそ残るものの、今では旧領の一部しか掌握できていない状況になっている。


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単語 :エスタ=フォレスティア王国

別名 :

分類 :[国家・組織]

概要 :


旧フォレスティア王国の、東部地域を支配する勢力。

隣国のシモール=フォレスティア王国とは、フォレスティア王国の正統を争う立場上、険悪な関係にある。


もともとはフォレスティアでも辺境に位置する地域でもあったため、質実剛健の気風があった。

フォレスティア全般がそうだったが、特に尚武の気風に満ちていて、弓を嗜まない貴族はいなかったという。

しかし、ピュリス王国併合後、宮廷生活は複雑化し、奢侈に流れるようになった。


近年は中央集権化を進めているが、古い貴族からの抵抗を受けている。


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単語 :ピュリス王国

別名 :

分類 :[国家・組織]

概要 :


エスタ=フォレスティア王国に滅ぼされた王国。

フォレスティア南東部の都市国家群の盟主だった。


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単語 :シモール=フォレスティア王国

別名 :

分類 :[国家・組織]

概要 :


旧フォレスティア王国の、中央部を支配する勢力。

エスタ=フォレスティア王国とは、ほぼ敵対関係にある。


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単語 :マルカーズ連合国

別名 :

分類 :[国家・組織]

概要 :


旧フォレスティア王国の、西部地域を支配する勢力。

フォレスティア王の血筋を引くものがおらず、貴族の寄り合い所帯が、その代表を西方司令官の名目で、代表に据えている。


確固たる権威がないこと、サハリアとセリパシアに隣接する位置関係にあることなどから、この地域は常に紛争が絶えない。

諸国戦争の震源地でもあった。


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単語 :アルディニア王国

別名 :

分類 :[国家・組織]

概要 :


セリパシア東部を支配する勢力。

国名は、この地を開拓し、殖民したセリパシア帝国第九代皇帝アルデン帝に由来する。


神壁派のセリパス教が主流であるこの国は、セリパシア神聖教国と異なり、世俗国家である。

国王はギシアン・チーレムの血を引く旧セリパシア皇族の子孫とされている。


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単語 :セリパシア神聖教国

別名 :

分類 :[国家・組織]

概要 :


セリパシア西部を支配する勢力。

セリパス教の総本山がある地域で、特に主流派は聖典派が占めている。


もともとはギシアン・チーレムと旧セリパシア帝国の皇女との間に生まれた男子とその子孫が、セリパシア神聖王国の継承者とされていた。

しかし、諸国戦争によってセリパシアは東西に分裂し、セリパシア神聖王国の嫡流が途絶えると、セリパス教の司祭達がこの国の統治を引き受けるようになった。


分厚い甲冑を身につけた神殿騎士と、考古学に打ち込む(女神モーン・ナーに従って死に絶えたムーアン沿岸の住民の遺跡を調べるため)賢者達とが、この国のイメージを形作っている。


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単語 :セリパシア帝国

別名 :

分類 :[国家・組織]

概要 :


かつてセリパシア全域を支配していたのみでなく、西方大陸のほぼ全域を属国にしていた帝国。

ギシアン・チーレムによる世界統一を除けば、史上最大の国家。


聖女リントの宣教と、それに引き続く宣教戦争によって、領土は瞬く間に拡大していった。

聖戦士ヴェイグの娘婿となったハリ・サースを初代皇帝として、以後、数世代にわたって聖女の血縁者の血筋が継承されていった。


最盛期にはセリパシア全土を支配下においた他、フォレスティア全域を属国とし、サハリアのおよそ半分を征服していた。

また、セリパス教の布教も進んでいて、広い範囲に聖典派が、一部地域に神壁派が伝えられ、また帝国に抵抗を続けるサハリア東部でも、古伝派が広まった。

チーレム島でも、セリパス教徒は少なくなかった。


しかし、ギシアン・チーレムの討伐を受けて、帝国は壊滅する。

皇女が選ばれて彼の妻の一人となり、その子孫がセリパシア神聖王国の継承者となった。


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単語 :ワディラム王国

別名 :

分類 :[国家・組織]

概要 :


サハリアの西部を支配する勢力。

旧六大国の生き残りだが、嫡流は既に途絶えている。

諸国戦争によって、サハリア東部の支配を失った。

現状、その軍事力は、フォレスティアのどの国よりも小さいとみられている。


現在では、西方大陸の学問の中心地として知られている。

化学が進んでおり、各種火薬の製造が盛んである。

また、医学や薬学、それに宗教学なども進んでいるとされる。


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単語 :赤の血盟

別名 :

分類 :[国家・組織]

概要 :


サハリアの北東部に割拠する勢力。

多くの氏族の寄り合い所帯であり、力のある豪族が盟主として選ばれる。

ティズ・ネッキャメルも、ここの有力者の一人。


東部サハリアは紛争が絶えない地域で、他にもこのような氏族連合があり、しばしば武力衝突を繰り返している。


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単語 :ベッセヘム王国

別名 :

分類 :[国家・組織]

概要 :


南方大陸の西岸地域に存在した王国。

サハリア東部の紛争に巻き込まれ、滅亡した。

かつては大量の黄金を産したこともあって、繁栄を謳歌した。


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単語 :パッシャ

別名 :

分類 :[国家・組織]

概要 :


サハリアでも活動し、南方大陸に本拠をおくとされる秘密結社。

その実体は魔王イーヴォ・ルーに仕える闇の戦士達である。


神通力を駆使する術に長けていて、その優れた力を使って、各国の政争に介入する。


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単語 :女神教

別名 :女神神殿、女神教団

分類 :[国家・組織]

概要 :


女神を崇拝する宗教組織。

ここでいう女神とは、祝福の女神を中心とした、百八の女神のことである。

ギシアン・チーレムの世界統一後に組織された団体で、現在では世界で最も有力な宗教となった。


教義は非常におおらかで、ほぼ戒律らしい戒律がない。

殺人や強姦といった重大な犯罪に対しては寛容ではないが、ちょっとした過ちについては、いちいち咎めたてたりはしない。

また、売春や同性愛といった、タブーにされがちなものに対しても、これを排除しない姿勢をとっている。


但し、魔王やそれに関するものに対しては極めて敵対的で、徹底的な駆除、討伐が基本的な姿勢となる。


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単語 :セリパス教

別名 :セリパス教団、セリパス教会

分類 :[国家・組織]

概要 :


正義の女神を信仰する宗教組織。

千五百年前の聖女リントを開祖としている(但し例外あり、後述)。


宣教以来、武力闘争の繰り返しで勢力を拡大し、一時期は世界最大の宗教にもなった。

但し、その過程で分派が数多く生まれた。

現在もセリパシアの主流派である「聖典派」、アルディニアで信者を多く擁する「神壁派」、聖女の行跡を追体験する「聖女派」、聖女リントの権威を認めない「古伝派」と、様々な立場の信者が存在する。


それらは教義や伝承についての認識の違いから生じている。

聖典派では、聖女リントが女神モーン・ナーの代理人であり、彼女は生涯を伝道に費やした後、死去したとしている。

神壁派では、聖女の死後の復活と降臨を信じている。

古伝派に至っては、聖女リント以前の、二千五百年前のモーン・ナーの降臨を重視しており、聖女の権威を認めていない。


いずれにしても共通しているのは、彼らが信仰している神はモーン・ナーのみであり、女神教のように、その他大勢の女神を認めるということはない。

なお、女神教の百八の女神の中に、モーン・ナーは含まれていない。


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【身分・称号・制度】


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単語 :皇帝

別名 :

分類 :[身分・称号・制度]

概要 :


皇帝という言葉が意味するものは、一つではない。

ギシアン・チーレム以前と以後で、内実が大きく異なる。


ギシアン・チーレム以前の「皇帝」は、多数の国家の盟主、即ち「諸王の王」であることを意味した。

多くの在地貴族を支配下においた初代セリパシア皇帝ハリ・サースや、東方大陸南部で覇権を握ったソウ大帝などがそれにあたる。


しかし、ギシアン・チーレム以後、皇帝という言葉はまったく別の意味を持つようになる。

皇帝は、地上における女神の意志の執行者という位置付けとなった。


皇帝は、全人類にとっての最高指導者であり、誰に対するどんな命令も可能とされる。

就任には、全世界の国家からの承認と、宗教的権威からの支持が必要で、しかも具体的な目標を示さなければならない。

そうした性質上、世襲は想定されていない。


皇帝は、チーレム島と帝都パドマをその領土とする。

従って、帝都の人々は、皇帝が出現したら忠誠を誓うことになるのだが、ギシアン・チーレム以後、この地位についた人物は一人も出なかった。


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単語 :貴族

別名 :

分類 :[身分・称号・制度]

概要 :


世俗における世界の支配者が貴族で、その地位は、原則として世襲による。

例外は、国王に地位を与えられた一代貴族である。


貴族の地位を引き継げるのは、基本的には後継者のみとなっている。

通常、それは現当主の長男がその地位を得るが、当主が指名すれば、それ以外の男子も後継者となれる。


例外は男子が全滅した場合で、その場合には、長女が後継者と認められる。

但しその地位は、未婚の場合に限られる。

もし女子全員が既婚者の場合は、やはり長女が継承権を得るが、その支配権は夫に与えられる。


基本的に領地からの収入を得られる一方、納税義務がない。

但し、王国に忠誠を誓う立場であれば、従軍義務がある。

また、地位の高い貴族には「投票権」が与えられ、次代の国王選出に際して、自らが忠誠を誓うかどうかを選択することができる

(国王が代替わりするたび、貴族はいちいち主従関係を結び直すということ)。


フォレスティア、およびセリパシアでは、貴族には称号がつく。

姓の後ろにもう一つ、呼称がつけられる形となるが、これは他とは重複しない呼び名となっている。


貴族の地位には、五つの段階がある。

便宜上、五等爵で表記している。


王族・公爵……諸侯から王族の地位を認められた独立貴族で、多くの場合、旧六大国の血筋をひいている。公爵の嫡男以外は子爵に、その子孫は男爵となり、以後は貴族の地位を失う。投票権をもたない。

侯爵……………独立した勢力をもっていた貴族が、国王を承認したもの。長子以外も、形式的ではあるが、爵位なしの貴族と認められる特権がある。また、領内の移動を制限する特権もある。投票権を有する。

伯爵……………王家より特定の領土を預かったもの。原則として投票権をもたないが、歴史の古い貴族では、特に与えられたものもいる。

子爵……………歴史ある貴族の分家に与えられる地位。公爵の子孫、または侯爵、伯爵の分家が世襲する地位。

男爵……………それ以外の理由で貴族になり、爵位を授けられたもの。一代貴族も、たいていはこの爵位。

(爵位なし)…侯爵の息子(成人後も)や、成人・独立前の貴族の子女が有する地位。


サハリアなどでは、あまりこの五等爵の制度が機能していない。

氏族の長が侯爵相当で、その兄弟が子爵相当とみなされる。

他、地域によって、制度が異なることはある。


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単語 :騎士

別名 :

分類 :[身分・称号・制度]

概要 :


一千年前のギシアン・チーレムの時代において、「社会貢献するエリート」と定められた身分。

庶民と貴族の間に位置しており、数々の特権がある。

それらは彼ら自身を鍛錬したり、社会に利益をもたらすために、各地の貴族や権力者から保証されているものである。


彼らには移動の自由がある。

また、社会貢献に関わる活動においては、納税の義務がない(通常の納税義務はある)。

移動の自由と関係して、彼らは関税も免除される。


彼らの身分は、その能力が貴族達に認められることによって成り立っているため、世襲ではない。

しかしながら、騎士の家族も、形式的には騎士の身分として扱われる(爵位なしの貴族と似たような立場)。


通常、騎士になる場合、まず銀製品を与えられる。

フォレスティア王国では、腕輪が一般的である。

これを与えられた時点で、騎士身分の一番下、小姓とされる。

この時点では、全員が騎士を目指すとは限らない。

騎士身分とは、現状では、貴族にとっての人材のプールでもある。


ある程度の能力が認められるか、修業の旅に出る場合には、従士の称号を与えられる。

無事、修業の旅を終えて戻るなどして、能力が認められた場合には、正式に騎士となり、金製品を与えられる。


騎士は、次世代の騎士を育成する義務がある。

従士も、騎士の見習いとなって自身を鍛えることになっている。


騎士の身分は、庶民であっても貴族であっても、取得可能である。

逆に、貴族だからといって、自動的に騎士になれるわけではない。

修練と努力の結果でしか(本来の意味ではだが)、騎士の腕輪は手にできない。


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単語 :庶民

別名 :自由民

分類 :[身分・称号・制度]

概要 :


一般人のこと。

納税の義務があり、一般的に居住地の外に出るには領主の許可が必要で、場所によっては兵役も課される。


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単語 :奴隷

別名 :

分類 :[身分・称号・制度]

概要 :


社会に反抗した、または損害を与えた人が落ちる身分。

契約に基づく譲渡奴隷と、裁判の結果による犯罪奴隷とに区別できる。


一応、譲渡奴隷と犯罪奴隷では、扱いが異なる。


譲渡奴隷は最低限の人権が認められており、所有者は無意味に虐待したり、殺害したりしてはいけない。

但しその場合の罰則は、自由民を殺害した場合と比べて、遥かに軽い。

譲渡奴隷を虐待し、死に至らしめた場合、再び譲渡奴隷を購入する際に制限がかけられたり、罰金を科されたりする。

但し、少々のことでは虐待と認定されない。

多少殴ったり、売春を強要するくらいは、許容範囲である。


犯罪奴隷の場合は、事情が異なる。

まず、所有者には逃亡を防ぐ義務があり、そのためであれば殺害しても構わない。

売買も自由にはできず、当局の許可が必要となる。


奴隷はいずれも財産権をもたない。

但し例外があって、特に主人の許しがあって得た収入は、自分の物としてよい。

そうして集めた金銭で自分を買い戻せば、譲渡奴隷については、自由民に戻ることができる。


奴隷は、自分の名前を自由に選択できない。

主人が決めた名前を名乗る義務がある。

また、家名を名乗ることができない。

奴隷からの解放時に、自分で名前を決めることができるようになる。


奴隷の解放は、所有者が行える。

但し、犯罪奴隷の場合は、それに加えて、当局の許可も必要となる。


これらの身分には、年限がある場合がある。

数年経てば自由民になれるとか、犯罪奴隷から譲渡奴隷になれるといった特約がそれである。


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【アイテム】


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単語 :魔法金属

別名 :

分類 :[アイテム]

概要 :


魔力が沁みこんだ金属素材のこと。

どのようにしてできるかは、明らかにされていない。

魔法金属には特殊な性質があり、それが有用であるため、また希少でもあるため、高値で取引される。


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単語 :ミスリル

別名 :

分類 :[アイテム]

概要 :


魔法金属のうち、銀が変質したものを、便宜的にこう表記している。

純粋な銀色というより、どこか青みがかった色合いになる。


魔力を「流す」性質があるとされ、魔術道具の素材としては様々な用途で必要となる。

どこかにある魔力の探知、これから行使する魔力の収束、対象の魔力を散らす、といった感じで、万能である。

また、正しく鍛え上げれば、鉄より遥かに丈夫になる。


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単語 :アダマンタイト

別名 :

分類 :[アイテム]

概要 :


魔法金属のうち、鉄が変質したものを、便宜的にこう表記している。

黒ずんだ色合いとなり、特に純度が高いものは、光沢のある黒になる。

純度が低いものは、灰白色を呈することもある。


魔力を「遮断する」性質があるとされ、限定的な用途で魔術道具の素材として使用される。

また、魔術師殺しの素材として使用される。

例えば、風魔術で「矢除け」を行った相手に、アダマンタイト製の鏃を用いると、その魔術を突き抜けて対象に届く(もちろん、射手の腕前が悪ければ命中しない)。

加工は非常に困難だが、その硬度はミスリル以上で、最高の武具の材料といえる。

但し、この金属でできた装備を手にしていると、魔術の行使そのものが難しくなる。


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単語 :オリハルコン

別名 :

分類 :[アイテム]

概要 :


魔法金属のうち、銅が変質したものを、便宜的にこう表記している。

ブランデーのような琥珀色から黄色まで、様々な色合いをとる。

加工の仕方によっては、暗い色合いに染まる場合もある。


魔力を「吸収する」性質があるとされ、魔術道具の素材として、重要な位置にある。

但し産出量が特に少なく、希少性が最も高い。

魔術を吸収する性質を利用して、魔術師殺しに使われる場合もある。

例えば、風魔術で「矢除け」を行った相手に、オリハルコン製の鏃で射撃を行うと、狙いが逸れていても、魔力の発生源に向けて、軌道を曲げて飛んでいく。

ただ、硬度は低く、そのままでは武具などの素材には向かない。


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単語 :魔術核

別名 :マナ・コア

分類 :[アイテム]

概要 :


強力な魔力源で、小さな宝石の形をしている。

あまりにも希少で、詳細が知られていない。

どこから入手できるのか、作るとすればどうやってなのか、一切不明とされている。


どんなに小さなものでも、途方もない値段がつくとされている。

魔術道具の材料としては最高の価値があり、また、飲み込むなどすることで、人間がそのまま触媒となることもできるという。


魔術核は、特定の系統の魔力を有しており、それ以外の魔術のためには役立たないのが普通とされる。


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単語 :魔石

別名 :マナ・コア

分類 :[アイテム]

概要 :


魔力源となる石。

魔術核には及ばないが、やはり貴重なもので、魔力の供給元として、魔術道具の材料によく用いられる。


特定の系統に縛られることなく、どんな目的にも使用できる場合が多い。


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単語 :霊剣・垂氷

別名 :

分類 :[アイテム]

概要 :


キース・マイアスが所持している霊剣。

優れた切れ味に、刃こぼれしない刀身、そして強力な水魔術の触媒としての機能がある。


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【史実】

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単語 :宣教戦争

別名 :

分類 :[史実]

概要 :


千五百年前、聖女リントと、その信仰を受け入れた人々が起こした戦争。

セリパシア西部で信者を集め、入信しない貴族や都市を攻撃し、征服していった。


基本的には布教活動が中心であるため、まず、各地に先んじてセリパス教会が設置された。

聖女及び宗教関係者は、ハリ・サースのような権力者に庇護されているだけ、という形をとっていて、戦争と布教は、別のものという建前ではあった。

しかし実際には、布教と侵略がセットであったため、セリパス教会は弾圧の対象となることもあった。

教会側でもそうした事情は認識しており、教会施設内部を複雑な構造にして、戦争や諜報活動に活用できるようにしていた。


初代皇帝の時代に、西部の広い範囲が征服された。

狭義の宣教戦争は、この初期の二十年程度の期間を指している。

広義には、アルデン帝による東部植民地の開拓など、その後の帝国の多くの活動が含まれる。


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単語 :魔王戦争

別名 :

分類 :[史実]

概要 :


一千年前、ギシアン・チーレムの挙兵に始まる、魔王討伐を目的とした一連の戦争を指す。

但し、最初はセリパシア帝国に対する抵抗戦争の形から始まった。

その戦争の途上で、南方大陸のイーヴォ・ルーや、東方大陸南東部のゼクエスなど、多くの魔王を討伐した。


最終的に「暴虐の魔王」といわれた魔王を倒した後、ギシアン・チーレムは六大国のすべてから王女を迎えて、全員を妻とし、その子孫を各国の統治者とするよう約束させた。

その後、女神の招きに応じて、天幻仙境に至ったといわれる。


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単語 :諸国戦争

別名 :

分類 :[史実]

概要 :


七百年前、突然各地で紛争が多発し、すぐさま世界中を巻き込んだ大戦となった。

多くの勢力が分裂し、互いに争った。


この時期、特に西方で勢力を張ったのが、フォレスティア王国の西方司令官だったアルティ・マイトで、一説には、彼は皇帝になろうとしたといわれる。

他にも、野心から皇帝を目指した人物は多数いたが、こうした人々の故事から「皇帝になりたがる」、即ち身の程を弁えない、という表現まで生まれた。


百年余りに渡って大規模な戦争が繰り返され、その後は、歴史的記録にも乏しい暗黒時代に突入する。

その後、百年から二百年経つ頃に、各地に新興国家の芽生えがみられるようになる。

しかし、この時期にインフラが大きく破壊され、また魔術の石版も、その多くが失われた。

現代の世界も、今もってこの戦争から立ち直りきったとはいえない状況にある。


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単語 :ピュリス包囲戦

別名 :

分類 :[史実]

概要 :


エスタ=フォレスティア王国と、ピュリス王国の間で起きた戦争。


長らく南方のピュリスに押されてきたフォレスティア側だが、ようやく反攻に出て、ピュリスの包囲に至った。

しかし、海で周辺の拠点と繋がるピュリスは頑強で、攻め落とすことができない。

陸上では、石作りの町並みが即席の城壁となり、海上ではフォレスティア海軍は敗北し、補給を絶つこともできず、時間が経てば経つほど、フォレスティア側が不利になっていった。


しかし、ピュリスの国王が急死したため、都市内で主導権争いが始まった。

才気溢れるものの気性の激しいミーダ姫と、愚鈍でおとなしいズーボ王子がいたが、重臣達は後者を支持した。

政争が激化し、戦争状態でもあったために命の安全すら脅かされるようになって、姫はピュリスからの脱出を決意した。

海沿いを流れる並岸流を利用して市外に出て、エスタ=フォレスティア王に面会し、内応を約束した。

結果、ピュリスは予期しない形で陥落することになった。


これによってエスタ=フォレスティア王国は、フォレスティア東部における覇権を確立した。

しかし、ミーダ姫の持ち込んだ南方の奢侈の文化が入り込み、宮廷は急速に退廃へと引き込まれていった。

後にミーダは権力を掌握し、国政を思うがままに動かすようになったが、王族が彼女を排除し、国体を保った。


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【その他】


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単語 :世界の欠片

別名 :

分類 :[その他]

概要 :


佐伯陽ファルスが、死後の世界で黒髪の男に告げられた力。

何らかの超能力に目覚めると予告された。

結果、彼は二歳の時に、ピアシング・ハンドなる能力に覚醒する。


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― 新着の感想 ―
魔宮モーってクノッソス宮殿みたいなイメージかな?
暦の部分の、最後の月が前の月と重複するの部分でよく分からなかったので補足説明が欲しいです。作品としては重要ではありませんが...
[良い点] ソウ大帝 ティンプー王国 キト カリ サオー クオガン エイン アリュノートゥワタリ ファルス・リンガ・ティンティナブラム チェリオ・ナード・インセル マース・カーク [気になる点] >あ…
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