第26話 天下統一の影 (信長と天下を獲る――戦国タイムリープ日本統一記――/全100話完結)
天正十一年(1583年)春。
九州征伐の勝利で、信長は天下統一を果たした。
島津義久は恭順を誓い、九州は織田の支配下に置かれた。
信長は安土城で盛大な祝賀会を開いた。
「天下は俺のものだ」
家臣たちは歓喜した。
俺は鉄砲隊の総指揮として、安土に屋敷を与えられた。
だが、心は静かではなかった。
信長の苛烈さは、天下統一後も変わらなかった。
寺社への圧力は続き、民の不満はくすぶっていた。
秀吉は中国・九州を統治し、野心を隠さなくなった。
家康は関東で勢力を拡大。
光秀の死後、信長の家臣団は分裂の兆しを見せていた。
ある夜、信長が俺を天守に呼んだ。
「浩太、天下は取った。次は、どうする?」
信長の目は、どこか空虚だった。
俺は答えた。
「殿、天下を治めることです。民を豊かにし、乱世を終わらせる」
信長は笑った。
「治める? 俺は戦う男だ。治めるのは面倒だ」
その言葉に、俺は背筋が冷えた。
信長は天下を取ったが、統治のビジョンはなかった。
苛烈な政策は、天下統一後も続いた。
俺は信長に進言した。
「殿、農民の税を軽減し、商売を奨励しましょう。俺の知識で、流通を整備すれば、国は豊かになります」
信長は興味を示した。
「ほう。やってみろ」
俺は物流改革を本格化させた。
伝馬制を全国に広げ、兵糧の調達を効率化。
硝石の輸入を増やし、鉄砲の生産を倍増。
民は豊かになり、信長の支持は増した。
だが、信長の苛烈さは止まらなかった。
寺社への圧力は続き、僧兵の反乱が各地で起きた。
秀吉は九州で独自の政策を進め、家康は関東で勢力を固めた。
信長は家臣たちを疑うようになった。
「裏切り者は許さん」
俺は信長に近づき、忠告した。
「殿、家臣を信じましょう。天下は、皆で築くものです」
信長は俺を睨んだ。
「浩太、お前もか?」
その言葉に、俺は息を飲んだ。
信長の孤独は、深まっていた。
天下統一の影は、暗く重い。
俺は決意した。
――俺は、織田信長と共に天下を獲る。
ただの生き残りではない。
この時代の“勝者”になるために。
だが、信長の心を変えるのは、俺しかいない。
天下統一は、始まりにすぎなかった。
信長は地図を広げ、静かに言った。
「次は……」
その言葉を聞いた瞬間、俺の背筋が凍った。
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これからも信長と共に天下を目指しますので、よろしくお願いします!!
次回、第27話「統治の試練」。
信長の天下と、迫る新たな危機――。




