第23話 本能寺の夜明け (信長と天下を獲る――戦国タイムリープ日本統一記――/全100話完結)
天正十年(1582年)六月一日。
四国征伐の勝利の報が安土に届いた日。
俺は四国から急ぎの船で大坂へ、そして馬を飛ばして京へ向かっていた。
心臓が早鐘のように鳴る。
――明日が、本能寺の朝だ。
光秀の謀反。
史実では、信長はわずかな手勢で本能寺に滞在。
光秀の奇襲で炎に包まれ、自刃する。
だが今、俺がいる。
四国征伐の速さで歴史は変わった。
信長は安土に留まり、光秀に畿内を任せている。
光秀は動く。
俺は決意を固めていた。
――俺は、織田信長と共に天下を獲る。
ただの生き残りではない。
この時代の“勝者”になるために。
だから、本能寺の炎を消す。
信長を守り、光秀を止める。
それが俺の選択だ。
京に着いたのは、夜。
本能寺は静かだった。
信長はここに滞在している。
森蘭丸が俺を迎えた。
「浩太殿、殿は茶会を終え、休んでおられます」
俺は蘭丸に小声で言った。
「蘭丸、光秀殿の軍勢が動いている。謀反だ」
蘭丸の顔が青ざめた。
「本当か!?」
「間違いない。殿に伝えろ。すぐに安土へ戻る準備を」
蘭丸は走って本能寺の奥へ。
俺は外の警備を固めた。
鉄砲隊の残りを呼び寄せ、本能寺の周囲を囲む。
夜明け前。
遠くから、馬の蹄の音。
光秀の軍勢だ。
一万三千。
光秀は亀山城から京へ急行した。
「敵は本能寺にあり!」
光秀の声が響く。
織田軍のわずかな手勢が混乱する。
だが、俺の鉄砲隊が応戦。
――ドドドドン!
闇の中で銃声が轟く。
光秀軍の先頭が倒れる。
光秀は驚いた。
「鉄砲隊か……浩太か!」
俺は本能寺の門から叫んだ。
「光秀殿、止まれ! 殿を討つな!」
光秀は馬上から俺を見た。
「浩太殿……あなたは、殿の側か」
「そうだ。光秀殿、考え直せ!」
光秀は刀を抜いた。
「遅い。殿は狂っている。天下のためだ」
光秀軍が突撃。
鉄砲の連射で、数百が倒れる。
だが、数が多い。
本能寺の門が破られかける。
信長が甲冑姿で現れた。
「光秀め、裏切り者か!」
信長の声が響く。
光秀は馬を進め、叫んだ。
「殿、この明智光秀、謀反を起こしました!」
史実と同じ台詞。
だが、今は違う。
鉄砲隊が光秀軍を抑え、信長は本能寺から脱出。
安土への道を急ぐ。
光秀軍は追撃するが、鉄砲の壁に阻まれる。
戦いは朝まで続いた。
光秀軍は損害を出し、撤退を余儀なくされた。
本能寺は焼けなかった。
信長は生き延びた。
だが、この選択が、本来起きるはずだった本能寺の変を完全に別の形に変え、新たな内乱を引き起こすことになるとは、まだ誰も知らなかった。
信長は馬上で俺を見た。
「浩太、お前が守ってくれたな」
俺は頭を下げた。
「殿、無事で何よりです」
信長は静かに笑った。
「次は、光秀の首を取る」
その言葉を聞いた瞬間、俺の背筋が凍った。
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これからも信長と共に天下を目指しますので、よろしくお願いします!!
次回、第24話「光秀の追討」。謀反失敗後の光秀と、信長の復讐――。




