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start life over 破壊神から村人へ転生!なかなか無双もチートも出来ない、苦労が絶えない異世界生活!  作者: 虹まぐろ


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秋の収穫祭2 キノコ狩り

感謝祭迄あと5日


「アリリン、そっちにシイタケが行ったわよ。捕まえて!」


「はい、お義姉さん!・・・、ドレイン・タッチ」


 僕たち7人は今、薬草野原の隣りにある森、秘密基地のさらに奥にまで来ている。感謝祭の芋煮会の具材調達のためだ。


「ルカ! そっちにナメコよ」


「ん、わかってる。ルリこそシメジ」


 この辺りは新鮮なキノコが取れるため、みんな分散してキノコ狩りをしているところだ。


「マイタケの野郎逃げやがった。待ちやがれ!」


 やっぱりここのキノコは生きが良い。どのキノコも元気に走り回って逃げている。


 アリスはキノコ狩りが初めてだったようで、とても楽しそうにさっきからキノコを元気に追い回しては狩っている。


「シルバ、あんた立ってばかりいないでキノコを採りなさいよ。ほら、その松の木の落ち葉のところ、その膨らんでるところに隠れているの、マツタケじゃない?」


 そう言われて、松の木の根元を見ると、確かにマツタケっぽい。

 秋の味覚でキノコの王様であり、同時にマツタケは姿を隠すのが上手な森の隠者。気高く、香り高く、歯ごたえも良い。焼いても、炊いても、蒸しても、吸い物にしても良し。一年に一回は食べたい高級食材。


「じゅるり」


 僕は、舌なめずりをしながら、そっと身を伏せて隠れるようにしてマツタケに近づいた。


 ゴソゴソ、ガサガサ。


 マツタケに気付かれたか?


 僕の動きに合わせて、マツタケが隠れている木の葉がガサガサと音を出している。

 マツタケは王様だけ合って、走りもキノコ界の屈指の王様だから、一度逃げられると狩ることが非常に難しいキノコだ。


 一度、マツタケの警戒を解かないといけない。どうしたものか。動かずに考え込んでいると、サティお姉ちゃんとアリスの会話が聞こえてきた。


「アリリンちょっと良い?」


「はい、お義姉ちゃん」


「あのシルバの正面の木の下が膨らんでいるの分かるでしょ。あの膨らんでいる所に隠れているキノコはマツタケっていう、逃げ足がもの凄い早いキノコなのよ」


「マツタケ?名前だけは聞いたことがあります。とても高くて美味しいのですよね?」


「そう、すっごい美味しいの。でね、今シルバがマツタケに見つかって逃げられそうになっているから、こっそりと姿を消して空中から足音を立てないで近づいて、マツタケを後ろから狩れる?」


「出来ます。私にヤラセて下さい。私、マツタケを狩りたいです」


 いい作戦だ。僕は横目でアリスが消えるのを見ながら、マツタケの注意を惹くために、その場でスクワットを始めた。僕の動きにマツタケが混乱しているのが分かる。


なんで、今スクワット?


 そう考えていることだろう。


 ふふ、マツタケよ。お前は僕の術中にはまってしまった。お前の上にはもう僕のアリスがいるのだから。


「ドレイン・タッチ」


 マツタケは逃げ出すことも出来ずにあっさりとアリスに狩られてしまった。姿や気配を消して、足音一つ立てずに空中から近づいてからのドレイン・タッチ。


 アリスには狩れないキノコはないだろう。恐らく今日の活躍でアリスは「シリアル・キノコキラー」の称号を得たに違いない。


「アリリン、マツタケをとる時はまた実体化して根本から優しくとるのよ。土から離れた瞬間、辺りの空気が一変するぐらいにいい香りがするから嗅いでみなさい」

 

 アリスは、サティお姉ちゃんに言われた通りに実体化して、マツタケを根元から優しく引き抜いた。すると、とれたばかりのマツタケの軸から、芳醇で、気高く、清々しい香りが、ふわりと立ち昇る。その香りは僕にまで届いた。


「ほんとうに、良い香り。ほんとうに、良い香りがします。お義姉ちゃん」


「そうでしょう、そうでしょう。マツタケはキノコの王様よ」


 アリスは目に涙を浮かべて嬉しそうにしていた。初めての経験で思うところが沢山あるのだろう。アリスにはこれからも色々と経験してもらいたいと思う。


 お姉ちゃんもそれに気が付いてアリスの頭を撫で、マツタケ狩りを褒めていた。良い思い出が出来て良かったねアリス。



 その後はしばらくしてみんなで本日の狩りの成果を見せ合い、基本的には褒めて喜び合った。例外は勿論ヘスティア先生。


 ずっと静かに1人でキノコ狩りをしていたようだか、狩ったキノコはマッシュルームとエレンギが多い。


 アリスがマツタケを狩った話をサティお姉ちゃんから聞いたヘスティア先生は荒れた。


「シルバ君のマツタケをアリスさんが狩った?一体どういうことなの、シルバ君詳しく説明しなさい!ことと次第によっては先生もマツタケ狩りをしなくてはいけませんからね!」


「どうぞ、ご自由に1人で狩って下さい。僕たちは先に帰ってますからね」


「シルバ君、最近先生に冷たくし過ぎでしょ!先生も最近興奮を越えて熱狂して、シルバ君に陶酔しちゃうことが多くなってきたんだから!これ以上先生を困らせるなら、先生にだって考えがあります!」


「そうですか。では、僕たちはこれでお先に失礼します。お疲れさまでした」


 僕は先生に挨拶して、みんなで家路へとついた。今日のご飯はマツタケ料理だ。アリスも食べるの初めてみたいで楽しみにしている。みんなで狩ったキノコも沢山あるから今日はみんなでキノコ尽くしだね。


 今日の感謝祭用のキノコ狩りは大成功。次は肉だ。明日も狩りを頑張ろう。


「な、な、な、ななななな。シ、シ、シルバ君!これよこれ!先生これが、この扱いが癖になりそうなのよー!!」



 ヘスティア先生が泣きながら僕たちに追いついて来るまでに、アリスは更に三本のマツタケを狩った。


  僕は 間違いなく、アリスは「シリアル・キノコキラー」となってしまっていると思った。


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