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一方通行

作者: 豊田直輝

バスから見える風景は一面の雨模様

安全地帯からいくらか乱雑の世界の覗くよう

「買い物済ませて早く帰るか。」

バスの中まで雨音が微かに響いている

「せっかくの土曜なんだから、すぐ帰るのはもったいないよ。ららぽーとに行くんだし。」

あくまで真衣は譲らないようだ

「でもさ雨が降ってるじゃん。」

「だから何なのよ。雨がららぽーとの中まで入ってきてる訳じゃないし。せっかくの仕事休みなんだから楽しむ気持ちがないと休日の意味がないよ。」

「俺はね、思索がしたいんだ。」

そこまでいったら会話が急に途切れた。

お互いの一方通行というものはパートナーというものを必要としてないのかもしれない。

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