覚醒 ~産地直送は新鮮でウマい~
そこは暗くて狭い場所。
底冷えする昏い闇。
シェルターのような殻の中には、ただただ深い静寂が広がっていた。
僕はずっとここにいた。
状況はよく分からない。
けれど、賢い僕は「ああそうだ」と理解していた。
僕はあの日、冷凍車に閉じ込められて死んでしまったのだと。
……。
なにをアホなと思われるかもだが、いやいや……たぶん事実なのだから仕方ない。
本当にすまないと、誰かの謝罪を受けたのはなんとなく覚えている。
実際、業務用の冷蔵庫やら冷凍庫やらでうっかり閉じ込められて死んじゃったって話、結構あるのだが……。
ともあれ、僕自身がどんな存在だったのかはよく覚えていない。
冷凍のマグロさんと一緒に並んで、バタりと死んだとは思うのだが。
うん……。
死んだときに脳も凍っちゃったせいか、いまいちその前後の記憶を思い出せないのだ。
まあ、死んだことは確定だ。
なにしろ時間の感覚も曖昧になるほどに、僕は長い間この闇の中にいる。
叩いても割れない狭い闇の空間にて、呼吸もできずにずっと存在している。
それだけ長い間、食事も排泄もせずに生きている筈がない。
死んだ状態なのは確定だろう。
今日も僕は発狂しないように自分で自分を鼓舞するように。
ビシっと声を上げる。
「つまりこの暗闇は冷凍庫の闇でQED!」
僕は地縛霊にでもなって、ここに閉じ込められたまま延々と時間を過ごしているのだろう。
早く弔って貰いたいのだが……。
一向にその気配はない。
「いや、そもそも幽霊っているのか?」
いつものように独り言を漏らす僕であったが。
今日は何故だろう。
いつもと違う反応があった。
わずかな暖かさと共に、声が反響したのだ。
『ふふ、確かに幽霊という存在もあるであろうが――残念であったな、そなたは幽霊などではないぞ』
「へえ、僕は幽霊じゃない……」
って!?
「誰だ!? てか、誰かいるのか!? 僕の声じゃないよな!?」
反応が返ってくる。
『おや、精神を保っておるのか。ふふ、そうじゃ。そなたは幽霊ではない、まあ生きているかと言われると微妙な状態じゃがな』
何日ぶりなのか。
或いは何年ぶりなのか。
ともあれ、この闇の中。自分の叫びではない声が聞こえていた。
僕は狭い闇の檻の中で、慌てて周囲を見渡す。
しかしここにあるのは深い闇だけで、誰の姿も見えない。
いつもの黒。
シェルターの暗闇の中。
賢い僕は再び考える。
「……幻聴、じゃないよな?」
『はて、どうであろうな。妾の声を幻聴と断定し聞かなかったことにするのならばそれでも良し。妾も偶然、ここを通りかかっただけであるからな。見なかったことにしても良いのじゃが』
まじで誰かいるらしい。
甘ったるくもあり貫禄もある、艶めいた女性の声なのだが。
「わぁあああぁぁ! 妾さん!? 待ってストップ、ステイ!」
『ほほほほほ! 慌てておるようじゃな』
「当たり前だろう!? 僕がどれだけここにいると思ってるんだよ!」
『はて、どれほどなのじゃ?』
「知らないよ! ここには時計も太陽もないんだからさあ、それくらい分かるだろう!?」
しまったと思っても遅かった。
焦りのせいか、少々八つ当たり染みた反応をしてしまった。
けれど声の主は気にする様子もなく。
『よいよい、虐めてやるつもりはないのじゃ。なにはともあれ、ここは昏すぎる。我が夫の力で、少し照らすぞ』
――光あれ――。
暖かい光と共に、僕を包んでいた闇に光が灯され始める。
それはまるで太陽のような光だった。
けれど眩しいとは感じない。
太陽を直視して眩しくない。
その時点で違和感が凄い。
殻のような空間にずぅぅぅぅっと存在していた冷静な僕は、この状況を深く考え……。
「もしかしてだけど、僕って目がないのか?」
『妾には瞳を閉じているように見えるが――なにも心配はない。今のそなたの状態は生まれる前。そうじゃな、転生前の準備期間とでも思えばよいであろうな』
「転生?」
『ほう、転生の概念を知っておるようじゃな。どうやらそなたは遠き青き星、地球と呼ばれる世界から妾達の世界に紛れ込んでしまったようじゃが……そなたらの言葉ならばそうさな、異世界転生と思えばそう違ってはおらぬ』
つまりここは異世界。
そしてこの声は――。
「あんたはいったい……」
『妾か? みだりに正体を明かすなと言われておるが、そうさな――異世界人に正体を隠す意味もないじゃろう。心して聞くが良い』
光は美しくも神々しいドレス姿の女性へと変貌し。
にっこり。
微笑み、朗々と語りだす。
『妾は天の女神アシュトレト。この世界を創りし創世の神々の一柱。最高神が娶りし六柱の妻の内、最も美しく賢く謙虚なる神性、天を司りし美の女神じゃ。どうじゃ、美しかろう? ふふ、感涙し平伏しても良いのじゃぞ?』
「いや、悪いんだけど……よく見えないし」
やはり僕の瞳は閉じられているのだろう。
そこに美しい女性がいるとは理解できるのだが。
そこで止まっている。
『……ふぅ、妾の美を讃えんとはつまらんヤツじゃな』
落胆の声に僕は思わず突っ込んでいた。
「へえ? じゃあ女神様に聞くけどさ。見もしないでおべっかだけで美を讃えられたら、あんたはどうしてたと思う?」
『それはまあ、嘘は好かぬから魂を滅しておるに決まってるじゃろう』
「滅して……」
『神を愚弄したのじゃ、当然であろう?』
この身勝手さに僕は理解した。
これはたぶん本物の、”神と呼ばれる存在”だと。
「いや当たり前な事を聞くなみたいに言われても、反応に困るんですけど……」
開かぬ瞳でジト目を作ろうとする僕に、目の前の光はやはり、ふふっと微笑し。
『それもそうじゃな。さて、ここで会ったのも何かの縁。このままではおそらくそなたは転生に失敗し、亡霊の類<彷徨う魂魄>となってしまう。それも哀れじゃ。この妾が特例でそなたのこの世界への転生を許可し、力を貸してやろうぞ』
ブレイヴソウルと言われてもよく分からない。
そして特例でな!
と、アピールする部分もかなり怪しい。
本来なら転生の話に喜ぶべきなのだろうが、僕から出たのは訝しむような吐息。
「あのさあ……せっかく言ってくださってるところ悪いんだけど。特例って、本当に大丈夫なのか?」
わずかなやり取りで僕は既に理解していた。
女神を名乗るこの光が、なんというか、かなーりてきとうな性格なのだと。
その性質は気まぐれで無責任。
僕の心配を知ってか知らずか、光は自慢げに言う。
『無論じゃ。妾は最高神の妻にして、六柱の女神の頂点に座す者。妾が良いと言えば、全てが許される。ほれ、喜び叫んで庭を駆けよ。それほどの存在にそなたは拾われたということじゃ』
「だいたい、なんで僕に力を貸してくれるのさ」
『まあ暇つぶしというのが大きいが、そうさな――』
光は再び女神の形を取り。
達観した声音で告げる。
『簡単な話じゃ、同類相憐れむという言葉を知っておるじゃろう? 知っていなくても構わぬが、妾たち六柱の女神もかつて、そなたのように居場所を欲し世界を彷徨っていた頃があったのでな。彷徨う魂たる汝を目にし、昔を思い出した、それが妾の琴線を弾き少々の同情をしてしまった。それだけのこと』
それが同情の理由。
かつての自分と重ねた。
理由としてはかなりの説得力である。
『さて、もう状況はつかめておるじゃろう。不幸にも死を遂げたそなたに転生の権利を授けようぞ!』
僕は戸惑った――。
そう、これはおそらく僕の成長物語。
異世界に転生し勇者となり、魔王をたおし……。
――頭の中に直接声が響く。
『そういうのはないぞ?』
「はぁ? なんだよ! 異世界無双を想像してるんだけど、まさか無双できないのか!?」
『ほほほほほ、素直な童じゃ』
闇を照らす光は姿勢を崩し。
『本当に申し訳ないのじゃが。既に勇者召喚がどうとか、魔王陛下がどうとか……そーいうファンタジー冒険的なのは、もうとっくに終わっておってな』
「終わってる?」
『うむ。終わっておる。確かについ最近までは色々とあったが……そういうのはクリア済み。勇者召喚も色々と問題があって封印されておるし、魔王と勇者も和解しておる』
光は無数の分厚い書物を開き、それぞれの物語を照らしだす。
それは魔王や勇者の物語だったのだろうが。
照らす物語に瞳を細めたのだろう、僅かに薄くなった光の中で女神が言う。
『実は今、世界の土台、生命の揺り籠とでもいうべき多次元宇宙はものすごい安定した状態でな? そうさな……、そなたはゲームとやらを知っておるようであるから、分かりやす~く言うと。本編もクリアし裏ステージもクリア済み、その上で追加コンテンツとして配信された外伝すらも終わった場所。完全クリア状態なのじゃ』
僕は考え。
「称号もイベントも全コンプしちゃった感じってことか……」
『うむ。まあ人類同士の諍いや闘争はもちろんあるがな、神の視点から見ればそれはあくまでも動物の本能、生命循環の一環。過ぎた平和、闘争なき世界などディストピアであろうからな。問題視されておらん』
つまり、もう大きなイベントは何もない。
賢い僕は考える。
ようするにこれは、非常にぬるいライトで楽勝な異世界転生。
スローライフも悪くはないか。
「クリア後の世界みたいに言ってたけど、ちゃんとファンタジーっぽい世界なんだろう? 魔法とか魔術的なモノってのは……」
『無論あるぞ、つい先日――と言っても神の視点であるからして数百年の時を経ているが、妾も世界を創ってな、ここは妾の領域。俗世の言葉で言えばマジでガチに妾は創世の女神の一柱。多少以上の無理はできる。そなたが望むところの無双とやらも実現可能じゃ』
本人の自信だけは確からしい。
「じゃあさ、女神様特権でさ。僕を世界最強の特別な存在で、いずれ偉大で幸せな皇帝になる運命にある皇子に転生ってのは……さすがに無理だよな」
諦めムードで言ってやる。
ここで無理難題を言い譲歩を引き出し、本題に入ろうとしたのだが。
光はキョトンと首を横に倒し。
『そんなことでよいのか? 容易くできるが』
「そう、できる……って!? 本当にできるのかよ!?」
『いずれ皇帝……つまりエンペラーになれる存在じゃろう? 幸いにもそなたは今、大きな殻の中。生まれる前の状態で止まっておる。そこに干渉すれば一瞬だろうて』
「できれば生き延びる特技も欲しいんだけど。さすがに……」
有耶無耶にせずに最強能力も引き出したい。
駆け引きを継続しようとした僕に、光が言う。
『ふふ、そのような駆け引きは要らぬ。乗り掛かった舟であるし、どうせ退屈していた所じゃ。たまには神の気まぐれも世界には必要じゃろう』
かみのきまぐれって。
「それ、童話とかだとろくなことにならないパターンの典型じゃ……」
『いいや! そなたという存在が一種の活性剤になると妾は信じておる。そうさな、しかし無制限というわけにはいかぬか……ちと、同僚の海と水の女神ダゴンと相談してみる、大人しく待っておれ』
つまりは同格の創世の女神ということだろう。
しばしなにやらやりとりをしたようだが。
一方的に会話を切った光が言う。
『とりあえず許可は得た。しかしなにやら反対しているようであったので、急ぎそなたを転生させる。良いな? さてそなたの場合、転生先で振り分けることができるポイントは……』
「おい、ちょっと待った」
『なんじゃ』
「その振り分けるポイントってのは!?」
『ああ、知らぬのか。そなたが生前に積んだ善行によって、次の人生でイイ感じにポイントが振れるようになっておるのじゃ。まあ一時的な? 試験的な? 今回限りのシステムかもしれぬがな!』
つまりは。
「いや、それってたぶん、あんたが今いきなり思いついたシステムってことじゃないか!?」
『その通りじゃ』
「大丈夫なのか、本当に」
『まあ、そこは安心せよ。妾は”たまにしか”失敗せぬ。ダゴンめが妨害する前に動かねばならぬので……さて、そなたの生前の善行は……っと』
「たまに失敗するってことじゃないか……!」
不安を漏らす僕に構わず、光は何かを見つけ。
しばし考えこみ。
ふふふふ、ふはははははは! と大笑い。
「な、なんだよ気持ち悪いな」
『ふふふ、すまぬすまぬ。じゃが、喜べ! そなたはとても運がいい!』
死んだ相手に運が良いってのは……。
突っ込むより前に、女神は再び微笑。
『どうも、そなたの死後その遺体が臓器移植されたらしくてな。そなたの血肉と命は無駄なく多くの命を救ったという話じゃ』
「は!?」
『そして移植で救われた者に医者がおってな、そなたに救われた命で多くの命を救ったらしい』
「それ救ったとは言わないだろう!?」
『つまりはそなたは多くの救済を生んだ存在、聖人と呼べる特別な善行を積んだ者。妾はそれを評価し、麗し女神ポイントを最大限に付与してやろう』
女神ポイントの説明が欲しい所だが。
「というか、僕ってどうやって死んだんだ」
『そなたがさきほど脳内でボヤいていた通りじゃ。冷凍車に閉じ込められて、臓器やら皮膚やらが無駄にならないイイ感じの塩梅で死に、そのまま産地直送されたようじゃな』
「直送って……てか!? 僕、殺されたんじゃないか? 殺されて、全身盗まれたって事じゃないのか!? ていうか! その医者を助けるために、お届けされたんじゃないか!? 僕の世界の神様って、なにしてるんだよ!」
ギャグのようになっているが、実際にはかなりエグイ話なわけで。
けれども。
女神は神の視点でやはりふふっと微笑。
『さてな。よく使われるたとえであるが、神から見れば人間など地を這うアリのようなモノ。アリの巣の中まで覗き込む変わり者など、人間でも少数であろう?』
「そりゃまあ……」
『つまり、神は自然淘汰の一つ一つを見ているわけではない。まあ、そのおかげでポイントを最大に振れるのじゃ、前向きに考えてみたらどうだ』
その通りなのだが。
「えーと、僕は魔術とか魔法みたいなもんは習得できるんだよな?」
『無論じゃ。おそらくそなたは天の神にして女神たる妾アシュトレト……その眷属神鳥ジズにして、海の神ダゴンの加護を授かりし神龍リヴァイアサンであり、地の神バアルゼブブの庇護対象神獣ベヒーモスの権能を宿す存在として転生する。創世の女神三柱の加護を持つ存在など、この世界にはまだおらぬ。まぎれもなく世界最強の存在となるようポイントを振りシステムを組んだ……筈じゃ』
筈とかおそらくとか。
「……本当に大丈夫なのか?」
『さきほどから本当に本当にと、心配性じゃな。そーいうシステムがなかったから、妾が無理やりに実現させた。大船に乗ったつもりで良い、安心せよ!』
「突貫工事のシステムなんてぜんぜん安心できないだろう!?」
悪人ではないことは間違いない。
けれどまったく信用できない女神にツッコミ、もっと詳細に話を詰めたい僕に気付かず。
女神はノリノリで作業を続行。
『さて、これで準備は完了。それでは妾を楽しませよ、そなたの活躍を天から眺めておる。もし海の女神や地の女神と会った時のためにあやつらには妾がよろしく伝えておくので、アフターサービスも完璧じゃ。では、転生開始である!』
「ちょっと待て! いや、本当に!」
『さあ目覚めよ! 人より生まれし最強存在! 神に寵愛されし最強眷属――氷竜帝マカロニよ!』
「マカロニ!? それが僕の名前!? てか、あんたそんなことばっかりやってるから、たぶん皆に面倒がられ――」
僕のお節介な助言は途中で途切れた。
おそらく転生が実行されたのだろう。
光に包まれた僕は、猫の足跡の形をした星の海を渡り。
そして――。
ファンタジーな世界に転生した。
最強の存在。
いずれ幸せな皇帝となる転生者として。
昏い闇。
硬かった殻が、ビシリ、ビシリと割れていく。
光が、僕を照らし出した。
◇
闇を抜けた先は極寒の大地。
既に転生が完了したと分かるのは、海の香りがしたからだ。
太陽の眩しさの下。
おそらく赤子だろう僕は、自らの腕を伸ばし。
……。
腕を伸ばし。
……。
腕を伸ばしている筈なのに。
なぜか、そこには黒い羽毛。
僕は知っていた。
これはフリッパー。
海を掻くオールのような――海を泳ぐことに特化し進化した、鳥の翼の名称。
ようするに。
鳥の手である。
慌てて僕は自分の姿を確認しようと殻から飛び出し、ペタペタペタ!
妙な足音の中で氷海を覗き込み。
……。
いや、氷海って。
なにかがおかしい……。
氷の鏡に反射しているのは、黄色い飾り羽を装備したペンギン。
なんど見直しても。
見えるのは。
アニマル。
目つきの悪いケモノが、ジト目で僕を睨んでいる。
大きな嘴が、なんとまあ立派で。
不良のような金色の飾り羽が、氷の海の光を反射しあら奇麗。
瞳なんて、まるで鳥類の……。
……。
いやいやいやいや。
どこからどうみても、これは水族館や図鑑で見たことのある、飛べない鳥さん。
氷鏡の中のペンギンが叫ぶ。
『あの女神! 皇帝は皇帝でも、エンペラーペンギンじゃねえか!』
そう。
あの女神。
僕を人間ではなく、海のもふもふアニマル。
ペンギンへと転生させやがったのである。
ふと賢い僕は思い出す。
そういえば、僕も女神もナニに転生するとは一言も告げていない。
僕も人間に転生して欲しいと言わなかった。
条件付けしていなかった。
その結果がこれ。
そりゃあエンペラーペンギンも、カテゴリーにするなら皇帝だろうが……。
氷の鏡に映るペンギンが、ピキっと飾り羽の横にイカリマークを浮かべ。
ペペペペペっと地団太を踏み。
叫んだ!
『しかも、エンペラーペンギンでもイワトビペンギンですらなくて。マカロニペンギンだろ、これぇえぇぇぇぇぇぇ!』
赤きくちばしが、天を喰らうほどに開かれた!
ちなみにマカロニペンギンの姿は、まあイワトビペンギンを想像して貰えばそう違いはない。
ヤンキーのような金の鶏冠っぽい飾り羽をはやした、ペンギンである。
既に女神はここにいないが。
天から声が聞こえたような気がした。
まあ、良いではないかと。
『こら女神! 転生キャンセルやり直し! クーリングオフだよ、クーリングオフ!』
叫ぶ僕の声は、<氷竜帝の咆哮>と表示される力となり世界に響き渡るが、天からの反応はない。
転生したなら後は自由にしろということだろう。
僕がずっと感じていた闇は、どうやら魔獣の卵の殻だったようだ。
本当に産まれる前の状態で止まっていたのだろう。
そこに女神が介入し――僕は転生した。
いずれエンペラーへと進化するマカロニペンギンの魔獣っぽい何かに。
その日。
この世界に今まで観測されたこともない、超特大規模の魔獣の叫びが観測された。
未発見の魔物の叫びは大いに人類を震撼させたらしいが。
賢い僕はその事をまだ知らない。
キリの良い所までは執筆済み。
神を除けば基本動物系が最強です、
ギャグメイン予定ですがシリアスも多少あり。
一日一回の更新予定「現段階では13時13分を予定しておりますが、15時や18時に変更する可能性あり」
上位存在となったペンギンが暴れる物語をお望みの方は是非!
のんびりお付き合いいただければ幸いです。