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勉強開始です

知識チート

リシャール様の婚約者に決定されてから、一週間。今日から定期的に王宮に通ってお勉強しろとのことです。


面倒くさいのですが、まあ言って魔術頼りで科学が発展していないこの世界のお勉強などたかが知れているでしょう。中卒とはいえ、勉強に熱を入れていた私の敵ではありません。


知識チートとやらを、お見せしましょう。


ー…


まずはどれほどの教養を身につけているか、テストを受けます。科目は国語、数学、帝国語、理科、社会、魔術学。帝国語は英語でした。社会の問題も友達が熱く語っていたイストワール王国史を思い出せば余裕です。ラッキー。結果、魔術学以外は貴族学園卒業生レベルと判断され勉強は必要ないと言われました。稀代の天才だと褒めちぎられます。まあ、現代知識に同人乙女ゲームの世界が敵うわけがないのです。ただ、魔術学は基礎すら出来ていないとびっくりされましたが。だって勉強してないもん。今考えると、いいのかシャロン公爵家。


ということで今日から魔術学を中心に哲学やら芸術やらも学ぶことになりました。哲学と芸術は私には向いてないんだけどなぁ。チェスと刺繍もやるらしい。難しそうで嫌だなぁ。


魔術学は座学と実戦魔術と錬金術をやるらしい。錬金術は実はちょっと楽しみだったりはする。


数時間座学で魔術学の基礎を叩き込まれ、さあやっと家に帰れるというところでリシャール様から声をかけられた。


「ご機嫌よう、素敵なお嬢さん」


「リシャール様、ご機嫌よう」


「聞いたよ。君、魔術学こそからっきしだけど、それ以外は素晴らしい出来らしいね。すごく努力したんだろう?すごいね、セレスト」


頭を優しく撫でられる。前世で頑張っていただけで、今世ではなんの努力もしていないけど…前世でのこととはいえ努力を認められるのは嬉しい。


「えへへ。それほどでもないです」


「もっと胸を張っていいんだよ、セレスト。今日も授業を真面目に受けていたと聞いたよ。セレストは本当に頑張り屋さんだ。すごいよ」


リシャール様は私を褒めてくれる。褒められるって、こんなに嬉しいことなんだ…。


「おっと。もう帰る時間なんだろう?引き止めて悪かった。また会おう。今度ゆっくりお話しする時間が欲しいところだね。僕もなるべく早く君との時間を作れるよう、努力するよ。ではまた」


「はい」


リシャール様は私を見送ってくれた。いい人だなあと思う。ただ、『聖女は星の夢を見る』ではヒロインである聖女にだんだんと惹かれていき、紆余曲折がありつつもくっつくんだよなぁ。浮気だけはされたくないなとも思う。

魔術学は難しい

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