*面白い女の子
割り込み投稿です!栞がずれてしまった方は申し訳ないです!
僕はどうしようもなく、彼女に惹かれる。
僕はリシャール・ルノー・イストワール。イストワール王国の第一王子だ。望まれて生まれた第一王子である僕は、同い年の異母弟、フェリベール・レノー・イストワールとの関係に悩んでいる。フェリ自身はとても良い子なのだけれど、悪い大人がフェリを担ぎ上げて傀儡にしようと企んでいる。そしてフェリは、何をやっても完璧で天才だと持て囃される僕と自分を比べて劣等感に苛まれている。フェリはフェリでとても優秀な子なのだけれど、僕と比べられるのは辛いだろう。このままではきっと、僕達はお互いに不幸になる。なんとかしたいが、なんとかする方法がわからない。
さて。そんな中で今日は母上主催のお茶会が開かれる。僕の婚約者探しのためだ。ちなみに僕に決定権は多分ない。でも、出来れば素敵なお嬢さんと婚約したいものだなぁ。
ー…
お茶会が始まると、女の子達はみんな僕に群がってきた。…なんか、やだなぁ。みんな僕を見て群がってくるというよりは、第一王子である僕に用があるんだろうに。目がギラギラしてる。怖いなぁ。
ふと視線を彼女達から逸らすと、遠くで一人の女の子が隠れてもしゃもしゃとお茶菓子を食べていた。え?なんで?僕にアピールしなくていいの?
女の子達をそっと引き離して、彼女の元に行く。彼女は迷惑そうな顔をした。いや、君、なんのためにこのお茶会にきたのさ。
「ご機嫌よう、素敵なお嬢さん。お茶会は楽しいかい?」
「はい!お菓子も紅茶も美味しいので!」
本当の意味でお茶会を楽しんでいるようでなにより。まあそれはいいんだけどさ。
「素直だなぁ。ねえ、君は僕に気に入られたいとは思わないの?アピールしなくてもいいの?」
「全然大丈夫です!母からなにも言われてないので!」
…は?
「…くっ…あはははは!そっかそっかぁ。うーん。君いいね。最高だよ!」
多分僕には決定権はないけれど。僕は、この子がいいな。
「え?」
「母上ー!僕この子と婚約したいです!この子以外興味湧きません!」
「ええ…?」
迷惑そうな顔再び。でもそんな顔も可愛らしい。権力や地位に媚びるでもなく、自分の好きなように振る舞う彼女に惹かれる僕がいた。
「ほう。シャロン公爵令嬢か。よろしい。では今日からセレスト嬢がお前の婚約者だ」
「え?君がセレストなの?別館をファンシーな感じに魔改造してお茶会を開いたっていうあの?わあ、嬉しいなぁ。一度話してみたかったんだよ。婚約者になったなら幾らでもお話しできるね。楽しみだよ」
まさかの母上の了承。でも、そうか。この子がセレストなのか。そりゃあ母上もシャロン家のご令嬢相手なら了承するよね。
「あはははは」
乾いた笑い。第一王子の婚約者に内定したというのに、一つも嬉しそうじゃないセレストに益々惹かれる僕がいた。
今日は割り込み投稿祭りになってしまってすみません。