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*僕の初恋

すみません、割り込み投稿です!栞がずれてしまった方は申し訳ないです!

僕はパトリック・オスカー・オネシム。侯爵令息だ。僕はこの日、恋をした。


シャロン公爵家で行われる子供だけのお茶会。僕は父上と母上から、セレスト様と仲良くなるようきつく言いつけられていた。あわよくば婚約をもぎ取って来いとのこと。僕には荷が重すぎる。けど、僕も貴族の端くれだ。逃げることは許されない。


お茶会の会場は別館を魔改造した…と聞いていたからどんなものかと思っていたが、かなり可愛らしいファンシーな部屋に案内された。うん、僕はいいと思う。


美味しい紅茶、見た目も華やかなお茶菓子。招待された子供達はみんなはじめましてだったものの、トラブルも無くわいわいと盛り上がった。


そんな中で、僕は僕の役目を果たすべく、セレスト様に声をかける。


「あの、セレスト様。今日は本当に楽しいです。お招きいただきありがとうございました!」


「あ、うん。それなら良かった。パトリック、私のことはセレストって呼んでいいよ。敬語もいらない」


「え、名前覚えてくれてたんですか?こんなに人がいるのに。…本当にセレストって呼んでいいの?敬語じゃなくていい?」


名前を呼ばれてびっくりした。それに、優しい笑顔を向けられてなんだかドキドキする。


「いいよいいよ、全然おっけー。…実は、パトリックは美形だから覚えてただけで、全員は覚えられてないんだ。秘密にしてね」


「あはは。だよね、わかった。僕も今回だけで全員覚えるのは無理だなぁ。まあ人脈作りは大事らしいし、お互い頑張ろうね」


セレストは優しい。友好的だし、こんな子に打算で婚約を持ちかけるなんてなんか嫌だな。


「親御さんになんか言われたの?」


「うん。セレストと仲良くなって来いってさ。でも、なんか、そういうのにセレストを巻き込むのなんか嫌だなって思った。無理に仲良くしなくてもいいよ」


本当は、セレストと仲良くなりたいけれど。無理強いはしたくない。


「じゃあ普通に貴族としてじゃなく幼馴染として仲良くなろうよ。どうせ親の関係でこれからも会うことになるだろうし」


「いいの?」


「いいよ」


またふわりと笑うセレスト。可愛いな。胸が熱くなって苦しい。僕達が話し込んでいると、シリル様がセレストに後ろから抱きついてきた。


「お姉様!いつまでその人とおしゃべりしてるの!僕とも遊んでよー!」


「もー、シリルったら。ごめんね、パトリック。またね」


「うん、また」


その後しばらく楽しんだ後お茶会は終了。それからしばらく、なにかと理由をつけてはセレストのところに遊びに行くようになった。両親はセレストとの婚約を狙っているようだけれど、セレストはその気はなさそうだ。


そんな中で僕は気付いた。セレストがふわりと笑うたびに胸が熱くなって苦しくなるのは、僕がセレストを好きになってしまったからだ。きっとこれが僕の初恋。叶うかどうかはわからないけれど、僕はこの想いだけで満たされる。けれど願ってもいいのなら、どうかセレストの心が少しでもこちらに向いてくれますように。

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