どうしよう、これってもしや殿下と本当に結婚する流れでは?
リシャールがついに想いを伝えます
セレストです。大変なことに気付いてしまいました。
悪役令嬢として断罪されることもなく、婚約破棄されることもないということはつまり。
ー…本当にリシャール様と結婚することになるということです!
え、どうしよう。このままじゃ私なんかが将来国母になってしまう。それはまずいんじゃなかろうか?
でも、だからって婚約を解消しようにも理由がないし…。私は悩んで悩んで、夜も眠れず寝不足のままで登校した。
「セレスト、大丈夫…?」
「お嬢様、なにかあったのですか?このアンナが相談に乗ります!」
「とりあえず、セレストの好きなカップケーキ作ってきたから食べて元気出して!」
「セレスト、しんどいなら今日は休んだ方がいいよ…」
「お前、本当に大丈夫か…?」
「セレスト、少し保健室に行こう。少し眠った方がいい」
一日でげっそりした私を見てみんなが心配してくれます。リシャール様に連れられて保健室のベッドに横になります。リシャール様は私の側に付き添ってくれます。
「リシャール様、授業が…」
「可愛い婚約者を置いて行けって?」
リシャール様は本当に優しい。こんな素敵な方のお相手が、本当に私なんかでいいんだろうか?
「それで?セレストは何を悩んでいるのかな?」
「…その」
「うん」
「私なんかが、リシャール様の婚約者で本当に良いのかなって」
「…は?」
リシャール様が目を点にする。
「私なんかじゃリシャール様みたいな素敵な方の婚約者に相応しくないし、国母にも相応しくないし…でも、本当は身を引かなきゃいけないのに、私、リシャール様の婚約者を辞めたくない。リシャール様の側に居たいって思ってしまって。どうしたらいいんでしょうか…」
言っていて自分で情けなくなって、ぼろぼろと涙が出てくる。リシャール様はそんな私を見て…静かに怒っていた。
「ああもう…なんなんだよ、それ!ふざけてる!誰に何を吹き込まれた!?」
「リシャール様…?」
「セレスト、いいかい?君以上に僕に相応しい女の子はいない。君は性格もいいしステータスも高い。社交界での評判も上々だし、父上から何度も表彰を受けているから実績もある。…けれど、ね。それ以上に、一番大事なことがある」
「…?」
私はリシャール様にそんなに高く評価されていたのかと驚いた。でも、それ以上に大事なことって?
「わからない?…僕らの気持ちだよ。セレスト、僕は君が好きだ。君を愛してる。…君も同じ気持ちだから、婚約を続けたいと思ってくれていると思っているんだが、どうかな?」
「…私」
ああ、そっか。私、リシャール様のことが好きだったんだ。今まで気付かなかったけれど、リシャール様に言われてやっと気付いた。
「私も、その…」
「うん」
「リシャール様を、お慕いしてます」
「そっか…嬉しいよ、セレスト」
リシャール様は私の涙を拭って、私の目元にそっとキスを落とした。リシャール様の真っ直ぐな優しい愛情を向けられて、私は恥ずかしいような嬉しいような、幸せな気持ちになる。
「セレスト。君が不安だというなら、僕が君を守ると誓うよ。だから、僕の生涯の伴侶で居てくれるかい?」
「…私で良ければ」
「もちろんいいとも!」
私はリシャール様と改めて婚約を誓いました。
「ところで、セレストに余計なことを吹き込んだのは誰かな?ちょっとだけお話し合いをしないといけないから、正直に答えて欲しい」
「え?別に誰かに何か言われたとかでは…」
「庇う必要なんてないさ。それだけのことをしたんだから。さあ、教えて?」
「いえ、その。誤解です」
リシャール様の誤解が解けるまで一日が掛かりました。夜はばっちり眠れました。
ついにカップル成立しました




