私ってもしかして恋愛関係鈍いのかな…
やっと自分の鈍さに気付く
セレストです。周りがどんどん婚約ラッシュを迎えています。エステルとフェリベール様、パトリックとアンナ、シリルとイネス。意外なようで結構お似合いなカップルです。今までそんな気配を微塵も感じていなかった私は、もしかしたら恋愛関係鈍いのかな…とも思い始めています。
ともかく、みんなの婚約を祝いつつ周囲に気を張り巡らせます。なんでかって、エステルがいよいよフェリベール様ルートに入ったということはつまり、悪役令嬢セレストである私がみんなから嫌われ始める可能性や虐めの冤罪を着せられる可能性があるからです!
みんなと仲違いするのは嫌ですが、私は悪役令嬢。そういう運命なのだから、覚悟を決めておかないと…!
「セレスト、なんか最近お前元気ねーな。大丈夫か?」
「え?」
フェリベール様が私を心配そうに見つめてきます。え、そんな目に見えて不安がってた?
「あ、えーと」
「セレスト…何かあったなら僕に言ってごらん?力になるよ?」
リシャール様が私の頭を撫でてくれます。落ち着く…。この幸せがいつまでも続けばいいのに。
「あ、わかった。もしかしてこのところの婚約ラッシュで置いていかれた気になってる?」
「そんな!アンナはお嬢様が一番ですよ!」
「セレスト、落ち込まないで」
「姉上にはリシャール様がいるんだから大丈夫ですよ!ね!」
「みんなセレストを置いていくとかそんなつもりじゃないよ!」
やっぱりみんなとこうして仲良くしてるのが私にとっては幸せだよ…。みんな的外れだけどこんなに心配してくれる。優しいみんなが大好きだよ…。
「みんな…」
「うん」
「大好きだよ」
「…うん?うん」
「どうした急に」
「僕もセレストが大好きだよ」
「私もお嬢様が大好きです」
「私もセレストが大好き!」
「私も大好き」
「僕も姉上が大好きです!」
…今更だけど、やっぱり悪役令嬢ルート回避とか出来ないかなぁ?
でも肝心なところで気付いてない




