また表彰されました
表彰式
「セレスト」
「はい。リシャール様。なんでしょうか?」
王宮にて今日も今日とて勉強をして、さあ帰ろうという時にリシャール様が駆け寄ってきた。どうしたんだろう。
「この間のエルフの里の件で、非常に良くやったと父上が褒めていたよ。国に貢献したということでセレストに表彰式をするってさ。覚悟しておいてくれ」
「ええ…?」
そんなつもりじゃなかったんだけどな。
「そんなつもりではなかったんだろうけど、これはものすごくすごいことだから。諦めて」
リシャール様は宥めるように私の頭を撫でてくれる。
「これから帰るんだよね。引き止めてすまなかった。気をつけて帰ってね」
「はい、リシャール様。また今度」
「うん、またね」
ー…
本当に表彰式を行うことになった。わあい。
表彰式に呼ばれた私はとっておきのドレスに身を包み、国王陛下から表彰を受ける。
「そなたはエルフとの交流を深めて、この国の発展に寄与した。よってここにそれを評価する」
「謹んでお受け致します」
わあっと会場が盛り上がった。グルメ王、デザート王の時と来て、三度目となるとさすがになれる。
「これからも励むように」
「はい!失礼致します!」
式が終わると、リシャール様、フェリベール様、パトリック、シリル、イネス、グレイ、リリーに囲まれた。グレイとリリーは侍従、侍女としてだけど。
「セレスト、よく頑張ったね。でも、もう慣れっこかな?」
「リシャール様、ありがとうございます」
リシャール様に頭を撫でてもらう。幸せ。
「にしても、あの父上のびっくりした顔を見られたのは新鮮だったな。献上してくれてありがとな」
「いえいえ」
「調味料をあげたのが良かったね」
「そうだねぇ」
「姉上、自分の手柄じゃないと思ってるでしょ。姉上はもっと自分を誇っていいんだよ?」
「そうです、お嬢様!坊ちゃんのおっしゃる通りです!」
「お嬢様は本当にすごい。俺はお嬢様に仕えることができて幸せです」
「みんな、ありがとう」
そんなに褒められると、嬉しいなぁ。
「セレストはすごい」
「そうかなぁ?」
「そう。エルフが喜ぶものを持っていって、国にも寄与した。本当にすごい」
「ふふ、ありがとう」
そんなこんなでまた表彰されました。まあ、でも、いつかは悪役令嬢として断罪されるんだし、あんまり意味ないかもだけど。
セレストは自分が思ってる数倍役に立ってます




