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【電子書籍発売中】悪役令嬢として捨てられる予定ですが、それまで人生楽しみます!  作者: 下菊みこと


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貢ぎ物のつもりで色々持って行ったらお土産をもらいました

調味料は高価

みんなを引き連れて商店に来ました。そこで塩やスパイスなどの調味料を買い漁ります。調味料はこの世界ではかなりの高値で取引されます。だからこそ散財には打って付け。あはは、金貨を湯水の様に使うの楽しい!これをエルフに貢ぎ物として献上します。


「セレスト。随分とたくさん買ったね。これだけあれば、エルフたちも喜んでくれそうだ」


「お土産ですからね。喜んでくれたら嬉しいです」


「調味料はエルフの里では採れないみたいだしな、いいんじゃねーの?」


「ですね。反応が楽しみです」


「エルフと仲良くなれば交易も出来るようになるかも!」


「それはさすがに期待し過ぎな気もするけど、そうなったら大手柄だよね」


「ですが、それが上手くいくならとっくに旦那様がやっているのでは?」


「お父様は慎重派だから…まあ、交易目当てじゃなく仲良くなりたいだけだし、多分なんとかなるよ」


準備も出来たところでエルフの里へ行く。エルフの子供達がすぐに気付いて集まって来た。


「ようやく着きましたね」


「ここがエルフの里かぁ!素敵なところだね!」


「お兄さん達人間?どうしたの?」


「エルフの木の皮が欲しいの?ただではあげられないんだ、ごめんね?」


「エルフの里特産の蜂蜜くらいなら買えるかもしれないけど、あんまり良いものは売ってあげられないかも…」


集まってきた子供達に自己紹介をする。


「私達はエルフの里と交流を行いたいと思い来ました。この方はセレスト・エヴァ・シャロン様。公爵令嬢であらせられます。私はリリーと申します。お嬢様の侍女ですよ」


「よろしくね」


「僕はリシャール・ルノー・イストワール。この国の王子だよ。よろしくね」


「同じく王子のフェリベール・レノー・イストワール。よろしくな」


「パトリック・オスカー・オネシム。侯爵令息だよ、よろしくね」


「シリル・ディディエ・シャロンだよ、よろしく」


「アンナ・ミラ・クレマンです、よろしくね」


「イネス・バルバラ・ベルナデット。よろしく」


「グレイです、よろしく」


「プラムと申します。よろしくですぞ」


一通り私達の自己紹介が終わると、エルフの子供達は綺麗に整列して元気に挨拶をする。


「エルフのルルです!わざわざ来てくれてありがとうございます!」


「エルフのエルです!面白い物を持ってきてくれるなら大歓迎だよ!」


「エルフのエトです!エルフの里にようこそ!」


「エルフのルイです!交流ってなぁに?」


ルイと名乗った子供が目を爛々と輝かせます。私はルイの頭を撫でて説明します。


「仲良くなるってことだよ。お近づきの印に調味料、というものを持って来たの」


「調味料ー?」


「なあに、それー?」


「お料理に味を付けるものですよ。試しに舐めてごらんなさい」


プラムが子供達に少しだけ調味料を差し出します。


「…!しょっぱーい!」


「こっちはからーい!」


「こっちは甘ーい!」


「こっちはすっぱーい!」


エルフの子供達が沸き立ちます。遠目に見ていたエルフの里の族長や村人達は警戒する様子もなく微笑ましげに見守っています。エルフには妖精眼とよばれる不思議な目が備わっており、嘘や悪意が見抜けるからです。


「これを受け取ってくれたら、貴方達の食事がもっと豊かになるの」


「豊かになるー?」


「もっと美味しい物が食べられるんだよ」


「やったー!」


「美味しい物だってー!」


「嬉しいねー!」


「そしたらたくさん食べよー!」


子供達が無邪気に笑います。それに皆が喜ぶ中で、エルフの族長がこちらに向かって来ました。


「お前さん達、何者だい?…ああ、私はこの里の族長さね。ルナという」


「ごきげんよう。シャロン公爵家の長女、セレストと申します。調味料、というものをエルフの里に貢ぎ物として持って参りました」


「私はリリーと申します。お嬢様の侍女です」


「僕はリシャール・ルノー・イストワール。この国の王子だよ。よろしくね」


「同じく王子のフェリベール・レノー・イストワール。よろしくな」


「パトリック・オスカー・オネシム。侯爵令息です。よろしくおねがいします」


「シリル・ディディエ・シャロンです、よろしくおねがいします」


「アンナ・ミラ・クレマンです、よろしくおねがいします!」


「イネス・バルバラ・ベルナデット。よろしく」


「グレイです、よろしく」


「プラムと申します。よろしくおねがいいたします」


「ああ、この辺の主の娘か。父親ですらエルフの里に手を出さないというのに、随分と度胸のある小娘だね」


「より良い交流ができれば幸いです」


「そうか。…うん、ならばよし。話をしようか」


ルナさんは目をギラつかせます。別に貢ぎ物として持ってきただけなんだけど…。


「この調味料というもの、価格が高いのですが便利ですよ。ぜひ」


「なるほど…見せてもらおう」


「どうぞ」


リリーが調味料をルナさんに渡す。


「これはどう使う」


「料理の味付けに使います。試しに舐めてみてください」


「ふむ…うん、甘い。これはいい。…こちらはしょっぱいな、いい、いい。これは…酸っぱいな?使いようによっては良さそうだ。…ん、これは辛いな。ふむふむ、なるほど…ふーむ、これは高いだろう」


「ええ、とても」


「だが、喉から手が出るほど欲しいな」


「ええ、そうでしょう。差し上げますよ」


喜んでくれるかな?


「さて、では、なにとどれくらい交換しようか」


ルナさんの目が鋭い。でも、本当にただであげるのに。


「ただでいいですよ?」


「なに?」


「そのかわり、仲良くなっていただければ」


私を驚いた表情で見遣るルナさん。しかし、妖精眼で嘘ではないとわかったらしい。警戒を解いた表情になる。


「さすがにこんな高級なもの、ただじゃもらえんわ。いくらか土産をもたせるから持って行きな」


「ありがとうございます、ルナさん」


「お前達、エルフの木の皮、エルフの蜂蜜を有りっ丈」


「はい!」


「さらに魔獣の肉と毛皮、この辺でしか取れない木の実も。あと、この辺で取れるハーピーの羽も有りっ丈」


「はい、族長!」


「え、そんなにくれるんですか?」


「当たり前だよ」


「あ、ありがとうございます…」


ということで、大荷物を持って帰ることになりました。どれも全て珍しい品ばかりなので、売りに出すより王家に献上しようということになり、王宮に行きます。


「こ、こんな珍しい品ばかり…!?」


「すごい、すごいぞ…」


「国王陛下を呼んでこい!今すぐにだ!」


私達が持ってきた品を見た大人達が口をあんぐりと開ける。


「いやぁ、これは思った数倍の結果が出たなぁ」


「そうですね、リシャール様」


「エルフにとってもウィンウィンと言えるしな。よかったよかった」


「エルフの皆さん、いい人達でしたね。エルフの里の外まで護送してくださいましたし」


「姉上、お手柄だね!」


「そうだねぇ」


シリルの頭をなでなでと撫でる。シリルはにこりと笑った。


「お嬢様はすごいです。エルフの里の皆様をあれだけ喜ばせたんですから」


「私だけの手柄じゃないよー」


「ううん。セレストはすごい」


「もう、イネスまで」


「エルフも喜んでくれてよかったよね」


「そうだね、パトリック」


「お嬢様がこんなに立派になってくださって、プラムは嬉しゅうございます」


「リリーも、これまでお嬢様にお仕えできてよかったと改めて思いました」


「お嬢様は本当にすごい」


「もう、持ち上げ過ぎですよ」


そして王家へのお土産品の献上も終わるとそれぞれ家に帰ったのでした。

エルフ大喜び

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