気まぐれに鉱山を買います
サファイア綺麗ですよね
月日は流れ、セレスト・エヴァ・シャロン、七歳になりました。
うーん。暇。お小遣いもたくさんあるしなぁ。なんか散財したいなぁ。…そうだ!鉱山を買おう!うん、意味のない散財、万歳!
ということで鉱山を買いました。はい。買いました。
で、気付いたんですが。この鉱山ブラックすぎる…。まずもって、従業員はほぼ全員奴隷で、彼らは無理矢理働かされている。もちろんお給料は無し。一日二食でしかも粗食。睡眠時間もかなり少ない。
なのでまずは、従業員の待遇を良くしましょう。
まず睡眠時間を一日八時間くらいに。一日三食、栄養を考えた美味しい食事を提供。奴隷の身分も解放して平民として扱い、お給料も働いて成果を出した分だけ支払います。仕事中にも休み時間をきちんと設け、さらに週に一度お休みの日を設けゆっくり出来る日を作る。うんうん。これで大分マシな扱いになったはず。後はまあ頑張ってね!
ー…
鉱山の従業員の待遇を良くして数ヶ月。鉱山の成果は目覚ましいものとなったと報告を受けた。まあ、それはそうだ。あそこまで待遇を改善しておいてなんの見返りも無かったら最悪過ぎる。
私の鉱山では上質なサファイアなどが採れる。王妃陛下は宝石がお好きらしく、せっかくなので採れた中でも一番上質なものをいくつか王室に献上させていただいた。かなりお喜びいただけたらしい。よかったよかった。
「セレスト」
「リシャール様!どうされました?」
王宮でのお勉強の帰り、リシャール様に声をかけられる。どうしたんだろう。
「聞いたよ。鉱山を買って奴隷達を解放したそうだね。セレストは偉いね。よくやってくれた」
リシャール様に頭を撫でられ、褒められる。頭を撫でられるのは気持ちいいし、褒められるのは嬉しいなぁ。
「ありがとうございます、リシャール様」
「こちらこそありがとう。王室に宝石を献上してくれたんだってね。母上が大層お喜びだったよ。父上も良い心がけだと感心していた。さすがはセレストだね」
「お役に立てたなら、よかったです!」
リシャール様が心底嬉しそうに報告してくださったから、私もとても幸せな気分になる。
「よ!セレスト!」
「フェリベール様!」
後ろからフェリベール様が通りかかって声をかけてくれた。
「お前王室に宝石を献上したらしいな!兄上が相当誇らしそうに…兄上、いたのか!?」
「うん、いたよ。フェリはいつも僕のことかセレストのことばかりだねぇ。そんなに好きかい?」
「なっ…う、うるせー!そんなんじゃない!」
ありゃま、フェリベール様ったら素直じゃない。リシャール様のこと、大好きなくせに。
「セレスト、帰りに声をかけてごめんね。気をつけて帰って」
「あ?もう帰るのかよ…じゃあ、またな」
「はい、また。失礼します」
鉱山も買って正解だったなぁ。
ルビーも好き




