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転生しました

そんなこんなで新連載です

貧乏は、もう嫌。そう思いながら、私は目を閉じた。幼い頃からずっと貧乏だった。貧乏から脱却するために頑張って勉強したけれど、中卒ではなかなかいい企業には就職できなかった。ブラックな職場で寝る間も惜しんで働いて、微々たるお給料を稼いで全部家に入れて。でも、おかげで可愛い弟達はなんとか高校を卒業させてあげられた。大学は無理だったけれど。ダメなお姉ちゃんでごめんね。やっと弟達が就職して、独立して、病気で弱っていた親もなんとか回復して普通の生活できるようになった矢先、私は病気で倒れた。末期だった。本来なら治せただろう病気も、時間もお金もないせいで末期になるまで気付くことが出来なかった。なんて惨めな最期。笑っちゃう。唯一の救いは、私以外の家族がなんとか生きていけるようになってから病気が発覚したことかな。でも、家族を泣かせてしまった。本当にごめんね。幸せに長生きしてね。家族の私を呼ぶ声が、どんどん遠ざかる。ああ、私は本当に死ぬんだな。


なのになんで、目が覚めたらこんな煌びやかな部屋にいるの?


「可愛い可愛い私の赤ちゃん、起きましたか?貴女は今日からセレスト。セレスト・エヴァ・シャロン公爵令嬢よ」


綺麗な女の人が私に話しかける。なるほど、異世界転生というやつですか。まさか自分の身に起こるとは。というか日本語なのね。それとも自動的に頭の中で翻訳されてる?


ところで、セレスト・エヴァ・シャロン。どこかで聞いた気がする名前だけど。


…悩んで悩んで数時間。やっと思い出した。友達が熱弁していた同人乙女ゲーム『聖女は星の夢を見る』の悪役令嬢だ。そうだ、多分間違いない。うちにはパソコンなんてハイテクなものなかったから、貸してもらうこともできなかったけれど。めちゃくちゃ語られたからなんとなくの設定やストーリーくらいは覚えてる。


ということはつまり、私は破滅する運命にあるということか。


…でもなぁ。正直破滅フラグを回避する努力とか面倒くさいし、そもそも無駄になる可能性だってあるわけで。ヒロインである聖女様がいるのがわかってる以上聖女ムーブもかませないし。予言者として振る舞ってもいいけどそれで聖女に担ぎ上げられてあとで手酷く捨てられるのも嫌だし。


うん、よし、決めた。何もしないで破滅を待とう。仮にも公爵令嬢だ。破滅するまでの間は我が世の春を満喫できることでしょう。


前世では出来なかった贅沢な生活を、今こそ!


そうと決まれば、さっさと成長してわがままを言える年齢になりたいな。

よかったらまたお付き合いいただけると嬉しいです!よろしくおねがいします!

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