☆第十三章あらすじ☆
今回の内容は、酒呑童子達との戦いのあとに起きたできごとを、ここに記す。
最初のほうはシリアルな話なため、真面目に書くが、途中からふざけて書こうと思う。
鬼たちとの戦いから三日が経っている。
しかしエミは目覚めることがなく、俺は医務室に通う日々を送っていた。
いつものようにベッドに横たわるエミを見ていると、そこにレイラがやってくる。
彼女はあまり自分を追い詰めるなと言うが、当時の俺はどうしても自身を責め立てていた。
もし、あのとき油断をしなければ、気を抜かずに周囲を警戒していれば、エミが大けがを負うこともなかったのだと自分を責めることで、罪の意思を軽くしようとしていたのだ。
そんなとき、俺はレイラに頭を抱えられると、彼女の言葉が耳に入る。
どうやらレイラも俺と同じことを思っていたらしく、彼女自身もあの日のことを後悔しているとのことだ。
『一人で抱え込む必要はない。一緒に罪の意思を持っているのだから、一人で責めるな』という彼女の言葉に、俺は救われた気持ちになる。
そんなとき、ついにエミが目を覚ましてくれた。
俺は喜ぶも、感情が高ぶって涙が出そうになったが、ここで泣いては男ではない。
俺は感情を殺して、いつものようにエミに接した。
彼女には俺とレイラがイチャイチャしているように映ったらしく、目覚めたばかりで不機嫌な様子だった。
正直に言うと、あのときのエミは少しだけブサイクに見えていた。
まぁ、目覚めたばかりって脳が覚醒していないし、表情筋も上手く動かせていないから仕方がないよな!
城の中が騒がしいことにエミが気づき、彼女は何があったのかを問うてきた。
そう、俺たちオルレアンは、セプテム大陸にあるガリア国との戦争の危機に陥ろうとしてしているのだ。
俺はエミが意識を失ったあとのできごとを彼女に聞かせる。
ガリア国の兵士が去ったあと、突如ゾム兵士長が高笑いをし始めた。
色々なことが起きたことで、遂に頭が可笑しくなってしまったのだろうか?
そんなことを思っていたが、違っていた。
彼は正気であったが、いきなり出演者の紹介だと言い出すと、彼の連れて来た兵士は自分の肉を剥ぎだす。
おいー!なんてことをする!
いきなりグロイことをするなよ!
もっと自分の身体を大事にしろよ!
ヤバイ、思い出したら気分が悪くなってきた。
話を戻すが、ゾム兵士長が連れて来た兵士はボーンジェネラルと呼ばれる魔物であった。
そして肝心なゾム兵士長はと言うと、白い顔に星の絵が描かれている道化姿に変わっていた。
ゾム兵士長いきなりコスプレをしてどうしたのですか!
顔面蒼白になっていますし、その顔の落書きは誰にされたのですか!
いい年して恥ずかしくないのですか!
というようなことは、当時の俺はこれっぽっちも考えてはいなかった。
彼は真の姿を見せると自己紹介を始める。
道化師の本当の名はメフィストフェレス、メッフィーと呼んでほしいとのこと。
皆も彼のことはメッフィーと呼んでくれよな!
俺はメッフィーに、ゾム兵士長をどうしたのか尋ねると、彼は既に死んでいるとの答えが返ってきた。
その瞬間、俺の脳の海馬から記憶が引き出される。
ここで問題だ。
彼が兵士長に成りきっていたときの自己紹介では、なんと言っていたでしょうか?
俺がこの手記に『覚えとけよ、テストに出すからな』と書いていたのを覚えているだろうか?
え?冗談って言っていたじゃないかって?
確かにそうだが、絶対に出さないとは一言も言っていない。
おっと、ストップだ。
手を止めろ、前のページに戻ってカンニングをしようとするなよ。
では答え合わせだ。
彼はこう言っていた。
『父さんとは一番の親友であること、好き食べ物はレアステーキ、嫌いな食べ物はトマト』と言っていたと俺は書いた。
これを読んでいるあなたは正解したかな?
話を戻すが、このプロフィールはとても重要だった。
何せ本物のゾム兵士長とは食い違っている箇所がある。
それは好物が嫌いなものになっていること、墓場で聞いた母さんの話では、墓に眠っている兵士長はトマトが好きと言っていたが、彼はトマトが嫌いだと言っていた。
当時の俺は、同じ階級である兵士長の姿が被って勘違いをしていたのだと思い込んでいたが、実際には違っていた。
王都の住民全員に認識阻害の魔法を使い、彼をゾム兵士長だと誤認させられていたのだ。
そんなことは普通は不可能だ。
とてつもない魔力量を所持していない限りは。
俺は彼の正体が魔王であるのかを尋ねる。
すると彼は魔王ではないが、魔王に仕えていると教えてくれた。
彼はセプテム大陸の魔王の配下だと考え、厳しい状況になったことを悟る。
まだ戦いは終わってはいなかったのだ。
運よくメッフィーは撤退してくれたが、残されたボーンジェネラルと戦うこととなる。
骨の魔物の攻略法は既に熟知している。
カレンと協力してすべてのボーンジェネラルを倒すと、俺たちは今起きたできごとを話すために城に帰ることにした。
城に帰ると、父さんたちも魔法が解けたようで混乱していた。
俺は事実を話すと、父さんはすぐに行動に出ようとしたが、体調を崩してしまう。
両親の体調が戻るまでに、二日の時間がかかった。
そのことをエミに話すと、彼女まで会議に参加すると言い出した。
病み上がりなので、できれば遠慮してほしかったが、むりをしないことを条件に、三人で会議室を訪れる。
部屋にはカレンたちに加え、大臣のサンソン、賢人議会のアマテウス、尚書のシャルロットが既に着席をしていた。
俺たちも席に座り、しばらくすると父さんと母さんが会議室にやって来る。
そしてガリア国との戦争について話し合った。
様々な意見が出る中、俺は戦争を回避するにはセプテム大陸の魔王を倒すしかないことを進言する。
もちろん俺と仲間たちで討伐に向かうことも伝えた。
だが、予想ができていたとはいえ、父さんは猛反対。
どうしても俺をこの城に留めておきたいようだ。
しかし俺にも譲れないものがある。
どうにかして父さんを説得できないかと考えていると、尚書のシャルロットが突如レイラの正体が魔王であることを暴露しだした。
事情を知らないアマテウスは当然の反応のように驚いたが、あのときは俺も驚かされた。
何せ彼女にはその情報が伝わっていないはずなのだ。
レイラの存在は極秘にしているために、ほとんどの人が知らない。
知っている人にはこっそりと賄賂を渡し、口封じをしていた。
いったい誰だ!金を貰うだけ貰って軽率にレイラの正体をばらしたのは!
金返せ!
当時は何故彼女が知っているのかが不思議であったが、あとから聞いた話だと、ライリーが口を滑らせてしまったらしい。
彼女のせいであんなことになるとは。
シャルロットは俺が魔王を倒し、言うことを聞かせる力が本当にあるのかを確かめるために、試練を与えてきた。
お題は、レイラが俺の飼い犬になっていることを証明せよとのこと。
父さんはその案に乗り、もし、証明することができれば許してくれると言ってきたのだ。
しかし、これは俺にとって困難な試練であった。
だって、飼い犬に成り下がったことを証明しろってことは、俺がレイラにお手やお座りをさせろってことだろ!
そんな鬼畜プレイをさせるわけにはいかないじゃん!
もし、仮にそんなことをしてしまったら、俺はただの変態王子ってことになるんぞ!
それにレイラに恥じをかかせることなんてできないって!
できれば俺も恥をかきたくない!
そんなわけで、俺は彼女に芸をさせることができずに時間だけが過ぎていく。
すると、この状態をどうにかしようと、レイラが俺の顔を舐めだしたのだ!
え!ちょ、ちょっと待って!
い、いきなりどうした!レイラ!
困惑と妙なドキドキ感に包まれていると、シャルロットの目がキラリと光ったような気がした。
そして、犬が主人の顔を舐めるという行為は、敬意を表している証拠、俺を主だと認めているのだと、シャルロットが進言してきた。
犬の習性について詳しくは知らなかったが、彼女の行動には助けられた。
これでどうにか納得してもらえるだろう。
そう思ったとき、レイラが新な行動に出る。
俺に向ってマウンティングをしてきたのだ。
え?マウンティングって何だって?
あれだよ、あれあれ。
犬が交尾するときに雄が腰を振るじゃない。
あれのこと。
正確にはレイラがしてきたのは、俺に身体を擦り付ける行為だったが、彼女の動きが発情した犬の腰振りみたいに見えたようで、シャルロットがマウンティングだっと言ってくる。
話を戻すけど、マウンティングはただ犬が発情しているだけの行為ではなく、複数の意味を持つ。
その内のひとつが、飼い主に対して行われた場合、嘗められている証拠なのだ。
シャルロットの発言で、一気に悪い方へと展開が流れ出す。
そんな中、俺は必至に思考を巡らす。
すると、犬のマウンティングに対してあることを思い出した。
愛犬が飼い主を守らなければと思った際にも、マウンティングを行うのだ。
その説明が決め手となり、一応この勝負には勝ったが、それでも父さんは認めてくれなかった。
まぁ、認める前に再び体調を崩したからな。
翌日、俺は父さんと闘技場で決闘をすることになる。
この勝負に勝てば、今度こそ認めてやるとのことだ。
当時の俺は楽勝だと楽観視していた。
何せ俺には複数の精霊と契約関係にあり、様々な魔法が使える。
この勝負は負けるほうが難しい。
そう思い、試合開始の合図と共に、先制攻撃を仕かけようとすぐに魔法の詠唱を行う。
しかし、魔法は発動することがなかった。
何が起きているのかわからないでいると、脳内にノームとウンディーネの声が聞こえる。
どうして聞こえるようになったのかを尋ねると、どうやら俺が半人半霊であることを自覚したからのようだ。
テレレレッテッテレー
『デーヴィットはレベルが上がった。スキル、精霊の呼び声を覚えた』
ウンディーネたちから魔法が使えない理由を尋ねると、どうやら母さんが皆に圧力をかけ、俺の指示に従わないように言われたらしい。
魔法が使えないとなると、俺は渡された剣で戦わなければならない。
剣はまだ正直苦手だが、父さんに勝つにはこれしか残されていない。
俺は神経を研ぎ澄ませ、呼吸を意識して父さんに立ち向かった。
お互い攻防が続く中、俺はそろそろ決めないとヤバイと判断する。
父さんを甘く見ていた。
年はとっても、俺よりも強かった。
俺は最後の手段として、男の禁忌を破ることにした。
もしかしたら今の言葉で気づいているかもしれないが、俺は父さんのに金的蹴りを放ったのだ。
俺の一撃は父さんにクリティカルヒット!
起き上がることもできない状態へと追いやった。
会場は笑いの渦に包まれた。
しかし、俺の価値観であるが、笑ってもいい資格があるのは、同じ痛みを共感できる男性だけだっと思っている。
俺も経験があるが、本当に呼吸するのが難しいし、痛みで涙も出る。
一度経験すれば二度と味わいたくはないほどだ。
男同士の暗黙のルールを破ってしまった俺は見事に勝利する。
控室に戻り、着替えを済ませるとカレンたちがやってきた。
俺の勝利を喜んだが、勝ち方がエグかったために、本当に許してもらえるのだろうかという話になり、不安になった俺は父さんのいる医務室にむかうことにした。
部屋の中に入り、父さんと話す。
手段はともかく、勝ったことは事実。
俺は見事、自由な冒険をする許可を貰えた。
医務室を出ると、廊下には皆が待っており、自由の身になったことを報告する。
そんな中、エミが城の暮らしができなくなることに対して寂しさを覚え、俺と結婚すれば今後も城に住めるなんてことを言いだした。
その瞬間、彼女を除いた女性陣がひそひそ話を始める。
俺にも関係していることらしいのだが、まったく何を言いたかったのかが理解できなかった。
そんな中、俺は頭がいいのになぜ理解することができないのかと、女性陣から宿題を出された。
そういえば、あの宿題全然やっていなかったや。
提出期限ってあるのかな?
だれか答えを教えてくれ!
今日も最後まで読んでいただきありがとうございます。
誤字脱字や文章的に可笑しな箇所などがありましたら、教えていただけると助かります。
あらすじを読んでくださったあなただけに、、十四章の内容の一部をご紹介します。
セプテム大陸に向かうために城を出ることになったデーヴィットたちは王様と別れを告げ、ラ・シャリテの岬に向かい、そこで船長のフォーカスと合流するとアリシア号に乗って海を渡る。
船旅の最中、エルフの話になり、どうしてエルフは人間よりも長寿なのかを問われ、デーヴィットは困る。
知らないわけではない。だが、専門用語が多く、話しても理解できるかがわからなかったからだ。
そこで急に誰がデーヴィットの説明を一番理解し、わかりやすく説明できるか大会が行われることに!
この世界のエルフの生態の秘密が明らかになる!
さらに海の中から魔物が襲撃!
デーヴィットは触手に拘束されてしまう!
え!そこは普通女の子たちだろうって?
それにはちゃんとした理由がある。
もちろんサービスシーンも少しだけ用意してありますよ。
そして悪夢にうなされるデーヴィット。
彼はいったいどんな夢を見ているのか!
こんな感じの内容になっています。
第一話は明日投稿予定なので、楽しみにしていただけたら幸いです。




