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第十二章 第七話 ランスロットVS虎熊童子

 今日は七夕ですね!


 皆さんは短冊にどんなお願いごとを書きましたか?


 私は『文章力向上と多くの人に読んで頂けれるように』と心の短冊に書いてお願いをしました。


 え?それはお願いじゃなくて自分の努力次第って?


 確かにそうですね。願い事が叶うようにこれからも頑張って行きます。


 さて、今回はそんな七夕に相応しくない内容となっていますが楽しんでいただけたら嬉しいです。


 今回はランスロット中心の話になっていますので、三人称で書かせてもらっています。


 今回のワード解説


 読む必要がない人は飛ばして本文のほうを呼んでください。


グリーブ…… すね当ての鎧。


サバトン…… 足を覆って保護する鎧。


熱伝導……固体または静止している流体の内部において高温側から低温側へ熱が伝わる伝熱現象。


ポリン……ひざのお皿の部分を保護する鎧。



 少しだけ時を戻す。


 虎熊童子に向けてランスロットは横一文字に剣を振ると、敵は棍棒で受け止める。


 お互いに力の押し合いをする中、ランスロットは後方をチラリと見た。


 あの女がいては全力を出すことができない。


 知らない人物だが、デーヴィッドの新たな仲間と見ていいだろう。


 彼女に何かあっては、レイラ様から大目玉を食らうことになる。


 それだけはあってはならない。


 少々手荒なことになるが、ランスロットはエミをデーヴィッドに渡すことを決める。


 左足を前に出すと腰を落として身体を捻り、剣を横薙ぎに振る。


 敵は斬撃を避けようと後ろに跳躍して距離を空けた。


 今だ!このチャンスを逃す訳にはいかない。


「デーヴィッド、こいつを受け取れ!」


 握っていた剣を砂地に突き刺して可能な限り大声を上げ、デーヴィッドがこちらに注目したのを確認すると、ランスロットはエミの襟首を掴んで持ち上げる。


「え、え!な、何!」


 突然の行動にエミは困惑するが、彼はそんなことはお構いなしに彼女を投げ飛ばした。


「これでよし」


 一仕事を終え、ランスロットは手をはたくと剣を握り直す。


「さあ、これで邪魔者はいなくなった。俺と一騎打ちといこうではないか」


 剣先を虎熊童子に向け、彼は敵を牽制する。


「いいだろう。本気で殺してやる」


 そう言うと虎熊童子は棍棒を砂地に投げた。


「どういうつもりだ。自分の得物を捨てるとは」


「俺は本来武闘家なのでね。新の武器はこの肉体と鋭利な爪なのさ」


「つまりは戦士タイプの職止まりというわけか、話にならん。ジェネラル級の俺に勝てると思っているのか。シマウマ風情が笑わせてくれる」


「俺はシマウマじゃねぇ虎だ!」


 ランスロットの言葉は、虎熊童子の怒りを買ってしまったようだ。


 彼は素早く前に来ると腕を振り、鋭い爪で斬りかかってきた。


 しかし、腕の軌道を見破ったランスロットは、横に身体を逸らして難なく躱す。


「虎がその程度の攻撃をするか。遅すぎて欠伸が出る」


「たかが一回躱した程度で調子に乗るな!」


 身体を捻り、虎熊童子は右足を軸に身体を回転させ、左足で回し蹴りを放つ。


 普通の人間なら、彼の足さばきが見えないほどの素早い一撃であったが、ランスロットには彼の動きが見えていた。


 敵の左足首を掴むと虎熊童子を静止させる。


「ランスロットじゃないか。どうしてここに?」


 聞き覚えのある声が聞こえ、ランスロットは声のしたほうに顔を向ける。


 そこには、褐色の肌に前髪を作らない長い髪の美ボディーを持つ女性が立っていた。


「お前はライリーか。今は話している時間がない。こいつは俺だけで十分だ。お前はデーヴィッドのところにでも行っていろ」


「ふざけやがって!」


 ランスロットの言葉に侮辱を感じたのか、虎熊童子は怒りの声を上げる。


「フン!」


 ランスロットは虎熊童子の足を掴んだ腕に力を籠めると、持ち上げる。


 すると、巨体の足が砂地から離れ、空中に浮遊した瞬間に叩きつけた。


「どうやらあたいが加勢するまでもないようだねぇ、わかった。ここはあんたに任せるよ」


 ライリーがこの場から走り去るのを確認すると、ランスロットは虎熊童子を見る。


「お前はシマウマだ。草食動物は肉食動物に食われるのが自然の摂理。シマウマのように逃げるのであれば、特別に命は助けてやってもいいが」


 自身で口走っておきながら、ランスロットは何を言っているんだと心内に訴える。


 今まで敵となるものは女、子どもであっても殺す対象だった。


 例え嘘であっても、見逃すという言葉は一度も口には出さなかったはずなのに。


 いつの間にかデーヴィッドたちに毒されてしまったのかもしれない。


 俺も弱くなったものだ。


「ふざけるな!俺はシマウマじゃねぇ虎だ!今まで俺は人間たちを狩る側だった。これからもそうだ!」


 虎熊童子は身体を反転させて仰向けから俯せに態勢を変えると腕の力で後方に跳躍。


 ランスロットに飛び蹴りを放つ。


 迫ってくる蹴りに対して身体を捻って躱し、敵の次の動作を注視する。


 砂地に足がついた瞬間、足の瞬発力を利用して距離を詰めると、鋭い爪によるクローを仕かけてきた。


 爪が鎧に触れるよりも早く敵の腕を握り、一時的に拘束した瞬間を狙い、膝を上げて虎熊童子の顎に命中させる。


 今の一撃でやつの歯でも折れたのだろう。


 彼は吐血をすると口の端から血が流れ落ちる。


「今はどんな気持ちだ?それが狩られる者の恐怖だ。今まで人間どもに味わわせてきた気持ちがようやくわかっただろう」


 我ながらブーメランだと思う。


 こんなセリフを吐く日がくるとは思わなかった。


「殺す。てめ―を殺す!」


「殺せれるものなら殺してみろ」


 掴んだ腕を横に振り、虎熊童子を投げ飛ばす。


「小鬼共、あいつの鎧に貼り付け」


 お前がするのではないのかよ!


 心の中でランスロットがツッコミを入れると三体の小鬼が地を飛び、彼の鎧に張りつこうとする。


 ライリーのときのように、熱伝導による火傷を負わせようと考えたのだろう。


 だが、空中では咄嗟に動くことができないことを利用し、ランスロットは後方に下がると腰を落とし、横一文字に剣を振る。


 三体の小鬼は上半身と下半身に分かれて地面に転がった。


「何を考えていたのかは知らないが、こんな雑魚で俺を倒そうとは、ついに頭もイカレタか?」


「俺の部隊は全員で畳みかけろ!隙を衝いて俺が殺す!」


 虎熊童子が命令すると、先ほどとは比べ物にならない数の小鬼が一斉にランスロットに襲いかかる。


「無駄なことを」


 彼は再び腰を落とし、身体を捻ると回転斬りを行い、次々と切り倒す。


 だが、敵を斬っていくたびに剣に熱がこもっていくのを感じる。


 三十体ほど倒すと、刀身が赤くなっているのが視認できた。


 休む暇もないまま身体を動かしているからか、剣から伝わる熱によるものなのかはわからないが、身体が熱を持ち出した。


 額から汗が吹き出し、一刀が重く感じる。


 甲冑を着ているから尚更だ。


 次第に自身の動きが鈍くなっていくのを実感する。


 頭も痛くなり、吐き気を感じた。


「どうした。動きにキレがないぞ、そろそろバテてきたか?」


 虎熊童子がニヤリと下卑た笑みを浮かべる。


 いつもであれば、この程度で息を切らすことはない。


 それなのに、剣を一振りするのさえ、危うくなってきた。


「いったい……俺の身体に……何が起きた」


 ランスロットは気づいていないが、彼は脱水症状に陥ったのだ。


 人間の身体の中にある体液は、水分とミネラルで構成されており、人の身体を維持するのに非常に重要である。


 軽症の場合は大量の汗や喉の渇き、吐き気やめまい、重苦しいで済むが、重症になると筋痙攣や失神、感覚がなくなるなどの症状が起き、最後は死にいたる。


 激しい戦闘の中、炎のエレメント階級の小鬼による熱で、ランスロットは水分を奪われ続けたのだ。


 熱い。


 意識が朦朧とする。


「ははは、ずいぶんと苦しそうじゃないか。もうすぐお前は死ぬ。部下の小鬼がてめえから水分を奪い、判断力が鈍ったところで俺がトドメを差す」


 虎熊童子はランスロットが苦しそうにするのを見て、声を出して笑いだす。


 なるほど、どうりで可笑しいと思ったわけだ。


 身体中の水分を奪われたから、俺は弱くなってしまっている。


 暑さに参っているのであれば、涼しくすればいいだけの話だ。


 小鬼たちの隙をつき、ランスロットは兜を外した。


 パープル色のオールバックの髪が風に靡く。


「これで少しは涼しくなるだろう」


 兜を砂地に落とすと、勢いよく砂が舞い上がり、落下地点に小さなクレーターを作る。


「兜を脱いだ程度で変わるわけがないだろう!小鬼よ、防御するものが亡くなった頭部を狙え!そのオシャレな髪をアフロにしろ!」


「俺は魔王レイラ様を守護する騎士、敗北は許されない。例え逆境に立たされようとも、あの方に勝利を届けるのが役目だ!」


 頭部が風で冷やされたことで、ランスロットは冷静さを取り戻す。


「この一撃で終わらせる!」


 ランスロットは地を蹴って接近すると、小鬼を切り倒す。


 敵を斬った数だけ剣に熱量が増すが、そんなことはお構いなしに斬りつけ、隙があれば鎧のパーツを外していく。


 足のサバトン、脛当てのグリーブ、膝当てのポリンを外す度に、彼は速度を速める。


「何故だ!意識は朦朧としていたはず、どうしてそこまで動くことができる!」


「それは、俺が将軍であり、守るべき存在がいるからだ!俺たちが死ぬことになれば、あの方は悲しみに包まれる。もう、イアソンのような惨劇を起こさないためにも、俺はどんなことがあろうと勝ち進む!」


 ジル軍師と共に、同胞を説得する旅の最中、通りすがりの精霊からイアソンのことを聞いた。


 彼の亡き後、レイラ様は深く悲しんだとのことだ。


 もう二度と、君主にそのような顔をさせない。


 強い想いに駆られる中、ランスロットは虎熊童子の前に辿り着く。


「お前の部下の力を受けたこの剣で、お前を倒す!熱せよ!ヒートソード」


 地を蹴って思いっきり跳躍をすると、ランスロットは剣を振り下ろす。


 虎熊童子は腕でガードを試みた。


 彼の固い皮膚であれば通常の剣では食い込む程度で済んでいただろう。


 しかしランスロットの剣は真赤に燃え、凄まじい熱量を持っている。


 腕の細胞を焼き尽くし、脆くなった腕は容易に切断され、敵の頭部に到達すると脳を焼く。


 脳に甚大なダメージを受けると、電子信号のやり取りが行うことができす、身体は機能を停止させ、虎熊童子だった肉体は地面に倒れる。


「やはりお前はシマウマだったな。最後は狩られた」


 身体を無理して動かした代償がこのタイミングで訪れたようだ。


 ランスロットは意識を失い、その場で倒れる。


 今日も最後まで読んでいただきありがとうございます。


 ブックマーク登録をしたくださった方、私の作品の評価をしてくださった方ありがとうございます。


 厳しめの評価で正直落ち込んだりもしましたが、これが今の実力だと思って今後も頑張って物語を描いて行こうと思います。


 そもそも評価してくれること自体がとても幸運でありがたいことなのだから、文句を言うなって話ですよね!


 という訳で、明日も投稿予定です!

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