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第八章 第四話 英雄の最後

 今回のワード解説


 読む必要がない人は飛ばして本文のほうを呼んでください。


迷走神経……12対ある脳神経の一つであり、第X脳神経とも呼ばれる。副交感神経の代表的な神経 。複雑な走行を示し、 頸部と胸部内臓 、さらには腹部内臓にまで分布する。脳神経中最大の分布領域を持ち、主として副交感神経繊維からなるが、 交感神経とも拮抗し、 声帯 、心臓 、胃腸 、消化腺の運動、分泌 を支配する。多数に枝分れしてきわめて複雑な経路を示すのでこの名がある 。延髄 における迷走神経の起始部。迷走神経背側核、 疑核 、 孤束核を含む。迷走神経は脳神経の中で唯一 腹部にまで到達する神経である。


クラスター……数えられる程度の複数の原子・分子が集まってできる集合体。個数一〇~一〇〇のものはマイクロクラスターと呼ばれ,特殊な原子のふるまいが見られる。


慣性力……慣性系に対して加速度運動をしている座標系の中で、物体の運動に現れる見かけ上の力。例えば、カーブを曲がる車の中にいる人を外側に傾けさせる力など。慣性抵抗。


粘性力……液体や気体の流れでは、流速の分布が一様でない場合、速度差をならして一様にしようとする性質が現れる。これを流体の粘性という。一般に水や空気のようなさらさらした流体は粘性が小さく、ひまし油やグリセリンのような液体は粘性が大きい。


鼻腔……鼻のあなの中。鼻孔から咽頭(いんとう)までの、空気の通路。内面は粘膜で覆われ、嗅覚器がある。吸気を暖め、またちりなどを防ぐ。


中心前回……中心前回は大脳にある脳回の一つ。前頭葉外側面の最も後方に位置し、中心溝を挟んで中心後回と接する。大脳半球の上縁と三つの脳溝で囲まれたマクロ解剖学的な概念として定義される。機能的な分類における一次運動野、細胞構築学的な分類であるブロードマンの脳地図の4野、と広い範囲で重なる。


随意運動……自分の思いどおりにできる運動動作をいう。脊椎動物で、大脳皮質に生じた神経の刺激によって行なわれる意識的・意図的な運動。一般に骨格筋にみられる。内臓器官の自働性による運動や反射運動などの不随意運動に対していう。


一次ニューロン……脊髄後根神経節に細胞体があり、そこから末梢の感覚受容器と脊髄の両側に軸索を伸ばしている。 触覚・固有覚の経路(後索・内側毛帯路)では、一次ニューロンは脊髄に入ると同側の後索を上行する。


軸索……細胞体から延びている突起状の構造で、神経細胞において信号の出力を担う。 神経細胞中では長さが大きく異なってくる部分であり、ヒトの場合、隣接する細胞に接続するための数ミリメートル程度のものから、 脊髄 中に伸びる数十センチメートルのものまである。


放線冠……内包、大脳基底核、視床などと大脳の表面にある 大脳皮質 とをつなぐ線維の束のこと。


内包後脚……内包には体性局在があり、内包膝から内包後脚に向かって、頭、上肢、下肢の順に皮質延髄・脊髄路が配列している。後脚には皮質脊髄線維、皮質網様体、皮質橋線維、歯状核視床皮質線維が含まれる。


中脳後脚……中脳にある後脚。


錐体交叉……皮質脊髄路の途中で延髄腹側の錐体において神経線維が交叉するが、これを錐体交叉(または運動交叉) と言う 錐体交叉では全ての神経が交叉するわけではないが、交叉しなかった線維も脊髄の白交連で最終的には交叉する。なので、皮質脊髄路線維は全て対側の運動ニューロンを支配することになる。


交叉……1 2本以上の線状のものが、ある一点で交わること。また、互い違いになること。


二次ニューロン……二次ニューロンは視床の後外側腹側核(VPL核)で三次ニューロンとシナプスを形成する。 三次ニューロンは内包後脚を通って、頭頂葉の中心後回(ブロードマンの脳地図の3,1,2野)にある感覚野に投射する。 前外側系のニューロンは視床に投射するだけではなく、途中で脳幹 網様体 にも 軸索 が伸びている(脊髄網様体路)。 この網様体からはさらに海馬(痛みの記憶を形成する)、視床の正中中心核(CM核、漠然とした痛みを感じる)など大脳や間脳のさまざまな場所に投射している。 中脳中心灰白質(中脳水道周囲灰白質)にも二次ニューロンは投射しており、ここから延髄の 大縫線核 、さらに脊髄へと投射があって、痛覚信号の入力があるとそれを抑制する働き( 負のフィードバック )を持つ。 これによって痛み刺激が軽減される。


シナプスチャージ……ニューロンとニューロンとの接続部。また,その接続関係。伝達される興奮の増幅や抑制を行うことができるのがシナプスだ。それにチャージされること。


前角細胞……前角にある筋を支配する運動ニューロンの神経細胞体のこと。


下位運動ニューロン……下位運動ニューロンとはその細胞体と樹状突起が中枢神経系内に存在し、軸索は末梢神経となって伸び、錐外筋線維とシナプスするニューロン 。


末梢神経……動物の神経系のうち,中枢神経と末端の効果器ないし受容器とを結ぶ神経。脳脊髄神経系と自律神経系からなり,前者はさらに脳神経と脊髄神経に分けられる。


神経筋接合部……運動神経繊維が筋繊維と接合する部分をいう。


運動麻痺……脳の運動中枢から筋線維に至るどこかに障害があって、随意的な運動ができない状態をいう。

ノーヒントで条件を満たさなければ、倒すことができない強敵。


 とにかく色々と試すしかない。


(まじな)いを用いて我が契約せしジャック・オー・ランタンに命じる。その力の一部を我に貸し、言霊により我の発するものを実現せよ。ファイヤーボール」


 空中に五つの火球を生み出し、一斉に放つ。


 しかし、大剣により生み出された風圧により、火の玉は掻き消されてしまう。


「ミニチュアファイヤーボール」


 レイラが俺と同じサイズの火球を生み出し、ヘラクレスに向けて投げる。


 魔力が高いレイラはファイヤーボールでも、デスボール並みの大きさと威力が出てしまう。


 だから魔力を極限に節約した魔法を使っているのだろうが、それでも俺の魔法と同等だ。


 改めて彼女の強さに驚かされる。


 あの日勝ったのが奇跡のようだ。


 レイラの攻撃はヘラクレスに近づくも、先ほどの俺と同じ結果に終わる。


 本当にバーサーカーなのだろうかと思うほど、中々理性を失ってはくれない。


 ヘラクレスは後方に跳躍すると、今度は弓に持ち替え、レイラに向けて矢を放つ。


(まじな)いを用いて我が契約せしジャック・オー・ランタンに命じる。その力の一部を我に貸し、言霊により我の発するものを実現せよ。ファイヤーアロー」


 素早く詠唱を終え、レイラに向けて放たれた矢に、俺の炎の矢を当てて相殺させる。


 敵の攻撃にさえ気をつけていれば、お互いの攻撃は当たらない。


 だけどそれでは埒が明かない。


(まじな)いを用いて我が契約せし知られざる負の生命の精霊に命じる。その力の一部を我に貸し、言霊により我の発するものを実現せよ。ショック」


 敵の攻撃を相殺した直後に、エミが失神魔法を唱えた。


 あの呪文は直接身体に働きかける。


 避けることすら不可能なほどの無敵貫通技だ。


 魔法が発動し、ヘラクレスの体内では迷走神経が活性化され、心臓に戻る血液の量が減少したことにより心拍数が低下。


 あのときと同じように倒れる。


 しかし、これは一時の時間稼ぎにしか過ぎない。


 すぐに意識が戻ってしまうだろう。


 だけどこの機会を逃すわけにはいかない。


(まじな)いを用いて我が契約せしウンディーネとフラウに命じる。その力の一部を我に貸し、言霊により我の発するものを実現せよ。アイシクル」


 空気中の酸素と水素が結合し、水分子のクラスターによって水が出現すると、三角錐を形成。


 その後、水の気温が下がり、熱エネルギーが極端に低くなったことで氷へと変化、複数の氷柱を作りあげると、一気に解き放つ。


 先の尖った氷はヘラクレスの肉体に突き刺さるも、彼は何事もなかったかのように立ち上がる。


「氷でもむりか」


 何が効いていて、どれがダメなのかがまったくわからない。


 まさに先の見えない戦いだ。


 倒すための条件の一端でも見えれば、少しでも希望が見えるのに。


 「(まじな)いを用いて我が契約せしウンディーネとフラウに命じる。その力の一部を我に貸し、言霊により我の発するものを実現せよ。シャクルアイス」


 空気中の酸素と水素が磁石のように引き合い、電気的な力によって水素結合を起こす。


 これにより水分子間がつながり、水分子のクラスターが形成され、水の塊が出現。


 水の一部を切り離し、ヘラクレスに向けて放つと、敵を覆うように巻きつく。


 すると今度は水の気温が下がり、水分子が運動するための熱エネルギーが極端に低くなると、水分子は動きを止めてお互いに結合して氷へと変化した。


 できることは全てやってみないといけない。


 氷漬け、これが倒す条件であればいいのだが。


 しかし、俺の希望をあざ笑うかのように、氷にヒビが入ると、たちまち氷が割れてヘラクレスは脱出を果たす。


「これでもだめか。なら次だ。(まじな)いを用いて我が契約せしノームに命じる。その力の一部を我に貸し、言霊により我の発するものを実現せよ。ロック」


 地面から岩を抉り出し、ヘラクレスに向けて投げ飛ばす。


 彼の大きさとほぼ同じであったが、俺の攻撃を受け止めると、お返しとばかりにこちらに投げ飛ばしてくる。


(まじな)いを用いて我が契約せしウンディーネに命じる。その力の一部を我に貸し、言霊により我の発するものを実現せよ。ウォーターカッター」


 空気中の水分が集まり、知覚できる量にまで拡大する。


 そして今度は水の塊が加圧により、直径一ミリほどの厚さに形状を変えると、前方の岩に当たる。


 水流が当たった部分に穴が空くとひびが入り、砕け散った。


 ウォーターカッターは岩の破壊後、真っすぐに進み、ヘラクレスの胸にヒット。


 水流の勢いにより、敵の胸は吹き飛ばされ風穴が空くも、倒れる素振りを見せない。


「これでもないのか」


 攻撃系の魔法で俺が使えるのは、残すところダストデビルぐらいだ。


 だが、洞窟内では発動するための条件が揃わない。


 一旦外に誘導する必要があるが、素直についてくるとは思えない。


 この魔法は最終手段にするしかないだろう。


 回復魔法を使っていないはずなのに、自動的にヘラクレスの傷が治っていく。


 クソッ、どうやって再現しろというんだ。


 ヒントも何もないのに。


「ミニチュアファイヤーボール」


 思考を巡らしていると、レイラが再び複数の火球を生み出して攻撃する。


 自身に飛んでくる火球が迫る中、ヘラクレスは凄まじい身体能力で全てを躱していく。


 その光景を見て、俺は違和感を覚えた。


 これまでの戦闘の記憶を辿ってみても、明らかに不自然だ。


 もしかしたら、これがヒントになっているのかもしれない。


 とにかく、確信にいたるためにも試してみなければ。


(まじな)いを用いて我が契約せしウンディーネに命じる。その力の一部を我に貸し、言霊により我の発するものを実現せよ。ウォーターウイップ」


 空気中にある水分子のプラスの電荷と、酸素側のマイナスの電荷が磁石のように引き合い、水素結合を起こす。


 これにより水分子間がつながり、水分子のクラスターが形成され、大きな水の塊を作ると形状を鞭のように変化させる。


 水の鞭に勢いをつけ、ヘラクレスの頭に狙いを定めて放つ。


 慣性力と粘性力によって元の位置に留まろうとする性質を利用し、強度となった水をヘラクレスの頭部に当てる。


 この攻撃の間、ヘラクレスは避ける素振りを見せなかった。


 やっぱり、敵を倒すキーワードは炎だ。


 火炎系の攻撃は、どうにかして回避しようとしていた。


 だけど、水、氷、岩の攻撃は避けようとする姿勢をみせないまま食らっている。


 ヘラクレスを倒すには炎が欠かせない。


 だけど単純に炎系の魔法を当てるだけとはいかないだろう。


 男は、英雄と呼ばれている人物だ。


 そんな彼が、炎を纏っただけで死ぬとは思えない。


 他にも、隠された条件があるはず。


 勝利へと導く橋の一端は見えたが、完全に完成するにはまだ材料が足りない。


 だけど選択の幅は狭くなった。


 何かをしたあとに炎を当てるか。


 炎を当てたあとに何かをするかだ。


 とにかく今は、細かいことであったとしても、可能性のひとつとして考えるしかない。


 頼む、俺の契約している精霊たちよ。


 きついかもしれないが耐えてくれ。


 更に絞り込むためにも、やはり炎を当てるのが必須条件だろう。


 炎を当てた状態で他の魔法も使い、それでも何も起きなければ逆を試す。


 こうして少しずつでも可能性を潰していかなければならない。


 気の遠くなるような作業だ。


 だけどここですべてを投げだすわけにはいかない。


「レイラ、炎でヘラクレスの逃げ道を塞ぐ。呼吸を合わせよう」


「了解した。余とデーヴィッドの共同作業というわけだな」


(まじな)いを用いて我が契約せしジャック・オー・ランタンに命じる。その力の一部を我に貸し、言霊により我の発するものを実現せよ。ファイヤーボール」


「ミニチュアファイヤーボール」


 レイラと協力して、ヘラクレスの上下左右、あらゆる場所に火球を生み出す。


「「いけ!」」


 俺たちの生み出した火球は、ヘラクレスの逃げ場をなくして完全に包囲すると、一斉に男に命中させる。


 身体中を炎で覆い、男の肉体を焼く。


 これで前提その一(仮)が成功した。


 これから起きることで、どちらの前提が正しいのかを見極めてみせる。


 しばらく様子を窺ってみると、火傷を負ったヘラクレスの肉体が徐々に回復を始めた。


「前提その一が間違っていたか。なら、逆だ!」


 火傷を負った身体が回復をするということは、何かをしたあとに炎で男の身体を焼かないといけない。


 これで半分は攻略したことになる。


 あとは、最初の前提が何かを探さなければ。


 これまでのヘラクレスとの戦いを思い返してみると、前提その一として相応しくないのは、水、氷、岩だ。


 どれも避けようとはしなかった。


 考えられるとすれば、雷、風、毒、麻痺、と言ったところだろうか。


 だけど、雷も風も、洞窟内では条件が揃わない。


 ここは毒か麻痺を試すしかないだろう。


「カレン、アリスに持ってもらっているアイテムボックスから、俺が作成した痺れ粉を取ってくれ」


「分かったわ」


 カレンに用意してもらっている間、ヘラクレスがカレンに攻撃を仕掛けないように俺は魔法を放ち、小細工をする。


「デーヴィッド受け取って」


 足止めをしていると、カレンから痺れ粉の入っている袋を投げられ、片手でキャッチすると、投擲のタイミングを窺う。


 これはレイラと戦う前日に作ったものだ。


 結局使うタイミングはなかったが、用意して正解だった。


 ヘラクレスが大剣を上段に構えた瞬間に、袋を投げる。


 手放した袋は、大剣に切り裂かれ、周囲に飛び散った。


 舞い散る粉の中心にいたヘラクレスは、手から大剣を滑り落とす。


 前提その一であるかはまだわからないが、上手くいった。


 鼻腔から吸引し、鼻の粘膜から吸収して血液に混じると、摂取した成分が脳へと送り込まれることになる。


 大脳中心前回に存在する神経細胞が興奮することで、随意運動が始まる。


 一次ニューロンである軸索は放線冠、内包後脚、中脳後脚を通過、延髄下部に存在する錐体交叉にて左右の線維が交叉し、脊髄にて二次ニューロンにシナプスチャージし、前角細胞を興奮させる。


 二次ニューロンである下位運動ニューロンが末梢神経として感覚線維と並走し、神経筋接合部にいたり、筋繊維を興奮。


 この経路のどこかで障害が起き、運動麻痺を起こした。


「これで動きも封じた。当てるのは容易。(まじな)いを用いて我が契約せしジャック・オー・ランタンに命じる。その力の一部を我に貸し、言霊により我の発するものを実現せよ。ファイヤーボール」


 出現させた火球をヘラクレスに当てる。


 身体が麻痺状態になり、身動きの取れない敵は、炎に包まれて身を焦がしていく。


 緊張で心臓の鼓動が高鳴る中、魔法の効果が切れて炎は消え去る。


 頼む。もう立たないでくれ。


 心の中で神に祈るも、ヘラクレスの指がピクリと動く。


 嫌な予感がする。


 天啓ともいえる直感が働き、俺は急いで後方に跳躍。


 瞬きをした瞬間、ヘラクレスが迅速に動き、俺の立っていた位置に大剣を振っていた。


 敵が再び動くことができている。


 異常ともいえる回復力だ。


 前提を失敗すると、時間が巻き戻ったかのように回復してしまうのか?


 もういい加減にしてくれ。


 火炎の魔法の連発で、ジャック・オー・ランタンに負担が掛かっている。


 あと一回が限界のはず。


 俺の場合、チャンスは一回しか残されていない。


 ヘラクレスが弓を構えた。


 しかし、狙いは俺たちではないのか、矢先は別方向に向けられている。


 矢の到達位置だと思われる場所に視線を向けると、俺は大きく目を見開いた。


「アリス逃げろ!」


 敵の狙いはアリスだ。


 正確には彼女の持っているバスケット型のアイテムボックス。


 こいつ、死にかける度に学習していやがる。


 ヘラクレスは構えの態勢に入っている。


 あとは弓を放つだけだ。


 俺が今から魔法で対処をしようとしたところで、詠唱中に放たれてしまう。


 ヘラクレスはバーサーカーのはずなのに頭がいい。


 アリスを逃がしたところで、彼女の動きを先読みして放つことも十分考えられる。


「実現せよ。ショック」


 呪文の詠唱が間に合わないと諦めていた瞬間、エミが失神魔法を唱えた。


 だけど、矢を構えるのを見てから呪文を発動するのは遅すぎる。


 おそらく、俺の予想が外れることを考慮して、事前に行っていたのだろう。


 迷走神経を活性化させられ、心臓に戻る血液量と心拍数が低下したヘラクレスは地面に倒れる。


 そして、彼が構えていた矢は、自身の左腕に突き刺さっていた。


 その光景を見て、俺は一か八かの賭けに出る。


(まじな)いを用いて我が契約せしジャック・オー・ランタンに命じる。その力の一部を我に貸し、言霊により我の発するものを実現せよ。ファイヤーボール」


 生み出した火球はヘラクレスの身体を燃やす。


 すると、今までとは違う光景を目の当たりにする。


 炎の中に光が生まれ、辺りを照らし出す。


 魔法の効果が持続するまで光続け、炎が消えると同時にヘラクレスの姿も消えていた。


今日も最後まで読んでいただきありがとうございます。


 誤字脱字や文章的に可笑しな箇所などがありましたら、教えていただければ助かります。


 また明日も投稿予定なので、楽しみにしていただけたら幸いです。

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