☆第六章あらすじ☆
今回はドンレミの街に着いてからのできごとをメインに書く。
森から帰った俺たちは、それぞれやるべきことをするために各自部屋に向かう。
俺は部屋に帰るとすぐに所持金を確認し、不安に駆られる。
貯金の減りが予想以上だった。
人間、増えることに対しては喜ぶが、減ることに対しては嫌がる生き物だ。
俺は脳内で今後のことをシミュレートしてみる。
このままお金を稼がないで貯金だけが減っていくと、最終的には飢え死にすることになりそうだ。
ヤバイ!そろそろ働かないと死んでしまう!
危機感を覚えた俺は、最終目的地であるラ・シャリテの岬に行く前に、ドンレミの街で懐を温かくすることを考えた。
寄り道をすることを提案しにレイラのいる玉座の間に向かうと、まだ会議中のようで話声が扉越しに聞こえる。
部屋に入った俺はレイラから、ジルとランスロットの意見が分かれて膠着状態になっていることを知らされる。
ランスロットは空路、ジルは陸路を主張していた。
俺はジルの意見に賛成すると、納得のいかないランスロットが文句を言う。
しかし俺は、彼の言葉を全て論破する。
この俺を言葉で支配したいのなら感情論ではなく、論理的に説明できる知性を持ち合わせてからにしてほしいものだ。
陸路で進むことが決定され、俺はそれをライリーに知らせるためにカレンの部屋に向かう。
彼女は今もカレンを看病しているだろうと思ったからだ。
俺の予想は当たり、扉をノックするとライリーが顔を出す。
カレンの部屋を出て、歩きながらこれからの方針をライリーに伝えると、どうやら彼女の身体が疼きだしたようで久しぶりに相手をすることになる。
人気のない場所に移動すると俺は服を脱ぎ、彼女の身体が満足するまで抜いた…………剣を。
別に手記を書いている今の俺は酔っぱらっているわけではない。
やらしい方向に考えてしまったのなら、それは君の脳内がエロスだからだ。
因みに前のページを書いていたときは酔っ払いながら書いていた。
もう消すことができないが、どうしてあんなことを書いたのかが不思議だ。
酒の威力恐るべし。
剣の稽古が終わり、数日後にはカレンの容態もよくなり、俺たちは旅立ちの日を迎える。
しかし見送りに来た魔物は一人もいなかった。
まったく、空路じゃないからっと言って見送りに来ないなんてありえないよな!
いい大人が拗ねるなよ。
そんなこともありながら、ドンレミの街に向けて出発する。
道中ライリーがドンレミの街がどんなところなのかを聞いてきたので、俺はそれに答えた。
だが、知識を披露しただけなのに女性陣からは冷たい目で見られた。
どうしてあのときの皆は、ゴミを見るような目を俺に向けた!
何も悪いことなんてしていないのに!
こんなこともあったが、俺たちは無事に最初の目的地であるドンレミの街についた。
宿屋を探そうと歩いているとビラ配りをしている男女が視界に入る。
何を配っているのか気になった俺は、男のほうから一枚の紙を貰う。
当時の俺は、長旅でお世辞にもいい匂いはしてはいなっかった。
女性から近寄って欲しくないと言いたげな顔を向けられたくなかったので、男のほうを選んだのだ。
だが、この選択が小さな分岐点であることを知らなかった。
ビラを受け取ると、カレンとレイラからいきなり罵倒をされてしまう。
どうやら男女が配っていたビラは別物のようで、俺が受け取ったのは恋活婚活センターの宣伝だった。
二人の機嫌を損ねてしまったが、歩いていると先に向かったはずのカレンとレイラが戻ってきた。
彼女たちの話を聞くと、どうやら城のように大きな宿屋を見つけたらしい。
急いで大きい宿屋に向かい看板を見る。
そこには宿泊料とは別に休憩料金も書かれていた。
ラブなホテルじゃないか!
このときの俺は凄まじい衝撃を受けた。
流石出会いの街とも呼ばれるドンレミの街だ。
まさかこのような施設まで存在するとは思わなかった。
どうしたものかと考えていると、珍しくライリーが助け舟を出してくれた。
どうやら耳打ちでこの建物の正体をカレンに伝えてくれたようだ。
ホッと一安心をした俺は普通の宿屋を探す。
訪れたのは温泉付きの宿屋だ。
しかも混浴つき!
しかし、カレンから混浴には行くなと釘をさされ、監視されるかたちとなった。
正直、年ごろの男としては女性の身体には興味がある。
見たくないと言えば嘘だ。
だけど己の欲望のために、カレンに嫌われるようなことはしたくはなかった。
俺は男湯に浸かり、旅の疲れを取っていると壁越しにレイラの声が聞こえた。
男湯の隣は混浴、つまり色欲に塗れた薄汚い思考を持つ男が、堂々と女性の裸体を見ることができる。
俺は驚き、レイラに男がいるのかを尋ねた。
しかし彼女は素直に答えてはくれず、真実を知りたいのであればここに来いと挑発をしてくる。
カレンを選ぶか、レイラを選ぶか脳内の天秤が揺れ動くも、どちらに傾くことはなかった。
そのままのぼせて意識を失い、目を覚ますとレイラが膝枕をしていた。
太ももの柔らかさを堪能しようにも、体温が上がっているせいで思考がはっきりしない。
本当はもう少しこのままでいたかったが、これ以上迷惑をかけるわけにはいかない。
格好良く起きあがろうとしたが、俺は立ちくらみを感じてそのまま転倒してしまった。
我ながら格好悪い。
ライリーに肩を借り、部屋のベッドで休むと眠りについた。
目が覚めるとまだ夜中のようで外は暗い。
夜風に当たろうと思い、外に出て歩いていると明かりの灯っている建物があった。
看板には恋活婚活センターと書かれていたのだ。
そう!あの出会いの街で有名な恋活婚活センターだ!
俺は自身に言い訳をして建物の中に入り、店員さんにお願いして手続きを済ませると登録している女性のプロフィールを見る。
正直に言うと登録している女性はピンからキリまでおり、昔から登録している人はプロフィールを読む限り、お世辞にもいいとは言えない印象をもった。
もし、これを読んで恋活婚活センターに登録して出会いを探そうと思っているのであれば、魔道具で写真を撮る際に気をつけなければならないポイントがあるので、読んでくれているあなたにだけ特別に教えようと思う。
ポイント①写真写りは目の大きさで決まる!
なので撮影の際に目を大きくする方法を教える。
まず、意識的に目を見開くのはアウトだ。
意識的に目を開くと不自然に見えてしまう。
だから自然に目を開かせることが必要だ。
その方法はひとつ。
鼻から息を大きく吸うことだ!
写真を撮る直前に鼻から息を吸い込むことで、交感神経が作用して瞼にあるミューラー筋という筋肉が収縮する。
これによって、目を自然に大きく開くことができる。
ポイント②黒目は大きいほうがいい。
次は写真を撮るときに黒目を大きく見せる方法だ!
やり方は簡単、写真を撮る直前まで目を閉じておく、それだけだ。
暗闇では黒目は光を多く吸収しようと大きくなる。
そして写真を撮る直前に目を開くことで、その状態のまま写真に映ることができる。
ポイント③写真は顔の向きで決まる。
最後は顔の向きで写真写りをよくする方法だ!
ズバリ、顔を少し横に向けるだけなのだ。
人間の顔は完全な左右対称ではないから、正面を向くと非対称さが目立つ。
そのため角度をつけたほうがいいのだ。
他にも顔に角度をつけることで顔のラインが協調されて、顔が細く見える。
ただ気をつけることがひとつ。
角度をつけるときに向く方向はどちらでもいいわけではない。
人間には利き顔と呼ばれる顔の向きが存在している。
右脳、左脳、よく使うほうと逆側の表情筋が多く動くようなのだ。
この表情筋がよく動くほうの顔を、利き顔という。
そして写真に写るときは利き顔が前になるように顔を傾ける。
それを調べる方法は簡単、笑顔で右方向、左方向それぞれから自撮りをして、口角がより高く上がっているほうが効き顔だ。
って、魔道具は一般的には手に入らないんだぞ!どうやって自撮りをするんだよ!
話が脱線してしまったが、これらを意識すると写真写りはよくなる。
話を元に戻すが、俺はナコさんという方が気になり、リピートバードを通してアプローチをかけてみることにした。
あのときはまさか本当にマッチングするとは思わなかった。
恋活婚活センターからの帰り道、俺は物音が聞こえ、路地裏に入る。
角を曲がった瞬間、俺の視界に映ったのは、道に倒れている一人の女の娘だった。
俺は彼女をお持ち帰り……宿屋で介抱してあげようと思い、彼女を背負って帰る。
翌日、女の娘は目を覚まし、衝撃的な言葉を口にする。
自分は異世界から来た転移者であり、俺のことも転移者と言いだしたのだ。
俺は直ぐに医者を呼ぶようにカレンに伝える。
普通に考えてこのようなことを言いだしたら、頭に大きなダメージを負っていると考えても可笑しくはない。
だが、俺の対応があまり良くはなく、彼女は怒りだす。
そこにライリーがテストをするように言いだした。
不本意ながらも、俺は女の子に問題を出すと全て正解したのだ!
しかも、この世界の人間なら答えられない言葉までも、途中まで言いかけたのだ。
信じられないが、おそらく彼女の言っていることは事実。
自己紹介をして、女の娘の名前がエミであることを知る。
エミは持っていた杖をなくしたらしく、俺たちは探し物を見つけるのに協力をした。
俺の前にリピートバードが来たので、先にギルドに向かうようにお願いすると、俺は鳥から要件を聞き、返事を返した。
少し遅れてギルドに向かうと、カレンたちがぐったりとしている。
話を聞くと、ギルドの男たちが彼女たちに群がったとのことだ。
男たちの気持ちは痛いほどわかる。
何せみんな美少女だ。
一緒にいられるだけでも鼻が高い。
ギルドから離れることになったが、再び男たちが声をかけることを警戒して、四人が俺に密着してきた。
腕、背中、胸、あらゆる場所に柔らかい感触に包まれ、俺の脳は思考を停止しかけた。
だが、階段を下りた瞬間に現実に引き戻される。
一階にいた男たちが一斉に視線を向けてきたのだ。
恐怖に駆られた俺は、彼女たちの胸を堪能する暇がなかった。
でも柔らかかった!
どうにかギルドから出ることに成功したが、レイラだけが俺から離れようとはしない。
そんな彼女を見て、カレンが謎の嫉妬心をみせ、レイラに対抗してきた。
彼女は俺がシスコンだと告げる。
俺は動揺した。
なるべくシスコンではないことをアピールするために、色々と気を使っていたが、いつの間にバレてしまったのだ!
二人の謎の戦いは続いたが、どうにか説得をすることに成功。
一応仲直りはしてくれたが、俺はどっと疲れた。
俺は宿屋に帰り身体を休める。
午後から幼女との出会いがあるとは知らずに。
今日も最後まで読んでいただきありがとうございます!
誤字脱字などがありましたら教えていただけると助かります。
明日は第七章を投稿します。
楽しみにしていただけたら幸いです。




