第四章 第五話 ゴーレムとマジックハンドのコンビネーション
今回はボリューム少なめの内容になっています。
カレンがこの場にいない以上、キャビテーションは使えない。
ならば、他の方法で倒さなければ。
ゴーレムは土属性、ならば風属性が効果抜群のはず。
だけど建物の中ではダストデビルは使えない。
魔法とは精霊の力を借りて言霊どおりの現象を生み出す奇跡の力。
しかし、それには発動条件というものがある。
魅了の発動条件が五秒から七秒、相手を見つめることのように、ダストデビルは地表面が直射日光で温められたことによって、上昇気流を生み出す必要がある。
室内では発動条件がそろわず、現象を生み出すことができない。
拘束するのに適した体格に室内という場所を考慮したうえで、レイラはゴーレムを生み出したに違いない。
「仕方がない。ダメージ量は軽減するが、あれを試してみるしか方法がない」
契約している精霊に呼びかけ、すぐに現象を生み出す。
「呪いを用いて我が契約せしウンディーネに命じる。その力の一部を我に貸し、言霊により我の発するものを実現せよ。ウォーターカッター」
空気中から集まった水分を加圧により一ミリの細さまで変化させると、ゴーレムの足の関節に狙いを定めて解き放つ。
勢いのある水圧はゴーレムに直撃するが、魔物のもつ属性により、あまり効果がない様子だ。
「やっぱり相性の不利で思うようにいかないか。だけどダストデビルが使えない以上は、この方法でしかゴーレムを倒すことができない」
ウォーターカッターを受けつつも、敵の行進は止まらない。
ついに目の前に立つと拘束するために腕を振り上げた。
このままでは捕まってしまう。
一か八か、俺はゴーレムの股の間に飛び込むと敵の一撃を回避。
すぐに起き上がり反対側から同じ場所に向け、ウォーターカッターを浴びせ続けた。
「やはり、ゴーレムだと動きが鈍いか。ならばこれならどうだ」
後方からレイラの声が聞こえる。
気になって振り返ると、彼女が次の魔物を生み出していた。
彼女が生み出したのはマジックハンド。
腕の形をした魔物だ。
動きは素早く、拘束するには適しているだろう。
「呪いを用いて我が契約せしジャック・オー・ランタンに命じる。その力の一部を我に貸し、言霊により我の発するものを実現せよ。ファイヤーボール」
通常よりも質量を大きくした火球を、マジックハンドに向けて放つ。
だが、炎の玉は敵に当たることなくそのまま直進し、壁に直撃すると壁を燃やし始める。
「外してしまったか。やっぱり素早い」
前方にマジックハンド、後方にはゴーレム。挟み撃ちをされた状態だ。
「こうなったら一度態勢を立て直すしかない。呪いを用いて我が契約せしウンディーネとフラウに命じる。その力の一部を我に貸し、言霊により我の発するものを実現せよ。アイシクル」
空気中の酸素と水素が結合し、水分子のクラスターによって水が出現すると、三角錐を形成。
その後、水の気温が下がり、熱エネルギーが極端に低くなったことで氷へと変化。
複数の氷柱を作り上げると俺の周囲に配置し、一気に解き放つ。
範囲攻撃により、逃げ場が限定される。
図体のでかいゴーレムは避けることができずに直撃を受けた。
だが、頑丈であることが取柄のゴーレムは、直撃を受けても身体が崩壊することなく、数歩後方に下げさせる程度にとどまってしまう。
そしてマジックハンドはアイシクルによる広範囲攻撃の穴をついてきた。
この攻撃は一直線にしか進まない。
つまり、俺の周辺にあるときは密集してはいるが、遠くに飛ぶと氷柱同士の間隔が空いてしまってその間が安全地帯になる。
マジックハンドは一度後方に下がり、安全地帯へと逃げ込んでしまった。
状況的にはいまいちだが、これで少しは態勢を立て直すことができる。
レイラが戦闘に参加しないのが気になるが、魔王による余裕からくるものなのか、それとも魔物を生み出した代償により、動くことができないのか。
その判別ができない以上は楽観視することができない。
すぐに次の対策を取らなければ。
俺は思考を巡らして次の一手を考える。
最後まで読んで頂き、ありがとうございます!
いつの間にか総合評価のポイントが増えいることに気づき、驚きつつも、喜んでいます。
ブックマークをつけてくれた方、評価で星5にしてくれた方、こころからのお礼を言わせてください。
ありがとうございました!
そして更新の度に読んで頂いているあなたがいるからこそ、ここまで来たのだと思っております。
また明日投稿予定ですので、楽しみに待っていただけたら嬉しいです!




