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☆第二十五章あらすじ☆

 今回のワード解説


ボールドヘッド……基本的に自然と髪が抜けたために髪が無い頭を指すが、完全に抜け切らなくても用いられる。


連鎖反応……ある反応における生成物や副産物が新たに同種の反応を引き起こし、結果的に反応が持続したり拡大したりする状態を指す。



 今回、この手記に書く内容は、行商人から獣人族を欺くための変装グッズを買うために、再度ガリア国に向った話から、宿屋で俺が襲われたところまでの話を書く。


 前回と同様に、なるべくくそ真面目にならないように書くつもりだ。


 では、本文に入ろう。


 モードレッドから教えてもらった行商人が訪れる日となり、俺たちは馬車に乗ってガリア国に向っていた。


 検問所の前につくと、何台もの荷馬車が列を作って並んでいる。


 これだけの馬車がいれば、何かしらのアイテムが見つかるだろう。


 俺は期待に胸を膨らませていた。


 最後尾に並び、順番が来るのを待つ。


 助手席に座っていたアリスが、足をバタバタ動かしていた。


 列を待たされて退屈になっているのだろう。


 そう思った俺は、彼女と何かを話そうとする。


 話題のひとつとして、最近エミと一緒にいないのは何でなのか、俺はアリスに尋ねた。


 すると、彼女はエミのことが嫌いだと言う。


 何だって!あのアリスの口からエミのことが嫌いという言葉が出る何て!


 いったい俺の知らないところで何があったんだ!


 まるで本当の姉妹のように仲の良かった二人が、仲違いをしていることを知り、俺はその原因を彼女に尋ねる。


 すると、エトナ火山の地下迷宮で、マネットライムがアリスの真似をしていたらしい。


 それをエミが見分けることができずに、本物のアリスを攻撃してしてしまったようだ。


 だが、それは仕方がない。


 なにせマネットライムは、レックスの生み出した魔物の中でも最高傑作とも言える魔物だ。


 本者以上の本物になり、見分けることは困難とも言える。


 だが、アリスはまだ小さい子どもだ。


 大人の言いかたで言っても理解はできないだろう。


 俺は互いに仲直りをしやすくするために、エミをフォローした。


 すると、アリスは頭では理解しているが、感情のほうではどうすることもできないと言う。


 これはどうやら時間がかかってしまいそうだ。


 一日でも早く、二人が仲直りできるように俺が誘導してあげなければ。


 そんなことを考えていると、レックスが会話に入って来た。


 マネットライムの話で俺とレックスが盛り上がっていると、アリスからの視線を感じる。


 どうやら彼女を除け者にして、二人で話していたのがつまらなかったようだ。


 彼女はレックスのことを鳥さんと呼ぶと、俺も彼のことを鳥さんと言い、彼女が不機嫌になったのはレックスのせいにする。


 当然名前ではなく、呼称で呼ばれたレックスは機嫌を悪くした。


 まぁ、アリスが機嫌を悪くするよりかはマシだ。


 列が進み、自分たちの番になると、俺たちは顔パスで通された。


 その際に、検問所の男が愚痴を零していたが、俺からすれば頑張れと声をかけることしかできない。


 ガリア国内に入って馬車を預けると、俺たちはガリア城を目指す。


 城下町を歩いていると、何台かの馬車がガリア城のほうに向っていくのが見えた。


 城の中に入ると、ガウェインが迎えに来てくれた。


 俺たちは彼の案内で玉座の間に案内される。


 すると、玉座の間にはあのエドワード伯爵がいた。


 エミの魔法により、俺たちの記憶を失っている彼は、フレンドリーに話しかける。


 だが、タマモが俺の前に出た瞬間、彼女は魔法で彼を拘束した。


 すると、俺の脳内にドライアドの声が響く。


 どうやら本当は亀甲縛りをしたかったらしいが、エドワード伯爵にするとキモさが倍増するので遠慮したらしい。


 そして彼女は、後で俺に亀甲縛りをしていいかを尋ねてきた。


 そんなこと許可する訳がないだろう!


 それで喜ぶのは変態だけだ!


 やるなら伯爵にしろ!

 

 伯爵は驚き、あのときのことは色々と事情があったと言い出す。


 俺たちの間に何かがあったことを悟ったモードレッドは、(わだかま)りの理由を尋ねる。


 この玉座の間には、呼ばれた商人もいることを俺は思い出し、彼らを一時的に他の部屋に移ってもらえるように、モードレッドにお願いした。


 女王陛下はガウェインに頼み、商人たちを他の部屋に連れて行く。


 部外者がいなくなったことで、モードレッドはエドワード伯爵を罵倒しながら、何があったのかをもう一度尋ねてきた。


 伯爵は、フォローするのならもう少し気の利いたセリフを言ってほしかったようだが、俺からすれば自業自得だ。


 タマモが伯爵によるエルフの拉致監禁問題を言うと、モードレッドは剣を抜いて伯爵の首を刎ねると言い出す。


 しかし伯爵は、あれには海よりも深い事情があったと言う。


 モードレッドはその理由を聞き出した。


 エルフの性奴隷計画の裏側には、こんなやり取りがあったらしい。


 落ちぶれ貴族のエドワード伯爵は、ロンドン大陸から来た男から、貴族として成り上がる方法を伝授された。


 それがエルフの性奴隷計画だ。


 伯爵は貴族としての名誉を回復するために、やつの提案に乗り、あの事件を起こしたと言う。


 事情を聞いたモードレッドは、俺にどうするのかを訊いてきた。


 これはタマモとエドワード伯爵の問題。


 俺が口出しをするわけにはいかない。


 タマモに任せ、ことの顛末を見守っていると、タマモは許さないと言い出す。


 しかし、死にたくない伯爵は食い下がることなく、靴を舐めるから許してくれと言い出した。


 その瞬間、タマモの腕は鳥肌が立ち、魔法で彼の顔面に蔓の鞭を叩きつける。


 伯爵は叩くなら顔面ではなく尻にしてくれと言うが、彼の望みが聞き入れられることはなかった。


 何だか可哀そうに思えた俺は、彼を助けるようにタマモにお願いする。


 もちろん俺は怒られた。


 互いに視線を合わせ見つめ合う。


 俺は照れのようなものを感じながらも、目線を逸らすのを我慢した。


 先に目を離したほうの負け、そんな気がしたのだ。


 結局我慢をすることができなかったタマモが根負けし、俺の願いを聞き入れてくれると言う。


 俺はカレンから礼の紙を受け取り、計画書に書かれてあったアガルタという言葉に聞き覚えがないかと伯爵に尋ねる。


 すると、エルフ売買計画の取引先となっている奴隷商の名だと、彼は答えてくれた。


 エルフの性奴隷計画を持ち込んできた男は、奴隷商アガルタの関係者で間違いない。


 そう判断した俺は、伯爵にロンドン大陸に渡り、奴隷商アガルタの情報を集めるように命じた。


 だけど伯爵一人では、色々な意味で心配だ。


 そこで、俺はレイラに頼み、エドワード伯爵にジルとランスロットをつけることにする。


 伯爵の一件が終わり、一度席を外してもらった商人たちに戻って来てもらう。


 彼らは順番に自己紹介をする。


 一番目は服屋を経営してる商人だ。


 二番目はアクセサリー屋の商人。


 三番目はオモチャ屋の商人。


 四番目はカツラの商人だった。


 しかし、四番目の商人はボールドヘッドと言うハゲ頭であり、どうしても店主のほうがカツラを必要としているように思える。


 俺は尋ねたい気持ちを必死に抑えていると、アリスがどうしてカツラをしないのか、ボールドヘッドの男に訊く。


 その瞬間、男の隣にいたオモチャ屋の商人が突如吹き出す。


 彼が笑い出したことで、俺も我慢の限界が訪れてしまい、笑い出した。


 その後、連鎖反応のように、アリスを除いた全員が笑いだす。


 どうして皆が笑っているのかが理解できていないアリスは、首を傾げていた。


 そんな中、ボールドヘッドの男がカツラをしない理由を語る。


 どうやら彼は、仕事上カツラを作ってはいるが、カツラは嫌いとのことだ。


 自分を偽らないで真実を曝け出そうとする彼に、俺は感銘を受けた。


 四番目の商人の紹介も終わり、五番目の商人が挨拶をする。


 最後に自己紹介をする商人は、万屋(よろずや)だ。


 ローブで身体を覆い隠し、フードを被って顔にはお面をつけている人物だった。


 どこからどうみても不審者でしかない。


 声からして、辛うじて女性であることがわかる。


 全員の紹介が終わり、皆はそれぞれの商人が売っている商品を見る。


 だが、怪しい人物の商品を見ようとする仲間は誰一人としていなかった。


 仕方がないので、唯一の男である俺が、五番目の商人の品物を見ることにした。


 万屋だけあって、色々な物を売っている。


 しかし、興味を惹かれるような品物はなかった。


 商品を見ていると、カレンが俺を呼んだので、その場から離れ、義妹のもとに向かう。


 彼女に近づくと、カレンは背伸びをして俺の頭にケモ耳カチューシャを嵌めた。


 義妹の視点からでは、どうやら俺は犬耳が似合うらしい。


 しかし、ケモ耳カチューシャが決まっても、肝心の耳を隠す方法が決まっていない。


 すると、カレンがカツラを選ぼうと言ってきた。


 俺は嫌だと言う。


 偏見かもしれないが、カツラって自分の髪の毛が薄いことに対して、恥ずかしいと思う人がつけるものじゃないか。


 俺はカツラ商人のように、将来禿げたとしても、カツラのようなものは使いたくない。


 そう思ってはいるものの、本音を言うわけにはいかない。


 俺はカツラが万が一にでも外れてしまい、人間であることがバレたときのことを考えて、カツラはよくないと主張した。


 すると、俺たちの会話を聞いていたエミが、俺の頭に何かを取りつける。


 彼女が俺の頭につけたものはエクステと言い、エミのいた世界では、短い髪の人がオシャレをするために頭に取りつけるファッションの一種らしいのだ。


 髪の一部を弄ることのできる利点から、俺はエクステを買うことにした。


 しかし、エクステというものは高かった。


 これでも安い方らしいのだが、本当に高いものは数万するらしい。


 オシャレに気を使う女の子が、金を惜しまないと言う理由を何となく理解したような気がした。


 ある程度の買い物を済ませ、他に何かあっただろうかと思っていると、アリスが動物の尻尾を持って来た。


 そう言えば耳だけではなく、尻尾もなければ怪しまれる。


 そのことに気づかせてくれたアリスだったのだが、彼女はその尻尾の使い方がわからないようで、俺に訊いてきた。


 彼女から尻尾を受け取った瞬間、俺は思わず叫びそうになる。


 尻尾と言ってもアダルティな使い方をする尻尾じゃないか!


 いったいどうしてそのようなものをアリスが持っている?


 俺は彼女に訊くと、どうやらオモチャ屋の商人が渡したものらしい。


 嫌な予感がした俺は、直ぐにオモチャ屋の商人の販売物を確認する。


 男が販売していたオモチャは、すべて大人のオモチャだったのだ。


 そう彼の真の正体は、オモチャ屋はオモチャ屋でも、大人のオモチャ屋さんだったのだ。


 って、なんちゅう物をアリスに渡しやがる!


 彼女を穢す気か!


 それだけは許さない!


 アリスはピュアなまま、大人へと成長してもらいたい。


 俺は文句を言う。


 しかし、男の目には俺がクレーマーに映ったようだ。


 いや、俺の反応って正しいよな!可笑しいのは、あの男のはず!


 俺はもっとまともな商品はないのかと尋ねた。


 だが、彼が販売している品は、どれもまともな商品だと言う。


 確かに彼の言っていることは間違ってはいない。


 アダルトショップとしてはまともな商品だ。


 俺はもっと別のやつはないのかと尋ねる。


 すると、今度はチョーカーと言い張りながら、首輪を出してきた。


 お前は俺たちにどんなプレイをさせようとしている!


 俺はそれでもないことを男に告げると、彼は渋々コスプレ用の尻尾を差し出した。


 最初からそれを渡しておけばいいものの、面白がっておかしなものを出すから、こんなに体力を消耗することになった。


 必要なアイテムを買いそろえることができ、俺は安心していた。


 すると、唯一買い物をされていない怪しい女性が、羨ましがっている感じを醸し出しながら俺のところにやって来る。


 そして彼女は運悪く足を滑らせてしまい、倒れる寸前で俺の服にしがみついてきた。


 突然のことで彼女を支えてやることができなかった俺は、そのまま押し倒されることになり、床に倒れる。


 俺は背中と顔面にダメージを負うと、彼女が頭に嵌めていたお面が外れてしまい、素顔を晒す。


 女性の顔を見て、俺は獣人族と言葉を漏らした。


 俺を押し倒した彼女はすぐにお面を拾い、顔に装着する。


 そして、謝罪の言葉を言いながら俺から離れた。


 上体を起こして立ち上がると、エミがやってくる。


 彼女はあれが獣人族なのかを尋ねてきた。


 俺は正直に答える。


 すると、エミはいきなり声を荒げ、あの獣人族は獣人ではなくケモノと言い出す。


 どうやら彼女の中には、獣人に対して強いこだわりがあるようだ。


 聞きたくもないのに、ケモノについての講座が開かれた。


 ケモノにはケモ度というものが存在しており、そのレベルによって言いかたが変わってくるとのことだ。


 今度抜き打ちでテストをされるらしい。


 いったいどんな問題が出されるのだろうか。


 勉強会が終わると、タイミングを見計らっていたタマモがやってきて、エミの手を握る。


 そして同士に出会えたことに対して感動したことを告げた。


 エミはタマモほどではないと言うが、彼女の中では同類だと認識されたようだ。


 俺は獣人族改め、ケモノ族の女性にもう一度商品を見せてもらうようにお願いすると、どうしてケモノ族の変装をするのかと訊いてくる。


 俺は正直にオケアノス大陸にいる魔王の情報を得るためだと答えた。


 すると、俺の問いに納得したようで、彼女はもう一度商品を見せてくれる。


 商品を見ながら会話をしていると、自分がガリア国にいることは内密にしてほしいと言ってきた。


 しかし、俺は彼女のことをよく知らない。


 訊かれたとしてもよくわからないとしか言いようがないと女性に伝える。


 すると、彼女は自分でアナスタシアだと名乗り、この名前に聞き覚えがないのかを尋ねてくる。


 自分から名前を暴露すると、大人のオモチャ屋がその名前に聞き覚えがあると言い出したのだ。


 その瞬間、アナスタシアは自分の商品を男に投げつける。


 剣の入った鞘が頭部に直撃しても平気な態度を見せていた彼だったが、ゴムボールが股間に当たった瞬間、気を失ってしまった。


 終わりかたが酷すぎる。


 どうしてこんな汚い形で決着がつかないといけない。


 気を失った商人を運ぶために、他の商人たちは彼を医務室に運ぶために玉座の間から離れていく。


 アナスタシアはこの場に居ずらくなり、城から出て行った。


 俺はモードレッドにお礼を言い、玉座の間から離れようとすると、彼女はアナスタシアの落とし物だと言い、短剣を渡す。


 鞘を抜いてみると、刀身にはキツネのエンブレムが彫られてあり、それを見た女王陛下は、オケアノス大陸にあるカルデラ城のエンブレムだと言う。


 この短剣を見た俺は、彼女は城の関係者ではないのかと思った。


 今度出会ったときにでも返しておくことをモードレッドに言い、俺たちはガリア城をあとにする。


 城から出ると、別行動をしていたレックスが遅いと言い、俺に文句を言いながら嘴でつついてきた。


 その光景を見てレイラが止めるように言うが、レックスは止めるようなことはしない。


 そして彼は、今後は自分を敬うように言ってきた。


 はぁ?どうして俺が鳥なんかに敬わなければならない。


 そう思った俺は、断固拒否した。


 すると、彼はその言葉を待っていたようで、俺から距離を取るとウエポンカーニバルと叫ぶ。


 そして彼の周囲には鋭利な武器が展開された。


 ついに、あのレックスが力を取り戻してしまったのだ。


 驚きで声が出ない中、カレンが鳥に近づく。


 彼女は何と、レックスに対してお礼を言ったのだ。


 そして彼が生み出した物をひとつずつ摘まんで回収していく。


 彼が生み出した武器は、爪楊枝と串だったのだ。


 ちょうど切らしていたところで、レックスが力の一部を取り戻し、たまたまカレンが欲しがっていた日用品を生み出してしまった。


 不良が弱者から金を搾取するかのように、義妹はレックスにもっと作れと命令する。


 当然彼は断ったのだが、レックスの態度が気に食わなかったカレンは鳥を脅す。


 身の危険を感じた彼は敵前逃亡を図ろうとするが、義妹の魔法によりレックスは拘束されてしまう。


 ついに観念した彼は、カレンの指示に従い、精神力が尽きるまで爪楊枝と串を作り出した。


 レックスは力の一部を取り戻したことにより、伝達係に加えて日用品製造マシーンの担当が増えた。


 これも無暗に力を行使した罰だ。


 精神力を使い果たし、気を失ったレックスを連れて俺たちは宿屋を探すことにする。


 だが、どこの宿屋も満室で泊まる部屋が空いていなかった。


 仕方がないので、最後の可能性のあるカリバーンに向かうことにした。


 あそこの宿屋は質のいい素材で作られた快適な空間の部屋を提供しているだけあって、宿泊料金は高い。


 だが、そこしか泊まることができないのであれば、出費は激しいが必要経費として割り切るしかない。


 俺たちはカリバーンに向かう。


 宿屋の中に入り、受付嬢に人数を聞かれたので俺は人数を言う。


 すると、金額を支払う前に部屋の鍵を渡してくれた。


 どうやらキャンペーン中で、無料で宿泊ができるようだ。


 俺は部屋の鍵を受け取り、前回と同じ部屋割りで宿に泊まる。


 部屋に荷物を置き、俺は一階のロビーに降りると、女性陣はまだ来てはいなかった。


 彼女たちが来るのを待っていると、どこから視線を感じた。


 俺のファンが熱い視線を送っているのか?


 そう思い、俺は窓から外の様子を窺う。


 しかし、視線を送っている人物の姿は見当たらなかった。


 背後から声をかけられ、俺は振り向く。


 すると、いつの間にか仲間たちがロビーに集まっていた。


 夕食の話となり、カレンが他の宿泊客から炊き出しがあることを聞いたので、俺たちはそこに向かう。


 炊き出しが行われている場所には多くの人が列を作って並んでいた。


 最後尾に並び、順番が来るのを待つ。


 炊き出しの料理を受け取り、俺たちは適当な場所で夕食を取る。


 食事をしていると、タマモが溜息を吐いた。


 何があったのかを尋ねると、どうやらあちらこちらからモードレッドや騎士団の悪口が聞こえてきたらしい。


 彼女はエルフだ。


 人間とは違い、遠くの声を聞き取ることができる。


 夕食を終えると、俺たちはカリバーンに戻って行く。


 その道中、またしてもタマモが何かの声を聞いたようで、俺に小声で話してきた。


 その内容を聞き、俺はライリーにあることを頼む。


 カリバーンに戻った俺たちは、それぞれの部屋の前で別れ、俺はレックスに干し肉をやると眠りにつく。


 物音が聞こえ、俺は一度目を覚ました。


 すると、俺のリュックを漁っている人影が見えたのだ。


 直ぐに起き上がって声を上げたかったが、何故か俺は強い眠気に襲われ、再び眠りにつく。


 次に目が覚めたのは、胸に強い衝撃を受けたときだ。


 俺の視界に映ったのは、リュックの中に仕舞っていたはずの短剣を持っているアナスタシアの姿だった。


 今の痛みは彼女の攻撃を受けたことにより発生した痛み。


 そうだと判断した俺は、直ぐにアナスタシアの腕を引っ張り、彼女をベッドに押し倒す。


 先に行っておくが、ベッドに押し倒したからと言って、いかがわしいことは全然していないからな!


 攻守が逆転されたアナスタシアは涙目になりながらどうして死なないのかを尋ねてくる。


 俺は彼女に種明かしをした。


 暗殺計画を事前に知ったタマモが、俺の命が狙われていることを教えてくれたのだ。


 そこで、俺はライリーに防御系のエンハンスドボディーをお願いした。


 彼女の魔法の影響を受けた俺の身体は、刃物が通らない肉体へと変化し、アナスタシアの一撃を防いだのだ。


 俺とアナスタシアは話合うことになり、その結果ある条件を突きつけられる。


 その条件を受け入れれば、情報提供に協力してくれると言うのだ。


 俺は彼女の条件を呑むことにする。


 すると、アナスタシアは俺に恋人になってくれと言い出したのだ。


 突然すぎる告白に困惑する中、俺にケモノ族の彼女ができたのだった。


 ふぅー、今回はかなり長かった。


 この続きはまた時間ができたときにでも書こう。

 今日も最後まで読んでいただきありがとうございます。


 誤字脱字や文章的に可笑しな箇所などがありましたら、教えていただけると助かります。


 あらすじを最後まで読んでくださったあなただけに、第二十六章の内容の一部をご紹介!


 交換条件としてアナスタシアの恋人になったデーヴィット。


 仲間たちに事情を話すも、納得してもらえない。


 アナスタシアがデーヴィットに腕を組むと、焼きもちを焼いたレイラまでもが彼に引っ付きだす。


 それを見たエミが魔法の選択をデーヴィットにさせるが、どちらを選んでもある意味死ぬことになる。


 デーヴィットが逃げると追いかけっこが始まった!

 

 フォーカスさんのところに向かう途中、たくさんのマネットライムが道を塞ぐ。


 レックスが産みの親の権限を使い、退くように命じるも、マネットライムは鳥の姿のレックスを本物だと認めなかった。


 再びマネットライムとの戦いが始まる。


 港に辿り着き、フォーカスさんと合流したデーヴィットは、アリシア号に乗ってオケアノス大陸を目指す。


 しかし海の中は危険がつきもの。


 嵐に遭い、海の魔物の襲撃に遭い、波乱万丈の船旅となる!


 こんな感じの内容になっています。


 第一話は明日投稿予定です。

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