☆第二十章 あらすじ☆
今日この手記に書く内容は、魔王レックスから衝撃の事実を聞き、ガリア国に潜入したところまでを書いて行こうと思う。
レックスを倒した俺は、彼から衝撃的事実を聞かされた。
なんと、彼はメッフィーのことを知らなかったのだと言う。
そう、俺はメッフィーの掌に踊らされていたのだ。
レックスの命の灯が消え、俺は急いで父さんたちにこの事実を知らせようとする。
闘技場のような空間から出ようとすると、出入口の前にメッフィーが立っていた。
メッフィー!会いたかったよ。
今からぶち殺す!
メッフィーの出現を好機だと思った俺は、彼を倒すことにする。
しかし、彼はそんな俺をあざ笑う。
俺は仲間たちに指示を出したが、誰からも返事がなかった。
こんなときに無視をかよ!俺は悲しい。
そんなことを考えてながら仲間たちのほうを見るが、そこには彼女たちはおらず、代わりに複数のメッフィーがいた。
メッフィーが増えた!
秘儀分身の術!
彼は高速で動いて分身をしたのかと思っていたが、そうではない。
俺の脳が認識を阻害され、仲間たちの姿がメッフィーに見えてしまったのだ。
そのことに気づかずに俺は彼女たちと戦う。
彼女たちにも、俺の姿がメッフィーに見えているようで攻撃をしてきた。
剣で斬られそうになり、音の爆発に巻き込まれ、失神しそうになる。
しかも、いつもよりも攻撃にキレがあったような気がした。
まるで日頃のうっぷんをぶつけるかのような。
なぁ、本当に認識阻害をされているの?
どさくさに紛れて俺を痛めつけようとしていない?
実際はどうだったのかはわからないが、俺も自分の身を守るために攻撃に転じる。
覚えたてのウエポンカーニバル&ウエポンアローを使い、すべてのメッフィーに聖剣や聖槍を飛ばす。
すべての攻撃がメッフィーたちに向けて放たれると、通路側にいたメッフィーが仲間もろとも攻撃をするのかと言ってくる。
今までの戦闘光景を思い出した俺は、メッフィーが分身しているのではなく、認識阻害の魔法でメッフィーだと思い込まされていることに気づく。
武器が当る直前で俺は空中に上げ、攻撃をキャンセルした。
しかし、このキャンセル料は高かった。
俺の精神力はごっそりと持っていかれ、かなり消費してしっまったのだ。
あのときは本当にしんどかった。
できればすぐにでも精神力を回復させる霊薬を飲み、回復させたかった。
酷く疲れた俺は本者のメッフィーを見る。
彼の周囲から、自然の法則に反して霧が吹きだしたのだ。
あのときは何が起きたのかがわからなかったのだが、今ならわかる。
おそらくあの霧も認識阻害によるものだ。
脳の認識を変えられ、本当は霧などがないのに、霧が発生していると思い込んでしまった。
俺はそう結論づける。
霧に紛れて本者のメッフィーは姿を消した。
取り残された俺たちはまだ魔法の効果が続き、同士討ちを始める。
だけど俺だけは認識を阻害されているという自覚があったために、冷静に対処することができた。
剣を握っているのはライリーだ。
そう思っていた。
しかし、俺の考えをあざ笑うかのように、後方に剣を持ったもう一人のメッフィーが現れる。
突然現れた人物に、俺は腹部を殴られると気を失ってしまった。
次に目が覚めると、俺は見知らぬ場所で寝かされていた。
起き上がって周囲を見ていると、俺がいたテントに白銀の甲冑に身を包んだ人物が入ってきた。
今のワードで気づいた人もいるかもしれないが、このテントに入ってきたのはランスロットだ。
彼から簡単に説明を聞くと、どうやら俺はオルレアンの軍の野営地にいるようだ。
ランスロットに案内され、俺は父さんのいるテントに向かう。
テントの中にはレイラたちもおり、皆が俺の目覚めを喜んでくれた。
父さんと情報を交換してテントを出ると、そこにジルもやってくる。
エルフの森で逸れてから今までの経緯を彼に聞く。
二人はエルフとの戦闘中に海岸に追い詰められたふりをした。
そんなときにランスロットが足を滑らせて海に転倒し、彼を救うためにジルも海の中までに飛び込んだ。
しかし、救助を行ったジルは足を攣ってしまい、まともに動けれない状態になったそうだ。
そして海の上を漂っていると、父さんが乗っている船と遭遇し、助けてもらったのだとジルは語る。
父さんたちと共に再びセプテム大陸に足を踏み入れると、二人は情報を集めてエトナ火山の地下通路に向かった。
そこで彼らが見た光景は、同士討ちをしている俺たちだった。
ランスロットが同士討ちを止めさせるために気を失わせようと動く。
そう、俺を殴ったのはランスロットだったのだ。
そして気を失った俺は、オルレアン軍の野営地にまで運ばれた。
どうして俺たちが野営地まで運ばれたのかという経緯を教えてもらうと、二人は仕事に戻って行く。
翌日、俺は父さんからガリア国の様子を見に行って来いと命令された。
父さんの話では、ガリア兵に見つかるギリギリのところで野営をしているそうなのだが、予定よりもガリア国に近い場所で野営をすることになったので、気になっているとのことだった。
指示を受けた俺は、仲間たちに声をかけて馬車が置いてある場所に向かう。
馬車は二頭の馬で引くタイプのもので、荷台には芋の入った壺があった。
女性陣が馬車のところに来ると、カレンの頭の上にリピートバードが乗っていることに気づく。
彼女から話しを聞くと、父さんが連絡係として用意したものとのことだ。
カレンが嫌がっていたので、俺はこちらに来るように言うと、鳥は俺の頭の上に着地をする。
おい!こっちに来いと言ったのは、俺の頭の上に乗れっていう意味じゃないからな!
俺は内心ツッコミを入れる。
どうやらこの鳥は、頭の上で羽を休めるのが安心するようだ。
女性陣に押しつけるのはなんだか可哀そうだったので、俺が義性になることにした。
まさか、この鳥がある時点から中身が入れ替わり、とある人物の人格が表に出てくるとは、当時の俺は知るよしもない。
俺が馬を操作し、彼女たちは荷台に乗り込んでもらうことにしたが、エミたちは嫌がった。
理由としては、荷台は固い板で作られており、何も敷かないで座りたくないとのことだ。
可能な限り彼女たちの要望には応えてあげたいところだが、生憎今はそのような物は持っていない。
帰りはガリア国で敷物を買うからそれまで我慢してもらうように言うと、カレンが助手席に座ると言い出す。
助手席は御者をサポートする人が座る場所なので、簡単にはOKを出すことはできない。
そこで、御者の勉強をするのを条件に、カレンを助手席に乗せることにした。
カレンが助手席に座ると、レイラとアリスが羨ましがる。
なので、御者の経験がある人を増やしたかった俺は、帰りに乗ってもらうように言う。
だが、帰り道は助手席には乗らないと言い出すのだ。
敷物があれば助手席には乗りたくないと言っているかのように、俺は捉えた。
言っておくけど、御者って結構大変なのだからな!
上手く馬をコントロールしないといけないし、石の上に車輪が乗って、大きな振動を与えたら文句を言われる!
それに長時間の運転は肩が凝るからできれば交代で代わってほしいものだ。
全員が馬車に乗り、そろそろ出発をしようとすると、ランスロットがこちらにやって来る。
どうやら彼も父さんに言われてついて来るとのことだ。
ランスロットを加え、俺たちはガリア国に出発した。
検問所に辿り着き、俺は荷物のチェックをしてもらう。
荷台に乗っていたのが女性ばかりだということに、検問を担当していた男は嫉妬し、男のクズを見るような目で俺を見る。
第三者からすればこの状況はハーレムに見えるのかもしれないが、これはけしてハーレムとは言えない。
たまたま男女比に偏りがあっただけだ。
なんとか検問の審査を潜り抜けた俺たちは、ガリア国に辿り着く。
馬を預けて町中を探索していると、城下町の中はのどかだった。
民たちは日常生活を送り、戦争が起ころうとしていることを知らされていないように感じられた。
お昼時の時間だったので、俺たちはオシャレなカフェで昼食を取ることにする。
店の中に入り、おすすめを注文すると外の席で食べることにした。
店内よりも、外の席で食べたほうが得られる情報は大きいはず。
そう考えていたのだが、その選択がのちに大きな運命を左右するとはこのときの俺は思いもしなかった。
おそらく、店内を選んでいたのならあの男と出会うことはなく、その後に起きるトラブルにも巻き込まれなかっただろう。
そしてその後に起きる戦争の内容も変わっていたかもしれない。
俺の個人としての考えなのだが、この選択肢が歴史の内容を変えたのだと思う。
店の外の席で待っていると、注文した料理が運ばれてきた。
食べ物はサンドウィッチ、そして飲み物は紅茶とコーヒーだ。
紅茶を飲む人とコーヒーを飲む人に別れると、アリスはコーヒーを選んだ。
彼女にはまだ早いと思っていたのだが、早く大人の仲間入りをしたいとのこと。
俺は微笑ましい気持ちになった。
砂糖とミルクがある。
甘くすれば問題ないだろう。
タマモがアリスのカップにコーヒーを注いだ。
すると、アリスは砂糖もミルクも入っていないブラックコーヒーを飲み始める。
ブラックコーヒーを飲んだ瞬間、アリスはあまりの苦さに泣き始めた。
タマモが彼女に注意をすると、タマモはカップに砂糖が少なめ、ミルク多めに入れてもう一度アリスに飲ませる。
するとアリスはあまりの甘さに喜んでくれた。
彼女はコーヒーは美味しいと言っていたが、あれってよく考えればコーヒーじゃなくてカフェオレになっているよね。
まぁ、アリスが喜んでくれているのなら、細かいところは気にしないのだけど。
皆で昼食を食べていると、一人の男がこちらにやってくる。
通路側にいるのだから特に何も思っていなかったのだが、彼は俺たちの前で立ち止まり、そしてランスロットを見た。
彼は驚き、ランスロットに声をかける。
どうやら彼を知る人物のようだ。
しかし、ランスロットはその人物のことを知らない様子。
俺は現れた男に見覚えがあり、記憶を思い出す。
すると、酒呑童子と戦ったあとに現れたガリア兵の中にいた兵士だと言うことに気づく。
どうやら彼は俺たちのことを覚えてはいないようだった。
彼はランスロットに自己紹介をした。
男の名はガウェイン、ガリア国の騎士団に所属している兵士だ。
あまりにもしつこかったので、俺はランスロットを記憶喪失の設定にした。
だけどこの選択が間違っていた。
記憶喪失だと知った彼は取り乱し、ランスロットを婚約者のもとに連れて行く。
俺たちは彼について行った。
とある家の前でガウェインは呼び鈴を鳴らし、家主を呼ぶ。
扉が開くと、ランスロットの婚約者が現れる。
ガウェインがランスロットを紹介すると、彼女はいきなり彼に抱き着く。
本来であれば感動するシーンなのだろうが、俺は良心を刺激される。
彼女には嘘を吐いている。
目の前の男は、あなたの知っている男ではない。
何も反応を示さないランスロットに、婚約者であるギネヴィアは不信感を持った。
そこで俺は彼女に説明をした。
もちろん記憶喪失の設定でだ。
すると彼女は当然取り乱す。
ギネヴィアは記憶が戻るようにするために、彼女と一緒にいるように提案を持ちかける。
しかし、ランスロットはレイラの所有物だからそれはむりだと言うと、彼女は更に取り乱し、レイラに詰め寄る。
こんな展開になるとは思ってもいなかったのだが、女の戦いが始まった。
お互いに言いたいことを主張し合い、引く気を見せない。
とうとうギネヴィアがレイラに掴みかかろうとしたので、ガウェインが彼女を取り押さえる。
「ここは私に任せてください。彼女を落ち着かせてから行きますので、お会いしたお店の前で待っていてください」
と、ガウェインがある意味死亡フラグにも聞こえそうな言いかたでこの場から離れるように言ってきたので、俺たちは逃げるようにその場から離れる。
合流地点に到達すると、俺は皆から怒られた。
だってしょうがないじゃん!
あのときはああ言うしかないと思ったのだもん!
これからのどうするのかを皆で話し合っていると、ガウェインがやって来て彼の家に案内されることになった。
ガウェインの家で彼と話していると、戦争の話になり、お互いの情報を共有しあった。
近くにオルレアンの軍が来ていることを知ったガウェインは、王にこのことを伝えるために一度出かけることになり、俺たちも彼の家を出た。
この国はメッフィーにより掌握されている。
このことを父さんに伝えるために、俺は誰にも聞かれずにリピートバードに内容を伝えるための場所を探すことにした。
今日も最後まで読んでいただきありがとうございます。
誤字脱字や文章的に可笑しな箇所などがありましたら、教えていただけると助かります。
あらすじを最後まで読んでくださったあなただけに、第二十一章の内容の一部をご紹介!
宿屋で一泊することになったデーヴィットたちは三部屋に別れることになった。
当然デーヴィットとランスロットが相部屋になるのが普通だが、ランスロットはそれを拒否する。
レイラと一緒の部屋がいいと言い出すランスロットに対して、デーヴィットは彼をマザコン扱いをした。
当然マザコンだと誤解されたくないランスロットはデーヴィットと同じ部屋で泊まるのだが、彼の言いかたが悪く、BLぽい感じに聞きと取れた。
そのせいでウンディーネとドライアドが二人のカップリングの話を始め、デーヴィットたちは心に大きなダメージを負うことに!
その日の夜、デーヴィットはレイラとライリーを引き連れて酒場で情報収集をするが、酒場に現れた女剣士に酔っ払いが絡みだしてトラブルが発生!
店の中が大変なことに!
ペンドラゴン王からメッセージが届くが、連絡係のリピートバードには、とある人物の人格が乗り移っており、デーヴィットに憎しみをぶつける!
お前!生きていたのか!
鳥の正体とはいったい誰だ!
そしてオルレアンとガリアの前哨戦が始まる!
こんな感じの内容になっています。
第一話は明日投稿予定です。




