☆第二章のあらすじ☆
今日も、これまでのできごとをこの手記に記す。
俺はカレンとライリーと共に、ロードレスの街に向かうことになった。
日も暮れる時間になり、俺たちは野宿をすることにしたのだが、ライリーは手伝うつもりはないようで、一人手持ち無沙汰で料理が完成するのを待っている。
そんな彼女を見て、俺はカレンの手伝いをすることを決めた。
俺たち二人で楽しくしている姿を見れば、ライリーも参加したくなるだろうと思ったからだ。
だが、俺の期待も空しく、彼女は手伝おうとはしなかった。
こうなっては奥の手だ。
俺はライリーの年齢も考えて、結婚の話をしてみた。
「料理ぐらいできないと、将来一緒になる人に愛想を尽かされるぞ」と言い、手伝うように促す。
だけど、それでも一向に手伝う気配をライリーは見せない。
どうやら、彼女は結婚をする意思はないようだ。
理由を聞くと、自分にはやるべきことがあり、結婚は彼女にとって重石にすぎないと言った。
あのとき、ライリーは俺と行動をするのが、目的を達成する近道になると言っていたけど、彼女の目的の正体は今でも分かってはいない。
いつか話してくれる日が来るのだろうか?
それだったら嬉しいな。
翌日、ようやくロードレスの街に着くと、あるお店に行列ができていた。
気になった俺は並んでいた男性に聞いてみると、この店にアイテムボックスが入荷したことを教えてもらう。
アイテムボックスがあれば、これからの旅に役立つ。
列に並び、俺たちの番になった。
俺の値切り交渉の末、通常価格よりも安く買うことができた。
バスケット型のアイテムボックスはカレンにあげたが、今でも大事に使っているようだ。
これまでの冒険で、購入時に比べれば少し破損している部分もあるが、見つけ次第、カレンが修復してくれている。
そんな彼女を思い出すと、本当に大事にしてくれているんだなぁと思い、温かい気持ちになる。
アイテムボックスを購入したあと、宿で部屋を借りた。
俺は一人で情報収集という建前で、酒を飲みに酒場に向かう。
まさか酒場に行ってしまったことが原因で、あんなことになるとは思わなかったな。
霊長山にいる強い魔物が、多くの手下を従えているという話が耳に入り、俺は仲間に入れてもらおうと男女のグループに声をかけた。
当然知らない男から声をかけられ、警戒している様子だったが、酒を奢ったからなのだろう。
思ったよりも打ち解けてくれるのが早かった。
酒場で飲んだ葡萄酒の味は今でも覚えている。
口当たりがよく、口内にフルーティーの香りが広がるほどの美味しい一品だった。
高いだけのことはある。
色々な情報を得ると、一人の女性が話しかけ、もっと話がしたいから彼女の家に行かないかと耳打ちをしてきた。
痴女であることを瞬時に悟り、今後のことを考えて断ると酒場から出て行く。
もし、あの娘の誘いに乗ってしまったらどうなっていたのだろうか?
別の並行世界のことを考えたところで知ることはできない。
だけど、もしかしたら別の世界線の俺は、ⅮTではなくなっているのかもしれない。
酒場からの帰り道、俺は何者かに尾行されていることに気づく。
俺は尾行者に顔を出すように告げるも、その人物は素直に出て来ることはなかった。
仕方がないので、俺は光の精霊ウィル・オー・ウィスプの力で光を生み出し、尾行者を焙り出す。
光により、目にダメージを受けた尾行者が顔を出したが、その顔には見覚えがあった。
酒場のカウンター席で酒を飲んでいた男だ。
男は俺の持つバッグが目的だったようで、魔法を使って攻撃してきた。
彼は精霊の契約を呪いでしていた。
魔法の威力が上がる代わりに消滅するリスクが高い。
精霊の危機感を覚えた俺は、彼の契約している精霊を救うためにも短期決戦を挑む。
男を戦闘不能状態にさせることができたが、彼の契約してる精霊を消滅させてしまった。
思い出す度に胸が抉られるように感じる。
翌日、俺はなぜかやる気が起きなかった。
そこでカレンが俺にやる気を出させるためのゲームをやろうと言い出した。
ゲームが終わるころには俺のやる気が蘇り、すぐに行動に出る。
アイテムを買いそろえるためにアイテム屋に寄るも、幻惑草が品切れでだった。
そこで、俺たちは幻惑草の採取をするために山に登ることにする。
幻惑草を手に入れた帰り道、カムラン平原でワイバーンに乗ったランスロットが俺たちの前に現れた。
やつは俺に魔王軍に入れと誘ったが、断ると当然戦闘に発展した。
これから先、壮絶な戦いになるなど、このときの俺は微塵も思ってはいなかった。
まさか、あんなことになるなんて。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
今回は第二章の復習ということで、これまでのおさらいをデーヴィッドの手記を読むかたちにしています。
会話文がない代わりに、デーヴィッドの思考などを文面にしていますが、少しでも読む価値のある内容にできていればと思い、全力で書かせてもらいました。
明日からは第三章です!
明日の投稿をおまちください。
最新作
『Sランク昇進をきっかけにパーティーから追放された俺は、実は無能を演じて陰でチームをサポートしていた。~弱体化したチームリーダーの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る~』が連載開始!
この作品は、今回の反省を活かして執筆しております。
なので、面白くなっていることが間違いなしです。
興味を持たれたかたは、画面の一番下にある、作者マイページを押してもらうと、私の投稿作品が表示されておりますので、そこから読んでいただければと思っております。