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雨の日の僕と君。

作者: 未明

初めて人様に見せる作品です。

2時間程度でかいたので誤字脱字等あるかもしれませんがお許しください。


「…雨、やまないね。」

「…そうだねぇ。雨は嫌いだなぁ。」

…なんて言っているが雨は嫌いじゃない。

天気予報が外れた日。行きつけの喫茶店で君と紅茶を飲みながら雨宿りをする。

「まいったなぁ。この雨なかなかやまそうだね。」

「確かに…うわ、また強くなったんじゃない?

「うへぇ…」

…一応僕のバッグには折りたたみ傘が入っている。

でも…言い出す勇気がない。

だって、相合い傘だぞ?

しかも折りたたみ傘だ。普通のよりちっちゃいんだぞ!?

恋人同士ならともかく片思いの相手にそれは…

思春期男子にはちょっと…辛い。

「…うーん。」

「どうかした?」

「!?あ、ああ、いや、別に…」

「そっか。」

2時間くらい君と話していただろうか。

紅茶のおかわりもこれ以上はいらない。

それに居座っているのも悪いだろう 。

しかし雨は…さっきより強まってないか?

「あ、やばいそろそろ時間が…」

「なんかあるの?」

「ちょっと…ね。」

…しょうがない

「これ使って」

「?なんだ。傘あるんじゃん。じゃあ帰ろ」

「ぼ、僕はいいよ。どうにかするから、木実

はこれ使って帰ってよ」

「私と相合い傘嫌なの…?」

「嫌じゃないけど…」

「じゃあ帰るよ!」

ーー

雨音と呼吸音そして僕の鼓動。

肩がふれ鼓動の音が雨音を上回りそうになる。

君がなるべく濡れないように君の方へ傘をずらす。

「優しいね。」

「?」

「君が肩を濡らしてること。おかげで私は濡れていない。」

「ははっ。なにそれ。」

「感謝してるんだよぉ〜。でもなんで君は傘あったのに最初から出さなかったの?」

「そ、それは…」

「君が最初からだしていればまだ雨が弱いうちに家に帰れたんだけどなぁ〜」

「分かったよ…白状します…」

「よろしい。」

「…木実と喫茶店に行くのが楽しみだったんだ。」

「…」

「それに通り雨かと思ったんだ…だから…」

「好きでもない男と相合い傘なんて嫌だと思ったんだ。だから傘を渡した…」

あ〜あ。最悪だ。かっこ悪い告白まがいな事してしまった。しかもこんな雨で…

「…私は好きでもない男と相合い傘なんてしないよ」

雨音が弱まっていく

「…私も君と喫茶店に行くのが楽しみだった。」

空が明るくなっていく。

雨粒でキラキラした葉っぱがいつもより美しく見える

「…名前じゃなくて名字なのは減点だけど…」

おもむろにバッグから折りたたみ傘を出す君

「今度は私の傘で、ね。」

笑顔の君は、

後ろの虹より色鮮やかで、

世界を照らす太陽より眩しく見えた。

「そうだね。桜。」

「さっ。帰ろ!」


ああ。雨は嫌いじゃない。

でも雨上がりの世界はもっと嫌いじゃない。


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― 新着の感想 ―
[良い点] ジュブナイルな雰囲気がすごく好きです [一言] 喫茶店行くのが楽しみだった がすごいよいです! 胸がきゅーっとなりました! オチの景色も綺麗ですね!
[一言] 読ませていただきました。 二人の会話が微笑ましいですね。 良い話でした。
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