第十七話・アルバイト
「まだ終わりじゃないよ」
笑いながらお粥をよそってくれている花ちゃんは、何でも無い事のようにそう言う。
「そうかしら?」
「そうだよ、だって陽子ちゃんはまだ二十歳で、お父さんもお母さんも元気なんだから。
公園で泣いた後、風邪をひいた。
今年の風邪は高熱が出る訳ではなくて、その代わりに微熱と咳が長時間続く。そういうタイプの風邪だった。お陰で私はクリスマスもお正月も風邪をひいたまま過ごした。レポートの作成の為に図書館へ行ったり、年明けにはもっと家賃の安いアパートに引っ越そうと色々な物件を見て回ったり、アルバイトを探したりと色々動いた挙げ句正月開けにとうとう体調を崩して倒れ、今に至る。
「住む家と、働き口を探さなくちゃ」
「病人はそんな事考えなくていいの」
年末年始にかけて運の悪い生活を送らざるを得なくなった私だけれど倒れた時に花ちゃんが一緒だったのは幸運だった。
夜の八時に集まってご飯を食べて、十時前には境内の前に並んだ。いつもテレビで見ている映像を初めて体験した私は疲れだったりとか限度だったりとか色々と忘れてはいけないものを忘れて、初詣の後、食べて飲んで歩いてはしゃいで、倒れた。
「でも、今の貯金だと卒業まで暮らして行けるか分からないし」
「それって貯金沢山ある方だよ絶対。丸二年以上家賃払えるお金を持ってるんでしょう?」
頷いた。子供の頃からコツコツ貯めて来たお金と、成績優秀者として頂いたお金、その他色々と。使わずにとっておくのは得意だったから貯めるつもりがなくとも何となく貯まった。
「じゃあお引っ越しする必要もなし。バイトも私が良いところ探しておいてあげるから今はゆっくり休みなさい」
花ちゃんは家事の為の割烹着と三角巾、風邪予防のマスクを装備していて、厚着しているのも相まってコロコロと丸く、愛らしい。部屋の温度も暖かく、汗に濡れたパジャマも先程着替えさせてくれて、何だかとても頼りになる。
「私に、お仕事なんて出来るのかしら?」
「出来るに決まってるよ。私だって出来るんだから」
「花ちゃんは出来るわよ……」
花ちゃんよりも人当たりの良い人を私は知らない。接客業をやらせたらどこにいっても看板娘になるに決まっている。
「私は……何が出来るのかしら……?」
「今日は随分弱気だね」
「うん……」
両親との間にあった事はもう話した。強がりも言ったし、それから本当の事も話した。小さな嘘はまた幾つもついたけれど、本当に大事な事は隠していない。
「一人なんだもん、不安よ」
「私がいるじゃない」
「そうだけど……」
上手く言い返せない。頭がぼーっとして、思考にフィルターがかけられたみたい。普段だったらすらすらと出て来る単語も言葉も削り取られて吸い取られてしまう。
「弱気な陽子ちゃんもちょっと可愛いね」
「私は……可愛くなんてないわ」
「可愛いよ。私が可愛いって思ってるんだから、陽子ちゃんは可愛い。ね?」
「うん……」
ふふふっと、花ちゃんが笑った。素直に頷く私を見るのが面白いらしい。横になったまま、赤ん坊みたいに花ちゃんの動きをずっと目で追いかけている。話をしながら花ちゃんは一切動きを止めずに部屋の掃除をしてくれている。
「どうすれば良いのかしら」
「今はどうしなくっても良いの。ただ風邪を治して下さい。仲直りも引っ越しもお仕事も全部それから」
「引っ越しはしないで良いって言ったじゃない」
「言ったけど、もしするとしても、ってこと。分かるでしょ?」
「はい……」
完全に母娘の関係だ。
その日、花ちゃんはひとしきり私の身の回りの世話をして夜遅く、私が眠った頃に帰った。次の日になると私の熱は引いていて、花ちゃんが作り置きしてくれていたお粥を食べた。アルバイトが終わった夕方頃にまた来てくれた花ちゃんと一緒にパスタを食べて、もう一晩安静に。それでも風邪が治らなかったら病院へ行こうと言われたのだけれど、幸いそれからすぐ、熱も咳も治まってくれた。大学の講義が始まるまでには充分間に合いそうだった。
『体調はどうですか?』
と、見慣れないアドレスからのメールが届いたのは更にその次の日。一応熱は下がり、咳があって身体に力も入らなかったけれど学園祭の実行委員の仕事の為大学に向かう途中だった。
「ああ、木口先輩ね」
懇親会の時、メールアドレスの交換をした。風邪をひいた事は話していなかったし、初めてのメールだったけれど、余り気にせず大丈夫です、今大学に向かっていますとだけ返信した。
木口先輩達がいつもたまり場にしている研究室に向かう。エレベーターに乗って上がっている途中に返信が来た。無理しないで下さい。それに返信はせず、降りて真っ直ぐに研究室へ向かった。
「失礼します」
扉を開けると、十人程の男女がいた。全員、顔を覚えていなかったけれど私が覚えている木口先輩らしい特徴の人の姿が見えない。
「明けましておめでとう、体調大丈夫?」
誰にとも無く言われて、おめでとうございます、大丈夫ですと答えた。皆和気藹々としていたけれど、知っている人がいないところで勝手に座るのもはばかられて、暫く入り口で立ち尽くしていた。
「まあ座ってよ。木口すぐ戻るから」
少し小柄な、茶髪で丸顔な男の人から言われた。椅子を引いてくれて、皆が集まっている机の端に私も加わる。先輩はどこかに行かれているんですか? と聞いた。
「トイレだよ」
ニッと、何だか意味ありげに笑われた。そうですかと答えて、皆がしている作業に加わる。学園祭のスローガンを決めるみたいだ。設置した投票箱の中から寄せられた意見を取り出して話し合う。
「意外と集まっていますね」
「こういうのを考えるのが好きな人っているからね」
感想に対しての答えが後ろからかけられた。長身で眼鏡でハンサム。ようやく覚えた木口先輩の顔だ。会釈をしてあけましておめでとうございますと言った。
「うん、おめでとう、風邪治った?」
随分と体調を気にかける人だ。私がそんなに自己管理が出来ていないと思っているのだろうか? もしまだ快復していないのなら最初からここに来てはいない。優しいな、と茶髪の人が言った。後から気が付いたのだけれど、茶髪の人は懇親会の時に私達の前に座っていた男性だった。吉岡さんというのだそうだ。名前は覚えていたけれど、やっぱり私は人の顔を中々覚えられない。
五十程集まっていた案を、私は一つ一つ見ていった。内容は私が思っていたのと少し、いや、大幅に違った。
「皆全力で冗談を言って来ている感じですね」
「そうだね」
私は頭を抱えて、これは、やっぱりこの中にいる誰かが考えて出すしか無いのだろうか。私の仕事も増えそうだな、と思っていたのだけれど、私以外の人達は皆楽しそうにしていた。
「去年のスローガンは何だったっけ?」
木口先輩が誰にとも無く聞いて、皆がええと、と、思い出すように口に手を当てたり携帯電話を取り出して調べ始めた。
「はばたけ 大志溢れる若人。 乱麻する社会問題を 切り裂く力 たくわえて 国のため人のため 何か出来る事を 今こそ」
私は答えた。妙に長くて前時代的なこのスローガンは、以前図書館で調べた時に出て来た。この大学の学園祭の中で歴代最も長いスローガンだったそうだ。
覚えた訳ではなくて、忘れなかっただけの知識。ひけらかすつもりでも凄いと言われたかった訳でもなかったのだけれど、詩文でも暗唱するみたいにゆっくりこのスローガンを読み上げた私は、意外にも直後皆に笑われた。
「そうだそうだ、一昨年うちの大学の就職率が最低になったからこれにしたんだ。おっかしいよね」
あんまり大声で笑う印象のなかった木口先輩までが涙をにじませて笑い始めた。最初は私が変なことを言ったせいで笑われているのかと思ったのだけれどどうやら違うみたい。どうも、私が呼んだこのスローガンそのものが面白かったみたいだ。
「タテヨミなんだよこれ」
吉岡先輩に言われた。吉岡先輩はこの場にいる誰よりも大笑いをして眼の端に涙すら滲ませている。
「タテヨミって何ですか?」
聞いた事の無い単語だったので聞いた。横文字の文章を縦に読んでみて、と言われた。読んでみた。
「は、た、ら、き、たく、ない、働きたくない!?」
思わず、びっくりして声が大きくなってしまって、今度はしっかりと私が笑われた。大学の学園祭でこんな低レベルな事をしているだなんて俄には信じ難かったけれど、それ以上にそれに一年間気が付きもしなかった自分が情けなかった。乱麻、なんて単語が単独で使われている時点で気が付きそうなものなのに。
「今年も去年の方向性を受け付いで行きたいね」
皆がひとしきり笑って私が取り残されたみたいな気分になってから、木口先輩が提案した。笑っている間に少しずれた眼鏡を外し、レンズを丁寧に拭く。かけなおして、机の上に並べられたスローガンを見ていく。
「この 全力疾走モラトリアム! とかはいいかもね。猶予期間に全力疾走ってよく考えると面白い」
木口先輩がそう言って笑ったのと同時に、回りの人達が我こそはとばかりに意見を出し始めた。
「才能は無駄に使い、努力の方向を間違える。っていうのも面白いですよ」
「学祭とバイトの両立。ってどう? 別に誰でも出来るっつーの、みたいな」
「グウの音もでない程のパーってのが、個人的には凄いツボなんだけど」
「一留五年生、まだ慌てるような時間じゃない。いや全力で慌てるべきですよねこいつ」
皆が笑っている中で、いつの間にか私も笑っていた。今日はここまでの仕事を終わらせなければならないとか、しっかりとした形のものを作らなければならないとか、そういう考えは微塵も無くて、学園祭なんだから楽しもう。と思っている人達。久しぶりに、全力で笑っている人の群れを見た。
「働かざれど働かざれど我が暮らし困らざり」
手元にあった一枚を読み、それからじっと手を見てみた。石川啄木の一握の砂にある我を愛する歌。の短歌を真逆にしたもの。くつくつと私は笑った。
「それが気に入った?」
「そういう訳ではないですけど、何となく今回の学園祭の方向性が見えて来たような気がします」
本当は気に入っていた。スローガンや学園祭がではなくて貴方達をですけど。勿論そんなことは言わない。無意味に上から目線なのは私の悪い癖だ。でも最近はマシになってきた気がする。
木口先輩が方向性? と、私の言葉の続きを促す。はい、と答えて、でもすぐに話はせず立ち上がっていた椅子にゆっくり座り、別に乱れている訳でもない襟元を正す。木口先輩が私の話を聞く体勢になっていて、それを見た吉岡先輩や近くにいた人が視線を追いかけて私を見る。そうして少しの間不自然でない程度に間を稼げば全員が静まって私の話を聞く状態が整う。私が長い間クラス委員をやって来て培った、自分の話を聞かせたい時の小さなテクニック。
「去年の、はたらきたくない、もそうですし、この働かざれどもそうですけど、労働意欲が無い。というのが一つのポイントだと思うんです」
うんうん、と、木口先輩含めその場の人達が頷いた。全くもって当たり前の事しか言っていないけれど、こういう話は自信満々に、同じ調子で聴き取りやすく話せばそれだけで立派なことを言っていると勘違いさせる事が出来る。
「それと、幾つか見たんですけれど、ネットスラングみたいな、ゲームやマンガの台詞をオマージュした言葉も幾つか出て来てますよね。全部は分からないけれど、多分私が知らないものもあるんだと思います。所謂インターネットが育てた言葉というものが」
これとかそうだよね、と、何枚かの紙が持ち上げられた。それの元ネタとなっているものを私は知らなかったけれど、微笑みながら頷いて話をまとめに入る。
「ネットとニート。という単語がポイントになるんじゃないでしょうか? ネットはNETでニートはNEET、綴りも近い訳ですから、育つネット社会、育たないニート。とか、色々言葉遊びをするのも簡単に思えますし」
その場の全員がああ、という表情を作った。成る程と思っている人もいるみたいだし、ネットとニートの綴りを頭の中で反芻している人もいるみたいだ。木口先輩が小さく、凄いなぁ。と感心してくれた。私は言っておいた方が言いなと思ったことを言えたので、とりあえず満足。
それから、私が言った事を軸にしてスローガンを考える作業が始まった。成長するNET環境にEものを加え、育たないNEET社会の形成。という言葉が出来上がった時に皆が小さく歓声を上げた。それだとネットそのものが悪、という意味になってしまいませんか? と聞いたのだけれどそんな馬鹿いないでしょ? という意見によって流された。そんな人がいるかもしれないし、むしろ悪意をもってねじ曲げた理解をする人が心配だったのだけれど、学園祭は楽しむものだから、面白い方が良い。と言われてしまうとそんな気もした。
一通り意見がまとまって、後は雑談という形になったので、私は先に失礼する事にした。
「送っていくよ」
話の邪魔にならないよう、木口先輩や近くの数人に頭を下げて研究室を出ると、廊下を曲がって、エレベーターを待っているところで木口先輩が追いついて来た。
「大丈夫です」
そんな事をされる理由が一つも見当たらなかったので断って、一階のボタンを押す。体調が良くないんでしょ? と、木口先輩は引かなかった。
「それとも、どこかこれから行くところがある?」
「いえ、これからアルバイトを探さなければと思っているので、家に戻って情報誌を読む以外の事はしません」
言いながら思い出して、事情が変わってアルバイトをしなければならなくなった。もしかすると学園祭の仕事に支障を来すかもしれないという事を伝えた。
「すみません、言い忘れていました」
エレベーターが来た。次に乗ろうと思い、木口先輩に頭を下げていると、軽く肩に触れられ、優しく押された。乗れという事らしい。
「新しくバイトをするの?」
木口先輩は一階のボタンを押し、自分もエレベーターに乗って聞いて来た。
「はい、ちょっと事情がありまして」
「嫌じゃなければ、事情を教えてもらえないかな」
真っ直ぐに見られて、見返した。また放っておくと忘れてしまいそうだったのでこの機会になるべく覚えておかなければと思って。睫毛が長い、と、特徴を一つ覚えたところで木口先輩は視線を逸らし、眼鏡を外した。
「真っ直ぐに人を見るよね、初瀬倉さんは」
人に余り興味が無いからです。勿論言わないで、ちょっとした事情を話す事にした。両親との事は二十歳を過ぎたので、自立の為にアルバイトをしなさいと言われた。という事にした。
「それで、面接とかはもう受けたの?」
「いえ、まだ体調が治っていなかったので、友達が探してくれるとも言っていたのですけれど、自分でも何かと思いまして」
研究室がある棟を出た辺りで説明を終えた私。木口先輩はとても真剣に、相槌すら打たずに私の話を聞いてくれていたのだけれど、話が終わるとすぐに質問をして来た。
「紹介したいアルバイトがあるんだけど」
意を決したように言われ、予想だにしていなかった言葉に驚いた私。
「中高生に勉強を教えているんだ」
「木口先輩がですか?」
頷かれた。説明が長くなってしまうから車で送りながら話しても良いかと言われた。少し遠慮もあったけれどそれ以上に興味のある話だったので好奇心に抗い切れず結局お言葉に甘える事にした。
週に二日、二時間ずつ木口先輩は地元の中高生に勉強を教えているのだそうだ。場所は二ヶ所あり、図書館と児童館。両方とも個室で教えていて、ようは本当に、塾と変わらないのだそうだ。
「自分で教えているからカリキュラムとか宿題とか、自分で考える事が出来るんだよ。大変だけど」
「楽しいでしょうね」
問いかけると、そうだねと木口先輩が頷いた。そういう事が好きなのだろう。自分がしたい通りにしたい。例えそのせいで通常の倍苦労したとしても。納得済みの苦労を背負うよりも納得のいかない事をさせられるストレスの方が辛い。そんな感じの人だろうか。彼について余り知っているところが無かったからあやふやだったけれど、だから実行委員長をしているのだと思えばあながち間違っているとは思えない。
「楽しいと思う?」
「そこにやりがいを感じられる人であれば」
私は楽しかった。本間君も花ちゃんも高ノ宮君も私が教えたところをしっかりと勉強してくれて、成長しているところを見る事が出来たから。自分がやった事が結果に結びついている、人の成長を目の当たりにする。ということの充実感を知っている人は多分、私達の年齢ではとても少ない。
「初瀬倉さんは、そういうのは楽しいと思わない?」
「どうでしょう? やってみないと」
けれど私は曖昧に言葉を濁した。こういった、体感してみなければ分からない事は、所詮話に聞いても理解出来る筈が無い。詳しい話を聞きたくての言葉。
木口先輩が今抱えている生徒十一人のうち、中学生は七人、高校生は四人。基本は数学と英語を教え、質問があれば何でも受け答えるのだそうだけれど、十人を超すと範囲に差が出過ぎてしまい、手が回らないのだそうだ。つまり、木口先輩が高校生の授業をしている間に私が中学生の生徒の授業をする。逆でも良いけれど、そういうこと。
「吉岡先輩でも良いのではないですか?」
嫌だという事ではなく、疑問に思ったので聞いてみた。吉岡先輩に限らず、木口先輩には仲良くしている学生が沢山いる。
「あいつらじゃ先生を出来ない」
簡単で、致命的な理由を使って、木口先輩は級友達に落第点を付けた。
「付属とか推薦組は受験勉強をしてないから、しっかり大学受験をしている人が一人欲しいんだ」
「私も推薦ですけど」
「初瀬倉さんは友達に勉強教えていたって言ってたじゃないか?」
そういえば、懇親会で話していた事を忘れていた。まあそうですけれど、と答えてから少し考えた。
「嫌?」
「いえ、そうではなくて、私お金を頂いて何かをしたという経験が無いので」
初めてのアルバイトで、そんな特殊な事をしても良いものだろうか。社会経験にはなりそうだけれど、必要に迫られて働く訳だからしっかりお金も稼がなければならない。
「勿論お金は払うよ。時給二千円」
時給二千円。多い、ような気がした。私が見た本では時給千円を超えるものはそんなには無かったと思う。逆に四千円を超えるようなものは幾つもあったけれどそれをするつもりは無い。
「週に二回、準備と片付けもあるから一度の授業に二時間半という事にして、月に授業が九回あれば四万五千円。どう?」
「いいですよ」
そう私が答えると、木口先輩がえっ、という表情で私を見た。何か? と聞くとまさかこの場で返事を貰えるとは思っていなかったとの答え。
「こう見えて、決断は早い方なんです」
「そのようで」
私の返答に、ハンドルを持って前を見ている木口先輩が笑いながら言い、それからはぁ、と溜息を吐いた。
「良かった。ここのところ割と大きな悩みの種だったんだけど、片が付いた」
「大袈裟ですよ」
その後私は花ちゃんが働いているカフェで一緒にアルバイトをする事になり、両方を合わせて何とか、貯金を切り崩しながら生活するような事にはならずにすむ事になった。




