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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

僕に包丁で刺される為に生まれてきたうさぎのぬいぐるみ。君は僕に買われて幸せですか?

作者: チャー丸

フィクションの短編8000文字の短編小説になります。




僕はタケル。



30歳を越えた小説のクリエイターだ。



僕は今ぬいぐるみを最愛の人と買いに来た。



『こっちの女の子のほうでいいよね?』



「いいんじゃない?この子らは私達の分身だからね。早めに買ってあげないとね。今回は私が買うから。」



『おまえは、1号とは違い、いい買い主さんに買われてよかったな。、、、、。』



「1号君はかわいそうな想いをさせた分、かわいい子を買っていってあげよ。」



『そうだね。』



そうして、僕達は初めて女の子のぬいぐるみを買った。



家には包帯を巻かれ、縫われたぬいぐるみがある。



家にいる彼は1体目だ。

隣には2号も、仲良く座っている。



1体目は3歳の誕生日に遡る。



あれは3歳の誕生日だった。



お父さんお母さんが誕生日に買って来てくれたうさぎのぬいぐるみから僕とうさぎのぬいぐるみの物語は始まる。



「タケル誕生日おめでとう。」



多分3歳の誕生日そう両親に言われ貰ったはずだ。



30になった今、記憶などほとんど無いが嬉しかった記憶は少し残っていた。



僕が4歳になった頃あたりから、お父さんとお母さんは僕を叱ってばかりになった。



なぜか僕は人と違うことばかりするらしい。



でも僕は何が普通じゃないかわからない。



それが症状と知ったのは大人になってからだった。



なんでうちの子は、、、。



なんで忘れ物ばかりする、、、。



普通の事じゃない事を平気でして頭がおかしいんじゃないか?



そう言われ育った。



5歳になった時には、もう誕生日プレゼントは無くなった。



僕は普通にしているのに。



何が悪いのかもわからないのに、周りから常に怒られながら育った。



僕が初めてフォークで、ぬいぐるみを刺したのは6歳の時だった。



これは症状から来た物ではない、あまりにも酷い親の態度からの行動だった。



親に怒られすぎて、考えるのを辞める為に、怒り、悲しみ、不安の感情を捨てる為に、半分は妄想に逃げるようになった。



そしてもう半分はぬいぐるみをめった刺しにするようになった。



親がいない時に。



これ以上親に嫌われないように親がいない時に知らない間にハケ口を求めたんだ。



そんな僕にも弟が生まれた。



6歳の時だった。



可愛くて可愛くてしょうがなかった。



僕の妄想へ逃げる衝動も、



ぬいぐるみを刺す衝動も、



弟を愛していれば出なくなった。



だって笑顔で笑ってくれるから。



両親とは違って。



久しぶりに衝動が再発したのは小学5年生だった。



僕はよく物忘れをする。



その症状のせいでよくみんなにバカにされていた。



僕の症状は不注意型の病気の症状だと大人になって言われた。



簡単に言うと衝動型はどらえもんに出てくるジャイアンで、



不注意型はのび太だと思ってもらえたらいい。



僕の場合は不注意が極端に出て衝動性が全く出ない症状だった。



衝動性が出る時は決まってあの時、



ぬいぐるみをめった刺しにする時、それでもそれまで耐えられると言う事は衝動性はやはり少ないと言える。



そんな僕が小学5年生の時、アレルギーを発症した。



今でいう花粉症になる。



小学5年生で授業中、毎日鼻水が垂れる。



僕は家から持って来たポケットティッシュじゃ毎日足りなくなった。



足りなくなると鼻をすするか、どうしていいかわからない僕はTシャツの首の部分でシブシブ鼻をふいていた。



そのうち隣に座る女の子は僕と机を離す様になり、元々孤立していた僕はみんなからバイ菌扱いされるようになり、誰も口を聞いてくれない5年生が始まった。



両親に相談してみた。



みんなから孤立している事は言わずに鼻が止まらないんだけどどうしたらいいかなと。



両親は使いかけのトイレットペーパーを持ってきて、これを持ってけば?



僕はそう言われた。



そんなの持って行けるわけない。



バイ菌と言われてる人間が、トイレで使うトイレットペーパー?



そんな物を持って行けるわけがなかった。



両親は僕にトイレットペーパーを投げた後も、僕には見せた事が無い笑顔で、弟の面倒を見ていた。



僕は嫌われないように頑張ってきたはずなのに、もう両親から他人のように思われているんだ。



小学5年生の時に実感し、心の中で涙を流した。



それでも両親の前では平然を装い続けた。



泣く時、キレる時、妄想にふける時、必ず1人の時だった。



その夜僕は感情が溢れそうになり、自分の限界を超えそうなのがわかった為家にみんながいても、



夜中に1人初めて包丁を持ち出して、ぬいぐるみをビニール袋に入れ、トイレに入り、



夜中ぬいぐるみをめった刺しにした!



首から下が取れ綿が飛び出るくらい、声を殺してトイレで刺して、トイレットペーパーを投げつけた。



そして、投げたトイレットペーパーを綺麗に戻し、洗面台で笑う練習をして、トイレから出た。



ビニール袋はこんな事を親にバレないようにしてる為のカモフラージュだ。



こんな感情まで精神がおかしくなっていても、これ以上、嫌われたくない、怒られたくないって感情が最優先だった



ビニールに入ったぬいぐるみうさぎ1号はこうして死んだ。



うさぎが死んでくれたおかげで、僕はどんな嫌な事を言われても愛想笑いが出来る小学5年生になれた。



みんなに嫌われないように。



これ以上みんなに嫌われないように必死だった。



どうしたらいいかわからないなりに、嘘をつくようになった。



嘘と言うと聞こえが悪いが簡単に言うと知ったかぶりだ。



知らない事をあたかも知ってるように話したりする。



孤立は嫌だから注目を浴びようと知ったかぶりをするようになり、



そんな知ったかぶりは、すぐにバレ、孤立はイジメへと変化していった。



嫌われない様に取る行動は全て裏目に出るそんな時期だった。



1人でランドセルを背負い歩いていると、ランドセルにドロップキック!



何回もされ過ぎて笑える様になった。



僕はお母さんのお手伝いを帰ってから必死でする様になった。



お母さんに好かれようとする訳じゃなく、お小遣いが欲しくて。



僕は頑張った。



そしてこつこつお金を貯めて買ったのがうさぎ2号!



まるっきり同じやつを買って来た。



僕は新しいこいつをまためった刺しにする為に買って来たのに、、、。



こいつをめった刺しには出来なかった。



なぜかわからない。



僕は新しいぬいぐるみうさぎ2号はそのままにして、



僕は1号を縫った。



裁縫なんてした事ない手で、血を流しながら首と胴体を繋ぎ、目玉をマジックで書いた。



その夜僕は縫った1号を持ち出して、また包丁を持ち出してめった刺しにした。



明日から笑わないといけないガソリンを自分に入れないといけないから。



そして洗面台で笑う練習をして、、、台所に包丁を戻し、自分の部屋に戻り押入れにめった刺しにしたぬいぐるみを置く為に扉を開けたら、隣に新品のうさぎ2号がいた。



なぜかピカピカで誰からも愛されそうな2号。



その2号の隣に首が取れかけた1号を置いた時、



僕と弟に見えた。



誰からも愛される弟は、2号



ブサイクな自分が縫った首がまた取れそうになった毎回めった刺しにされる1号は僕の生き写しの様で、僕はこの家で初めて、布団の中で1号を抱いて泣いた。



トイレ以外では感情を出さないはずの僕だったのに、、、。



あまりにも不憫な姿の1号がかわいそうで



布団の中は現実から逃げる妄想の空間のはずが妄想に逃げることすら出来ず、現実に涙を流した夜だった。



その後も嫌な事がある度に1号は何回も僕にめった刺しになりながら、本当の友達すら出来ず、高校を卒業し、適当にパートを転々としながら27歳になった。



そんな時、弟が結婚する事になった。



弟はイケメン、オレは根暗だ。



あいつは2号



僕は目も綿もない1号。



結婚出来て当然だ。



そう思った。



オレは一人暮らししてる部屋から久しぶりに出て来て、結婚の祝いにかけつけた。



2号を弟に贈る為に。



パートを転々とする僕にそんな金はなかった。



それでも、自分であの時必死に貯めた金で買って、2号はかわいい弟に見えたから2号はめった刺しにせずいつも1号の隣に置いて過ごして来た。



2号は、なりたかったオレの半分だ。



1号はこうなるはずじゃなかったオレの半分だった。



僕は弟になりたかった。



しかし弟といるといつも僕は比べられ虐げられるから高校を卒業して家を出た。



2人が別れてもぬいぐるみだけはそばにいた。



このぬいぐるみは2体は僕の歴史だ。




その僕の歴史の半分くらいの2号のぬいぐるみくらいしか僕は弟に祝いであげられない、1号みたいなダメ人間なんだ。



それでも僕には大事な2号だった。



ぬいぐるみが笑ってる顔がいつも子供の頃僕に無邪気に笑う弟に見えていたから。



『結婚おめでとう。』



僕は2号を弟に差し出した。



「兄ちゃん。結婚式だよ。なんでいつもそんなんなの?なんで普通の事が出来ないの?結婚式にぬいぐるみっておかしいでしょ、、、。いらないよこんなホコリかぶったヌイグルミなんて、、、。」



ヌイグルミを突き返された。



…結婚式だからスーツ買ったり、



…色々借金して揃えたんじゃないか、、、。



…親は嫌いだけど、、、



…おまえは大好きだから、、、。



…用意出来なかったんじゃないか、、、。



…僕はおまえみたいに、2号みたいに上手く生きられない人間が必死に2号になろうとしたんだ。



…生まれてきた時から大分おまえを世話して僕に笑ってくれた事がどれだけオレが救われたか。



…親が笑わなくても、弟のおまえなら笑ってくれた。



…僕の作り笑いですら、、、。



…おまえは無邪気に笑ってくれた。



…そんな弟の、、おまえが大好きだから、、、ない金叩いてスーツ買って、、、祝い金払えないけどいつも1号を励ましていた2号を、、、。



…持って、、、、きたんじゃ、、、ないか、、。



…やっぱり、、、おまえも、、、お父さんと、、、お母さんと、、、一緒なのか?



「兄ちゃん、もう恥ずかしいから、帰ってよ。呼んだオレが間違いだったよ。」



…うわーーーー!!!



…泣くな、、、、、。



…嫌われる事はするな、、、。



…いつもそうやって来たじゃないか家族の前では。



…笑え、、、、。



…タケル!笑え、、、。



『ごめんな。悪かった場違いで、、、、。帰るよ。』



僕は披露宴の最中にヌイグルミを抱え扉を出た。



そしてゴミ箱にヌイグルミを捨てて、歩いて行こうとした。



そんな時呼び止められた。



「タケル君。」



友達もいないはずの僕を呼ぶ女の子の声だった。



僕は振り返ったが、誰だかわからない。



「タケル君だよね。」



『誰だっけ?』



本当に覚えてなかった。



…早くどっかいってくれないか?



…涙がホテルのトイレまでもちそうもない。



「私だよ。」


    

僕はその人を見ながら滝のように流れる涙をトイレまで我慢出来ず、泣いた。



人に嫌われないように人の前で感情を殺したはずの僕はあまりにも弟に言われた事がショック過ぎて、女の子方を見て涙をボロボロ流した。



僕は話の途中にも関わらず振り返り走って逃げた。



「ちょっとタケル君。」



感情を見られてしまった。



そんな思いがその場にいられない理由だった。



僕は泣きながらアパートに戻った。



そして刺した!



久しぶりに刺した!



1号の足から手から下の畳まで貫通するくらい刺した。



僕が自分を守るために行う儀式の半分!



そのもう半分の妄想は久しぶりに出来なかった。



…久しぶりだな。



…2号を買って来た時以来だな。



…妄想に逃げられないんなんて、、、。



そんな中チャイムが鳴った。



【ピンポン】



僕は1号を押入れにしまい、そして扉を開けると披露宴に、来ていたあの僕の涙を見た彼女がいた。



「私タケル君の弟君と結婚したお嫁さんの先輩なんだよ。住所聞いて遊びに来たの。」



前の披露宴では誰だかわからなかった。



未だにわからない。



『誰だっけ?』



「小学生の時、隣の席だったアミだよ。」



名前を聞いて思い出した。



僕と席を離したアミだった。



あの時僕が鼻水垂らしとして、席を離したアミ!



あの行動にも僕はかなり傷ついた。



そんな女が今更なんのようだ?



『思い出した。僕の事が嫌いなアミでしょ?』



「そんな事ないよ。絶対そう思ってると思った。席離した事でしょ。」



『だって離したじゃん!』



「あれは本当悪い事したと思ってる。男子達にやれって言われて、タケル君と離したの。私はしたくなかったんだよ。」



…そんな馬鹿な話あるわけない。



…弟にも親にも見捨てられたんだ。



『で、なに?』



僕は冷たい態度を取った。



なぜか?



それは親しくなればなるほど、嫌われた反動がキツイのを今日このアミって子の前で涙を我慢出来ないくらい辛い思いをしたから。



そんな彼女は僕の冷たい態度にひるむ事なく一歩ずつ歩み寄ってくる。



「友達になろうよ。」



実際の距離は縮まった訳じゃないが、

心の距離を詰めてくるのがわかる。



僕の心は半径500m以内に人を近づけたくなかった。



これも子供の頃学んだ学習だから。



嫌われる辛さがあるなら、近づかない方がいい。



それを学んだ。



無理して友達を作ろうとして知ったかぶりをして、誰も僕の言うことをまともに聞いてくれなくなった。



だったら初めから何もしなきゃよかったじゃないか?



それを学習した僕は自分の前にバリケードを貼った。



だから彼女への答えは自ずとこうなる。



『いらない。』



彼女が落ち込んでる感じだった。



それでも引き下がらない。



「タケル君今の趣味は?」



僕は誰にも言った事のない秘密をこのアミに話した。



『ヌイグルミを包丁で刺すのと、妄想だけ。』



自分で言って自分で引くくらいのセリフだった。



自分でヒクくらいだから女の子ならドン引きだろう。



「わかった。今日は帰るね。」



そう言って彼女は帰って行った。



これでよかった。



そう思い部屋に帰ると、彼女と話したせいか、涙はもう止まっていた。



初めてだった。



自分で感情を全て枯れるまで出し切らず終わった事が。



翌日。



パートを終えてアパートに、帰って来たらまた彼女がいた。



『何してるの?』



「タケル君。ノートと包帯買って来たよ。」



『なんで、ノートと包帯?』



「タケル君がぬいぐるみを刺すのと、妄想って言ったから、妄想を小説にしたらどうかなって、包帯はぬいぐるみの修理用。今日も入れてくれないの?」



…いやなんだよ。



…オレを好きになるやつなんかいないのに、、、。



…でもなんなんだ、、、。



…変わりたい自分もいるんだ。



…信じてみたい自分もいる。



『入れば。』



そういい彼女は友達として、部屋に入れた。



その後も彼女は頻繁にうちに来た。



彼女の笑顔は眩しくて、まるで大好きだった弟がオレに笑うような笑顔で、惹かれていくのがわかった。



初めて人を好きになる感情が大きくなればなるほど、僕の素は出なくなっていった。



嫌われたくない、、、。



失いたくない、、、。



その思いが感情をよけい閉ざした。



彼女に嫌われない人間を演じるようになったある日、夜



彼女がいない時、僕は爆発した。



また1号をめった刺しにした。



初日アミが縫ってくれて包帯を巻いてくれた1号は久しぶりに串刺しになった。



好きになり過ぎて不安が大きくなり過ぎて自分のキャパを越えた一瞬だった。



これ以上自分を演じると自分が壊れると思った。



彼女が何をやっても僕は笑っていた。



嫌な事をしても笑い続けた。



好きだから、我慢した。



側にいて欲しいから、また我慢していたらまた小学生のようになってしまった。



僕は1号を、抱えて3度目の涙を流した。



彼女に本当の自分をさらけ出して、お別れをしようと。



…ごめんな1号おまえはこんな買い主に買われたが為に、、、。



…僕に包丁で刺される為に生まれてきたうさぎのぬいぐるみ1号、君は僕に買われて幸せですか?



ボロボロになったぬいぐるみを抱いて泣きながら寝た。



そして翌日彼女が来た。



彼女にはまだなってない。



女の子だから彼女と呼んでるだけで友達だ。



それでも僕に小説を書く楽しみを教えてくれて、一緒に先を考えたりするようになった。



しかし僕の妄想から生まれた小説は彼女に嫌われないようにする為に、自分の物ではない方向に話がずれていったりした。



それでも笑った。



いつも笑っている事にもう疲れたんだ。



「どうしたの?その1号君。」



彼女が僕にウサギのぬいぐるみを見てなんでみたいな顔で見ていた。



『もう疲れたんだ。アミが好きになって、嫌われないように笑ってばかりいる自分が、、、。だから今日お別れをいうつもりでいる。まだ付き合ってもいないから、お別れも何もないけど、もうここに来ないで欲しい。』



「そんな、、、。」



彼女がアミが泣いていた。



…なんで泣く?



そして、アミは泣きながら出ていった。



…これでよかった。



…僕は家では素でいられる。



そう思ったのに、自分から決断し、自分から別れを決めたのに、



いつもの1号をめった刺しにする衝動も、妄想から小説を書く妄想も何も出来なくなり、、、。



僕はちぎれた1号の手を握ったまま、、、、



あの披露宴の様にただ立ったまま涙を流しつづけた。



僕は間違えてしまったようだ。



選択を。



人との付き合いを知らない僕は、、、別れれば楽になれると思った。



そうじゃなかった事を別れを切り出してから知った。


    

知ったかぶりの人生で初めて自分で体験して知った事実だ。



2時間も1号の腕を握ったまま立った状態で泣いていたら扉が開いた。



開けたのは彼女だった。




手には彼女と友達になる前、披露宴で捨てた1号の片割れ半分の2号がいた。



『アミそれ、、、。』



「あの時からずっと持ってたの、、、。」



『でもそれは僕が弟として持っていて、弟には嫌われたからあの時ゴミ箱に捨てたんだ、、、。』



「違うよ。」



そう言うと僕の前に持って来て渡された2号は服がスカートになり女の子のぬいぐるみに変わっていた。



『これっ?』



「私が作ったの。あの時拾って、2号さんは私にする為に衣装を変えたんだよ。必ずタケル君に告白する日に持って来る予定だったの、、、。この2号は弟君じゃないんだよ、、、、私なの、、、、ずっと側にいたんだよ。あの時は同じだったの。1号2号と同じ様に、私も男子が怖くて嫌々机を離していたんだよ。、、、だからぬいぐるみもそっくりいじめられっ子の一緒だったんだよ、、、。でもタケル君聞いて!あなたがどんな事を言っても嫌いにならない。どんな過去をもっていても好きでい続けるから私だけは信じて。」



僕はちぎれた1号の腕を持ったまま抱きしめた。



『一生一緒にいて欲しい。』



「私こそ、、、。」



こうして僕は彼女と付き合い出し、その後結婚した。



そして彼女に子供が出来た。女の子だとわかったので、2人で洋服やら色々と買い物に行った。



そして最後、ぬいぐるみを見に行った。



『こっちの女の子のほうでいいよね?』



「いいんじゃない?この子らは私達の分身だからね。早めに買ってあげないとね。今回は私が買うから。」



『おまえは、1号とは違い、いい買い主さんに買われてよかったな。、、、、。』



「1号君はかわいそうな想いをさせた分、かわいい子を買っていってあげよ。」



『そうだね。』



そうして、僕達は初めて女の子のぬいぐるみを買った。



それは1号と2号より遥かに小さい赤ちゃんのウサギのぬいぐるみだった。



そして家に帰り1号と2号の間に置いた。



あの時悲鳴をあげていた僕と1号は、今一緒に1号は2号に僕はアミに支えられている。



1号2号は僕のパソコンの前に幸せそうに笑っていた。



僕は狭いアパートながら毎日作り笑いじゃない笑顔で1号2号の様に元気な赤ちゃんが生まれる事を祈り、パートをしながら小説を書きながら毎日楽しく笑っている。



そうそれは弟が僕にしてくれた赤ちゃんの頃の笑顔の様に



僕はあの頃から自分を守る為に1号をめった刺しにするのが半分!



妄想逃げるのが半分でなんとか不器用なりに必死に生きていた。



そんな僕は今1号をめった刺しにした方がきっかけで僕はやっと彼女との幸せを手に入れた。



残りの半分の妄想の方では、僕は今夢を見つけた。



今、僕は何年も妄想してきたその妄想を字に変えて、小説で人に笑顔を与えたいって夢に向かいお腹にいる赤ちゃんを含め3人とぬいぐるみ3体で駆け出している。



そう、だって僕も1号も今は彼女のおかげで本当の笑顔で笑えているのだから



そして嬉しさを2倍に変えてくれて、悲しみ、辛さ、など負の感情を半分背負ってくれる彼女がいるのだから。



僕はパートで夢を追っている間は貧乏で大変だけど、僕はそんな彼女が側にさえ、いてくれれば、きっと明日も素の自分で笑えるはずだ。


1号!君を初めて両親からプレゼントして貰った時の純粋な笑顔で今日も僕は筆を取り、物を書く。




〜〜fin〜〜



  


    


    




    








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