一速.....俺は最速ではないんだなぁ。
主人公の名前は小峠くん
小峠くんが愛車をこき使うエピソードです。
続きバンバン出して行きます。
87号線の地理的要素
(中でも鉄道路線と平行に作られた直線道が魅力である、途中の自動車専用部は格別で、上道の信号に引っかからないよう、下に掘り下げられ、立体交差点となっている、信号待ちをせずに爆走できるのだ、、街道と謳っているが高速道路だろ!と突っ込みたくなるような街道だ。)
暗闇に架かる87号線はやっぱりいいな、、交通量が少ねえし....光り輝くビルの窮屈さを感じることもねえ、、あるとしたら輝く虫ども....圧倒的開放感
田舎の一般道にしか見えないんだが.....専用部に入った瞬間そんなもん消し飛ぶ!!....一直線!!まるでアウトバーンだ
しかもデッドアイ(オービス)こいつぁ、死神......しかし87号線にそんなもん存在しねえ.....ヘブンなんだよ...とても自由なストリート...毎日毎日走り込みたい
だが俺は東京住みのシティボーイだから頻繁にはいけねえ、湾岸線やらc1やら素晴らしいロードはたくさんあるのに、なぜか国道87線がカーライフの中心になっている
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ、、、コクン
うひょ!やっぱりはえーな、、、おれのチェリーはよぉ、、、どんどん飛ばしてくぜっ
俺のチェリーはe10だ、日産初のFF車
汚えマシン墓場出身のこの車だが、守護神のように鎮座してやがった、直してやらなきゃ祟りが訪れるような、、、脳裏に映ってしょうがなかった。
工場になんか頼まず、自分で仕上げた、、、ツギハギだらけのボディだが、俺の大好きな車だ
988ccの直列4気筒OHVエンジンが魂を宿すと同時に、4気筒が奏でるエンジン音.....あぁチェリーが祝福してくれた、、、、、と
完全独学で錆を取るのに5年、エンジン直すのに5年、まともに走らせ3ヶ月、この車が俺の生き詩と言えるだろう。
吹かせば吹かすほどこいつの価値は下がるが、それを引き換えに凄まじい脳汁体験をよこしてくれる、そんな常人では得られない快感を得て、他人との差別化を図っていた。
ん、、、?キチガイみたいな車が後ろから凄い勢いで追い上げて行ってるな、、、なんだ、、、、俺のチェリーに噛みついてくるのか!!!
あっぁ!う!!ダメだ!追い越される!!
んっっぁんだ!、、あのケツ、、、、、、、、、、、、、、、、、、見た感じありゃカウンタックか、、、、っく!追っても、、、、追っても、、、、追いつかない!!
ラブホにある真空チューブを駆け抜けるカプセルのような挙動をしたカウンタック、、、、、
まぁったくすげえ走りしやがるな!!....どこに向かってんだよ!....命知らずが!!あの世に行っちまうぞ!!
後輪のグリップが失われるほどにアクセルを踏み込んでも.....っだめだ!!水温が!クソ!!......あっだめだ.....乗り上げちまう!!うわ!!!....くそ、、、
鈍い音しやがるな....サスペンションの軸が歪んじまってる!....クソ!!!
俺のチェリーに気づいていなかっただろ、、、、あのカウンタック!
眼中にない様子だった、、、何と戦ってるんだ?、、、決して負けられない勝負に挑んでいる男のような、、、そんなオーラが闘牛のテールから滲み出ていた、、、、、
真っ暗な田舎道で唯一輝くオーラ、、、、、しかしそんなオーラですら、今はもう見えない、、、全く違う次元に行っちまった、、、、、、、、、、、、、、、、、
あいつぁ、、、一体何者なんだ?、、、、87号線にも最速の帝王がいるのか、、、?俺は光の速さで乗用車を横からぶち抜き脅かして楽しんでいたが、、、、
脅かされる側に回るとは、、、、クソ!!、、、だけどウザくない、、、、むしろ、、、、またあいつと走りたい、、、後ろに引っ付きたい、、、、せめて間近であの走りを見なければ、、、
この眠れぬ夜に終止符を打つことは出来ない。
続く
大好きな車の在り方を、不器用ながら文字で表してみました。