あんま屋
芳山教授の日々道楽「あんま屋」
ぷひゃー
久しぶりのサウナだ。
生き返る〜
耐えろ、
耐えろ、
耐えろー
ザッ、パーン
この水風呂が、たまらない〜人間やっててよかったー!
最高だー!気持ちいい〜
壁を見る。
「あんま、マッサージやってます」(ポスター)
あんま、やっているのか。
たまには、あんまでもやってみるか。
……
……
「こちらにどうぞ」
部屋に案内された。
小さな部屋だ。
大きい部屋を区切って小さな個室にしているらしい。
寝そべる、
転がる、
目をつぶる、
目を開ける。
まだか?
コソコソ…
ん?(私)
「あけみちゃ〜ん、気持ちいいよ」(小声)
何?(私)
「あけみちゃ〜ん、そこ気持ちいい〜」(小声)
何だ?(私)
隣の部屋の声か、
壁が薄いから、隣の声が聞こえるのか。
まあ、いい。
「あけみちゃん、上手いね」
「ありがとう〜スーさん」
「あけみちゃんのテクニック最高!」
「うふ♡」
うふ?(私)
「あけみちゃん、興奮してきちゃったよ」
何をしている?(私)
「あけみちゃ〜ん、こっちもマッサージして欲しいなぁ〜」
汗、(私)
「ダメですよ、スーさんたら」
「うふ♡」
うふ?(私)
「いいから、いいから」
「そこ、そこ」
「ここ?」
「ああ、いい〜気持ちいい〜」
まさか、(私)
ここは、そういうお店なのか?
「あけみちゃん、いい、いい、もうダメ」
「スーさん、だめ、まだ行っちゃダメよ」
「だめ、だめ、」
「いい、いい……」
………
「お待たせしました!」
「わっ、ビックリした」(私)
慌てて、座り直す。(冷汗)
「どうなさいました、お客様?」
「あ、いや」
「ここ、壁が薄いなって」(汗)
「隣の声が聞こえるから」
「申し訳ございません、お客様」
「大きい部屋を個室に分けたもので」
やっぱり、そうか。
「お客様も大きな声は控えてくださいね」
「うふ♡」
うふ?
何だ、その笑みは?
「ひとみです」
「よろしくね!」
ピンク色の名刺を差し出す。
何故、ピンク色?
よく見ると、格好もいやに色っぽいぞ、
その胸を強調した白衣はなんだ!
間違えては、いないはずだ。
確か、あんまマッサージを頼んで案内されたはずだ。
うーん、
「お客様、まず、うつ伏せになってくださいね」
「はい」素直にうつ伏せになる。
「調子の悪い所はどこですか?」
「頭痛、肩こり、腰痛」
「でわ〜」
「うふ♡」
うふ?
ギッ、ギッ、
なぬ!
近すぎる、
そんなに密着するな、
あんまとは、そんなに密着するものなのか?いや、するわけがない。
違うお店と勘違いしてしまうじゃないか、
ギッ、ギッ、
当たる、
背中に、当たる。
柔らかいものが当たる。
リズムよく当たる。
まずい、
気になって、マッサージどころでは無くなって来た。
ギッ、ギッ、
ダメだ、頭の中に妄想が、
切り替えろ、
切り替えろ、
違う事を考えるんだ。
がんばれ、私
がんばれ、私……
はあーっ、はあーっ、はあーっ、
終わった。
無事、終わった。
「お客様、オプションでスペシャルコースもありますが、どうでしょう?」
なぬ?
「気持ちいいですよ」
「うふ♡」
うふ?
「いや、今日は忙しくて…」
「そんな事言わないで」
「お、ね、が、い!」
お、ね、が、い?
「わわっ、」
突然、仰向けにされた。
「あっ、」
赤ん坊の様な、無防備な体制に、
グギ、
「ああっ、」
人間の身体に、そんなに指が入るのか?
グギ、
私の肩に指が、
第一関節どころか、第二関節まで入っているんじゃないのか?
グッ、グッ、
痛たーー!
痛いどころか大丈夫なのか、そんな事をして、
グッ、グッ、
「では、首を」
グギ、
視界が変わった。
人生の中で、曲げた事のない角度だ。
取れたんじゃないのか?
頭が取れたんじゃないか!
グギ、
さ、殺意を感じる。(汗)
「も、もう、いいで…」
「次は、腕です」
グギ、
う、腕は、そんな方向には曲がりませ〜ん。それは無理で〜す。
グギ、
卍固め(アントニオ猪木の得意技)
グギ、
4の字固め(デストロイヤーの得意技)
私は、遊ばれているのか?
グギ、
「ああんっ」
だんだん、気持ち良くなってきた。
グギ、
「ああっ、気持ちいい〜」
股間に腕が、
グギ、グギ、
「ああっ、」
そんな格好は恥ずかしい。しかし、気持ちいい、
私はタコか〜
蝶結びにされる〜
「うふ♡、気持ちいい?」
「いい、いい、もうダメ」(私)
「お客様、まだダメよ、行っちゃダメよ」
「もう、ダメだ」
「だめよ、だめ、だめ」
「いい、いい、いいーーー……」(私)
あんま屋を出た。
頭痛、肩こり、腰痛、どこへ消えた?どんな魔法を使ったんだ。
不思議だ。
「また、来てね〜」
ひとみちゃんが手を振っている。
バイバイ、
思わず手を振ってしまった。
少々、荒っぽかったが、素晴らしい腕前だ。
たまに、あんまもいいものだ。私の隠れ家ナンバーに入れておこう。
ひとみちゃん…
可愛い、
うふ♡




