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女友達がこんなに可愛い(仮)  作者: シュガー後輩
第三章 中二病少女がこんなに可愛い
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彼はまたまた遭遇する

 「「「ごちそうさまでした〜」」」


 「はーい。また来てね〜」


 オレたちはお好み焼き屋を出る。事細かに伊万里姉妹と出かけた話を話した。そしてソフトクリームは2個オレが食べた。もう何も入らない。運動部だったオレだが日に日に胃の衰えを感じる。このままいくとスリムボディを夢ではないだろう。これ以上痩せてもさらに女装が似合うぐらいしかメリットはないだろう。全く姉ちゃんしか喜ばないことなんて屈辱以外の何物でもない。よし、たくさん食べよう。


 ちなみに話した結果、アリアからは10点を頂いた。複数人で遊んだことでマイナス100点、ナンパから助けたことでプラス10点らしい。100点からの減点式なんて随分と良心的だ。マイナス90点だと思ったよ。


 唯織からは今度、竜胆と華恋に会わせるように言われた。機会があったら紹介ぐらいはしてあげよう。頭の中に洗剤が二つ並んでいる図が浮かんだ。何の暗示だろうか。家の洗剤足りなかったけ?二つの洗剤が混ざり煙が上がる。うん。何の暗示だろう。


 「唯織とアリアはどっか行きたいところあるのか?」


 「そーくんが望むがままに」


 「あ、私ちょっと本屋行きたいかも。お料理の本見たいんだよね。誰かさんに料理対決で負けたから」


 「ふっ、浅はかな。本に何が書いてあるというんだ。大切なことはそこにはないぞ」


 「あははは。宗介くんも相変わらずだよね。またお菓子作ってきてあげるね。大丈夫。今度はちゃんと言われた通り宗介くんのことを想って作るから。そしたらあの時、躊躇した調味料もどばどばと入れることができると思うんだ」


 躊躇してあの味だったのか。もはや味ではなく痛みだったけど。


 「じゃあ、本屋行くか。確かあそこのビルにでっかい本屋が入ってたろ」


 あそこのビルというのは前回来た時に伊万里姉妹がナンパをされた商業ビルのことだ。


 歩くこと数分、そのビルに到着する。


 「ご不浄に行く」


 「おお」


 ビルに入ると唯織はそう言ってとことこ歩いていく。


 「ねぇ、黒崎さんはどこへ行ったの?」


 「やだ、アリアったらデリカシーない」


 「宗介くん、ハリセン頂戴」


 「持ってねぇよ」


 あと別にボケじゃない。


 「今のはトイレに行くっていう意味でしょ」


 「わからないよ。相変わらず黒崎さんの言い換えはわかりにくいよ」


 「いや、ご不浄は唯織のオリジナルじゃないけどな。ちゃんとネットとかで検索したらでてくるし」


 「……日本語って難しい」


 ごめんよ。オレたちはいつでもあまり一般的に使わない言葉を使いたがるんだ。そしてマウントをとるまでが一連の流れ。今のはそんな意図はなかったけど。




 「あれ、日下部?」


 建物の隅で唯織を待っていると、突然そう声をかけられた。全く知り合いに会うのが多い日だ。でもそれは仕方がない。なぜならオレたちが遊ぶ場所と言ったらこの街以外にあまりないのだから。あとはオレが前に華恋と遭遇したゲーセンがある地元のビル。だがあそこは言った通りオタクしかいないので、他の人には実質一択だ。やれやれ不自由な世界で生きてるな、一般の民は。


 オレは声がした方向に顔を向ける。


 うん。誰だ?


 そこにはオレと同年代ぐらいの女子がいた。女子数人で遊びに来ているようで、そのうち一人がオレたちの方へと歩いてくる。髪を茶色にして肌を多く見せる格好だ。アリアや竜胆、それに唯織とかは大人しめの格好を好んでいるので、珍しいなと思った。まあ、街中ではきっとそんな格好をしている人もいただろうが、気にして歩いたことはないから記憶に残ってない。


 「やっぱり日下部だ。久しぶりじゃん」


 ふむ、名前を知っている。久しぶりという言葉。その二つの情報からこの天才的な頭脳が導き出す答えは、おそらく小学校、もしくは中学校の同級生だろう。だがこんな女子いたかは定かではない。おい、天才的頭脳。


 「おお、久しぶり~それでどちら様ですか」


 「ええ!覚えてないの?傷つくわ~」


 そんなことをけらけら笑いながら言う。傷ついているのに笑ってる。つまりはドⅯか。オレにそんな知り合いがいただろうか。そんな珍しい知り合いがいたら記憶に残ってそうなもんだが。


 「それでこちらは彼女さん?あれデートの邪魔しちゃった?ごめんね~」


 名乗らんのかい。


 「いや違う。彼女じゃない」


 「だよね。だよね。この子が日下部を選ぶなんて思えないし」


 「おお、なんだ見る目があるじゃないか」


 そう彼女にはもう心に決めた人がいるのだ。


 「「あははははははは」」


 「そ、宗介くん」


 二人で笑いあってると、アリアが心配そうな顔でこちらの服を引っ張ってくる。なんぞ?


 

 「ただいま」


 そこへ唯織が帰ってくる。


 「おお、おかえり」


 「げ、黒崎唯織」


 帰ってきた唯織を見て少しだけ頬を引きつかせて言った。


 「唯織、誰か知ってるのか?」


 「………?情報ゼロ」


 こてんと首をかしげながら言う。


 「あんたねぇ……!あれだけこっちを……ふぅ、はぁ。佐々木舞。二人の中学の時のクラスメイト!」


 「「おお!………………おお?」」


 「あんたら……」


 いや本当に情報ゼロなんだよ。オレたち二人は名前を聞きポンと手を打ち、やはり思い出せず首を傾げた。


 「いや、思い出せないのは本当に申し訳ない。中学の時はどんな属性だったけ。火とかか?」


 「属性って何!?」


 おお苛烈なツッコミ。

 

 うん。これはオレが勝手にクラスメイトを属性分けしていだけだった。


 「…………そうだった急に普通に過ごしていたから騙されていたけど、日下部ってこういうやつだった」


 佐々木さんはなんか頭を抱えてぶつぶつと呟いている。君の連れの女子達が、心配そうに見ているけどもう行った方がいいんじゃない。


 佐々木さんは顔をあげるとアリアの方を向く。


 「ねぇ、君」


 「わ、私ですか?」


 「知ってる?中学時代の日下部も今の黒崎みたいな変な格好をしていたんだよ~」


 「えっと、知ってます。写真を見たことがあるので」


 「え、嘘。知っていて付き合ってんの」


 アリアも見たことあったんだあの写真。まあ竜胆が持っていた時点でアリアには筒抜けだとは思っていたけど。


 「へぇ。知っていて付き合ってるんだ~やっぱり今の痛い格好の黒崎と一緒に居られることだけはあるね」


 佐々木さんは愉しげに頬をあげながらそう言った。


 「………あ、」


 アリアが口を開いて何かを言おうとしていた。だけどそれを遮るようにオレが喋っていた。遮っちゃってごめんよ。


 「おいおい、唯織の格好めちゃくちゃ似合っていて可愛いだろ。それを痛いとか。やだー佐々木さんセンスなーい」


 ねぇ。唯織さん。


 「可愛い……………ごほん。佐々木舞。また私とお話がしたいの?」


 「あんた……!やっぱり覚えてるじゃない……!」


 先とは一転、佐々木さんは顔を歪める。何々?なんか因縁がある感じ?ここであったが百年目?


 「……私、友達を待たせているからもう行くね。じゃあね」


 「おお、こんどちゃんと属性を思い出しておくな」


 「いらないから」


 そんなつれないことを言って、佐々木さんは去っていた。氷属性かもしれないな。笑顔で友達と合流するとガヤガヤと去っていく。



 「またつまらないものを斬った」


 「黒マスクも普通になったんだし、黒眼帯も普通のオシャレになる可能性を秘めてると思うんだけどなー」


 「二人とも強いね……」


 アリアは呆れたように微笑みながら言った。

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