表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

47/58

第47話 地味ぽちゃ系アラサー女子の私がイケメン達に飲み会に誘われた件

「……伊縄城(いなわしろ)。ここの金額もズレているようだが? 

 本当に全て隈なく確認しているのだろうな」

「えっ?! あ、す、すみません!」


 八百万祭が無事に閉幕し、再び日常へと戻ったのも束の間。私は早速、久久野(くくの)主任に呼び出され、こってり叱られていた。


「委員会関連で疲れているのは多少なりとも考慮しよう。

 だが、()()()()()()()()

「はい、仰る通りでございます……」


 久しぶりの剣幕に萎縮する。

 無理もない。最近の私は腑抜け上等で全く仕事に身が入らなかった。そして、ミスを連発。


 正論過ぎて何も言えず、謝り続けること小一時間。

 目も当てられない状況である。


「また何か厄介ごとに巻き込まれているのか」

「え?」


 深いため息を吐きつつ、先程の鋭い目付きから幾分緩んだ表情でこちらを凝視する久久野主任。


種狛(たねこま)の時も君は独りで抱え込んでいただろう。事態が悪化する前に、周りに相談しろ」

「あっ、ありがとうございます」


 どうやら、彼なりに心配してくれているらしい。

 ちょっとだけ萎んでいた気持ちが復活した。


「凄く個人的というか、私自身のことなので……すみません、なかなか思うようにいかなくて、ちょっと後ろ向きになってました」

「……ほう? 君にしては思い詰めてるみたいだが、そんなに深刻な状況なのか」

「ひ、酷い……えーと」


『婚活が上手くいってません』


 だなんて、言えるわけがないではないか。

 よりにも寄って、一番堅物精霊な久久野主任に。


 加えて、女友達に彼氏が出来て動揺してるなんて、仕事の話ならまだしも、醜いし、重すぎる。


 来週、大都野(おおみやの)さんとカフェで落ち合う約束をした。その際に、馴れ初めなど色々聞く事になるのだろう。


 喜ばしいのに、憂鬱である。

事実は事実なので、結果を受け入れるだけなのに、何でこんなに気が沈むのか。


 ひとまず、仕事に支障があってはならない。

 私は空元気で押し通す事にした。


「が、頑張ります!!」

「そうか。良く分からんが、無理はするな」

「はいっ! ありがとうございます!」


 話をさっさと終わらせ、修正作業に戻る私。

 主任にまで心配されているようでは、思ったよりも重症だ。


 (今日は、定時で上がろう)


 私は強く心に誓った。




 * * *




 夕刻。

 途切れそうになる気力をギリギリ保たせ、私は執務室の扉を閉めた。


 今夜は、久しぶりに部屋で一人飲みでもしようか……そんなことを考えながら廊下を歩いていると、すっかり私の中では名物コンビのあの精霊達に出会った。


「よぉ」

「伊縄城……か。お疲れ」


 二人揃って並んでいるなんて珍しい。

 委員会後、なんだかんだで仲良くやってるのだろうか。


「お疲れ様です。御影(みかげ)さん、種狛(たねこま)さん」


「珍しいじゃん。お前が残業なしで帰るなんてよ。

 体調でも悪ぃのか?」

「私だって、一応プライベートがあるんですっ」

「へぇ、プライベートね。の割に、浮かない顔してんじゃねーの? なぁ、種狛」

「ばっ……なんでおれに振るんだよ!」


 何故か怒る種狛さん。

 耳をピーンと立てて慌てている。


「俺ら、これから飲みに行くんだけど、ヒマならお前も来るか?」

「えっ? 御二方が、ですか?」

「そ。種狛(こいつ)の祝賀会。

 無事、()()()()()()()()()()


 御影さんがちょいちょいと種狛さんの首元を指差す。

 シャツで分からなかったが、確かによくよく確認すると、あの存在感のある黒い首輪が無くなっていた事に気付いた。


「まぁ、その。嶽平(たけひら)部長から進言してくれたみたいで、別に……良いって言ったんだけどな。

 厳重注意処分から一応脱却したらしい」


 頬を指で掻きながら、少し照れ臭そうに話す種狛さんを見て、ニヤニヤと御影さんが小突いた。


「嘘つけ。″絶対に後悔させてやる″っつって、連日徹夜して死ぬほど貢献しまくってた強情社畜がよー」

「だ、黙れっ! それもあるが……最近、仕事が面白かっただけだ」


 相変わらずの喧嘩漫才を繰り広げており、ここまで来るとむしろ微笑ましくなる。


 (飲み会……ちょうど、今夜は酔いたい気分だったし、参加させてもらう事にしようかな)


「そうだったんですね。是非、行きたいです」

「お、ノリ良いな。お前、『居酒屋 みつは』って行った事あるか?」

「いえ、初めてですが」

「うわ。あそこに行くのかよ……やめておいた方が良いんじゃ」

「じゃあ、決まりだな」

「おい! 少しはおれの話を聞け!」


 こうして、半ば強引に行き先が決定し、私達は嫌がる種狛さんを引き摺りながら飲み会会場へと向かったのだった。

最後までご覧頂きありがとうございます。

ブクマも本当にいつも嬉しいです!


第三章 秋の段がスタートしました。

アンニュイな主人公を取り巻くイケメン達の行方を今後描いていきたいです。


少しでも心に留まりましたら、下部の " ☆☆☆☆☆ " より評価をお願いいたします。

大変励みになりますので、ご協力のほどよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ