第26話 地味ぽちゃ系アラサー女子の私が美女とお泊まり女子会した件・その2
私は大都野さんに婚活について一部始終を説明した。
興味深く話を聞いていた大都野さんは、興奮を抑えられなくなったらしく、こちらも驚く熱量で捲し立てられた。
「もっと早く言ってくださいよ〜〜っ!!
それだったら、私、伊縄城さんにたっくさん社内のマル秘情報共有出来ますよ?!」
酒の勢いもあり、大都野さんが饒舌に語り出す。
「マル秘……ですか?」
「そうですっ! 伊縄城さん、今現在社内で気になっている方っていらっしゃいます?」
「えっ!? ちょ、直球ですね……うーん、なんというか、まだ色々良く分かってないので……」
「確かに、そうですよね。一応、伊縄城さんの身近な男性でいうと、八百万祭の委員会に参加されている方々は皆さんとっても女子人気高いんですよ?」
大都野さんがおもむろにIDバングルを開き、カタカタとデータを開く。
いつ集計したのか知らないが、謎のアンケート結果が立体映像で出てきた。
「毎年、非公式で八百万祭の後に女子社員の間で『男性社員好感度意識調査』が行われているんです。
これは昨年のデータですので、お一方ずつ人気の理由をお伝えしますね。
論より証拠! よろしければお役立てください♪
まずは、八木羽屋副料理長から行きます!」
大都野さんがプレゼンでも行うかのように、サクサクと説明を開始した。
「『八木羽屋 輝彦 火の精霊、年齢は31歳。身長185cm。
明るく楽しいムードメーカー。常に女性をリードしてくれる優しいお兄さん。あらゆる美味しい料理を振る舞い結婚後の妄想が止まらない女子多数。ライトな外見とは裏腹に仕事熱心で真面目な所が魅力』だそうですね」
「分かります! 皆さん、凄く良く見てるんですね……!」
思いの外詳細な部分まで知る事が出来、私は頭の中でメモを取り出す。
「次に、久久野主任ですね。
『久久野 智 木の精霊、29歳。身長175cm。
理系メガネ男子。仕事に厳しく怖い一面もあるが、逆に褒められた時のストレートな優しさに叱られたい後輩達から絶大な支持を誇る。堅実な性格で良い父親像を持たれやすい印象』……後輩人気が強いみたいですね」
「ほ、ほう…………叱られたい……?」
(久久野主任って年下だったのか。意外すぎる)
「まだまだ行きます。次は御影先輩です。
『御影 暁達 地の精霊、28歳。身長178cm。
クールでドライな性格。一見怒っているように見えるが、実は見かけによらず親切な兄貴分。日に焼けた健康的な肉体美にファンも多い』だそうです。
確かに、意外と話しやすいって評判良い方ですよね」
「あっ、私もそう思います。御影さんって地の精霊だったのか……知らなかった」
「続いて、衣吹戸課長。
『衣吹戸 墨架 風の精霊、35歳。身長188cm。
ミステリアスで素顔を見せず、話してる所を見た者は極端に少ない為、データが少ないが実は美形ではないかとの噂有り。仕事が迅速で穏和な性格。体格が良く、機械類の移動も自分でこなすほどの力持ち』との事ですね」
「さっ、35歳!? えっ、全然年下だと思ってた……」
実際聞かないと分からなかった事も把握出来て、確かにこの調査結果は有り難い。
「種狛部長補佐もありますが、どうしますか?」
「うーん……一応、お願いします」
正直複雑だが、情報収集という意味で何かヒントがあるかもしれない。
「『種狛 彌生 猫人、27歳。身長173cm。
お洒落で整った容姿と、スマートで駆引上手な対応に社内でもファン率急上昇中。上層部にも一目置かれるクレバー男子。運動神経も抜群でスポーツ万能』だそうです」
「はぁ……」
(情報とかけ離れすぎてて、全然想像出来ない)
「では最後。思兼部長ですね。
『思兼 心矢 付喪神、30歳。身長180cm。
眉目秀麗かつ品行方正。柔和で紳士的な性格に、憧れている女子社員多数。しかし、完璧過ぎて高嶺の花状態の為、プライベートについては謎に包まれている』との事です。
伊縄城さんもお仕事でよくご一緒されてますよね。
あれ、確か同い年でしたか?」
「あ、そういえばそうでした。でも、達観してるというか、とてもじゃないですけど同年代に思えないです……」
皆さんのデータを聞き、改めて凄い面々に囲まれて業務をしているのだという事を知る。
(女子社員の皆さん、貴重な情報をありがとう)
「では、そろそろお酒も少なくなってきましたし、お料理用意しますね! 伊縄城さんは座って待っててください♪」
「あ! 私も手伝います!
あと、お土産に手作りなんですがスイーツを持ってきたので、良かったら食べませんか?」
「えーっ、良いんですか! 嬉しいです〜っ!
ぜひぜひいただきます!」
大都野さんとキッチンに並び、準備をする。
女性らしく綺麗に整頓されており、ちょっとした雑貨や調理道具に大都野さんのセンスを感じ、どれも可愛らしい。
「お皿、どれでも好きなの使ってください。私、運びますね」
「ありがとうございます!」
私は、出来るだけ丁寧に盛り付けに取りかかった。
* * *
「お待たせしました。どうぞ、召し上がってください」
「わぁ〜! 凄く綺麗な色! いただきます♪」
色とりどりのフルーツとかんてんが鮮やかなスイーツがテーブルを彩る。
八木羽屋さんに教わった『牛乳かんてん』を、更にお呼ばれ用にアレンジした『フルーツポンチ』バージョンとして披露した。
暑い夏にぴったりの冷え冷えスイーツである。
「大都野さんの用意してくださったチーズの唐揚げと出汁巻きたまごも凄く美味しいです〜!
お豆腐サラダもさっぱりしてて好きな味付けで……止まらなくなりますね、これは……」
ぱくぱくと箸が進んでしまう。
普段から料理をしている様子がよく伝わる。
「ありがとうございます。こんな豪華なお夕飯は久しぶりです。やっぱり気心知れた方と飲むお酒は絶品ですね♪ 伊縄城さん、今週もお疲れ様でした!」
「大都野さんも!」
《カランッ!》
改めて乾杯をし、私達は心ゆくまでお酒と料理を楽しんだ。
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