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王家の人々②

 なんやかやと、乳母やメイドは私を持ち上げてくれるけど、つまるところ私は第二王女。

 王太子である長男を筆頭に、スペアの第二王子も元気すぎるほどお元気で、第一王女の姉との間に第三王子がおり、私の下には第四王子が生まれたばかり。

 これがすべて正妃が腹を痛めた子なのは感心だが。内情を明かせば、正妃とその実家の力に王が屈しただけで、側室や妾は、一、二、三、いっぱい! って感じでたくさんいると聞く。

 もういいでしょう、と言ったかどうかは知らないが。正妃の許可も出たので、これから仕込む気まんまんらしい。お(とう)よ。orzな姿勢をとりたくなるが、おかげで私は比較的自由だ。これからじゃんじゃん王女も生まれるだろうからね。

 お行儀は厳しく仕込まれている。なんせ、正しくカーテシーができるまでは、家族にも会ってはいけないらしい。

 三歳にして家族行脚(あんぎゃ)をする私。

 石造りの城は、年に数人行方不明者が出るほどに広く、私の与えられている南西の棟から、中央奥の王の間まで、大人の足でも十分は掛かる。あ、速足で(みち)に迷わず、衛兵に何度も止められない場合ね。

 使いやすさと居心地を追求したんだろう。内装に木材を追加して区切ったり、泥で壁を塗ったりしているせいで、まっすぐ進んでるつもりがいつの間にか曲がってたり、ややこしいったらありゃしない。でも、おかげで夏も冬も快適よ?

 ものごころついてから一年以上、誰も訪ねてこなかったことからもわかってた。王家に家族の情なんかない。

 私自身、家族と思えるのは、乳母のユリリアとメイドのハンナ、新米騎士のブロンゾくらいだ。それを正直に言ったら、私をたしなめつつも皆よろこんでいた。嘘ではないけど、忠誠心を高めたいって計算もある。姑息な幼女でごめんよ。

 それで、本当の両親、兄弟姉妹のことだけど。一度会ったらお腹いっぱい。当分はいいやって感じ。もともと七歳が正式なお披露目の時。まあ、子供の死亡率が高い中世ならではの風習だ。

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