表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/174

王家の人々①

 私が、新しい両親について知っていることといえば、おまるを使っていることくらいだ。っていうのは冗談。

 この国について、私の生まれについて。折にふれ、また寝物語に、乳母のユリリアが語ってくれる。まだ、理解できない歳だろうが関係ない。いわゆる英才教育ってやつだね。

 ポカスカン大陸のヤラレタ王国とか、ふざけてんじゃないかって思ったけど。ユリリアは大まじめ。

「ぽかすー、やれー」

 私が、ドーナツ型のガラガラを振り回しながら奇声を上げれば、大喜びだ。

「姫様は、本当に賢くてあられます」

 彼女が言うには、王様は賢く勇ましく、お妃様は美しくやさしい。本当だったらうれしいけど、下々(しもじも)の言うことだ。まして、こっちは実の娘。悪口は言えまい。話半分に聞いておこう。

 案の上、隣国と年がら年中戦争をしているらしく、またその理由がくだらない。国土は向こうの方が小さいが、いろいろと進んでいるようで、それをうらやみねたみ難癖つけて、あれこれぶんどろうとしているのがうちの国。は、はずかしい。

 まあ、向こうも勇者召喚とかやらかしてるらしいから、褒められたもんじゃないけど。召喚って、聞こえはいいけど、ようは誘拐だよ?

 ありがたいことに、魔王はいまのところおとぎ話の登場人物におさまっている。お願いだから、そのままでいてください。

 で、勇者召喚の目的は、技術革新。それから隣国、つまりうちとの戦争に引き分けるため。そう。なんだかんだ、うちの軍は強いらしい。

 技術で負けてるのに、なぜ負けないかって? それは、魔法があるからです。ま、まじか? そういえば、神様(?)が回復がうんちゃらとか言ってたような。

 でも、乳母のユリリアや、メイドのハンナが使っているのは見たことがない。もちろん私も、いくら唸っても何もできない。

「まひょー」

 二、三日しつこくねだって大層、困らせてしまった。

「大きくなられれば、姫様はすごい魔法をお使いになれますよ。ええ、きっと。絶対に」

 き、期待が重い。どうやら王族は全員、貴族は大半が、平民はごくごくまれに、六歳くらいから発現するものらしい。

 メイドのハンナは商家の出で、なかなか裕福な家の子らしいが、当然のように魔法は使えない。乳母のユリリアは子爵家の三女だが、魔法の才はないんだそうだ。なんか、ごめんね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ