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騎士と線①
護衛の騎士は十二人。兵士が二十二人。私は、ずいぶん多いと思ったけど。
「姫様をお守りするには、少なすぎますよ」
乳母のユリリアは不満顏だ。プライドを前面に押し出してるけど、本当は不安なんだと思う。
騎士のブロンゾも、軽くこぼしてた。
「これで、姫様になにかあったら、また戦争って可能性もあるんですから。皆、ぴりぴりしてますよ」
勝手の違う集団の中で、やりづらいことも多いらしい。すまんね、私のせいで。でも、君らもプロだ。まあ、なんとかがんばってくれたまえ。
休憩中。おトイレ帰りに、槍を振るう騎士様をぼーっと眺める。固まった体をほぐしてるのかな?
数週間、一緒に行動していると、最初は型抜きされたフィギュアみたいに思えていた人たちも、だんだん個性が見えてくる。
この人は、騎士の中では背は中くらいで、いちばん線が細い。でも、いちばん強いんじゃないかな?
昔、あ、前世の話ね。同じ高校の先輩に、薙刀で全国大会に行っちゃう猛者がいた。普段はお人形さんみたいにかわいいのに、薙刀振るうと空気が変わる。
この人、あの先輩に動きが似てる。
気配で気付いたのか、たまたま視界に入ったのか。彼女は手を止めて、私に一礼した。
そう、彼女だ。後方、上斜め方向に伸びたウサギの耳がかわいいの。




