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自己申告

 今年は、第一王女のお披露目がある。第一と第二の王子はすでに済ませている。

 私はそのどれにも出席しなかったし、できない。なぜなら、まだ七歳になっていないから。

 これで姉と仲が良ければ、準備の段階くらい見せてもらえたかもしれない。

 彼女は、火の魔法に目覚めた。癇癪(かんしゃく)おこした拍子(ひょうし)にボヤ騒ぎ。戦争ばっかやってる国では、大いに求められる力だね。どう考えてもおめでたくないけど、面と向かったら、平気な顔でお祝いするんだろう。それが、私。

 魔法ってだけでわくわくして、嫌味な姉が相手でもかまわない。訓練の様子をこっそり見ようとしたけど、第一王女の取り巻きに追い返された。くやしいなんて思う暇もない。ムキーッ!って、なってる自分の乳母をなだめるのに半日を費やす。

 見られないなら、聞けばいい。

 どうやら今は、握り拳大の火の玉飛ばして喜んでいるみたい。ペットのワンコが追い付けるくらいの速度。いわゆる《ファイアーボール》ってやつ。

 超がんばれば、バレーボール大の火の玉を、山なりに二、三百メートル飛ばせるようになるって。ほうほう。それはすごい。何発打てるようになるかも努力次第らしいけど。

 もっとおとなしい魔法の場合、把握(はあく)するのが大変そう。

 《鑑定》の魔法は、あるにはあるらしいんだけど。王族はじめ、どんな貴族も受けたがらない。一回受けると三日寿命が縮むって言われてるんだよね。迷信だとは思うけど、やっぱり気持ちのいいものじゃない。

 だから、自己申告で済まされてる。

 まあ、才能があるのに隠すなんて、彼らの感覚からすればありえないんだろう。ありもしない能力を装ったり、あるものでも大袈裟に盛ったりするのは、反逆罪にあたるらしい。ぎゃっ!

 日頃の撒き餌がきいているのか、いないのか。話のきっかけくらいにはなるのかな。私のお世話係三人衆が、話を拾ってくる。

 乳母は乳母同士、メイドはメイド同士、護衛は護衛同士。接する機会は全くないわけじゃない。備品室や廊下、井戸(ばた)や厨房、訓練場。いやみを言われることもあれば、仲良く話すこともあるらしい。

 そこらへんは、私の前世と変わらないね。

 ちなみに、いまの私が歩き回れるのは、基本的に、赤い絨毯(じゅうたん)が敷かれているところ。一回、出来心で、大きな飾り時計の中に隠れたら、ものすっごい騒ぎになって。ええ、反省してます。

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