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第13話 アイズ・オン・ミー

「おわぁ……!」

「ダーリン……!」


 そのままソファに押し倒されてしまう。上にアマンダが乗っかって、完全に逃げ場を塞がれた状態で俺はアマンダにキスをされてしまった。前にしたような唇を合わせるだけの簡単なキスではなくて、相手を貪欲に求めていくディープキスだった。

 唇をこじ開けられる。舌を入れられる。そうしていったん離れたアマンダは恍惚とした目で俺を釘付けにした後、もう一度野性的なキスを仕掛けてきた。


「はむっ、ん、んむっ、あぁっ……」


 アマンダの勢いに完全に押されてしまい、彼女の求めるがままにキスを続ける。急なことにどうしたらいいか分からず、頭の中がアマンダでいっぱいになっていく。目の前でいやらしくキスをねだる彼女の事しか考えられなくなる。

 そうして俺は知らないうちにアマンダを抱きしめてしまっていた。ぎゅっと身体を密着させながら、お互い汗をかく程の熱にほだされて深い世界へと入っていく。一度入ったら戻れない、それでも魅力的だから入りたい場所へ。俺もアマンダも、もう止められなかった。


「ダーリン……」

「アマンダ……」


 胸元でセーラー服越しの大きなおっぱいがぽむぽむと形を変えている。熱でぼうっとしている俺は彼女のすべてが欲しくてたまらなかった。でも、ここでアマンダを無理に扱って傷つけたくない……そんな一心で、彼女の為に、最後の自制をかける。

 そうしている内、アマンダが大きなあくびをした。


「ふあぁぁぁ……」


 時計を見るともう午後九時半。ウォーカー家がいつ寝ているかは知らないけど、もうそろそろ寝る人が出てもおかしくない時間である。


「アマンダ、眠いのか?」

「いぇすだよ……」


 ゆらゆらと揺れる声でアマンダは呟いた。そのまま目がどんどん薄くなっていく。

 学校でいろんなことがあって、一緒に買い物をして、映画も見た。本当に今日も濃密な一日だった。あそこまでの事をしたのだから眠くなって当然だ。


「ダーリン、今日はいろいろありがとう……」

「お疲れ様だな、アマンダ」

「うん……」


 そしてアマンダは俺に抱き着いたまま目を閉じて眠りについてしまう。しばらく彼女を抱きながら幸せに浸っていると、部屋に堪忍したような六花さんと自慢げなエミリアさんが戻ってきた。一体六花さんは何をされたというのだ。


「アマンダ、寝た?」

「らしいです」

「うう……」

「六花にお仕置きしたよー」


 一体何をされていたのかは突っ込まないことにして、エミリアさんにこの後どうするかを尋ねてみた。俺の上で眠ってしまったアマンダも何とかしないといけないだろう。


「エミリアさん、この後どうしますか……?」

「ん、みんなお泊りだね」

「お、お泊り!?」


 俺が驚いたのもそうだったけど六花さんも泡を食ったような顔になっていた。そりゃそうだろう、さっきお仕置きをされた相手と一つ屋根の下で夜を明かさないといけないのだ。一応時計を見たが今は午後十時。女の子が一人で歩く時間ではない、という理由もわかるが。


「大和帰れない、六花も泊まる……よね?」

「あっ……はい……」

(何だか無理矢理言わされてるような気もするけど……)


 エミリアさんに弱みを握られてしまったのか、六花さんは特に反論することもなく渋々了承している。でも、そんなことよりも俺は目の前で心地よさそうに眠っているアマンダをどうにかしないといけなかった。

 むにゅむにゅと贅沢に押し付けられるおっぱい天国……アメリカ育ちのむちむちっとした身体を堪能できるのは悪くないんだけど、く、くるしくなってきた……


「え、エミリアさん、アマンダをベッドに……」

「んー、こうなるとアマンダ動かないよー」

「ええっ……」

「確かにぎゅっと抱き着かれていますね……」


 六花さんが半ば悔しそうな声でそう指摘する。言われた通り、アマンダは俺をぎっちりと抱きしめている為どう頑張っても離れてくれないのは明らかであった。流石に俺とアマンダを同時に運ぶのは非現実的だから、つまり、俺はここから動けないということに……


「ま、クッション持ってくるよ」

「頑張ります……」

「わ、私は?」

「六花は私の部屋―」


 エミリアさんは部屋の隅に置いてあったクッションをこちらへ投げてよこすと、そのまま六花さんの手を引いて半ば強引に連れ去ってしまう。本当に一体何をされるというのだ。

 二人の行方も気になったけど、やっぱり目の前で幸せそうに寝息を立てるアマンダに意識が移る。多分今の彼女は何をしても起きないだろう。


「……」

「ダーリン……むにゃ……」


 いろいろアマンダには話したいことがある。普段アマンダが示してくれている以上に俺もアマンダを愛しているのだと言うこと。言葉にできない様々な感謝があるということ。そして、この後もずっと彼女と一緒にいたいということ。

 結局なんやかんやで言うタイミングは逃してしまっているけど、それでも、いつかは言いたい。そんなことを考えていると、俺の方も疲れが溜まっていたのだろう、瞼が重くなってくる。


「……好きだぞ、アマンダ」

「んっ……」


 アマンダの額に軽くキスをして目を閉じる。嬉しそうに彼女が呻いた気がした。





「起きるです、起きるですダーリン!」

「あ……もう少しだけ……」


 火曜日の朝。今日の俺はアマンダの声で目を覚ました。

 セーラー服の上から白のエプロンを身に着けているアマンダは俺を何度も揺さぶっている。少し痛む腰をさすりながら身体を起こすと、テーブルの上に温め直されたピザが載っていた。時計を見るとまだ午前六時。学校に行くまでゆっくり出来る。


「一緒にサンドイッチ作るですよー」

「サンドイッチ……ああ、お弁当の」

「ダーリンの分も作ります!」


 そう意気込む彼女の胸がゆさっと揺れる。セーラー服とエプロン越しのくせしてやっぱりでかい。う、アマンダに見つかってしまった。


「ダーリン……エッチなのはダメ、ですよ?」

「ご、ごめんなさい」

「やっぱりダーリンはおっぱい好きなんですか?」


 自分の胸を持ち上げながらアマンダが尋ねてくる。もりっとまんまるに膨れたその部分に俺は釘づけにされてしまった。ああ、男の理性とはかくも脆い物なのだろうか。


「ダーリン……?」

「Good morning, Amanda」


 返答に困っている所にエミリアさんがやってくる。助かったと思っている矢先、エミリアさんの格好を見た俺は言葉を失った。


「え、エミリアさん!?」

「Oh, Yamato is here! Haha」


 先程までシャワーを浴びていたのだろうか、大きめのバスタオルを身体に巻き付けたままのエミリアさんが部屋に入ってくる。タオルは彼女の身体にピタリと張り付いていて、こちらからでもアマンダ以上に大きなおっぱいとむちむちボディが見えてしまう……!


「だ、ダーリン!」

「ああっ!? ご、ごめんよアマンダ……」

「大和、やっぱりすけべぇだね」

「お、おっぱい星人です! ダーリンはおっぱい星から来たおっぱい星人です!」

「どこでそんな言葉覚えたんだよ……!?」


 なんとかエミリアさんに自制するよう促すアマンダ、それを冗談半分で聞きつつ俺にしっかりと自身の肢体を見せつけてくるエミリアさん。エミリアさんに負けじとアマンダもおっぱいを揺らして強調させてきたからどこに視線を向ければいいか分からない状態になってしまった。

 そしてそれだけ騒いでいたせいか、また一人起きてくる。急遽泊まることになってしまった六花さんだ。セーラー服を整え、黒髪長髪をしっかりと伸ばして部屋に入ってきた六花さんはアマンダとエミリアさんのおっぱいバトルを目の当たりにして顔を真っ赤にしてしまう。


「あ、アマンダさん、それにエミリアさん、一体何が……!?」

「ダーリンは私のおっぱいが好きです!」

「フーン、大和、大きな方が好き、違う?」

「や、大和さんがこの事件の原因……!」

「ち、違うんだ六花さん! これはその……」


 ぽっかりと開けた口からひょろひょろと何かが抜けていった六花さんはそのまま棒立ちで動かなくなってしまう。結局俺にはどうしようもないまま二人はにらみ合いを始めてしまう。


「お、俺は二人のおっぱい、どちらも大好きだよ!」

 何とか状況をまとめようとして言ったその一言がいけなかった。


 アマンダは俺の言葉で顔をポンと赤くして俯き、エミリアさんはしてやったりと言う表情で俺に妖しげな笑みを向けてくる。六花さんも目をぱちくりとさせて俺の方を見ていた。


「だ、ダーリン、やっぱりエッチ……」

「Pervert…」

「や、大和さん、そんな人だったんですか……」

「あああーっ! 違う、違うよ! 今のは言葉選びを間違えたというかなんというか!」


 慌てて弁明するも三人は何か大きな勘違いをしたままなかなか俺の話を聞いてくれなかった。共通の相手を見つけたことで三人は落ち着いたようだったが、この後俺が保身の為に十分ほど彼女たちの説得に回ることとなった。


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