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月下のRIVINCITA  作者: 祥朋
第1章始まりの戦争
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#13 滲む明星の月


 「独房前(こんなところ)に居たのか」

 「命令違反に、機体とパイロットに少なくない被害 今回はこのくらいじゃ足りんだろうけど、連行されるよりはマシだ」

 「こっちもお前を連行するのは嫌だからな 数日そこで頭冷やしてな」


 格納庫では、慌ただしく修復作業が進められていた。

 翔のリエズは見た目ほど損傷はなく、肩のパーツと装甲の交換でなんとかなるものだった。

 それに対し、凛菜のスカイスターは腰から胴にかけて深刻なダメージを受けており、修復には時間のかかるものだった。

 パイロットはというと、凛菜は気をうしなっているが幸いにも無傷だった。

 しかし、翔は肋骨のほとんど、そして両腕が骨折する重症で、全身固定され医務室の細胞活性化カプセルに入れられていた。


 「あの…… これ、いつまで入ってればいいんですか?」

 「あと……4日だな」

 「4日も!? もっと速く治らないんですか!」

 「バカいえ! 大昔に比べたら何十倍も速くなっとるわ!」

 「す……すいません……」


 目だけで周りを見渡すと隣のカプセルに凛菜を見つけた。


 「いつの間に隣に……」

 「お前さんが寝てるときに移動させたんだよ 最初は二つ離れたカプセルに入っていたんだがどうも脈拍が不安定だったもので、試しに隣のカプセルに移してみたんだよ すると、あら不思議 正常な脈拍に戻ったと 妬けるねぇ」

 「ところで凛の容態は?」

 「お前よりは大したことはないし、目が覚めれば普通に動ける 今日中には目を覚ますだろ」

 

 

 日付は越えており、深夜2時頃。

 基地に第二種戦闘配置が発令された。

 今回の戦闘で第3、第8中隊の戦力増強がかなり前倒しになり、明朝4時頃R.R.(アールツー)を乗せたポッドが降下、合流することになった。

 この基地に配備されている半数の30機が発艦し、陸空の警戒を行い、イージーバステルタは周辺地域の偵察を行っている。

 そして、現在4機のバステルタが急ピッチで哨戒用装備に換装作業が行われており、艦内含め周辺が慌ただしくなっている。

 そのなかでもアイリスのブリッジは特に慌ただしい。

 

 『ニールワンよりアイリスへ 定時報告 西南西、サンタローザ島上空 敵機らしき反応は見えず』

 『エドウィンワンよりアイリスへ 定時報告 南、サンクレメンテ島沖 各センサーに反応無し』

 「了解 両隊とも引き続き周辺の哨戒を行ってください」

 『ニールワン 了解』

 『エドウィンワン 了解した』


 息のつく間もなく本国からポッドの正確な落下ポイントが記された暗号文が届く。

 そのポイントとは、モハーヴェ宇宙基地から北西に12kmの地点。

 その地点を中心にイージーバステルタを再展開させ、西と南に換装が完了したバステルタを2機配置させた。


 「全機、配置完了しました」

 「後は敵が来ないのを祈るだけか……」


 気づけば午前3時を過ぎていた。

 この一時間、奇妙なほど敵の反応は一切無かった。

 

 「そろそろ帰投命令と残りの全部隊に出撃準備をさせてくれ」

 「交代の部隊だけではなくてですか?」

 「そうだ 恐らく直に敵が来る どこからはわからんがな」

 「わかりました」

 「それとフェヒターの状態は」

 「メンテナンスは完了しており、パイロットが居ればいつでも出せます」


 「嘉山ヴィルジリオとリエズ・フェヒターの拘束を一時解除 直ちに出撃準備をさせよ!」


 『どういう風の吹き回しだ?』

 「戦力が足りないだけだ 戦闘が終わったらまた戻すから逃げるなよ」

 『わかったよ』


 交代の部隊が発艦し、帰投した部隊は直ぐに冷却作業に入った。

 

 時刻3時30分を過ぎた。

 ポッドの反応は未だ無く、敵の反応も無かった。


 3時45分、ついにポッドが大気圏突入を開始した。


 「第一種戦闘配置発令、全部隊発艦始め!」

 「了解 第一種戦闘配置発令 繰り返す、第一種戦闘配置発令 戦闘部隊は順次出撃を開始 その後、哨戒部隊は帰投してください」


 発艦の開始直後、ポッドが一番無防備な時を狙ったのか、敵機が現れた。

 敵機の速度は通常の5倍以上速く、1分程でポッドに到達する速度だった。


 「数は?!」

 「30……40……50、増加中!」

 「一部はミサイルだ! 左舷ミサイル発射管 対空ミサイル 近接信管にセット 1番から30番まで装填!発射!」


 ミサイルは全弾命中。R.R.(アールツー)による攻撃を開始し、全機撃墜した。

 しかし、敵機の数は15機。基地を襲うのにはあまりにも少なすぎる。

 アハトワは第一種戦闘配置を解除せず、ポッドの受け入れ体制に入った。

 その時。


 「対空センサーに反応、成層圏付近から大型物体接近 数は4!」

 「識別は?」

 「国連軍大型輸送用ロケットです!」

 「こっちが本隊だ! イージーバステルタを落下ポイントに全機展開、盾になれ! 残りのR.R.(アールツー)部隊は敵とポッドの直線上に展開 防衛ラインを敷く!」


 防衛ライン展開後、全機射撃体勢をとり、照準をロケットに合わせる。

 射程圏内に入るまで残り2秒。

 その瞬間。一機のロケットに異変が起きた……。

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