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月下のRIVINCITA  作者: 祥朋
第1章始まりの戦争
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#9 地上に落ちる月影


 鈍い金属音が鳴り響く。

 金属の壁で囲われた格納庫の中にR.R.がケーブルやフレームを剥き出しの状態で寝かされていた。

 そんな中に、少女?がやって来た。

 

 「姐さーん!どこですかー?」

 「こっちこっち 今日は装備の確認だ」

 「おー!大分できてきましたね!」

 

 寝かされているR.R.

 機体名 B-N015-S バステルタ・スナイパータイプ[コントレイル]

 機体に対し大きいシールドが特徴。攻防一体のR.R.だ。

 

 「17式超長距離エネルギースナイパーライフル、超振動フィールド発生器付きのシールドの二つ、性能的には問題ないがこれでいいか?」

 「もちろん!揃えてくれてありがと!」

 「待たせてごめんな あと1週間あれば完成できるから」

 「この子のことよろしくお願いします!」

 

 そう言って彼女は格納庫を去り地球の見える展望デッキに行った。

 

 「楽しみだなぁ みんな元気かな?」

 

 

 朝、いつものように食堂に向かい、いつもの面子と会う。

 最近はそんな平和な毎日が過ぎていた。しかし、毎日国連軍との戦闘の話が入ってきた。ほとんどの戦闘は月面国家軍の優勢、又は圧勝だった。

 ちゃんと理由もある。国連軍は月面国家軍を数の差でしか判断しなかった。いや、判断出来なかったという方が正しい。しかし、そう簡単に埋まる差ではなかったのだ。その油断を持ちながら最初の戦闘が始まった。

 数の差はざっと10:1で国連軍の優勢だった。しかし、機体の性能差でその比が逆転した。

 その戦闘で国連軍は大敗を喫したが、月面国家軍の被害は0ではないが問題の無い程度だった。

 後にこの戦闘が月のラッセル地区直上で起こったため、[ラッセルの悪夢]や[ラッセル戦闘]と呼ばれた。

 

 この戦闘の翌週、月面国家軍による地球降下作戦が開始された。これには月面国家軍第一大隊が編成された。

 目的は和平交渉だった。

 和平交渉を行う為にそんな大部隊が不必要かと思うかもしれないが、数年前、地球との連絡が途絶した際に使節団を派遣した。が、使節団の乗ったシャトルが国連宇宙軍によって撃墜されたのだ。

 つまり、何が起こるのかわからないのだ。

 

 第一大隊は無事降下に成功したが、和平交渉は決裂、変わりに宣戦布告された。

 

 この戦争の不可解な点の一つ。《なぜ、和平交渉を受け入れなかったのか。》

 

 宣戦布告された当日、月面に対する通常ミサイル攻撃が開始された。

 翌日には『月が国連軍本部を襲撃』という、真っ赤な嘘のニュースが報じられた。

 世界から戦争を無くす事が目的の国連が、まるで戦争を起こしたいと思っているように思えた。

 同日、月面国家軍は第二次地球降下作戦(通称カグヤ作戦)を開始。僅か数日で北米大陸を制圧、アメリカのミサイルの無力化に成功した。

 その頃、ロシアは中立を宣言し、世界から猛反発を食らった。

 そして現在に至る。

 

 本当に不可解なことが多い戦争だ。

 

 「ねえ、翔ちゃん 翔ちゃんってば!」

 「ど、どうした?」

 「さっきからずっとどうしたの?今日なんか変だよ」

 「実は……」

 

 翔は凛菜とヴィルにこの戦争に対する疑念を打ち明けた。凛菜はさっぱり理解していないような顔をしていたが、ヴィルは厳しい表情をしていた。

 

 「翔 お前がこの戦争について考えてることを全部言ってみろ」

 「うん まず……なぜ連絡が途絶し物資が来なくなったのか。それで、その前後に何があったか考えてみたんだ。一つ目は月に落ちた隕石。これは、謎のR.R.が不時着したという噂が絶えない。二つ目は観光客の激減。遊覧航行はあの頃地球からのリピーターが多く繁華街は観光客で賑わっていた。けど、急に地球から月に人が来なくなった。さらに連絡が途絶したのも、隕石も同じ時期。あと……」

 「それだけわかってたら十分だ」

 

 急にヴィルが話を止めさせた。

 

 「これ以上は不味いからな……」

 「何か知ってるんだね」

 「まあな、これでも長いこと軍人やってんだ 大抵のことは知ってるよ」

 「それもそうか」

 

 「(なんか朝からすごい疲れたな)」


 朝食を終えたところで端末に通知が入る。

 内容は『今日、改造を終えた機体の稼働試験を行う。第一ハンガーブロックのパイロットは午前10時にハンガーブロックに集合せよ。』とのことだ。

 今は9時30分、早いかとも思ったがハンガーに向かうことにした。自分の機体のどこが改造されたか気になっていた。

 

 整備兵は何人か復活し、なにかやっていた。

 復活したなかには翔のリエズの担当であるミハエルもいた。

 

 「おはようございます あの、なにやってるんですか?」

 「お、翔か 念のためのチェックだよ 特に最後の方に改造した機体のね まあそれももうすぐ終わるけどね なんか用あった?」

 「自分のリエズ どこ改造されたのかなと気になって」

 

 ミハエルの目の色が変わり、翔は「やっべ」と思い内心後悔していた。

 

 「まず新しく積んだのはあの緊急冷却装置!特にあんたには必要だろ?そして主武装のブレードマシンガンの改良型を装備!あとは、他の機体同様、コックピットの耐熱板や改良型の放熱フィンだ 以上!」

 「あれ、思ったよりも少ないんですね(少なくて助かった……)」

 「少ない変わりに一度バラさないとできないものばっかりだからな これでも、なかなかの大改造だったよ」

 「ありがとうございます」

 「礼はいいよ その代わり生きて帰ってこいよ」

 「はい」

 

 気づけば集合時刻の5分前で、パイロットが集まってきた。前にはアハトワが立っていた。

 

 「集まったな 各員、搭乗後機体を最低出力で起動 地上に降りて試験プログラムを実行せよ」

 

 起動させ地上に降りた翔たちだが、試験プログラムを見て全員が驚愕した。


 その内容は……鬼ごっこだ……

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